ジロ・デ・イタリア第3ステージが5月13日に距離220kmで開催され、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの初山翔がスタート直後にアタック。144kmにわたって単独で先行した。
5月11日にイタリア中部のボローニャで幕開けした第102回ジロ・デ・イタリア(2.UCIワールドツアー)はトスカーナ地方を南下し、13日の第3ステージはルネッサンスの巨匠レオナルド・ダヴィンチの生まれ故郷であるビンチから、ティレニア海沿いのオルベテッロまでの220kmのロングステージだった。
NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネは前日に引き続き、まずは逃げに選手を送りこむべく、この日は「逃げると決めていた」という初山がファーストアタックを仕掛けた。すぐに集団からリードを奪ったものの、追走を仕掛ける選手は現れず、スタート後2km地点から初山の長いソロエスケープが始まった。
いくつかの起伏や強い横風や追い風が吹くシーンがあったが、集団は落ち着いて走行。初山は最大で7分強のタイム差を稼いだが、中盤に差しかかると強い風に影響により、集団はややナーバスになりながらペースアップ。沿道の大声援を受けて力強く走っていた初山だったが、迫り来る集団の勢いにはかなわず、今大会最初の逃げは144kmで幕を閉じた。
その後も集団はハイペースを刻み、強い風もあって70名ほどに人数を減らし、やや小さくなった集団でのゴールスプリントの展開となり、NIPPO勢は新人スプリンターのジョバンニ・ロナルディが世界屈指のスプリンターに食らいつき、区間13位でレースを終えた。初山は最終的に3分14秒遅れの区間169位。総合成績では18分55秒遅れの171位に。
誰も来ず、これはもう一人で行くしかない
初山翔のコメント
監督のマリオからは「逃げに乗れ」と言われていた。昨日も同じオーダーが自分とチーマに出ており、昨日はチーマが乗ったので、今日はお前が行け!という感じだった。風もあったので集団にいてもラクではないと思っていたので、スタート直後からアタックを仕掛けた。誰も付いてこなかったので、タイム差が1分ほど開いたところで少し後ろを待ったが、誰も来ず、これはもう一人で行くしかないと思った。この状況で逃げ切りの可能性はないと思っていたが、できるかぎり逃げたい、ゴールから近い位置で捕まりたいと考えながら走り続けた。無茶に踏んでいっても、捕まることはわかっていたし、今日のゴールまでの展開や、まだ3週間レースが続くということも考慮して無理をしない程度に温存しながら走った。
今日、逃げに乗れたことは良かったと思う。携帯がなりやまないくらいの大きな反響をいただいていて嬉しい。明日からもエネルギーを温存できるところはとことん温存しながら、逃げなのか、何かできることをしたい。今日1日で3週間分の仕事をしたとは思っていないので、また明日からも引き続き頑張りたいと思う。
ビビアーニ降格でガビリアが不服のV
大集団のゴール勝負となったこの日はドゥークニンク・クイックステップのエリア・ビビアーニ(イタリア)が1着でゴールしたが、危険走行により降格。2着のフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEエミレーツ)が区間勝者となり、2年ぶり5勝目を挙げた。
ガビリアは2017年にいきなり4勝を挙げ、コロンビア勢の区間最多記録としてルッチョ・エレラとナイロ・キンタナが持っていた3勝を塗り替えた。 コロンビア勢としては大会通算28勝目。
「最初にゴールした選手が勝利となるはずだ。このようにカーブを描いているゴールでまっすぐに走ることは無理。今日の勝利はビビアーニで、それにふさわしい走りだった」と、ゴール後に敗北を認め、ビビアーニに手を差し出していたガビリア。審判団の判定に不服の意を示し、区間勝者とポイント賞の表彰時に笑顔を見せなかった。
総合成績ではユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)が首位を守った。
●4賞ジャージ
■マリアローザ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
■マリアチクラミーノ(ポイント賞)フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEエミレーツ)
■マリアアッズーラ(山岳賞) ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞) ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
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