映画俳優のレオナルド・ディカプリオがそのはき心地に惚れ込んで出資したことで話題の米国サンフランシスコ発のシューズブランドAllbirds(オールバーズ)。2020年1月10日に東京・原宿に世界15店舗目、日本初店舗をオープンさせて連日盛況だ。シンプルなデザイン、自然から作られた製品に魅力を感じるからだ。
他社スニーカーのような目を引くロゴも無意味なディテールも使わない。自然な素材を使用し、実用性を考えてデザインされた世界一快適なシューズだという。それほどにシンプルだ。
快適な履き心地には確かな自信がみなぎる。「試すことは信じること」とばかり、オールバーズのシューズを30日間履いてみて、満足できない場合は無条件で返品可能。共同経営者の1人がのサッカー元ニュージーランド代表ということもあり、同国のメリノウールをシューズ素材として採用。柔らかくて心地よく、ソックスなしでもはきこなせるほどだという。
自然から作られたシューズという点もトレンドに敏感な人たちに支持される。同社によれば、「フットウェア産業は大自然が生み出す素材をたびたび見落とし、安くて人工的な素材を使用してきた。今こそこの状況を変えるべきだと考えている」という。その結果リリースされたものが原宿の店頭に並べられている。
「気候変動の脅威は極めて深刻で、私たちが日常的に使用する製品の裏にある素材や製造の工程により、この問題を深刻化させるばかりです」とオールバーズの経営者陣。
「私たちAllbirdsは、この地球規模の環境問題を解決するためには、事業や消費者が環境に配慮した代替素材を選択する必要があると理解しています。そのため、私たちは、よりよい方法でよりよいモノ作りを行うことを使命と考えています」
サステイナビリティに対する同社の情熱が、環境活動家でもあり、アカデミー賞の受賞経験もあるレオナルド・ディカプリオとの協力につながった。ディカプリオをAllbirdsの投資者として迎え、共に気候変動に対応するべく力を尽くすなかで、「素材にこだわる」ためにはどうすればいいのか、という一見単純にも思える問いにたどり着いた。
こうして同社が着目したのがウール、ツリー(木材)、サトウキビだという。
【ウール】柔らかく快適で、どのような動きにもフィットする驚きのシューズ
なぜウールなのか? メリノ種の羊のウール繊維は、人毛の直径の20%の太さで、メリノ種の羊たちは最高級のコートを身に着けているのと同じ状態にある。同社は最高級のメリノウールを使用し、特別な工場で自社独自の素材を開発した。刺激を引き起こすチクチク感もなく、温度を調節するとともに湿気を逃がすことができる。
【ツリー】軽く風通しがよく、快適な冷感を備え、考え抜かれて作られたシューズはどのような動きにも対応
なぜツリーなのか? 木からシューズを作ることを思い付いたとき、同社はリスクを冒していたのかもしれないという。しかし、魔法のようなユーカリの木の繊維のおかげで、通気性がよく、とても柔らかく、冷却効果によってシューズの中を涼しく保つことができる素材をつくることが可能となった。ユーカリの木の繊維もまた、自然由来で再生可能であり、従来よりも環境に優しいモノ作りを実現できる。
【サトウキビ】最も優れた自然の恵み
大自オールバーズは自然が作り上げたものを土台として、目の前に存在する素材の新しい使用方法を模索してきた。サステイナブルな素材であるサトウキビはその代表。サトウキビは自給自足が可能で、処理の過程でバイオマスが抽出され、それが処理機の燃料となり、翌年の収穫のための肥料としても使用される。これをSweetFoamの靴底に加工するとき、弾力性のある快適な履き心地を生み出し、履く人がリラックスできるのだという。
SweetFoamは、灌漑ではなく雨水で栽培されたブラジル南部のサトウキビを使用して作られている。サトウキビは成長が早く、100%再生可能な資源であり、プロセスを通じて空気中の二酸化炭素を減らすことが可能。同社が使用するサトウキビは人々や環境を守るため、厳格な基準のもとに調達。農場は第三者機関によって監査を受けているという。
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