7月12日 第7ステージ ベルフォール〜シャロンシュルソーヌ

ユンボ・ビスマのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)がゴール勝負を制し、3年連続、大会通算4勝目を挙げた。ゴール前の混戦で落車した第1ステージの雪辱を果たした。前日に首位に立ったトレック・セガフレードのジュリオ・チッコーネ(イタリア)はタイム差なしの同一集団でゴールし、マイヨジョーヌを守った。

フルーネウェーヘン(右)がツール・ド・フランス第7ステージを制した ©ASO Pauline BALLET

フルーネウェーヘンが初日落車の雪辱を果たす

自転車競技は走行速度が高いので空気抵抗が極めて大きい。マラソンのような独走は至難の業で、抵抗が最も大きい先頭を他選手と交替で務めながらひたすらゴールを目指す。それが他チームの選手であっても、「ゴールまで逃げ切りたい」という目的が一致したら協力して走り続ける。

©ASO Thomas MAHEUX

この日はワンティ・ゴベールのヨアン・オフレド(フランス)とコフィディスのステファヌ・ロセット(フランス)がスタート直後に抜け出して、協力態勢をとった。

2選手には共通点がある。格下チームとしての出場だ。ツール・ド・フランスは第1カテゴリーの18チームに自動的出場権が与えられ、残る4チームは第2カテゴリーから主催者推薦として選ばれる。こうして出場を果たしたのだがら、チームスポンサーのためにもテレビ中継を独占し、その名を世界中にアピールしたい。そんな思いから距離230kmという長距離ステージで逃げを敢行した。

共通点はもうひとつ。今シーズンに大怪我を負ったということ。オフレドは春先のレースで激しいクラッシュをして、1カ月以上の活動停止を余儀なくされた。5月に競技を再開したばかりだ。ロセットは3月のトレーニングで猫を避けようとして股関節を骨折。運よく復帰にこぎ着けた。

2019ツール・ド・フランス第7ステージ ©ASO Alex BROADWAY
2019ツール・ド・フランス第7ステージ ©ASO Thomas MAHEUX

2人はチームの枠を超えて一致団結。もう1人のペースが落ちると、サドルを押すなどして必死で逃げ続けた。しかし後続集団は数にものをいわせて、残り距離を計算しながら徐々にその差を詰めていく。残り13kmで2人は吸収され、217kmの旅は終えん。それでも格下チームの名を世界中にアピールしたのは確かだ。

大会は最初の7日間が終わり、これからは総合成績の上位を目指す実力者が動き始める。マイヨジョーヌを目指すような総合力のある選手はひとにぎり。それ以外はたった1日の勝利を目指してアタックのチャンスをうかがっていくはずだ。

ディラン・フルーネウェーヘンがツール・ド・フランス第7ステージを制した ©ASO Pauline BALLET
チッコーネがマイヨジョーヌを守った ©ASO Alex BROADWAY

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)

2019ツール・ド・フランス第7ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
ベルフォールの街 ©M. Coquard and E. Detrez Bestjobers – Bourgogne Franche Comte Tourisme
ベルフォールのライオン像 ©L. Cheviet – Bourgogne Franche Comte Tourisme
ベルフォールの街 ©M. Coquard and E. Detrez Bestjobers – Bourgogne Franche Comte Tourisme
シャロンシュルソーヌのサンヴァンサン広場 ©Le Boat
シャロンシュルソーヌのサンヴァンサン広場 ©J. Marché – OT Grand Chalon
シャロンシュルソーヌの街 ©Alain Doire – Bourgogne Franche Comte Tourisme

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