ロット・スーダルのトマス・デヘント(ベルギー)が3年ぶり2度目の区間優勝。総合成績では6秒遅れの総合2位、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)がゴール手前で抜け出し、首位ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)に20秒差をつけてゴール。アラフィリップが3日ぶりにマイヨジョーヌを奪回した。
逃げ屋デヘントがその本領を発揮して2勝目
デヘントは同じチームで同じベルギー選手、現在山岳賞ジャージーを着用するティム・ウェレンスととても仲がいい。2018年のシーズン最終戦としてイタリアで行われたイル・ロンバルディアが終わると、2人でベルギーの自宅までの約1000kmを1週間かけてロードバイクで帰ったくらいだ。2人のサイクリング旅行は連日ツイッターで報告され、プロ選手でも一般愛好家のように自転車を楽しむことがあるのかと大きな反響を呼んだ。
デヘントはグランツール(三大ステージレース)ですべて勝利している実力者。解説者からは「逃げ屋」と呼ばれ、連日のように果敢なアタックを見せてファンを喜ばせてくれる。
この日デヘントは数選手とアタックすると、徐々に他選手をふるい落としていき、残り14kmからは単独になってゴールを目指した。そして3年前、スタート直後から逃げて優勝したときと同じような勝ちパターンで、2度目の勝利をものにしたのだ。
しかもデヘントはこの日、7つの山岳ポイントをすべてトップ通過した。山岳賞の総合成績でも1位ウェレンスの43点に肉薄する2位37点に浮上した。友だち同士で1位と2位。これから本格化する山岳ステージで調子のいいほうが山岳ポイントを取りに行き、ライバル選手の得点を伸ばさないためにもう1人も積極的に得点を刈り取っていく。チームから区間勝者や山岳王が誕生すればそれでいいというおおらかな考え方だ。
「ステージ優勝はチームの目標だった。前日はスプリンターのカレブ・ユアンがあと一歩だったので今日はボクが頑張った。残り70kmからは全開の走りで、いくつかのコーナーはクラッシュ寸前だった」とデヘント。長距離の逃げを最も得意とするだけに、今後も親友のウェレンスと協調しながら積極的な走りを見せつけるに違いない。
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
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