ツール・ド・フランス取材者日記。この日はリヨンをかすめてサンテティエンヌへ。サルドプレスは松井大輔選手が所属していたサッカーチーム「ASサンテティエンヌ」のスタジアムです。かつて加藤ローサ夫人とのプライベートライフを取材させてもらったことがあります。W杯南ア大会の思い出は「駒野がPK外したこと」と笑いながら言っていたのが印象に乗ります。
そしてこの日の宿は40kmほど南下した町にあるようです。いつもサルドプレスの駐車場にクルマを駐めてから、ホテルの予約リストを取り出してその場所を確認することにしています。宿までどれくらい時間がかかるのか、レースコースがこの町に突入する動線を考慮して、この町をどう抜けたらいいかなどをシミュレーションします。
同時に宿の人が何時までいるのかをチェックします。そしてこの日改めて予約表を確認してみると、「滞在型レジデンスなのでフロントデスクありません。宿泊者は24時間前までに電話で到着時間を伝えてね」なんて不吉な文章が…。数時間前にようやく確認したボクが悪いので、見なかったことにしました。
でもちょっとドキドキするので、原稿をあらかた片付けてからレジデンスに向かうことに。大都市サンテティエンヌを離れると、こんなとこに宿あるんかなと不安になるような山道が延々と続きます。ここは楽観的に考えなければとハンドルだけに集中していると、ようやく小さな町に。
ここからが宝探しゲームの始まりです。滞在型レジデンスなのでホテルの看板のような目印はありません。町の人に聞いても、そんな個人所有のアパートが貸部屋経営をしているなんて知らないので、直感と嗅覚を働かせて発見。フツーのアパートでしたね。
鋼鉄の門が閉まっていましたが、小さな押し戸を開けると中庭に入れたので、ようやくここで電話してみるとボクのコールの呼び出し音が建物の中から聞こえ、ほどなくしてオーナーのマダムに歓迎を受けることに。あー、よかった。
宿泊料は70ユーロと高めですが、2人で泊まればほぼ半額です。キッチンつきで自炊が前提なので、今夜のごはんはどうしたものかと思案しましたが、ケバブのキッチンカーが教会の前に。冷蔵庫があるのでビールを冷やしてから、買い出しに向かいました。
さすがにこのレジデンス、とても快適でした。こっちでよく見るフランスのライフスタイルをまねして、大きな窓を開放して夜9時になっても明るい大地の雰囲気を楽しみながら夕ごはん。ボクが訪問する夏だけかも知れませんが、乾いた外気を肌で感じながら家族と団らんを過ごすのは(ボクは1人ですが)人生の幸福を感じずにはいられません。郊外なら芝生付きの一軒家が2000万円で買えます。外観は中世のままなんですが内装はきれいにリフォームするので快適です。
ツール・ド・フランス取材も終わりが見えつつある歳になってボクの考え方も変わってきました。これまで山岳ステージをひとつ見ればいいじゃんと勧めていたんですが、中央部のステージこそすべての要素が詰まっているんですね。そしてこの心地よさを日本のみなさんにも体感してほしいです。
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