ナビタイムジャパンが2022年4月20日、自転車プローブデータを用いた新たな走行状況分析システム『自転車プロファイラー』の提供を開始。自転車通行量、交通流分析と所要時間、速度分析、走行挙動分析ができる。
安全快適な走行環境の整備やサイクルツーリズム推進を支援
自転車プローブデータとは、ナビタイムジャパンが提供する自転車専用ナビゲーションアプリ『自転車NAVITIME』で同意を得たユーザーを対象に、GPSにより1~6秒間隔で取得された車両ごとの走行実績データ。ユーザーを匿名化した上で、取得したプローブデータから自転車通行量、 交通流分析/所要時間、 速度分析/走行挙動分析などに利用することが可能。
・主な特長
- 分析用途に応じて提供フォーマットの調整ができる
- 自転車ユーザーの走行状況を把握できる
ナビタイムジャパンでは2017年10月から、『カーナビタイム』などのカーナビアプリから取得した自動車プローブデータを活用した道路交通分析システム『道路プロファイラー』を提供。これまでも交通安全対策や渋滞緩和に取り組まれる自治体や事業者に対して交通ビッグデータを活用した交通の最適化を支援してきた。
今回は『道路プロファイラー』同等の機能を搭載する自転車に特化したシステムを提供することで、自動車に加えて、自転車においても道路開通や工事規制前後での交通状況の分析や自転車ユーザーに利用されやすいエリア・道路の把握が可能に。安全で快適な自転車走行環境の整備やサイクルツーリズム、自転車サービス(シェアリング)の推進、自転車に関連するマーケティングなどに活用できる。
専用サイトにログインし、分析したい道路や期間を自由に選択するだけで、集計・可視化を手軽に高速で行えて、詳細な交通動態を素早く、直感的に、インタラクティブに把握することが可能。そのためこれまで交通ビッグデータの取得や集計にかけていたコストの削減や業務の効率化が期待される。
まずは過去の自転車走行状況の可視化を目的に、自転車通行台数、速度、走行経路の3つの分析機能を実装。今後はより便利に利用できるように機能拡充していく。
新型コロナウイルス感染拡大前後における自転車走行台数の変化
『自転車プロファイラー』からダウンロードしたデータを活用し、新型コロナウイルス感染拡大前と、拡大後における東京都内の自転車走行台数の変化を「自転車走行台数の増加率」に着目し、分析した(図)。なお、拡大前を2019年10月、拡大後を2020年10月と設定し、平日7時~19時までの走行台数を分析している。
図を見ると、感染拡大後は幹線道路を中心に自転車走行台数が増加。密を避けた交通手段である自転車の需要の高まりがうかがえる。また、オフィス街である国道15号(中央通り)日本橋~新橋付近では200%以上増加した区間もあることから、営業での移動や通勤などでの自転車利用も一定数存在することが示唆される。
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