ベネズエラのダニエル・デアーズが、ボリビアの標高3600mという高地にあるウユニ塩湖でBMXパフォーマンスを披露した。BMXバイクで新境地を切り破ってきた長いキャリアのなかでも、世界初のBMXアクションとして注目された。
塩のレンガでジャンプ台を作ってチャレンジ
高地の砂漠に位置することで有名なウユニソルトフラッツは、このBMXプロジェクトに最適な環境を提供した。
奇跡の絶景とも言われるウユニ塩湖だが、3600mという高地のため大気圧が減少し、血中酸素不足をもたらす。激しいアクションをともなうBMXライドとしては過酷な環境だった。
この塩の平地は1万582平方kmという面積を持つ世界最大のものであり、宇宙から見える。そのためNASAの衛星キャリブレーションに理想的な場所だという。
ボリビアの町コルチャニの地元の人々は、デアーズがジャンプするために塩レンガを積み上げ、表面を滑らかにするために用意された特殊な混合物でランプを構築するのを助けた。
フラットな地平線、敵対的な天候と高地という条件で、設営は短時間で行われ、デアーズのチャレンジを待った。
Xゲームズで金メダルを獲得したこともある挑戦者のコメントは。
「私はこのソルトパークでBMXに乗ると、再び息が整うまで5分間停止した。日中は本当に暑くて、でも太陽が雲に覆われていたときは凍えてしまった」
長きにわたりBMXの時代を支え続けているトップライダー
ダニエル・デアーズは1985年3月24日生まれ。安定感抜きに語ることはできない存在で、BMX界のベストライダーであり続けている。
アクションスポーツツアータイトルを獲得して頭角を現した2006年以降、ベネズエラ出身のデアーズはASTタイトルを何回も守りながら、X Gamesで勝ち続けてきた。
「友人が持っていたから」という理由でBMXを手に入れたというのがスタート地点。16歳で両親とブエノスアイレス(アルゼンチン)に移住してBMXにのめり込んだ。ブエノスアイレスへ移ると、より多くのライダーたちとスキルを競い合えるようになり、さらにはより大きく質の高いパークでライディングできるようになった。
ベテランライダーだが今もX GamesやBMX世界選手権などに参戦して素晴らしい成績を修め続ける。2014年にはFISEワールドシリーズ初代チャンピオンにも輝いた。
近年のデアーズのフォーカスは世界にBMXを広めるアンバサダー的ポジションにシフト。次世代の指導により多くの時間を割くようになっている。