大坂なおみが世界スポーツ賞最終候補…日本選手初受賞なるか

テニスの大坂なおみが、世界のスポーツシーンで最も優れた功績を残した選手を称えるローレウス世界スポーツ賞2021の年間最優秀女子選手の最終候補にノミネートされた。年間最優秀復活選手部門にはバドミントンの桃田賢斗がノミネートされた。

大坂なおみ

大坂はアスリートオブザイヤーでも日本勢初受賞

世界40カ国以上でスポーツを通じた社会貢献活動に取り組んでいるローレウスが主催するローレウス世界スポーツ賞2021は、1000人を超える世界中のスポーツジャーナリストの投票によりノミネートが決定した。このあとは69人のローレウス・ワールド・スポーツ・アカデミーメンバーによる投票が行われ、その投票結果をもって受賞者が決定する。

大坂は国際スポーツプレス協会(AIPS)のアスリートオブザイヤーでも日本勢として初受賞した実績があり、今回も有力候補と言われている。

ローレウス世界スポーツ賞2021の6部門にノミネートされた選手・チーム・団体

年に一度、スポーツシーンにおいて最も優れた功績を残した個人や団体を称える同賞は、2021年で22回目を迎え、今日ではスポーツ界において最も名誉あるアワードの一つと称されている。2020年は大坂がローレウス年間最優秀女子選手部門、ラグビー日本代表チームがローレウス年間最優秀成長部門にノミネートされていた。

バドミントンの桃田賢斗が年間最優秀復活選手部門にノミネートされた

年間最優秀女子選手部門には大坂のほか、自転車世界選手権でロードレースとタイムトライアルの両方で優勝を飾ったオランダのアンナ・ファンデルブレッゲン、イタリア人で初めてワールドカップスキーで総合優勝を果たしたイタリアのフェデリカ・ブリニョネ、ロンドンマラソンで優勝したケニアのブリジット・コスゲイ、リヨンのキャプテンを務め女子チャンピオンズリーグで5連覇を果たしたワンディ・ルナール、そしてシアトル・ストームをWNBAチャンピオンシップ優勝に導いたバスケットボールのブレアナ・スチュワートが名を連ねている。

年間最優秀女子選手にノミネートされたのは自転車ロード2冠のアンナ・ファンデルブレッゲン(オランダ)、スキーのフェデリカ・ブリニョネ(イタリア)、陸上競技のブリジット・コスゲイ(ケニア)、大坂、サッカーのワンディ・ルナール(フランス)、バスケットボールのブレアナ・スチュワート(米国)

大坂なおみのコメント
「世界中のメディアのみなさまによってローレウス賞に再び選出していただき、光栄に思っています。ローレウスはコートやピッチ上で行われるスポーツの結果だけでなく、スポーツを通じた活動をいかに世界中の若者の助けになるのかという面も含め、大局的な評価を重視しているので、この賞にノミネートされるというのは私にとって特別なことです。現代は、スポーツはいろいろな方法で大きな変化をもたらすことができ、世界を変える力を持った時代であると思っています」

年間最優秀男子選手にノミネートされたのは陸上5000mのジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)、棒高跳びのアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)、モータースポーツのルイス・ハミルトン(英国)、バスケットボールのレブロン・ジェイミス(米国)、サッカーのロベルト・レバンドフスキー(ポーランド)、テニスのラファエル・ナダル(スペイン)

交通事故から復帰を果たした桃田賢斗がノミネート

桃田は、2020年1月のマレーシアマスターズ優勝の翌日、車で空港へ移動する際に乗っていた車両が交通事故に遭遇し重傷を負った。さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界大会が相次いで中止になったこともあり、12月に行われた全日本選手権まで競技復帰の時間を要した。

しかし、その全日本選手権では準々決勝で1セットを失ったものの、この試合以外はストレート勝ちで決勝に進出。決勝では2-1で勝利をおさめ、復帰戦を優勝で飾った活躍が評価されてローレウス最優秀復活選手部門に選出された。

大ケガからカムバックしたバドミントンの桃田賢斗がノミネートされた年間最優秀復活選手部門

この部門にノミネートされた選手たちはさまざまなハードルを乗り越えたアスリートの真の精神や固い決意、粘り強さを体現した選手たちが並ぶ。父の死からカムバックを果たし優勝を手にした女子トップスキー選手のミカエラ・シフリン、がんを克服しXゲームのスノーボードで2つの金メダルを手にしたカナダのマックス・パロット、脚の負傷により728日の離脱、17回の手術を経て復帰したNFLワシントン・レッドスキンズ(ワシントン・フットボールチーム)のアレックス・スミス、イップスにより引退し7年後に見事メジャー復帰を果たした野球のダニエル・バード、そして出産からわずか184日後にロンドンのクラブチーム、トッテナムで現役復帰を果たした米国サッカースターであるアレックス・モーガンらが候補。

ツール・ド・フランス逆転優勝のポガチャルも

ローレウス年間最優秀成長選手賞の候補者には、2020年に大きなインパクトを残した最高の若手選手たちが名を連ねている。ツール・ド・フランスで100年振りに最年少総合優勝記録を打ち立てたスロベニアの21歳タデイ・ポガチャル、スペイン代表史上最年少得点者となったバルセロナの17歳、アンス・ファティ、そしてmotoGP世界選手権で初優勝を果たしたスペインの23歳、ジョアン・ミル。全仏オープンテ ニスで1990年以降で最年少グランドスラム優勝を果たしたポーランドの19歳イガ・シフィオンテク、そして全米オープンテニスでグランドスラム初優勝を達成したオーストリアの27歳ドミニク・ティーム。そしてカンザスシティ・チーフスを50年振りのスーパーボウル優勝に導いたパトリック・マホームズ。

大躍進した若手選手を表彰するブレークスルー賞には2020ツール・ド・フランス総合優勝のタデイ・ポガチャル(スロベニア)がノミネートされた

元オールブラックスのレジェンドでローレウス・ワールド・スポーツ・アカデミー会長
ショーン・フィッツパトリックのコメント

「困難な1年を経て、私たちはローレウスを通じて人びとの功績を称える重要性をかつてないほど痛感しています。彼らは多くの場合これまでとまったく異なる環境下で、あるいは無観客にもかかわらず、大変な苦労の末にスポーツの世界に戻ってきてくれました。困難な時にすべての人の心を前向きにしてくれたのです。
アカデミーのメンバーとして、素晴らしい成果を達成した選手たちのほかに、3つのプログラムがローレウス・スポーツ・フォー・グッドの受賞者候補として選出されていることを誇りに思っております。こうしたプログラムは、世界中の社会的格差に苦しむコミュニティで過酷な状況の中活動を行い、スポーツの素晴らしさを示すとともに、逆境の中でも社会を変えるツールとしてスポーツを用いて、懸命に取り組んできました」

チーム賞にノミネートされた6団体

●ローレウスのホームページ

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