2018年のツール・ド・フランスは大会中盤の7月19日、第12ステージでラルプデュエズにゴールする。ツール・ド・フランス最高の舞台と言われるラルプデュエズが前半のハイライトとなることは必至だが、このステージはその前にキーポイントとなるべき勝負どころが待ち構えている。それが2015年に初登場し、2018年で2回目となるつづら折りの新名所、ラセドモンベルニエだ。
第12ステージは過酷だ。前半にアルプス山中の牧歌的で美しい景観を持つマドレーヌ峠を越え、後半に「鉄の十字架」という意味のラ・クロワドフェール峠を上る。そして最後は21のコーナーをカウントダウンして上るラルプデュエズとなる。すべてカテゴリー超級だ。しかし83km地点にあるカテゴリー2級のラセドモンベルニエをあなどってはいけない。
ラセドモンベルニエ(Lacets de Montvernier)の「lacet」は英語で言えば「lace」、つまりシューレースのことで、クツヒモのようにジグザグな道というニュアンスだ。中世の貴婦人が愛用していたコルセットを締め上げるヒモのことも「lacet」と言う。県道77号線。センターラインが存在しない狭くて急しゅんな林道だ。スイッチバックのコーナーは18。頂上の標高は782mと高くはないが、距離3.4kmの上り坂は8〜9%の激坂が続く。よくこんなところに道を作ったなあと感心するばかりだが、ツール・ド・フランスでコースに採用されたのはさらなる驚きだ。
自動操縦メカ「ドローン」で空撮された動画を見たが、幅員の狭さが特徴。ここでの観戦は不可になったのは当然だ。というのも道路に余地が全くなく、崖下に落下する危険性がとても高かったからだ。報道陣も徒歩で上るしかなかったようだ。
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