自転車旅を豊かにするホテルは安価な合宿所タイプから専用客室まで

大切な自転車を携えて旅先で宿泊するときは、盗難や破損の心配がない部屋の中か、きちんと管理された駐輪ラックなどに置いておきたい。そんなサイクリストの要望をかなえたホテルが全国に増殖中。安価な合宿所タイプ、リラックスできる専用客室などが選択できる。おすすめコースの案内、自転車貸し出などのサービスも充実。

元プロレーサーの平塚吉光さんがおすすめのコースを教えてくれた

eバイクのレンタルと朝食込みで5200円パックも

自転車旅を豊かにするホテルとして、静岡県の温泉地・伊豆長岡の中心地に2019年3月オープンしたのが「コナステイ伊豆長岡」だ。自転車に乗ったまま館内を走ってもOK。整備スペースがあり、eバイクのレンタルも気軽に申し込める。サイクリストにとってこれほど心地よい宿泊施設はない。

左手の玄関から入ると右奥のフロントに行くまでに、こんな自転車コーナーがある

環境に優しい自転車が見直され、全国各地の自治体が自転車を使った旅を楽しむ観光客を受け入れる整備を進めている。だからたいていのホテルは客室への持ち込みを認めてくれたり、高額なスポーツバイクの取り扱いに気を遣ってくれる。それでも外で遊んできた自転車をロビーに持ち込むのは勇気がいるし、他の利用者に迷惑をかけないかと心配してしまう。

外観は老舗温泉旅館のコナステイだが、自転車に特化した施設だ

サイクリングホテルはそんな気遣いが一切不要なのである。いわゆる「サイクリストファースト」というヤツだ。コナステイでは道路から段差なしでフロントまで行ける。木製フロアは自転車シューズでも滑りにくい。洗車スペースを自由に利用でき、スタンドやぞうきん、空気入れなどを貸し出してくれる。

安価な二段ベッド形式のドミトリーは自転車合宿にうってつけ。食材を持ち込んでシェアキッチンで調理できる。トレーニングルームにはVRマシンがあって、無料で利用できる。もちろん伊豆長岡だけに源泉掛け流しの温泉で疲れをいやすこともできる。

バーチャルトレーニングの「ズイフト」が無料で使える

コナステイには2019年までブリヂストンサイクリングで走っていた元トップロード選手の平塚吉光さんが勤務。沼津市出身で、伊豆半島は現役時代の練習環境だっただけに知らない道はない。

「その日の気分で走るルートが選べるほどサイクリング環境には恵まれています」と平塚さん。フロント前のリビングには推奨サイクリングコース地図の分厚いファイルがあって、気に入った地図を1枚もらって携行することができる。

eバイクのレンタル付き、朝食無料のドミトリーで5200円から。春の桜サイクリングなどさまざまなプランが用意されている。

◆コナステイ伊豆長岡

中庭のBBQ設備を借りてみんなと楽しむこともできる

星野リゾートBEB5土浦

星野リゾートBEB5土浦の客室

茨城県・土浦駅ビル「プレイアトレ」に3月19日オープン。24時間営業のスポーツバーは海外自転車レースの映像も。「プレイアトレ」には自転車店など関連施設が多数。霞ヶ浦サイクリングの拠点となる。ツインルーム6000円。


掬水(きくすい)

掬水

富士山が望める静岡県富士宮市にあるゲストハウス。レンタルeバイクや自転車用品販売も。2段ベッドのドミトリーから個室まで。1人3600円から。朝食無料。ウェルカムドリンクは地ビール。