ピレネー山脈最後の山岳ステージは、ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ(英国)がゴールまでの上り坂で独走を決め、第12ステージに続いて優勝。前日に区間勝利したグルパマFDJのティボー・ピノ(フランス)が33秒遅れの2位。首位のマイヨジョーヌを着るジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)は1分49秒遅れの11位。首位は守ったもののライバルに詰め寄られた。
翌日は大会2回目の休息日で、23日から最後の6区間が待ち構える。
アラフィリップが遅れた! マイヨジョーヌの行方は五里霧中
この日も序盤からサイモン・イェーツを含む区間優勝ねらいの選手が第1集団を形成した。本来のイェーツなら総合優勝を争える実力を持つだけに、ライバル選手は逃げを容認しないが、大会前半で大きく遅れているため第12ステージと同様に先行を許すことになる。第2集団に残った有力選手らは互いの総合成績をにらみながらの戦いとなり、区間優勝争いとは別のレースをしているのである。
イェーツは残り8.8kmで単独となり、そのままゴールまで逃げ切るが、その後方ではいよいよ有力選手が積極的に動き始めた。残り7kmでピノがアタックすると、首位のアラフィリップ、総合2位のゲラント・トーマス(英国、イネオス)がたまらず脱落。最も苦しそうなのは前日に死力を尽くしたアラフィリップで、ついにここで遅れをとる。前日まで2位トーマスに対して積み重ねてきたタイム差もこの日だけで27秒を失う。前日までの貯金でなんとかマイヨジョーヌを守ったが、表彰式ではこれまでのような笑顔が見られなかった。
一方ピノはこの日、イェーツには33秒届かなかったが、総合成績で1分50秒遅れの総合4位まで浮上してきた。トーマスからはわずか15秒遅れだ。前日はフランス中がアラフィリップ優勝の可能性を見出したが、わずか1日でその期待はピノに移ったと言ってもいい。
「厳しい1日になることは分かっていた。最後まで全力を尽くしたが、今日は少しタイムを失うと覚悟はしていた。それでもマイヨジョーヌを死守できてうれしいよ。夢はまだ続いている。最初からボクは優勝候補ではなかったし、さらに苦しい戦いはこれから待っていると思う」とアラフィリップ。
大会最終週は総合優勝争いを決するアルプスの山岳ステージ。アラフィリップは依然リードを保つが、上りの強さを考えれば絶好の位置につけるのはトーマス。そしてピノだ。
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(イネオス、コロンビア)
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