ツール・ド・フランスの公式タイムキーパーを務めるTISSOT(ティソ)が、 アモリー・スポルト・オルガニザシオン(A.S.O.)とのパートナーシップ契約更新を発表。ブエルタ・ア・エスパーニャを含めて今後も計測を担当していく。
世界で最も権威ある自転車レースの公式タイムキーパーであり、 25年来UCI(国際自転車競技連合)のパートナーを務めるティソは、 ツール・ド・フランスやブエルタ・ア・エスパーニャをはじめとするA.S.O.が主催するビッグレースとのパートナーシップ契約を更新した。
創業以来168年の長い歴史の中でINNOVATORS BY TRADITION(伝統に根ざし、 伝統を打ち破るイノベーター)として世界中で愛されるウォッチメーカーとしての地位を確立してきたティソは、レースの主催者、アスリート、サイクルロードレースファンのリクエストに応え、極めて高精度の時間計測、スコアリング、ランキング、統計に必要とされるソリューションを提供している。
8人の計測スタッフが毎日16時間…ティソがツール・ド・フランス全日程に帯同
2018ツール・ド・フランスの現場レポート
ツール・ド・フランスでは、ゴール地点での前輪のコンマ1秒、あるいはコンマ1cmの差で勝負が決まることがある。勝利と敗北の時間差を計算するには、技術的なツールが必要であり、 ティソは1938年に初めてスポーツ計時に携わって以来、開発、技術革新、改良を重ねてきた。
レースではスプリントフィニッシュが肉眼では分析できない場合、高度な技術を駆使して重要な審判の役割を果たす。最も権威あるこのサイクルロードレースの主催者や出場選手、レースの観戦者やテレビ視聴者に信頼のおける結果を提供するために、ティソは1秒間に1万枚の画像を撮影できる高速度カメラを各ステージのフィニッシュラインに設置。
「フォトフィニッシュ」が可能な複数のデバイスを用い、計時だけでなく、スコアリング、ランキング、統計に関するすべての情報を数秒で提供している。
コンマ1秒を争う計測には卓越した組織力と献身的な努力が求められる。世界最高峰の自転車レースであるツール・ド・フランスでは、最低でも8人のティソのタイムキーパーが、またタイムトライアルの際には約10人の技術者とともに、全21ステージで活躍している。ティソは平均して4200件以上のフォトフィニッシュ判定を行っていて、280時間の準備を含めるとその作業時間は実に約2600時間におよぶ。
こうした努力の積み重ねなくしては、レース結果も順位も判定することができないという。こうしたタイムキーピングに携わる専門スタッフはいわば影の存在だが、彼らのおかげでツール・ド・フランスを開催することができるのだ。ティソが長年サイクルロードレースに携わっているのは、ひとえに自転車競技にかける情熱ゆえに他ならないという。
ログリッチがティソのアンバサダー
1988年から5年間ツール・ド・フランスの公式タイムキーパーを務め、再び2016年からその任に復帰したティソは、ツール・ド・フランスの公式ウォッチも製作している。25年来のUCIの主要パートナーであり、ツール・ド・ロマンディとツール・ド・スイスのスポンサーを務め、2016年からはブエルタ・ア・エスパーニャ、2020年からはジロ・デ・イタリアの公式タイムキーパーも務めている。そんなティソはまぎれもなくサイクルロードレースにおける最強のウォッチメーカーと言える。さらにティソはスロベニアのサイクルロードレースチャンピオン、 プリモシュ・ログリッチをスポーツアンバサダーに迎えている。
ティソとA.S.O.とのパートナーシップ契約の更新は、スイスのル・ロックルを拠点とするティソの、自転車界と永続的な関係を築いていきたいという強い意志を表している。ティソのCEOを務めるシルバン・ドラは「ツール・ド・フランスやブエルタ・ア・エスパーニャをはじめ、 パリ~ルーベ、リエージュ~バストーニュ~リエージュ、フレッシュ・ワロンヌといった伝説的なクラシックレースの公式タイムキーパーとして、ティソがA.S.O.とのパートナーシップ契約を更新できることをうれしく思う。 私たちはA.S.O.と長年にわたってチームを組み、極めて高精度な計時ソリューションを提供してきた」と語っている。
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ツール・ド・フランス大会ディレクターのクリスティアン・プリュドムは 「ル・ロックルにおいて長い歴史をもつウォッチメーカー、ティソとパートナーシップ契約を延長できることを大変光栄に思う。自転車競技は数秒、時には1000分の1秒の差で勝敗が決まることもある。ティソとA.S.O.は偉大なチャンピオンたちの努力を称えるツール・ド・フランスと自転車競技について同じビジョンを共有している」と述べた。