秋吉台カルストロードで山本大喜がJCLシリーズ初優勝

三菱地所JCL(ジャパンサイクルリーグ)プロロードレースツアー第7戦、秋吉台カルストロードレースが9月12日に行われ、KINAN Cycling Teamの山本大喜がフィニッシュ前の急坂区間でトップに立ち、そのまま優勝。このシリーズで初の勝利を挙げた。

山本大喜のウイニングポーズは直前を走る関係車両を回避して撮影された ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

この結果により、シリーズリーダーの証であるイエロージャージも獲得。個人ランキングでトップに立っている。

前日の11日から行われてきたJCLの山口ラウンド。先だって行われ山口ながとクリテリウム」では、中島康晴がチーム最高の5位。秋吉台に舞台を移して行われるロードレースでは、クリテリウムで逃したレース表彰台の最上段を狙って挑んだ。

日本最大のカルスト台地・秋吉台を縦断するカルストロードをメインに据えたレースコースは、29.5km。これを4周する公道コースが設定され、総距離118kmで争われる。ハイライトとなるのが、フィニッシュ前1.3kmからの急坂区間「カルストベルグ」。平均勾配15%、最大で22%に及ぶ急勾配は、勝負を決めるにふさわしいポイント。実際に、この上りで戦いが決することとなる。

山本大に加えて、中島、山本元喜、トマ・ルバ、新城雄大、そしてシリーズリーダーのイエロージャージを着る畑中勇介と、前日と同じオーダーでスタートしたKINAN Cycling Teamは1周目から積極的に展開。まず中島がスプリントポイントを1位で通過した。

大きく動いたのは2周目半ば。数人が飛び出したところに山岳賞のレッドジャージを着る山本元がジョイン。そのまま5人の逃げが決まると、長い時間レースを先行することとなった。タイム差は最大で約1分。この間、2周目と3周目のカルストベルグをトップ通過。労せず山岳ポイントを加算し、レッドジャージのキープを決めた。

最終周回でさらにレースは激化。徐々に絞られていたメイン集団からトマが抜け出して、先行していた山本元に合流。先頭は3人となって、一時メイン集団に対して50秒差まで広げる。しかし集団もペースを上げて、最終周回の復路で先頭に合流。おおよそ15人ほどのグループから優勝者が出るのは濃厚な情勢に。ここで本多晴飛選手(VC福岡)が飛び出したのを機に、トマが集団牽引を開始。KINANメンバーも前線に位置してカルストベルグでの勝負に備えた。

そして、本多選手とは10秒ほどの差で最後のカルストベルグへ。勾配が厳しくなる区間でアタックが散発するが、山本大は冷静に対処。脚を残して仕掛けるタイミングを計ると、残り200mでカウンターアタック。この一発で後続を引き離して、単独でフィニッシュへと到達した。

厳しいマークに遭いながらも、最後の力勝負を制してシリーズ初勝利。チームとしても、このシリーズでは3勝目とした。同時に、山本大は個人ランキングでトップに立ち、畑中に代わってイエロージャージに袖を通している。

シーズン後半を迎え、各レースの勝利だけでなく、シリーズタイトルを賭けた戦いも熱を帯びている。この先は、リーダージャージやチームランキングの首位を守ることも意識しながら、主要なレースに臨むこととなる。

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