実写版VRに静岡5コースを登録…県が豪州Fulgazと提携

サイクルスポーツの聖地を目指す静岡県が、東京五輪開催をチャンスとしてとらえ、世界のサイクリストが同県の魅力を知るきっかけになることを目的として実写版トレーニングアプリの5コースを公開した。

コース収録は冬だったようで道端に雪がチラホラ

いわゆるVRトレーニングで、使用するアプリはオーストラリアの「Fulgaz」、機材はWahoo。国内外の利用者がこのアプリを活用して、富士山、伊豆半島、浜名湖など静岡県の風景を4K映像で楽しみながら、バーチャルで走行体験を楽しむことができる。

静岡県の主催によるこの発表会は2月27日にMERIDA X BASEで行われた。

CGのズイフトに対してFulgazは実際の映像

「Fulgaz」は世界じゅうで4万人のサイクリストが使っていると言われていて、600ルートが収録されている。バーチャルトレーニングアプリの代表はズイフトだが、画面はCG。Fulgazは実際にビデオ収録された画面がペダルに連動して進むようになっている。坂がきつくなればペダルに負荷がかかるのは同じ。

Fulgazには世界中のコースが収録されている
Fulgazの画面。富士山周辺コース。ロードバイクで実走しながら録画しているようだ
日本のコースは静岡県内5コースが収録されている

今回は国内のルートとして初となる静岡県内5コースが搭載された。トップ画面左上の「Country」で「Japan」を選択すると富士山周辺、戸田港〜沼津西浦、浜名湖、静岡丸子、薩多峠(表示はアルファベット)が登場する。2020年2月27日現在の登録コースで、今後は順次追加されることが期待される。

富士山ルートが実際のモニターに映し出されたところ

今回の発表会に先がけて、1月19日から26日までオーストラリアで開催されたツアーダウンアンダー会場などで一般向けの体験試乗を開催。シドニー、キャンベラ、メルボルンのビジネス街でも同様の体験会を行ったという。

上り坂になるとスマートトレーナーの負荷が高くなる

静岡のサイクリングコースは現地でとても好評で、約1カ月で8000件のダウンロードがあった。特に富士山周辺コース、伊豆半島、静岡中部が人気だったという。

富士山を含む静岡県の風景は好印象で、オリンピック後に観光に行ってみたいという声が多かったという。

サイクリングホテルの「コナステイ伊豆長岡」にはズイフトのVRトレーニングスペースがあって無料で使える

FulgazでVRトレーニングをするためには自転車、Wahoo社製のスマートトレーナー、アプリをダウンロードしたスマホやタブレットなどのデバイス、インターネット通信環境、Fulgazの利用料が必要。Wahoo社スマートトレーナーを購入するとFulgazが30日間無料でトライアルできるなどの特典もある。

テレビモニターなどの大画面で楽しむなら各種ケーブルやアダプターも。扇風機や振動吸収マット、心拍モニターなどもあると本格的。

雄大な富士山が望めることが静岡県の魅力

●Fulgazのホームページ
●静岡サイクリングのホームページ

「あの坂は嫌です」の柴田さんジャージがかわいすぎる

人気シリーズ、しばいぬの「柴田さん」の最新作が自転車関連通販サイトのワールドサイクルから発売された。

あの坂は嫌です

柴田さんサイクルウェア&3バックポケット付きTシャツ
デザイン:自転車で散歩ですか?、あの坂は嫌です、ヤバネ、水遊び
サイズ:XS~3XL
価格:1万3200円(税込み)、Tシャツは5280円(税込み)

水遊び
ヤバネ

R250 GORIDE 半袖ジャージ FEELS GOOD ウィリーパンダ
ロードバイクでウィリー、しかもノーハンド。超絶テクニックのあの世界チャンプがモチーフ。
サイズ:XS~3XL
価格:1万1000円(税込み)

R250 GORIDE 半袖ジャージ FEELS GOOD ウィリーパンダ

いずれも、基本のベーシックモデル。吸汗速乾性、伸縮性に優れた高機能素材を採用。内部の汗を素早く吸水し蒸れを防ぐので、いつでもサラッとした着心地を実感できる。裾滑り止めシリコンゴム標準装備。豊富なサイズ展開で男女問わず着用できる。
材質 : ポリエステル100%
仕様 : 3分割バックポケット付き
製造 : サンボルト S-RIDE

AG2Rは出場、CCCは回避…パリ〜ニース3月8日開幕

フランスのAG2Rラモンディアールが、3月8日から15日まで開催されるパリ〜ニース出場メンバーを発表。ロマン・バルデ、ピエール・ラトゥールら主力選手が参戦する。一方でCCCは新型コロナウイルス懸念で出場を回避した。

AG2Rラモンディアールのパリ〜ニース出場メンバー

AG2Rラモンディアールは3月にイタリアで開催予定だった2レースを健康懸念で回避した。

「イタリアでの2レースに参加したいと思っていた。どちらもとても楽しみだった」とコメントしたバルデは、「パリ〜ニースに出場できるのはうれしい。私のキャリアの中で6回目の出場で、2019年に総合5位に入ったことは、実績をなかなか挙げられなかった私にとってはありがたいことだった」と言う。

「息子が誕生して2週間ほどあわただしかったので、昨年のようなパフォーマンスではない。でもここでいい走りをすることで残りのシーズンに効果が発揮できると思う。総合力のある選手が多いので、しっかりと走りたい」とバルデ。

CCCはストラーデビアンケが新型コロナウイルスによる中止を受けて、ティレーノ〜アドリアティコとパリ〜ニースも選手やスタッフの健康を守るために欠場することを発表した。

「自転車競技はステージレースとして日常的に町から町へ移動し、毎晩異なるホテルに滞在し、ほとんど規制されていない環境で一般の人々と接触するというユニークなスポーツ。選手、スタッフ、一般市民の健康が優先事項であり、ステージレースでどのような対策ができるかについて多くの未知数があり、撤退は正しい決定であると考えている」とチームの専属医師。

●パリ〜ニースの公式サイト

ストラーデビアンケは中止ではなく延期…主催者発表

イタリアの自転車レース主催者、RCSスポルトは3月7日に開催予定だったストラーデビアンケと、ストラーデビアンケ女子エリートを延期すると3月5日13時(日本時間21時)に発表した。

これぞストラーデビアンケ ©LaPresse – Fabio Ferrari

5日朝のシエナ県での会合の後、同県とシエナ市長の前で、DPCM(イタリア共和国の閣僚理事会の法令)規定を保証できないことを確認した。RCSスポルトは7日に予定されていた2つのサイクリングレースを開催するべきではないと当局と合意した。

RCSスポルトは、イタリア自転車競技連盟を通じてUCI(国際自転車競技連合)に、ストラーデビアンケと、ストラーデビアンケ女子エリートのための国際レースカレンダーに新しい開催日程を割り当てるように要求するという。

●国際自転車競技連合のホームページ

東京五輪中止も延期もない…IOCのバッハ会長

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、急速に広がるコロナウイルスが2020年の東京オリンピックに影響を与えるかについて、憶測で語られることを拒否し、大会開催に向けて進むだろうと繰り返した。

IOCのバッハ会長 ©Mark Runnacles/Getty Images for ANOC

バッハ会長は3月4日の記者会見で、スイスのローザンヌで開かれたIOC理事会の2日目に「キャンセルという言葉も延期という言葉もなかった」と語った。

IOCの指導部は3日、7月24日から8月9日まで開催される予定の東京オリンピックの成功に対する「完全なコミットメント」声明を発表した。しかし同日、日本のオリンピック大臣はまた、コロナウイルスの流行のために大会は後日に延期される可能性があると主張した。

オリンピックが延期されないと確信している理由を尋ねられると、バッハ会長はこう答えた。

「私たちはスポーツ団体であり、世界保健機関(WHO)の助言に従っている」

バッハ会長は2月28日、WHOのテドロス・アダノム事務局長や他の有力当局者と会談した。一方、2月中旬に創設された共同タスクフォースは、IOC、東京2020、東京の開催都市、日本政府、WHOの職員が協力して取り組んでいる。

東京大会を延期するかどうかの決定期限に関する別の質問に答えるにあたって、バッハ会長は「私は議論の炎に燃料を加えない」と付け加えた。しかし、WHOがパンデミックを宣言した場合、IOCの考え方は変わるのか?

「私はそのような単なる憶測のいかなる方法にも参加しない」と会長は主張した。

2019年末に中国で出現したコロナウイルスは、世界中で3000人以上が死亡し、9万5000人以上が感染している。スポーツ界の日程でも大混乱を引き起こし、東京2020の予選大会にも影響を与えている。延期、キャンセル、会場の変更、選手の旅行の問題があるという。

予選大会中止で参加資格増の可能性も

「これは難しい問題だ」とバッハ会長は認めている。

「しかし私はまた、オリンピック運動と誰もがこれらの課題に対処するためにこれまでに示した大きな連帯を誇りに思っていると言わなければならない」と語る。

バッハ会長は、コロナウイルスの影響を受けた競技に対して「五輪参加資格」の追加割り当てが実施される可能性があることを明らかにした。

「選手が資格プロセスに参加できない場合は、五輪参加資格に関して国際競技団体と協議しなければならないかもしれない」と、バッハ会長。

「このような場合には国際競技団体と協議して公正な解決策を見つけたい。この公正な解決策は、最終的には参加選手数の追加である」

●国際スポーツプレス協会のホームページ

アスタナが15日間のレース撤退…新型コロナウイルス懸念のため

カザフスタンのアスタナプロチームはCOVID-19ウイルスのためにレースから一時的に撤退すると3月5日に発表した。チームは3月20日までどの競技にも参加しない。この決定は、チームの経営陣とその医師によって慎重に検討した結果だとした。

2019ブエルタ・ア・エスパーニャのアスタナチーム ©Photogómez Sport

「この措置により、我々は選手とスタッフの健康を守り、さらに新型コロナウイルスをさせないという社会に対する責任を負うことを選択した」とゼネラルマネージャーのアレクサンドル・ビノクロフ。

「もちろん、これからのレースに参加したかったが、今のところは安全第一。他の多くの重要なレースはまだ長いシーズンの先にある。簡単な決断ではなかったが、私たちはサイクリングファミリーと自分の家族を守らなければならない」

この決定により、アスタナプロチームは、ストラーデビアンケ、パリ〜ニース、ティレーノ〜アドリアティコに参加しない。

有力チームが相次いでレース活動停止

自転車レース界でも、ストラーデビアンケ(3月7日)、ティレーノ〜アドリアティコ(3月11〜17日)、ミラノ〜サンレモ(3月21日)が開催されるイタリアで新型コロナウイルスが流行していることが大問題となっている。

オランダのユンボ・ビスマが自国外務省からの勧告を受けてイタリアで開催されるレースを回避。ミッチェルトン・スコットも新型コロナウイルス対策として男女ともにレース出場を取りやめた。英国のイネオスはニコラ・ポルタル監督が心臓発作で死去したこともあって当面のレース出場を見送った。

さらにフランスのグルパマFDJは参加スタッフが観戦したUAEツアーで選手やスタッフが現在も検疫隔離措置を受けていることから、選手やスタッフがそろわないとしてイタリアで開催されるレースを見送った。

●アスタナのホームページ