2種類の乗車姿勢が禁止…コロナ禍でシーズンはどう変わる?

コロナ禍中で始まった2021ロードシーズン。主要大会は例年通りの開催を目指し、ツール・ド・フランス直後に東京五輪が行われる予定。依然として感染者数が高止まりする欧州各国で、大会主催者は対策を強化してスタートにこぎ着けたい考えだ。UCI(国際自転車競技連合)がライディングポジション禁止を明確化したことも含め、どんなシーズンになるのか?

ハンドル上部に前腕を乗せて走るDHスタイルは禁止される

UCIが走行時の安全性を確保するために2種類の乗車姿勢を4月1日から禁止する。下り坂でお尻をサドルから前にずらし、フレームに腰を下ろすように身体をかがめる姿勢。ハンドル上部に前腕を乗せて前かがみになる姿勢(写真)だ。どちらも空気抵抗を低減させるためにプロ選手が考案したものだが、不安定になるため禁止された。

コロナ禍でどうなるかはだれにもわからない

2020年はコロナ禍で大混乱した自転車ロードレース。観客席のあるスポーツとは異なり、沿道に立てばだれでも無料で観戦できるだけに、感染防止対策は試行錯誤の連続だった。ツール・ド・フランスの主催社が作った「バブル」というやり方は、非感染が証明された選手と大会関係者を風船のような密閉空間に置き、外部との接触を遮断するという新対策。これが他スポーツにも適用されていった。

3月6日にイタリアで開催されたストラーデビアンケのゴール。一般の人の姿は見あたらない ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

その効果があったのか、ツール・ド・フランスは奇跡ともいうべき「感染選手なし」で、最終日のパリまで全ステージが行われた。ただし沿道の密まで制御できたとは言えず、フランスはその後第二波に襲われ、1日平均2万人の新規感染者と医療体制のひっ迫状況が今日まで続いている。

今季もすでに中止を発表した大会はいくつかある。UCIもそれを見越して、グランツールと呼ばれる三大大会(ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ)の参加チームを1増の23とした。欧州の伝統であり、多くの庶民が楽しみにしている主要大会だけは華々しくやりたいという意思の表れだ。

パリ〜ニース第2ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla

トップチームに所属する日本勢3人のメジャー大会出場にも期待

グランツールに出場できる可能性がある日本勢は3選手だ。バーレーンビクトリアスの新城幸也は東京五輪代表。「日本にいて五輪のために調整するのがいいと思うが、チームの打診があれば直前のツール・ド・フランスも走る」と決意を語る。米国のEFエデュケーションNIPPOは日本企業がサブスポンサーとなり、別府史之と中根英登を獲得した。名古屋市出身の中根は東京五輪選考に僅差でもれ、今季はメジャーレース参戦を目指して厳しいトレーニングを重ねている。

2021シーズンは五輪開催がキーとなる

2020年はコロナ禍により中止と延期が相次いだ主要大会だが、2021年は例年通りの開催計画に戻った。23日間の日程で行われるツール・ド・フランスは7月の第1土曜に開幕するのが慣例だが、2021年は東京五輪が7月23日(金)に開幕。24日(土)には男子ロードが最初の決勝競技として行われる。そのためツール・ド・フランスが東京に譲歩し、開催期間を1週間前倒し。6月26日から7月18日までの日程とした。また、当初はデンマークのコペンハーゲン市で開幕する予定だったが、1年延期になったサッカー欧州選手権と日程重複することになり、同市が断念。開幕地はフランス国内に変更された。

マチュー・ファンデルプールがストラーデビアンケ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●2021年の主要レース
3月7〜14日 パリ〜ニース(フランス)
3月20日 ミラノ〜サンレモ(イタリア)
4月4日 ツール・デ・フランドル(ベルギー)
4月11日 パリ〜ルーベ(フランス)
5月8〜30日 ジロ・デ・イタリア
6月26日〜7月18日 ツール・ド・フランス
7月24日 東京五輪男子ロード(日本)
8月14日〜9月5日 ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン)
9月26日 世界選手権エリート男子ロード(ベルギー)