イタリア半島を横断する7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月17日に第5ステージが行われ、アスタナのヤコブ・フルサング(デンマーク)が初優勝。同チームは前日のアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)に続いて2連勝。デンマーク選手の区間勝利は21年ぶり10回目。
「鳥のさえずり」という意味の姓を持つフルサングが、残り24kmからアタックし、ゴールまで独走で逃げ切った。
「昨日、ミケーレ・スカルポーニのために勝ちたいと断言した。彼は10年前のティレーノ〜アドリアティコで勝っていたんだ。彼の得意なレースで、ボクたちは今日ずっとそのことを考えながらレースをしていた」
元チームメートで、練習中の交通事故で他界したスカルポーニのために走り続けたとフルサング。
「いまでも悲しい。彼はとてもいい人間だった。この勝利は彼のためのものだ。ゴールまで遠い地点からアタックして、独走を決められたのはそんなモチベーションがあったためだ。最終日のタイムトライアルでトム・デュムランに抵抗するのは難しいが、好調は維持しているので表彰台に上るために走りたい」
総合成績では首位アダム・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)は残り12kmでフルサングを追ってアタック。40秒遅れの単独2位でゴールした。前日まで7秒差で2位につけていたユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)に16秒差をつけ、獲得したボーナスタイムを含めて総合成績で25秒差と広げた。
「フルサングを追うためにログリッチェと協力しながら走ったが、彼はとても疲れていて思うようなスピードではなかった。前日にルツェンコを逃がしてしまったのと同じ展開だった。彼を待つことはボク自身のエネルギーを失うことになる。そう判断して1人で前を追うことにした」とイェーツ。
「もうステージ優勝のことは考えていない。最終日にタイムトライアルがあって、その種目に強いログリッチェには45秒ほどの差がほしかった。ボクが総合成績で逃げ切るにはとても厳しい状況だが、なんとかやって見せたい」
大会は19日に最終日を迎える。
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