ツール・ド・ランカウイでトマ・ルバは個人総合6位を堅守

マレーシアで行われているステージレース、ツール・ド・ランカウイは3月23日に第6ステージが実施された。5選手が出走しているキナンサイクリングは、全員メイン集団でフィニッシュ。トマ・ルバの個人総合6位、チーム総合3位はともにキープしている。

ツール・ド・ランカウイ第6ステージ ©︎ KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

超級山岳キャメロンハイランドの頂上にフィニッシュした前日の第5ステージ。今大会のクイーンステージで、キナンはルバが上位争いを展開。ステージ5位となり、個人総合成績でも6位とした。トップとの差は1分8秒。さらにマルコス・ガルシアもステージ11位で終え、総合では1分29秒差の12位につけている。この2人にサルバドール・グアルディオラが続き、各ステージのチーム内上位3選手のフィニッシュタイム合算で競うチーム総合でも3位に上げた。

最難関だった前日とは対照的に、第6ステージは今大会最短の108.5km。スタートして20kmにスプリントポイント、67.3km地点には4級山岳ポイントが設定される。そのほかはおおむねフラットはレイアウト。イスラム教徒の多いマレーシアでは、他のイスラム諸国と同様に金曜日が休日にあたるため、レースもこれまでの午前11時スタートから午後3時スタートへとシフト。イレギュラーな中でレースを迎えることになった。

集団はスタート直後から激しいアタック合戦。逃げを狙っての動きにキナン勢も果敢に加わる。次、また次とアタックを試みるキナン勢は、たびたびメイン集団に対して数秒のリードを奪う場面を作る。山本元喜やグアルディオラ、ガルシアらの動きで逃げが決まるかに見えたが、なかなか容認を得ることができない。そのままこの日唯一のスプリントポイントを通過。さらに10km以上出入りを繰り返した末、1選手の飛び出しをもってスプリンターチームが集団のコントロールを開始。道幅が狭くなったところで、前方をブロックする形として逃げ狙いの動きを押さえた。

以降、キナン勢はメイン集団でレースを進めた。5選手が隊列を組み、集団前方に位置しながら走る。レーススタート時は強い日差しが注いだが、中間地点を過ぎたあたりからスコールに見舞われるなど、気象条件が目まぐるしく変わる中、着々と距離を踏んでいく。メイン集団はスプリンターを配するチームを中心に逃げとのタイム差を調整していき、残り20kmを切ったあたりで吸収。スプリントに向け集団内での位置取りが慌ただしくなる中、キナン勢は危険を回避しながらポジショニング。そのまま最終局面を迎えた。

キナン勢は5人ともトップと同タイムでのフィニッシュ。ルバのケアをしながらフィニッシュラインを通過した中西の26位がこのステージでの最上位。直後にルバが続いた。このステージでは総合成績に大きな変動は起きず。ルバの個人総合6位、ガルシアの同12位は変わらず。チーム総合でも3位を保っている。

大会は残り2日。24日に行われる第7ステージは、ニライ(Nilai)からムアル(Muar)までの222.4km。今大会の最長ステージが待ち受ける。序盤からアップダウンの連続で、中盤までに7カ所の4級山岳を通過する。終盤は平坦となるが、それまでにレースに大きな動きが見られても不思議ではないコースレイアウト。キナンとしてはあらゆるレース展開に対応できる態勢を整えるとともに、攻めの姿勢も失わずにトライを続けていくことが必要となる。

ツール・ド・ランカウイ第6ステージ結果(108.5km)
1 ルカ・パチオーニ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 2時間24分55秒
2 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) +0秒
3 モハドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
5 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
6 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
26 中西健児(KINAN Cycling Team)
28 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
44 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
50 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
108 山本元喜(KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 23時間46分29秒
2 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +32秒
3 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ) +59秒
4 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) +1分0秒
5 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) +1分5秒
6 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分8秒
12 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分29秒
27 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
113 山本元喜(KINAN Cycling Team) +44分45秒
115 中西健児(KINAN Cycling Team) +45分50秒

ベストアジアンライダー
1 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) 23時間47分34秒
49 山本元喜(KINAN Cycling Team) +43分40秒
51 中西健児(KINAN Cycling Team) +44分45秒

スプリント賞
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 55pts
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 11pts

山岳賞
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 40pts
10 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts
21 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 2pts

チーム総合
1 トレンガヌサイクリングチーム 71時間22分26秒
3 KINAN Cycling Team +2分11秒

サルバドール・グアルディオラ

サルバドール・グアルディオラのコメント
逃げを狙って動いたが、レース距離が短かったことと、上りが少なかったことからタイム差を広げることは難しかった。個人総合で上位を狙うことは難しいので、ステージ優勝にフォーカスしている。チャンスは残り2ステージ。どちらもアップダウンのあるコースだし、自分にも可能性はあると思う。1ステージ終えるごとに調子が上がってきているから、よい走りを続けられるだろう。

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