2019年の台風被災で全面通行止めとなった鎌倉ハイキングコースは、葛原岡・大仏コースや浄智寺〜葛原岡神社などが復旧工事により通行できるようになったが、被害の大きい祇園山や天園〜瑞泉寺区間は依然通行止め。ただし自転車乗り入れを含めた侵入者もいるようで、鎌倉市観光協会が規制を順守するように呼びかけている。
2019年9月8日から9日にかけて首都圏を襲った台風15号の影響で、神奈川県鎌倉市にあるハイキングコースは壊滅的な被害を受けた。さらに同年の台風19号で被害は拡大。鎌倉市のすべてのハイキングコースは通行止めとなった。
鎌倉市は令和元年度一般会計補正予算で、土砂崩落対応に約2億1000万円、倒木処理対応に約900万円、災害備蓄品の補充とハイキングコース復旧などに約7000万円を充てて工事を進めている。おかげでメインルートとして人気のある葛原岡・大仏コースが真っ先に通行止め解除。葛原岡神社から北鎌倉駅に向かう浄智寺コースも復旧。さらに天園ハイキングコースの一部、今泉台〜天園区間も通行できるようになった。
鎌倉市最高標高地点の天園はハイキングコースの十字路となっているが、現在は北に向かう横浜市境、南の獅子舞の谷、西の今泉台へはアクセス可能。唯一東に向かう瑞泉寺区間が通行止めとなっている(2021年1月15日現在)。
ただし通行止めにもかかわらず侵入者も存在する。市内のハイキングコースを案内する鎌倉市観光協会のホームページには、「市としましては、正式に復旧工事を行った後、安全確認を行ってから各コースの開通を行っており、上記コースは引き続き通行止めとさせていただいておりますので、ご理解くださいますようお願いいたします」と注意喚起している。
「また、昨年(2020年)の秋にも周知しておりますが、通行止めにも関わらず、オフロードバイクや自転車等の乗り入れについての通報も引き続き何件かいただいております」とのこと。通行止め区間の侵入は自らに危険が生じるだけでなく、復旧作業に支障をきたすことになる。
天園〜瑞泉寺区間は2021年4月以降に通行止め解除を目指す。ハイカーはそれまでの辛抱、オフロードバイクや自転車利用者はそれ以降も通行不可。オフロード系サイクリストは富士山麓トレイルコース「Fujiyama Power-line Trail」などのフィールドで走ろう。
復旧を完了した区間と通行止め区間
【祇園山】
×大規模ながけ崩れや倒木により復旧の目途が立たず
【葛原岡・大仏】
葛原岡~大仏…2020年4月に復旧
葛原岡~浄智寺…2020年6月に復旧
【天園】
今泉台4丁目~天園、今泉台6丁目公園~覚園寺…2020年6月に復旧
×天園~瑞泉寺…2020年度以降に復旧予定
天園から横浜市へは通行可能(詳しくは横浜市栄土木事務所ホームページで)
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