【ツール・ド・フランス現場雑感】スポーツイベントだけどガストロノミー

イサギレが31kmを独走して7年ぶりのステージ優勝

第110回ツール・ド・フランスは7月13日、ロアンヌ〜ベルビル・アン・ボジョレー間の169kmで第12ステージが行われ、コフィディスのヨン・イサギレ(スペイン)が残り31kmの峠から独走し、2016年以来2度目の優勝。

シモン・ゲシュケに祝福されるイサギレ(右) ©A.S.O. Pauline Ballet

総合成績ではユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が首位を守った。

2023ツール・ド・フランス第12ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

強さには自信があったが、うまく決めるのは難しい(イサギレ)

チームメートともに第1集団に加わったイサギレ。そのイサギレが独走を決めると僚友が抑え役となり、逃げ切りに貢献した。

「自分の強さには自信があるが、これまで逃げがうまく決まらなかった。それだけに信じられない」とイサギレ。開幕地バスク地方の出身選手としては第10ステージのビルバオに続く優勝。どちらも軽量で、上りの強さを見せつけた。

ポガチャル、なに思う? ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ニールソン・ポーレス(米国、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ボジョレーのぶどう畑を行く ©A.S.O. Charly Lopez
2023ツール・ド・フランス第12ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

美食のブルゴーニュ地方。そしてゴールはあのボジョレー

昨日のホテルはキリヤード。といえばルーブルホテルグループで上の方のクラスのホテルでした。ところがちょっとおかしいんです。まずキリヤードの次にディレクトという文字があることにひっかかりました。Google Mapで場所を調べると確実にそのホテルがある場所なんですが、Hotel F1と表示されています。

「ボジョレーって知ってる?」。よく知っていますよ

F1はライバルホテルチェーンのアコーグループの最もグレードの低いところです。トイレとシャワーが共同で、床がベチャベチャなのであまり心地いいものではありません。ツール・ド・フランス取材仲間はF1しかホテルが確保できなかったときは、これも修行と我慢して宿泊したものでした。

で、結局この日のホテルはF1を居抜きして改装したキリヤードを名乗る安価なホテルでした。それでもトイレとシャワーは各部屋にあって、狭いけれど清潔なので熟睡できました。街道筋で、歩いてレストランに行くのは多少危ないでの、ボルドーでもらった2019年の赤ワインをベースに、スーパーで買い込んだスモークサーモンなど温めなくていいもので部屋飲みでした。

2023ツール・ド・フランス第12ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

翌日はA79高速の最新システムに挑戦。料金所がないのでカルト・テレペアージュ(日本で言うとETC)搭載車か、それがなければ事前にホームページにアクセスして、登録国と車両ナンバーを入力しておけば利用できるというもの。

現状では、乗る区間を申告して、表示された金額をクレジットカードで支払います。料金は2.9ユーロとガクッとするほど安価。それというのも実際に乗ってみたら、料金ゲートというものがなく、途中に設置されたカメラによってナンバーを読み取るというシステムのようです。

トリコロールを飾るとおいしそうに見える

A79高速が昨年から試用期間を設けて実験し、今年になって施行されたとのこと。今後はこういったタイプの運用が多くなっていくはずで、ETCがいらなくなるかもしれませんね。

ホテルはゴール地点のすぐ近くで、午後2時を過ぎてから歩いてチェックインに行き、キーを確保したのでもう大丈夫です。ボジョレーワインもプレスセンターでもらったので2夜連続で部屋飲みを楽しもうかな。

ブルゴーニュ地方でランチ

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