最後の山岳ステージは大雨による土砂崩れの危険性が高い前半部分の山岳を回避。距離59.5kmに短縮されて行われ、前日に初めて首位に立ったイネオスのエガン・ベルナル(コロンビア)が17秒遅れの区間4位でゴールし、コロンビア選手として初の総合優勝を確実にした。前日まで首位だったドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)は大きく遅れ、総合5位に後退。第20ステージの優勝はバーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)。
まさかの区間短縮もベルナルがコロンビア勢初栄冠へ
大混戦となった2019年の大会は、最後の勝負どころであるアルプスで2日連続の予想外の事態が発生した。どちらも悪天候が原因。前日はレース中に最後のルートがカットされ、直前の峠を通過したタイム差が総合成績に反映された。その結果、マイヨジョーヌを獲得したのがベルナルだ。前年の覇者であり、チームメートであるゲラント・トーマス(英国)はその峠で遅れていたことからベルナルが総合優勝をねらうエースとなり、トーマスの連覇はその時点でほぼなくなった。
そして大会最後の山岳ステージはカテゴリー超級とは言え、35kmの上り坂を有するバルトランスのみとなった。しかも当日はバルトランスの気象状況を憂慮して、一時はステージ打ち切りの可能性もあったという。幸運にもレースは短縮コースで行われることになった。
2019年の総合成績をほぼ確定させる最後の山岳では、これまでマイヨジョーヌを守り続けてきたアラフィリップがたまらず脱落。前日の総合2位から5位に陥落し、パリの表彰台を取り逃がした。
意地を見せたのは2014年の総合優勝者ニーバリ。前半前でマイヨジョーヌ争いから脱落していたが、この日は35kmの上りはじめからアタック。ゴールでは単独となり、4年ぶり6度目の区間優勝を果たした。
「区間勝利から遠ざかっていたから、これはその日々へのリベンジ。最後に勝利できてホッとしている」とニーバリ。
ニーバリから17秒後にベルナルと、そのアシスト役に回っていたトーマスが一緒にゴール。トーマスはベルナルの肩をたたいて祝福し、チームとして総合優勝を継続できることを喜んだ。
最終日となる第21ステージは慣例的な凱旋パレードとなり、総合成績の上位が変動することはほとんどない。南米選手初のマイヨジョーヌが誕生する瞬間をシャンゼリゼの観客が目撃するのみだ。
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)エガン・ベルナル(イネオス、コロンビア)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ロマン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアル)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(イネオス、コロンビア)
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