キナンのトマ・ルバが宇都宮ロードで独走勝利

日本国内最高峰のロードレースシリーズ戦「Jプロツアー」の宇都宮2連戦として、8月9日に宇都宮ロードレースが行われ、キナントマ・ルバが残り2kmからのアタックを成功させ独走勝利した。

宇都宮ロードを制したトマ・ルバ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

前日の8日から宇都宮市内で行われてきたレース開催。先に行われた「宇都宮クリテリウム」では、山本大喜が逃げで魅せ、あわや逃げ切りかという快走。優勝は逃したが、スプリント賞を獲得し、大きな成果を残した。

続いて迎えた宇都宮ロードレースは、世界的にも有名なジャパンカップサイクルロードレースの主会場である宇都宮市森林公園を基点に、6.7kmのコースを11周回。計73.7kmで争われる。コースは周回前半と後半に長い上りがあり、その後は下りと平坦基調となるが、変化の多いコースとあって総合力が試される。登坂力はもとより、要所でのアタックや終盤にかけてのスピードなど、勝つために必要な要素は数多い。また、このところの暑さも選手たちにとっては大敵に。サバイバル化が予想され、生き残った中から勝負強さを発揮した選手に勝機がめぐってくる。

そんなタフなレースへKINAN Cycling Teamは、クリテリウム同様6選手を送り込む。トマに加え、Jプロツアー個人ランキング6位と好調の山本元喜を軸としながら、山本大、椿大志、中島康晴、新城雄大とあらゆる展開に対応できるメンバーをそろえた。

レース距離が短いこともあり、スタート直後からハイスピードで進むプロトン。周回を経るたびに力のある選手たちだけが集団に残るような状況が作り出されていく。この間、2周目完了時に設けられた1回目のスプリントポイントを山本大が1位通過。連日のスプリント賞に手をかけた。

速い展開によって変化が起きたのは4周目。約15人が先行する形になり、ここにKINAN勢は山本元、椿、トマが入る。しかし、ここは集団からもすかさずチェックがあり、完全に抜け出すまでには至らない。その後もプロトン全体が活発で、KINAN勢もたびたび前方をうかがう姿勢を見せる。

レース半ばになりメイン集団は35人程度にまで絞られる。そこから、この日2回目となる大きな動きがあったのは7周目。山本元、山本大、トマを含んだ16人の先頭グループが形成されると、有力チームの多くが選手を送り込んだこともあり勢いを増していく。後続との差はみるみる間に開いていった。

この先頭グループの中でも駆け引きがあり、たびたび数人単位のパックに割れる場面が見られたが、8周目の終盤に仕掛けたトマのアタックによって状況は一変。ここに石原悠希(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)、小石祐馬(チームUKYO)が加わり、3人がそのまま逃げの態勢を固める。KINAN勢は山本元と山本大が第2グループに待機し、追撃態勢に備える。

ただ、終盤になるにつれてトマら3人の勢いが明白に。しばらくは30秒前後のタイム差だったのが、最終周回を迎える段階で約1分20秒に拡大。この日の勝者は3人の中から出ることが濃厚になった。

快調に先頭交代のローテーションを繰り返したトマら3人だったが、決定打は残り2kmでやってきた。上りを利用してトマがアタック。一緒に逃げ続けた2人を完全に置き去りにし、独走に持ち込む。こうなると、あとはフィニッシュへと急ぐだけ。最後は後ろに25秒差をつけて優勝を決めた。

トマの勝利から1分29秒。第2グループで待機となった山本大と山本元も上位争いのスプリントに加わってそれぞれ7位と8位。この結果、トマの優勝、山本大のポイント賞に加えて、今節限定で設けられたチームポイント賞も獲得。トップ10に3人を送り込み、個人・チームそれぞれでタイトルを獲得した。

宇都宮で連日チーム力を発揮し、最高の結果につなげたKINAN Cycling Team。7月からのレースシーズン再開以降、好調な戦いぶりを続けており、今後も勢いのまま進んでいく。次の公式戦は、8月22・23日の群馬ロードレース8月大会。下部カテゴリーのE1クラス(Jプロツアー直下のエリート最上位クラス)との交流戦も兼ねており、アマチュア実力者たちの挑戦を受けつつ、プロチームとしての意地を見せる絶好の機会となる。

宇都宮ロードレース(73.7km)結果
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 1時間49分9秒
2 石原悠希(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team) +25秒
3 小石祐馬(チームUKYO) +26秒
4 西村大輝(宇都宮ブリッツェン) +1分26秒
5 横塚浩平(チームUKYO) +1分29秒
6 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) 
7 山本大喜(KINAN Cycling Team) 
8 山本元喜(KINAN Cycling Team) 
20 中島康晴(KINAN Cycling Team) +3分13秒
30 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分17秒
32 椿大志(KINAN Cycling Team) +3分20秒

中間スプリント賞(第2周回)
山本大喜(KINAN Cycling Team)

チームポイント賞
KINAN Cycling Team

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
「残り2kmでのアタックは正直“イチかバチか”だった。残っていた力をすべて注ぎ込むつもりで、独走になってからも全力で踏み続けた。このレースで勝つための実質唯一のチャンスだったと思う。
レースがない日々が続いて、もちろん勝つことに飢えていたよ(笑)。国際UCIレースが開催できない状況で、いまはJプロツアーに集中しないといけない。開幕以降たびたび上位争いに加わることができたが、今日は優勝する絶好のチャンスだった。それを生かすことができて本当にうれしい」

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