ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)が終盤で独走を決め、2018年の2勝に続く大会通算3勝目を挙げた。前日まで31秒遅れの総合11位につけていた同選手は、後続とのタイム差に加え、ボーナスタイムを量産して初めて首位に立った。初日から2日間マイヨジョーヌを守っていたユンボ・ビスマのマイク・テウニッセン(オランダ)は終盤に大きく遅れた。
フランス期待のアラフィリップがいきなりマイヨジョーヌ
ベルギーで開幕した大会は3日目、10km地点でベルギーに別れを告げ、フランスに入国。終盤はシャンパーニュ地方の4つの丘陵地が待ち構えるコースで、それがこの日のキーポイントとなった。残り49km地点の最初の山岳ポイントでアタックしたのはロット・スーダルのティム・ウェレンス(ベルギー)だった。同選手は4つの山岳ポイントをすべてトップ通過。しかしその目的は山岳賞ジャージの獲得で、最後の峠を通過するとお役御免とばかりにペースを緩めた。
この4つ目の峠で後続のメイン集団から抜け出したのが、2018年の山岳王アラフィリップだった。単独で抜け出すと、テクニカルなダウンヒルをこなし、最後はシャンパン醸造所が建ち並ぶシャンパーニュ通りを激走してゴールまで逃げ切った。アラフィリップはゴールで後続の2位集団に26秒差をつけたことに加え、ボーナスポイントが設定された最後の峠を2位通過して5秒、区間1位の10秒がボーナスタイムとして引かれ、一気に首位に立った。
アラフィリップは過酷なコースで抜け出し、ゴールまで逃げ切るタイプの27歳。プロデビュー当時は2位が多く、優勝にいつもあと一歩の存在だったが、徐々に勝負勘を覚え、絶妙のタイミングでアタックして主導権を握る。強力なチームメートもそのポイントまでアラフィリップを援護していることも好成績を支えている。
ツール・ド・フランスではステージ優勝と山岳賞ねらいとなるが、中規模のレースでは総合優勝できる実力を備えている。
「このステージがボクに向いていることは把握していて、調子がよかったので思いきってアタックした。単独になるとは思っていなかったが、区間優勝ばかりかマイヨジョーヌを獲得できて言葉がないよ」とアラフィリップ。存在感のある選手が早くも主役の座につけた。
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
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