湘南海岸の国道134号は台風19号でさらに被害拡大

台風10号影響の高波によって道路擁壁が破損した国道134号、鎌倉市稲村ガ崎三丁目の区間は9月12日に襲来した台風19号によって、さらに被害が拡大。応急工事によって片側相互通行が解除されていたが、さらに車道の一部分も波浪侵食によって崩落する事態となり、復旧には相当の時間とコストがかかりそうだ。

台風19号による侵食で新たに車道の路肩部分まで崩落(2019年10月14日撮影)

湘南海岸と言われる国道134号は、2016年にも鎌倉市稲村ガ崎一丁目あたり、今回の陥没場所より100mほど東側で同様の道路損傷が発生している。年々大型化する台風の波浪によって、稲村ヶ崎周辺の砂浜が大きく侵食されていることも道路損傷の影響と言われている。

鎌倉市の担当者らが被災状況の把握に努めていた

今回の最初の道路被災は2019年8月8月13日未明。鎌倉市とはかなり離れた位置にあった台風10号影響の波浪で海側の歩道が被災した。このときは海側の歩道が150mにわたって侵食によって陥没。道路管理者である神奈川県藤沢土木事務所により道路の復旧作業を行い、片側交互通行を余儀なくされた。

海側の歩道は依然として通行止め(2019年10月14日撮影)

終日通行規制を実施していた国道134号は9月6日午後6時、応急工事が一段落して片側交互通行がいったん解除され、渋滞も一時解消された。本復旧のための大がかりな工事は改めて調査と設計が必要とされ、台風19号による2回目の被災はその最中だった。

波消しブロックを設置したにもかかわらず、これだけ侵食されてしまった(2019年10月14日撮影)

神奈川県からの指示により、一時は滑川交差点~小動交差点間が全面通行止めとなっていたが、10月13日午後0時45分で解除され、片側通行となった。

2019年10月14日現在、国道134号は海側の歩道だけでなく、海側の車道の一部も崩落している。海側の一部を走行不可として、山側の車道を使って相互通行を行っている。

片側相互通行のため国道134号は渋滞している

●8月13日未明に台風10号影響の波浪で被災
台風10号の波浪で湘南海岸の歩道陥没…片側通行で渋滞も

8月は歩道が陥没しているだけだった(2019年8月15日撮影)

●9月6日午後6時に片側交互通行が解除されるが…
国道134号は片側通行解除も本復旧には基盤工事が必要

2019年9月に道路擁壁破損の応急工事が行われた(2019年9月10日撮影)

イルロンバルディアのレース翌日に一般参加イベント開催

シーズン最終戦「イルロンバルディア」のレース翌日となる10月13日、同じコースに一般参加の2500人が挑戦する「グランフォンド・イルロンバルディア」が開催された。半数はイタリアからの参加者だが、ベナン、中国、キプロス、エストニア、フランス領ポリネシア、ギリシャ、ハンガリー、イスラエル、日本、ルクセンブルク、モナコからの挑戦者もいた。

距離111.2kmの難関に2500人が挑んだ ©LaPresse – Marco Alpozzi

イベント主催者はイルロンバルディアやジロ・デ・イタリアを運営するRCSスポルト。競技距離はプロ選手らが走ったコースのおよそ半分の111.2km。それでもマドンナデルギザロ教会をピークとする峠があり、走りごたえは十分。

サイクリストを祀るマドンナデルギザロ教会を通過 ©LaPresse – Marco Alpozzi
カントゥを出陣 LaPresse – Fabio Ferrari
グランフォンドの欧州チャンピオン、イタリアのダビデ・ブッシュイートが優勝 ©LaPresse

グランフォンドとは出場選手数が多いサイクリング大会で、1着フィニッシュを狙う実力派から、前年の自己記録更新や完走を目指す一般サイクリストまでが参加する。2020年3月にはイタリアのトスカーナ地方で「グランフォンド・ストラーデビアンケ」の開催が予定されている。

ゴール後はパスタパーティー ©LaPresse – Fabio Ferrari

●グランフォンド・イルロンバルディアのfacebook

東京五輪まで10カ月…ジャンジャンがBMX欧州覇者

2020東京五輪に採用された新種目、BMXフリースタイルパークは10月13日にスイスのカデナツォで第1回欧州選手権を開催し、男子はフランスのアントニー・ジャンジャンが、女子は英国のシャーロット・ワーシントンが初代欧州チャンピオンになった。

フランスのアントニー・ジャンジャン ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019

五輪予選を兼ねた同大会には欧州から13カ国48選手が参戦。採点形式で順位が決定した。

男子はジャンジャンが93点、マリン・ランテス(クロアチア)が91.20点、デクラン・ブルックス(英国)が91点。

英国のシャーロット・ワーシントン ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019

女子はワーシントンが91.60点、ローラ・レスマン(ドイツ)が84.60点、エリザベータ・ポサドスキンフ(ロシア)が82.80点。

UEC BMXフリースタイル欧州選手権 ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019
UEC BMXフリースタイル欧州選手権

「BMXフリースタイル競技は新たなトレンドで、その人気と注目度は爆発的に高まっているので、欧州チャンピオンシップを開催することにつながった」と欧州自転車競技連合のロッコ・カッタネオ会長。

「競技者のテクニック、観衆の増加、ライブストリーミングの精度を高めることにより、今後さらに人気となっていくだろう。欧州連合としてもこれからの主催カレンダーにBMXフリースタイルを追加することはとても重要だと考えている」

フランスのアントニー・ジャンジャンがBMXフリースタイルの欧州チャンピオンに ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019
英国のシャーロット・ワーシントンがBMXフリースタイルの欧州チャンピオンに ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019

●欧州自転車競技連合のホームページ

バウケ・モレマがイルロンバルディアで独走勝利

トレック・セガフレードのバウケ・モレマ(オランダ)が10月12日にイタリアのベルガモ〜コモ間で行われたイルロンバルディアで、残り18.5kmのチビーリョ峠から単独で抜け出して優勝した。「モニュメント」と呼ばれる伝統レースで32歳になるモレマが優勝したのは初めて。

バイケ・モレマが渾身のアタック ©LaPresse – Fabio Ferrari

16秒遅れの2位はモビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)、3位はイネオスのエガン・ベルナル(コロンビア)、4位はアスタナのヤコブ・フルサング(デンマーク)。モレマは10月20日のジャパンカップに、バルベルデ、ベルナル、フルサングは同27日のツール・ド・フランスさいたまに参戦する。

オランダ選手の優勝は4人目。モレマは優勝選手として9番目の高年齢。最高年齢は36歳のターノ・ベッローニ。また39歳のバルベルデは、表彰台に登壇した最高齢の37歳を塗り替えた。22歳のベルナルの登壇は、21歳で登壇したリゴベルト・ウラン(コロンビア)に続く最年少記録。

「20秒差がまたたく間についたので驚いた。後続選手がお互いをけん制していたからだ。絶好のチャンスだと思った。下り坂はよく知っていたので、ゴールまではタイムトライアルのように独走で飛ばした」とモレマ。

スペインチャンピオンのバルベルデが揺さぶりをかける ©LaPresse – Fabio Ferrari
サイクリストを祀るマドンナデルギザロ教会の前を通過 ©LaPresse

「後続を振り返ったとき、優勝候補のプリモシュ・ログリッチェがかなり後ろに見えたので、これは行けると思った。残り2kmから1kmで勝利を確信した。シーズンをモニュメント優勝で締めくくるのは最高に幸せだ。両親もゴールに来ていたのでなおさらだ」

ツール・ド・フランス総合優勝のベルナル(右)も積極的に動く ©LaPresse
優勝のモレマを中央に左が2位バルベルデ、右が3位ベルナル ©LaPresse – Fabio Ferrari

●イルロンバルディアのホームページ

オフィシャルサポーターズヴィレッジ…ツール・ド・フランスさいたまを楽しむ特設エリア

「J:COM presents 2019ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」(10月27日、さいたま新都心駅周辺で開催)は、大会当日にさいたまスーパーアリーナ内に設置する「オフィシャルサポーターズヴィレッジ」の詳細を発表した。

20種類のマイヨジョーヌ ©ASO/Pauline Ballet

「オフィシャルサポーターズヴィレッジ」は、ツール・ド・フランス本大会で各ステージのスタートエリアに設置される、入場者へのホスピタリティとファンサービスをメインの目的とする「Village(ヴィラージュ)」に由来し、「オフィシャルサポーターズ」会員とゲスト招待関係者のみが入場できる限定エリア。

サポーターズヴィレッジは、「ツール・ド・フランスエリア」、「展示・体験エリア」、「スポンサーエリア」、「さいたまエリア」、「セレモニー エリア」の5つのエリアから構成され、各エリアのコンセプトに応じたサービスを楽しむことができる。

ツール・ド・フランスエリアには、 総合優勝者が着用するマイヨジョーヌの誕生100周年を記念して制作されたツール・ド・フランス2019全20種類のマイヨジョーヌを展示。

ステージ前に陣取れば全選手が確実に見られる ©Saitama city

オフィシャルサポーターズヴィレッジに入場できるオフィシャルサポーターズの申し込みは10月16日(水)正午まで。

オフィシャルサポーターズヴィレッジ応募(大会公式サイト)

オフィシャルサポーターズヴィレッジ会場マップ

会場コンセプト

ツール・ド・フランスエリア
ツール・ド・フランス公式フレグランス、さいたまクリテリウムオフィシャルグッズの販売、ツール・ド・フランス2019のマイヨジョーヌ全20種類の展示

展示・体験エリア
ARアプリを活用した合成写真撮影コーナー、オリジナルフェイスペイントの体験、ロードバイク・パラサイクリング車両の展示

スポンサーエリア
スポンサー企業の商品、サービスの提供

さいたまエリア
地元さいたまの文化の紹介、地元グルメの販売

セレモニーエリア
選手ピットエリア、各種セレモニー、表彰式の観覧、大型ビジョンでのレース放映

出展ブース

ステージイベント

さいたまクリテリウムの開幕を告げるオープニングセレモニーを実施。レース後には、特設コースでしのぎを削った世界トップレベルの選手たちの表彰式や記念撮影が行われる。また、当日のレースの模様もステージに隣接した大型LEDビジョンで放映し、ヴィレッジ内で観覧できる。

オープニングセレモニー
(11:55〜12:40)

表彰式
(16:30〜17:00)

クビアトコウスキーがツール・ド・フランスさいたま参戦

イネオスのミハウ・クビアトコウスキー(ポーランド)が10月27日、さいたま新都心駅周辺で開催されるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムに出場する。コロンビアのイバン・ソーサに代わっての出場と、10月11日に主催者が発表した。

ティレーノ〜アドリアティコ総合優勝のミハウ・クビアトコウスキー © LaPresse/Spada

同選手は2014年の世界チャンピオン。2016年から現チームの前身スカイに加入し、2020年も現チームで走る。2015アムステルゴールドレース、2017ミラノ〜サンレモとメジャーレースで優勝するとともに、2018ティレーノ〜アドリアティコ、同ツール・ド・ポーランドなど中規模のステージレースで総合優勝。

ツール・ド・フランスでクリストファー・フルームやゲラント・トーマスの頼もしいアシスト役として活躍し、信頼されている。さいたま大会は2017年以来2年ぶり2回目の出場となる。

●ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのホームページ