究極の三次元モータースポーツRed Bull Air Race World Championship(レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ)2018年シーズンの第4戦が6月24日にハンガリーのブダペストで決勝を行い、前日の予選でコースレコードを記録して1位になったチェコのマーティン・ションカが本戦でも力を発揮して優勝した。室屋義秀(ファルケン)は予選で0.032秒という僅差で2位になったが、本戦は11位だった。
ドナウ川の両岸に13万5000人の観衆を集めた第4戦。飛行機で約1時間のチェコで生まれ育ったションカにとっては地元とも言える大会で、見事な実力を発揮して今シーズン初勝利を飾った。2017年は2勝して総合2位となりながら、今季開幕から2戦は機材面の失格で成績を残せなかった。今大会はフリープラクティス1からファイナル4までの7回のフライトで、ペナルティはおろか全て58秒台以下で飛行。予選はトップタイムという手がつけられない速さを見せた。
「レース期間中、観客から多くのエナジーをもらった。表彰台の頂点からの眺めはとても美しく、いつも楽しい。チームの技術陣がハードワークをして機材を仕上げてくれ、気持ちよく飛ぶことができた。チェコからも多くのファンが駆けつけてくれて、彼らに特別なプレゼントを提供することができたことがうれしい」とションカ。シーズン総合成績はオーストラリアのマット・ホールが45点で首位を堅持したが、ションカは34点で総合3位に浮上。
「総合成績で上位陣に食らいつけているので、シーズン中盤で勝てたことは非常に重要。我々には技術的な問題が山積みで、この瞬
間のために全員ハードワークに徹した」
またフランスのミカ・ブラジョーが2位となり、自身のキャリア初の表彰台を獲得した。これによりランキングも総合4位に浮上した。
2017年の総合優勝者である室屋は第3戦の千葉大会と同様に、本戦の1回戦で「オーバーG」の失格。14人中の11位に終わり、総合成績は19点の5位と苦戦を続ける。
前回千葉大会では予選3位通過ながら、決勝1回戦のラウンド・オブ14で今季2戦目優勝の強敵マット・ホール(オーストラリア)と対戦し、リスクを負ったフライトでGが最もかかる垂直上昇から反転して下降するバーティカルターンマニューバー(VTM)で規定の12Gを超えてオーバーGで失格。今大会も予選2位と好成績で通過したが、ラウンド・オブ14では今シーズン開幕戦で優勝し、驚異的な速さを見せているマイケル・グーリアン(米国)と2戦続けて強敵とのマッチアップ。先にフライトしたグーリアンが57秒504の好タイムを出すと、それを超えるべくフライトしたが、千葉大会同様にバーティカルターンマニューバーでオーバーGとなる。
レース後に室屋は「練習から予選までいいフライトが続いていましたが、最初の(バーティカルターンマニューバーで操縦桿を引き上げる)プルアップの時に、ガスト(突風)を感じて、12Gを超えないようにリアクションをしたのですけど、ちょっと間に合いませんでした」とコメント。
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