ツール・ド・三陸はロゲイニングが追加されて4コースに

東日本大震災復興支援サイクルイベントの「ツール・ド・三陸 サイクリング チャレンジ 2019 in りくぜんたかた・おおふなと」が2019年8月25日(日)に岩手県の陸前高田市と大船渡市で開催される。

震災後の状況を全国の人に実際に来て見て体感してもらいたいという気持ちから始まった大会も8年目。少しずつ復興の明るい兆しが見えてきていて、2018年の大会スタート/ゴールは、かさ上げされた市街地中心部の「まちなか広場」で、まちびらきイベントと合同開催された。あいにくの雨にもかかわらず、全国からたくさんの参加者が集まり、街の復興を盛り上げたイベントとなった。

2019年のコースは「健脚 Basic コース(約 48km)」、「健脚フルコース(約 63km)」に上級ヒルクライマー向け「剛脚もののけフルコース(約 70km)」の3コースに、子供も含めて幅広く参加できる「ファミリー・サイクルロゲイニング」の4コースでの開催となる。

今回も大会ホストライダーの日向涼子、3年連続参加のモデルの福田萌子とタレントの杏寿沙、初参加の成田美織らが大会に花を添える。

さらに2019年で3回目参加のパラサイクリスト石井雅史、元競輪選手の松島伸安、アテネパラリンピック・タンデムスプリント銀メダリストの大木卓也らが初参加で大会を大いに盛り上げる。

■大会目的:東日本大震災によって甚大な被害を被った東北地方三陸エリアの復興町づく りを、環境にやさしく、健康的な自転車イベントの開催で応援しながら、地域振興と広域 観光の推進を継続的にサポートしていくことを目的とする。また、参加者はもとより被 災地の多くの人にサイクリングの楽しさを広く啓発することも目指す。

■開催場所:岩手県陸前高田市、大船渡市内周辺コース
■開催日程:2019年8月24日 (土) ~8月25日(日)
8月24日(土):登録受付、前夜祭
8月25日(日):大会開会式、コース走行、ステージイベント
■スタート&ゴール会場
:陸前高田市 「まちなか広場」周辺(陸前高田市高田町字大町39番地)

●ツール・ド・三陸のホームページ

22歳のランブレヒトがツール・ド・ポローニュでクラッシュ死

ロット・スーダルのビヨルグ・ランブレヒト(ベルギー)が8月5日、ツール・ド・ポローニュ第3ステージで落車し、搬送された病院で死亡した。22歳。2018年9月28日に開催された世界選手権U23男子ロードでは15秒遅れの2位。2019年は春のクラシックで上位成績を連発していた注目選手だった。

世界選手権U23を走るビヨルグ・ランブレヒト(左) © Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto

ランブレヒトは168cmと小柄ながらクラシックレースやグランツールのステージレースで勝てる若手の逸材として注目されていた。2017年はリエージュ〜バストーニュ〜リエージュのU23クラスで優勝。2018年にロット・スーダル入りし、アムステルゴールドレース6位、フレッシュワロンヌ4位と活躍した。

ロット・スーダルのビヨルグ・ランブレヒト ©Vincent Kalut, Jimmy Bolcina & Nico Vereecken / Photonews

●ロット・スーダルのホームページ

ベルギービールウィークエンドは六本木で9月11日開幕へ

ベルギービールウィークエンド実行委員会は、2019年9月11日(水)から9月16日(月・祝)まで東京都港区の六本木ヒルズアリーナで「ベルギービールウィークエンド2019 東京」を6日間にわたり開催する。

日本でのベルギービールウィークエンドは、2010年9月10日に六本木ヒルズで産声をあげ、2019年で記念すべき10年目の開催。過去9年で100万人以上を動員してきたベルギービールウィークエンドは日本を代表する屋外イベントにまで成長した。「ベルギービール文化」を丸ごと楽しめるイベントで、 都内はもちろん首都圏を中心に全国から約2万5000人の来場者を見込んでいる。

9種類が初登場! 全55種類のベルギービール

BBW(ベルギービールウィークエンド)2019東京には、55種類のビールが登場し、そのうち9種類がBBW初登場ビール。BBWではすべてのビールは11タイプにわかりやすく分類され、ビールの特徴が一目でわかるテイストチャートも用意。ビール通には定番のトラピストビールやIPAをはじめ、ホワイトビールやフルーツビールなど、六本木の真ん中、開放的な空間で自分好みのビールを見つける楽しみもある。

また「ベルギービール飲み比べセット」を毎日先着100セット限定で販売するほか、日替わりでメニューがランダムに変わるBBW Boutique(ビービーダブリュー・ブティック)コーナーも設置。お目当てのベル ギービールにいつ出会えるかわからないドキドキ感がある。

2019年で10年目! 10年目を祝して“WOW(ワオ)!”な企画が盛りだくさん!
毎年恒例のBBWナビゲーターによるトークショーやゲームと、楽しさ満載で大人のウィークエンドをお届けする。さらに、来場のと開催10年目を祝うべく、さまざまな“WOW!”があふれるプレゼントを準備している。

WOW! その1. 「BBWオリジナルアニバーサリーケーキ」プレゼント!
開催中10人にBBWらしいオリジナルデザインのケーキをプレゼント。

WOW! その2. ベルギー往復ペア航空券をプレゼント!
来場者の中から抽選でフィンエアーで行くベルギー往復ペア航空券をプレゼント。本場に行って、もっとベルギービー ルを好きになろう。

●チケット
スターターセット:前売り購入でお得に! オリジナルグラス1個、飲食用コイン11枚
前売り 2950円 / 当日 3200円
グループセット:スターターセットがまとめ購入でさらにお得! 前売りのみ。オリジナルグラス1個、飲食用コイン11枚×4名分
通常1万2800円が1万1600円に!

カフェのテラスでビールを楽しむ⼈々/ブルージュ © Milo Profi

• 前売りチケット取り扱いはベルギービールウィークエンド公式サイト、楽天チケット、全国ファミリーマート各店

• イベントに関する一般の問い合わせ先 ベルギービールウィークエンド事務局 Tel 03-5829-6878 E-mail info@belgianbeerweekend.jp

歴史あるトラピスト・ビール/アントワープ近郊、ウェストマレ醸造所 © Milo Profi

ベルギービールウィークエンド 2019 東京出演アーティスト

■ HOOVERPHONIC
HOOVERPHONIC(フーヴァーフォニック)は、トリップホップのジャンルで有名なベルギーのポップユニット。アルバムの枚数を重ねるごとにオルタナティブやエ レクトロニカなど独特のサウンドを操るように。さらには、新たに迎えた18歳の ボーカルLukaと10枚目のアルバムを発表。エレクトリックソウル、トリップホップとファンクを織り交ぜ、自らのルーツに戻ると同時に新たな領域にも挑戦したア ルバムに仕上がった。彼らのビートを聞けば、深呼吸を繰り返してリラックスするような感覚に駆られるだろう。≪Liveスケジュール≫ ・2019年9月14日 : 18:30 ・2019年9月15日 : 18:30 –

■ Novastar
NOVASTAR(ノヴァスター)は、心地良いバラード音楽で有名なベルギーのバンド。昨秋リリースした5枚目のアルバム「In The Cold Light of Monday」はイギリ スで制作した。彼らの音楽には、温かさ、優しさ、そして自由が表現され、聞く人の気持ちを癒してくれる。バラードの中にも、ポップさと豊かなアレンジが織り混ざり、まるで1枚目のアルバムを製作した当時のNOVASTARかと錯覚するほど。 NOVASTERのボーカル、Joostは東京でギターとピアノをソロ演奏する。癒しの音楽でステキな魔法にかかるだろう。
≪Liveスケジュール≫ ・2019年9月11日 : 18:30 ・2019年9月12日 : 18:30 –

■ BLOW 3.0
マスクをかぶったサックスプレイヤー2人とドラマーで構成されるBLOW3.0は、 ヨーロッパのストリートミュージックで2011年から注目を集め始めた。ダンスやヒップホップ、ジャズをミックスし、徐々にステージシーンに進出。ついにはヨーロッパ各国や遠くブラジルのステージまで呼ばれるまでに成長した。その過程で新たな挑戦やサウンドの可能性を追求し、ギターペダルでよりブロードでフリーダムな音楽性を手に入れた。バンドの新しいチャプターの意味を込めて「BLOW 3.0」 として、セカンドアルバム「Equality」をリリース。そのダンサブルな音楽で熱くなること間違いなし!
≪Liveスケジュール≫・2019年9月13日 : 18:30 -・2019年9月14日 : 16:00 –・2019年9月15日 : 16:00 –

■ De Beren Gieren
DE BEREN GIEREN(ドゥ ベレン ギーレン)は2009年に結成したピアノ、ベース、 ドラムによるジャズバンド。 彼らのジャズは、その独特でエネルギッシュな音、輝きのあるメロディー、複雑な構造と風変わりなタイトルで有名だ。 ポリリズミカルなサウドエスケープ、独唱、そして予測の難しいひねりを融合させ、彼ららしい音とリズムで魅了されること間違いなし。あらゆるジャズステージで演奏をした経験をもち、ベルギー国内外でも広く知れ渡っている彼らのライブ体験を見逃さずにはいられない。
≪Liveスケジュール≫ ・2019年9月16日 : 14:00 ・2019年9月16日 : 17:00 –

道具がなくてもサイクリング×キャンプ…MERIDA伊豆バイクパッキングプラン

伊豆半島のよさをアウトドアで楽しむ伊豆バイクパッキングプランが8月3日から開始。好みの自転車とモンベル製のキャンプ道具一式をレンタルする1泊2日、2泊3日プランが用意されている。

モンベルのステラリッジテント1型とレインフライシートがあればオールシーズンであらゆる状況に対応できる

拠点となるのは、ミヤタサイクルが日本国内での独占販売権を有するMERIDA(メリダ)の試乗・展示施設MERIDA X BASE(メリダ・エックス・ベース)で静岡県伊豆の国市にある。地域へのスポーツ自転車文化の浸透と発展を促進するプログラムを定期的に開催しているMERIDA CYCLING ACADMY(メリダ・サイクリング・アカデミーの一環としてプランが作られた。

伊豆半島1周は距離220km、獲得標高3500m以上もあって、1日で回るには厳しいコース。しかし1泊、2泊など複数日あれば伊豆半島1周も可能となり、普段のサイクリングでは味わえない楽しみ方や感動、 伊豆の素晴らしい海や山の自然が味わえる。

また、伊豆半島には観光名所や温泉も多く、さまざまな楽しみを体験できる。しかもキャンプ場が18カ所もあり、個々に合わせたツーリングプランを組みやすく、バイクパッキングには適した環境だ。

レンタルバイクにキャンプ道具を搭載してアウトドアにくり出そう

バイクパッキングとは

自転車×キャンプ。自転車にキャンプ道具を積み込んでいくツーリング。自転車にキャンプを取り入れることによって1日だけでは走ることのできない距離や場所まで行くことが可能に。また1泊2日、2泊3日にすることによってスケジュールにも余裕ができ、観光、グルメとその地を楽しめる自転車の新しいスタイル。

【バイクパッキングレンタル品内容】
①mont・bell ステラリッジテント 1 型.レインフライシート=オールシーズンあらゆる状況に対応できるテント。
②mont・bell ホローバック#7=足元を開けたり、広げてブランケットとして様々な使い方ができるスリーピング バッグ。
③mont・bell アルパインクッカー14+16 パンセット=軽量で、調理が素早く行えるアルミニウム製クッカー
④JETBOIL マイクロモ=高性能バーナーを搭載した軽量・コンパクトモデル。
⑤mont・bell リチャージャブルパワーヘッドランプ=明るさ 200 ルーメン、照射距離 90m。USB 充電式ヘッ ドランプ。
⑥mont・bell モバイルパワーパック=フィールドや外出先などに便利な予備バッテリー。4000mAh。
⑦mont・bell U.L コンフォートシステムアルパインパッド 25=優れたクッション性で快適な寝心地を実現す るフォーム入りパッド。
⑧mont・bell クラッシャブルランタンシェード=ヘッドランプをランタンに早変わりさせてしまう、新発想の超軽 量コンパクト・ランタンシェード。
⑨mont・bell ダイム=多機能の小型マルチツール。
⑩mont・bell メッシュバック S=開閉口はストッパーつきのドローコード仕様。
⑪mont・bell O.D ポケットティッシュキット=携帯用ケースと水解性原紙を使用した O.D.ポケットティッシュ。
⑫mont・bell O.D ガベッジバック 4L=フィールドで出たゴミを収納して持ち帰るための防水バッグ。

モンベルのキャンプ道具が一揃えレンタルできる

⑬MERIDA FRAMBAG GRAVEL
⑭MERIDA GRAVEL CAGE
⑮MERIDA Rear Carrier

アイテム総額は10万7400円。食料、カップ、着替えなどはプランに含まれていないので各自用意

メリダ・フレームバッグ・グラベルはキャンプ道具など重いものを収納すると便利

【レンタル料金】
・自転車1泊2日 8000円(税別)~
・自転車2泊3日 1万円(税別)~
別途レンタル補償費1000円(税別)が必須
・バイクパッキング1泊2日 8000円(税別)
・バイクパッキング2泊3日 1万円(税別)
別途レンタル補償費1000円(税別)が必須

○SILEX9000 を使用してバイクパッキングを行った場合の例
・購入した場合
SILEX9000 バイクパッキング
47万9000円+ 10万7400円=58万6400円
・レンタルの場合
レンタル料、バイクパッキング、レンタル補償費
8000円(税別)+ 8000円(税別)+ 2000円(税別)=1万8000円(税別)
※車種によりレンタル料金が変動する
自分のバイクを持ち込んで、バイクパッキング用品のみをレンタルの場合はレンタル補償費1000円と施設利用料2000円(税別)が必要となる
※バイクパッキングプランの定員は1泊2日、2泊3日合わせて5名

【注意事項】
※MERIDA X BASE にてロッカーをご利用いただけます。
※テント内でのJETBOILの使用は禁止します。
※注意事項を守らず破損させた場合は全額負担いただきます。
※レンタル中の怪我については一切の責任を負いかねます。

詳細、申し込みは MERIDA X BASE 公式ホームページ

アンラッキーな13を最新エアロモデルに採用…キャノンデールの自信作

キャノンデール・ジャパンがエアロダイナミクスを加え、さらに美しく速くなった CAAD13を発売した。加工に時間とコストを必要とする6069番のアルミ合金を使用し、他社のアルミフレームでは真似のできない快適性と剛性のベストバランスを実現。翼断面形状の後端を切り落としたエアロチューブを採用することでさらなる速さを追加した。

キャノンデールは40年にわたりアルミニウム製ロードバイクの分野において常に新たな技術に挑戦。どの世代もその時代に強烈なインパクトを残すバイクを生み出してきた が、今回のCAAD13はアルミニウムの原子番号を示す「13」をモデル名に起用した。

アンラッキーを招くと欧米で不吉といわれる「13」にあえて身を包んだCAAD13は、ライダーに幸運と絶対的なスピードをもたらすキャノンデールの自信作だ。

キャノンデールのプロダクトディレクター、デイビット・デヴァインは「CAADシリーズはこれまでもリニューアルのたびに、前身モデルよりも優れたモデルを生み出してきた。CAAD13は当社にとって、新たな方向性を示す重要なバイクです。CAAD13の設計では重量を増やすことなく、空気抵抗の削減、乗り心地の向上に的を絞 って開発した」とコメントしている。

CAAD13 Disc Force

設計目標はカーボンフレームと互角に勝負できること

これまでのどのマシンよりも速く、スムーズで、高性能を発揮するCAAD13は、競合他社のカーボンフレームと互角に勝負できるマシン性能の実現を目指し設計されている。スピード性能では、翼断面形状の後端を切り落とすことにより、通常の丸形チューブに比べて重量を変えることなく、同等またはそれ以上の剛性を実現。その上で、30%以上の空気抵抗の削減に成功している。これまでよりも少ないパワーでさらに高速な走りを可能にする。

CAAD13 Ultegra
CAAD13 Ultegra

革新的なフレーム構造が生み出す驚愕の快適性能

スムーズな走りで定評を得ていた前身モデルCAAD12の乗り心地とライドフィールをさらに向上させるためCAAD13の設計には、フレームの柔軟性を2倍にするトップチューブからドロップしたシートステー、インテグレートされたシートバインダー、新開発の27 KNØTシートポストを採用している。その結果として実現された革新的なライドフィールは、カーボンフレームはアルミニウムよりも乗り心地の面で優れているという一般的な考えを逆転させるほど明白な違いを体感することができる。

CAAD13 105

伝統の継承。そして新たな可能性を実感できるライドフィール

CAAD13は、ライダーがこのバイクに期待する直感的な操作性と抜群の反応性を歴代のCAADシリーズから継承している。一方で、タイヤクリアランスを広げ実測30mmのタイヤを難なく装備できるため、未舗装の路面で快適な乗り心地をサポートし、ライダー本来の力を発揮できるバイクに仕上がっている。歴代の優れた面を継承しつつ、新たなチャレンジを可能とする装備を兼ねそろえる。

CAAD13 Disc 105

アルミニウムのエキスパートが徹底的に作り込んだディテール

ボトルを1本にして空気抵抗を最小に抑えることや(一番下のマウントを使用)、水分補給を重視し2本のボ トルを装備すること(上の位置のマウントを使用)を可能にする2ポジション対応のウォーターボトル用のマウントを装備し、迅速かつ簡単にホイール交換を可能とするスピードリリーススルーアクスル、ガイド付きインターナルケーブルルーティングなど細部まで徹底的に作り込まれている。

●キャノンデールのホームページ

ツール・ド・フランス区間34勝のメルクスはまさに人食い鬼だった

自転車競技史上最強の選手と言われるのがベルギーのエディ・メルクスだ。ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアで各5勝、世界選手権プロロード3勝、アマロード1勝。あまりの強さにカンニバル(人食い鬼)と呼ばれた。2019ツール・ド・フランスがベルギー開幕となったのはメルクス初制覇から50年の節目だったからだ。

ブリュッセルの表彰式で大観衆に手を振るメルクス ©ASO Olivier CHABE

今でもベルギーの国民的存在

ツール・ド・フランス開幕の2日前。ブリュッセルのグランプラス広場で出場チームプレゼンテーションが行われ、大観衆に埋まった。その最後に登場したのが74歳になったメルクスだった。

「ああ、私の神、私たちのエディ!」と涙を流すファンもいた。取材陣の多くも「鳥肌が立つほどすごかった」と証言している。

現役時代のメルクスは常に勝利にこだわり、どんなレースでも2位以下になることを好まなかった。平たんステージでも大集団のゴール勝負を力ずくでもぎ取った。ツール・ド・フランスの総合優勝5回は最多タイ。ステージ通算34勝は歴代トップ。マイヨジョーヌ着用回数111はダントツ(午前と午後にそれぞれ行われる半ステージ)を含む)。

メルクスは1969年のツール・ド・フランスに初参加した。初日のプロローグでマイヨジョーヌを取り逃がしてしまうが、同日夜にはチームタイムトライアルで優勝。翌日の大会2日目には首位に躍り出て、初めてマイヨジョーヌを着用する。この年、メルクスはマイヨジョーヌ、ポイント賞のマイヨベール、山岳賞の赤玉ジャージの3賞を独占したほか、チーム優勝、ステージ6勝と手がつけられないほどの強さを見せつけた。その強さゆえに「カンニバル」というニックネームが定着したのである。

ブリュッセルで行われた第1ステージでマイヨジョーヌのテウニッセンを祝福するメルクス ©ASO Pauline BALLET

1969年のメルクルの初優勝をたたえるために第106回大会はベルギーで開幕する。「母国の英雄に与える名誉は700万ユーロ(約9億円)の投資の価値がある」とブリュッセル市が、さらに関連する公的機関が400万ユーロ(約5億円)を主催者に支払って開幕誘致を実現した。ブリュッセルでレースが行われた3日間は市の負担によってすべての公共機関が無料になった。

ベルギーはフラマン地方とワロン地方に分かれ、主要都市間は独自の歴史に誇りを持つあまり敵対的になりがちだ。そんな国民性の中で、メルクスは常に「私はどこの出身とかじゃなくて、ベルギー人だ」とコメントしてきた。一時はプロ選手として活躍した息子に「アクセル」という地域を特定できない名前を付けたのもそんな考えがあったからだという。

ベルギーのフィリップ国王も「国の輝きに貢献し、私たちに無数の喜びと時間を与えてくれた」と最大の賛辞を送っている。

現在メルクスはブリュッセルに住み、日課としている散歩を欠かさないなど静かな生活をしているという。往年のファンは今でも、観光局が命名したエディ・メルクス広場やお気に入りのレストランに行けばメルクスに会えるのではという期待を込めてブリュッセルを訪問する。

最終日のシャンゼリゼでは2019開幕地ブリュッセルから2020年のニースにバトンリレー ©ASO Pauline BALLET

●国籍別の総合優勝回数(2019年まで)
フランス:36勝
ベルギー:18勝
スペイン:12勝
イタリア:10勝
英国:6勝
ルクセンブルク:5勝
米国:3勝
オランダ:2勝
スイス:2勝
ドイツ:1勝
オーストラリア:1勝
デンマーク:1勝
アイルランド:1勝
コロンビア:1勝

1986年に米国が優勝する以前は欧州大陸勢が優勝の常連だったが、2011年に南半球初のオーストラリア選手優勝、近年は英国勢が圧倒。優勝回数1位のフランスは1985年が最後、同2位のベルギー勢は1976年を最後に総合優勝から遠ざかっている。

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