ビッセガーが最速タイムで首位に…パリ〜ニース第3ステージ

「ルート・オ・ソレイユ=太陽への道」という愛称を持つ8日間のステージレース、パリ〜ニースは3月9日に第3ステージとして大会唯一の個人タイムトライアルが行われ、EFエデュケーションNIPPOのシュテファン・ビッセガー(スイス)がトップタイムを出して優勝。総合成績でも首位に立った。

2021パリ〜ニース第3ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla

ビッセガーはドゥークニンク・クイックステップのレミ・カバニャ(フランス)と同タイムの記録だったが、公式には切り捨てられるコンマ以下の計測でステージ優勝。6秒遅れの3位はユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)で、総合成績でも3位に浮上した。

首位を陥落したマイケル・マシューズ(バイクエクスチェンジ) ©A.S.O. Fabien Boukla
マキシム・ブエ ©A.S.O. Fabien Boukla
シリル・ゴチエ ©A.S.O. Fabien Boukla
パリ〜ニース第3ステージを走るサンデル・アルメ ©A.S.O. Fabien Boukla
クリストフ・ラポルト ©A.S.O. Fabien Boukla

パリ〜ニース関連ニュース
パリ〜ニース開幕…ベネットがスプリントVで首位に(2021年3月8日)
ボル優勝、首位はマシューズ…パリ〜ニース第2ステージ(2021年3月9日)
●パリ〜ニースのホームページ

フラットバーグラベルはサスなしMTBとはまた違う

LOUIS GARNEAU(ルイガノ)日本総販売代理権を持つあさひが、2021年3月下旬より「SETTER ADVANCED=セッターアドバンス」の販売を開始する。グラベルライドもこなせるポテンシャルを秘めたバイクをストリートというフィールドで乗りこなせるもの。11万円(税別)。

セッターアドバンス

半歩先を行く製品コンセプトと感度の高いデザインを特徴とするルイガノのアドバンスシリーズから「SETTER ADVANCED」がリリースされる。細身のクロモリ製フレームに組み合せたボリュームあるカーボンフォークとのアンバランスさが生み出す造形美が目を引く。

チェーントラブルの少ないナローワイドチェーンリング。クランクアームにはブランドロゴが刻印されている

メインコンポーネントはシマノ製デオーレの10スピードを採用。キレのいい確実なシフトチェンジが行える。足回りは軽いタッチで制操作できるTEKTRO製の油圧式ディスクブレーキを装備。さらに近年スタンダードになりつつあるスルーアクスルを組み合わせることで常に安定したブレーキングが可能。

メインコンポーネントはSHIMANO製MTBミドルグレードのDEORE。確なシフト操作が可能

タイヤは軽快な走行感にオフロードでの扱いやすさをプラスしたKENDA製KOMMANDOをアッセンブル。アスファルトから荒れた路面まで走破できるので、これ一台で幅広いフィールドを遊び尽くすことができる。

TEKTRO製の油圧式ディスクブレーキを採用。スルーアクスルを組み合わせることで安定した制動力を発揮

●ルイガノのホームページ

広島にサイクリング拠点「大朝モビリティステーション」

広島県で交通事業を手がける大朝交通は広島市内から1時間圏内の広島県山県郡北広島町大朝にサイクルステーション「O.M.S 大朝モビリティステーション」をオープン。 公式サイトで予約受け付けを開始する。

ステーションはサイクリングの休憩場、簡単なメンテナンスができるサイクルステーションの機能と周辺の歴史や自然が堪能できるeバイクガイドツアー、その場でeバイクなどがレンタルできるレンタサイクルサービスを提供する総合サイクルステーション。

eバイクガイドツアー

毛利元就の次男、吉川元春の関連する史跡・神社が数多く残る町、そして自然豊かな町大朝をスポーツタイプの電動アシスト自転車で巡る。コースによっては地元の人も通らない道、知らない場所に案内。 
ツアー料金 大人:6000円 小中学生:3000円

レンタルサイクル
電動アシスト自転車(スポーツタイプ)12台
電動アシスト自転車(小径タイプ)3台
子ども用自転車(スポーツタイプ)5台
計20台
レンタル料金 大人:3時間 2000円 5時間 2500円 小中学生:3時間 1000円 5時間 1500円

eバイクなどのレンタルもある

サイクルステーション
駐車場、駐輪場、トイレ、休憩所完備。サイクリングコースや観光スポットの案内も。

気軽に立ち寄れるサイクルステーション

●O.M.S 大朝モビリティステーションのホームページ

偽造品注意…マヴィックの偽物は重大な事故の可能性も

自転車ホイールメーカーのマヴィックの模造品が出回っていることに、同社が注意喚起のリリースを発信した。アジア圏に偽造マヴィック製品の製造拠点があることを突き止め、調査と法的措置を取るという。

模造品をラボでテストしてみると、リムが実験直後に破壊された。ハブも検証限界距離の90%で破損した

偽造品が発覚したのは、本国フランスのロードサイクリストが自転車に乗って小さな丘を下っている途中に製品の不具合から衝突しそうになったこと。2020年にマヴィックと自転車店に事件を報告し、偽造品が発覚した。フランス北部にある同社営業が生産拠点がアジアにあることを特定した。

デザインの品質が悪い
⚫低品質のステッカー
⚫ハブのMAVICのロゴがない
⚫間違ったMAVICロゴ

仕様(種類、材質、数量など)がMavic純正製品 (現行モデルまたは旧モデル)と一致していない
⚫Jベントスポークを使用している
⚫スポーク本数が異なる
⚫リムの高さと幅の相違
⚫ハブ自体が異なる

これらの偽造ホイールは危険で、重大な怪我や死亡につながる可能性があるという。安全性と信頼性を保証するための基本的なテストをクリアできず、その危険性が実証された。マヴィックはこれらの偽造品を発見するたびに、法的措置を取っていくという。

危険な偽造品の生産と販売の両方を停止することでユーザーに安全な商品を提供するためにも、ホイールや製品の偽造品について懸念がある場合は近くの正規販売店に連絡してほしいという。

本物かどうか確認する方法

シリアル番号を取得し、正規販売店に連絡してMavicに確認するよう依頼するか、www.tech-mavic.com または www.mavic.com/care で保証の登録を試みることにより確認できる。システムが登録を拒否した場合、その製品はおそら く偽造品なので、早急にマヴィックジャパンに連絡する。疑わしい場合は、マヴィック正規販売店にまず相談する。

●マヴィックのホームページ

KINAN Cycling Teamがポッドキャストページを開設

KINAN Cycling Teamがインターネット上で音声を公開する「ポッドキャスト」で選手やスタッフの声を配信していく企画を開始した。

現在は毎週金曜日にチームサプライヤーである、いなべエフエム(86.1MHz)夕方の情報番組「イブニングいなBee」で選手・スタッフが週替わりでレギュラー出演をしている。当初はスタジオ出演から始まったが、新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進行してからはスタジオとチームとオンラインでつなぎ、リアルタイムのやり取りをラジオ電波に乗せつつ、後日その様子をチームのYouTubeチャンネルでアーカイブ配信をしてきた。

今後は、2021年のレースシーズン開幕が間近に迫っていることや、開幕以降は各地でのレース、さらにはイベント活動の本格化も見込み、同番組のレギュラー出演を当面は電話でつなぐ形をとり、放送終了数日後に出演部分をポッドキャストで配信していくことになった。

それにともない、オーディオストリーミングプラットフォーム「Sportify」にKINAN Cycling Teamのポッドキャストページを開設。好きな時に、好きなだけ選手・スタッフの声を聴くことができるようになった。

いなべエフエム出演分については、選手・スタッフの近況やリスナーからの質問に答える様子を聴くことができるが、今後は独自の音声配信も積極的に展開し、チームとしての発信機会を増やしていきたいという。

●KINAN Cycling Teamのホームページ

2種類の乗車姿勢が禁止…コロナ禍でシーズンはどう変わる?

コロナ禍中で始まった2021ロードシーズン。主要大会は例年通りの開催を目指し、ツール・ド・フランス直後に東京五輪が行われる予定。依然として感染者数が高止まりする欧州各国で、大会主催者は対策を強化してスタートにこぎ着けたい考えだ。UCI(国際自転車競技連合)がライディングポジション禁止を明確化したことも含め、どんなシーズンになるのか?

ハンドル上部に前腕を乗せて走るDHスタイルは禁止される

UCIが走行時の安全性を確保するために2種類の乗車姿勢を4月1日から禁止する。下り坂でお尻をサドルから前にずらし、フレームに腰を下ろすように身体をかがめる姿勢。ハンドル上部に前腕を乗せて前かがみになる姿勢(写真)だ。どちらも空気抵抗を低減させるためにプロ選手が考案したものだが、不安定になるため禁止された。

コロナ禍でどうなるかはだれにもわからない

2020年はコロナ禍で大混乱した自転車ロードレース。観客席のあるスポーツとは異なり、沿道に立てばだれでも無料で観戦できるだけに、感染防止対策は試行錯誤の連続だった。ツール・ド・フランスの主催社が作った「バブル」というやり方は、非感染が証明された選手と大会関係者を風船のような密閉空間に置き、外部との接触を遮断するという新対策。これが他スポーツにも適用されていった。

3月6日にイタリアで開催されたストラーデビアンケのゴール。一般の人の姿は見あたらない ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

その効果があったのか、ツール・ド・フランスは奇跡ともいうべき「感染選手なし」で、最終日のパリまで全ステージが行われた。ただし沿道の密まで制御できたとは言えず、フランスはその後第二波に襲われ、1日平均2万人の新規感染者と医療体制のひっ迫状況が今日まで続いている。

今季もすでに中止を発表した大会はいくつかある。UCIもそれを見越して、グランツールと呼ばれる三大大会(ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ)の参加チームを1増の23とした。欧州の伝統であり、多くの庶民が楽しみにしている主要大会だけは華々しくやりたいという意思の表れだ。

パリ〜ニース第2ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla

トップチームに所属する日本勢3人のメジャー大会出場にも期待

グランツールに出場できる可能性がある日本勢は3選手だ。バーレーンビクトリアスの新城幸也は東京五輪代表。「日本にいて五輪のために調整するのがいいと思うが、チームの打診があれば直前のツール・ド・フランスも走る」と決意を語る。米国のEFエデュケーションNIPPOは日本企業がサブスポンサーとなり、別府史之と中根英登を獲得した。名古屋市出身の中根は東京五輪選考に僅差でもれ、今季はメジャーレース参戦を目指して厳しいトレーニングを重ねている。

2021シーズンは五輪開催がキーとなる

2020年はコロナ禍により中止と延期が相次いだ主要大会だが、2021年は例年通りの開催計画に戻った。23日間の日程で行われるツール・ド・フランスは7月の第1土曜に開幕するのが慣例だが、2021年は東京五輪が7月23日(金)に開幕。24日(土)には男子ロードが最初の決勝競技として行われる。そのためツール・ド・フランスが東京に譲歩し、開催期間を1週間前倒し。6月26日から7月18日までの日程とした。また、当初はデンマークのコペンハーゲン市で開幕する予定だったが、1年延期になったサッカー欧州選手権と日程重複することになり、同市が断念。開幕地はフランス国内に変更された。

マチュー・ファンデルプールがストラーデビアンケ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●2021年の主要レース
3月7〜14日 パリ〜ニース(フランス)
3月20日 ミラノ〜サンレモ(イタリア)
4月4日 ツール・デ・フランドル(ベルギー)
4月11日 パリ〜ルーベ(フランス)
5月8〜30日 ジロ・デ・イタリア
6月26日〜7月18日 ツール・ド・フランス
7月24日 東京五輪男子ロード(日本)
8月14日〜9月5日 ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン)
9月26日 世界選手権エリート男子ロード(ベルギー)