NIPPOデルコ・ワンプロバンスが6月8日から南仏キャンプ

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、3月中旬よりレース活動が停止していたNIPPOデルコ・ワンプロバンス。所属選手たちはそれぞれの自宅を拠点にトレーニングを重ねていたが、6月8日から14日までの日程で南仏シストロン近郊で参加可能な選手・スタッフが集まり、レース中断後初めてのトレーニングキャンプが実施される。

世界各国でいまだ厳しい渡航制限が設けられているため、キャンプに参加する選手はフランス、イタリア、スペイン、ポルトガル在住の最大17人となる予定で、日本人選手はフランス在住の別府史之が参加する。日本在住の中根英登、岡篤志、石上優大やアフリカ・エリトリア出身で今季すでに3勝を挙げているビニアム・ギルマイハイルらは今回のキャンプ参加を見送る。

キャンプの目的は、数カ月にわたりレースやチームメートと離れてトレーニングを積んでいた各選手が集まり、新しいパフォーマンスコーチのもとで、再び一つのチームとして動き出すこと。定期的な検温や小集団に分かれてのトレーニングなど最大限の感染防止対策を取りながら、1週間の日程でテストなども組み込み、合計30時間ほど乗り込む予定。

チームは今後、7月中旬にもトレーニングキャンプを実施予定。次回のキャンプでは、今回参加できない選手も参加し、クラシックレースに向けたトレーニングや高地トレーニングなど、より実戦を意識した内容になる。

別府史之のコメント

新型コロナウィルス感染拡大の影響が残るなか、チームキャンプが行われます。今まで離れ離れになっていたチームが再び一つになり、シーズン再開に向けた準備ができることを大変嬉しく思っています。まだ6月上旬でレース再開は先になると思います。しかしながら少しずつチームで準備を行いながら、レース本番に向けて進んでいけるのはとても素晴らしいことです。

別府史之 ©NIPPO DELKO One Province

今回のキャンプでは、まずは今後に向けてしっかりしたコンディション作りをして、ケガなくチームで再びまとまれるように指示を出していきたいです。自分自身もロックダウンが解除されたあとはエンデュランスライドをしたり、リラックスして自転車に乗れたので準備はできています。ただレースが始まる時期はまだまだ先。今回は期間も短く、シーズン再開に向けてのスタートだという位置づけです。

UCIが発表したレーススケジュールは詰まっていますが、良いレースに出たいというのはどのチームも一緒です。すでに招待をもらっていたワールドツアーレースもあるけど、キャンセルになったレースも多いので、出場チームが変更され、僕らが出れるレースはもしかしたら少ないかもしれません。なので、一つ一つのレースが重要になってきます。もう一年の半分が過ぎてしまったので、2020シーズンは残りわずか。気を引き締めて戦っていきたいと思っています。

●NIPPOデルコ・ワンプロバンスのホームページ

子どもたちがいなかったらあきらめていた…東京五輪MTBの今井美穂

第32回オリンピック競技大会(2020/東京)自転車マウンテンバイク競技の日本代表女子選手である今井美穂(CO2bicycle)が1年後の大会に向けて抱負を語った。6月5日13時からオンラインWeb会議サービスのZoomを使って行われた。

今井美穂

「小学校の子どもたちが喜んでくれました。五輪代表に決まったときは学校の廊下でハイタッチ。昨年度に担任したクラスの子どもたちが円陣になってお祭り騒ぎで囲まれました」

群馬県出身として東京五輪の代表選手第1号となった今井。出身は富岡市で、現在は前橋市立新田小の教員を務めながら、平日の夜と週末に練習を続ける。

職場も練習時間にあてられるようにと、今学期からクラス担任を外してくれた。現在は5、6年生に算数や音楽、書写を教える。

勤務先の小学校でNHKや共同通信のインタビューに応える今井美穂 ©JCF

教員になってから自転車に乗り始め、まずシクロクロスで頭角を現してからMTBにも参戦するようになった。急成長の女子選手だけに、海外レース経験はほとんどない。

「五輪代表になれてホッとしています。これまでの1年間は代表に選ばれるためのレースをしてきましたが、大会が1年延期になったことでこれからの1年間はしっかり走るための準備をしていきたいです」

全日本MTB選手権で今井美穂(CO2bicycle)が2連覇 ©2019 JCF

新型コロナウイルス感染拡大による東京五輪の延期もポジティブに考える。

人里離れた山間部で練習するMTBは、人との接触をできるだけ避けろと命じた今回の措置にあまり影響されない。

「仕事をしているので、平日はもともと帰宅後に自宅で2時間ほどのローラー練習だけでした。週末も人のいないところを走ることができるので、これまでとあまり変わらない練習ができました」

今井美穂 ©JCF

前橋市は赤城山や榛名山を見下ろす環境にあり、今井はクルマにロードバイクを積んで郊外まで移動し、長いときで100kmのロード練習をこなす。しかしオフロードを走り込む環境は整っていない。MTBを使っての練習がなかなかできず、テクニカルな部分のスキルアップは今後1年間の課題だ。

「応援してくれる子どもたちがいなかったら、五輪なんてあきらめていたかも知れません。その恩返しとして子どもたちになにかを伝えられたら。いくつになっても夢を追いかける。こういう生き方もあるんだなって」

日本勢として過去最高の成績を修められるように…鈴木雷太コーチ

日本MTBチームの鈴木雷太コーチは、「1996年のアトランタ五輪から採用されて7大会目。まだ新しい種目と言えますが、日本勢として過去最高の成績を修められるように準備していきたい。今井選手はまだ経験が浅いが、多くの声援が後押ししてくれるのでぜひその走りに注目してほしい」と語った。

鈴木雷太コーチ ©JCF

自転車マウンテンバイク競技の補欠選手は男子が平野星矢(ブリヂストンサイクリング)、女子が川口うらら(日本体育大/FUKAYA RACING)。

自転車マウンテンバイク競技で日本が獲得した参加枠はクロスカントリー・オリンピック男子1、クロスカントリー・オリンピック女子1で、どちらも開催国枠として得た。

今井美穂(IMAI Miho)
1987年5⽉29⽇(33歳) 群⾺県富岡市出⾝ ⾝⻑:161cm 体重:54kg
所属:CO2bicycle
出⾝校:東京⼥⼦体育⼤

●東京五輪のホームページ

間違いなくキャリア最後のレース…東京五輪MTBの山本幸平

第32回オリンピック競技大会(2020/東京)自転車マウンテンバイク競技の日本代表男子選手である山本幸平(ドリームシーカーレーシング)が1年後の大会に向けて抱負を語った。6月5日13時から、日本自転車競技連盟が主催するオンラインWeb会議サービスのZoomを使って行われた。

山本幸平 ©JCF

「2月以降は自分の思い描くような日々が送れませんでした」と、新型コロナウイルス感染拡大による余波から切り出した山本。それでも、「五輪が1年伸びてしまったけれど、常にエネルギッシュにこれからの1年の準備期間を過ごしていきたい」と気持ちは途絶えていない。

いまでこそ結婚し、家族も増えたが、ずっと一匹狼だった。
「これまでも長野県松本市を拠点として1人での練習が多かったので、外出禁止で多くのアスリートが活動を制限されているのとは異なり、通常とは変わらない。練習環境も人と出会うことのない山の中ですから。日ごろから変わらないリズムで過ごせたのかなと思う」

遠隔インタービューに臨む山本幸平 ©JCF

それでもスポーツクラブは休業を余儀なくされたので、コアトレーニングをするために自宅の一室を改造してトレーニング機材をそろえたという。

2008年の北京、2012年のロンドン、2016年のリオに続く4大会連続の出場。
「リオ五輪のあとに選手をやめようと思っていたが、リオ五輪の閉会式で演出が次回開催地の東京に変わったときに、自国開催の五輪でも走ってみたいと、鈴木雷太コーチに話したことを覚えています」

山本幸平は11度の全日本チャンピオンに輝いた第一人者だ ©2019 JCF

過去3回の五輪では46位、27位、21位という成績だ。東京五輪では8位入賞を目指す。

「間違いなくボクのキャリア最後のレースとなります。ゴールにたどり着けなくてもいいから、スタートから積極的に行きたい」と決意を語る。

山本幸平 ©JCF

選手としての集大成を迎えるので、競技生活の中でベストパフォーマンスを見せたい。

「少しでも多くの人たちに興味を持っていただけたら。地元北海道で応援してくれる人たちは遠いのでテレビ観戦になると思いますが、できれば生で見てもらい、MTBって楽しいんだなと思ってほしい。それと同時に、若手選手の人たちにバトンを渡せる走りを。彼らが強い日本を作ってくれることを楽しみにしています」

延期により1年の準備期間が増えたと考えたい…鈴木雷太コーチ

日本MTBチームの鈴木雷太コーチは、「新型コロナウイルス感染拡大による延期や外出自粛はだれも経験したことのないこと。延期により1年の準備期間が増えたとポジティブに考え、最高の成績を修められるようにサポートしていきたい」と語った。

鈴木雷太コーチ ©JCF

自転車マウンテンバイク競技の女子代表選手は今井美穂(CO2bicycle)。補欠選手は男子が平野星矢(ブリヂストンサイクリング)、女子が川口うらら(日本体育大/FUKAYA RACING)。

自転車マウンテンバイク競技で日本が獲得した参加枠はクロスカントリー・オリンピック男子1、クロスカントリー・オリンピック女子1で、どちらも開催国枠として得た。

⼭本幸平(YAMAMOTO Kohei)
1985年8⽉20⽇(34歳) 北海道幕別町出⾝ ⾝⻑:182cm 体重:70kg
所属:Dream Seeker MTB Racing Team
出⾝校:北海道帯広農業⾼

●東京五輪のホームページ

最寄り駅までではなく自転車で目的地まで行くBike to始動

特定非営利活動法人バイシクル エコロジー ジャパンは、新型コロナウイルス感染症予防のための非常事態宣言の解除を受け、新しい社会のニューノーマルとして自転車を積極的に活用する社会の実現に向けて、最寄り駅までではなく目的地までを自転車で移動しようという 「Bike to」ムーブメントを提案。自転車で移動する人たちはもちろんのこと、そういった人たちをサポートしようという企業や自治体、各種団体、店舗なども含めて応援する「Bike to」キャンペーンを始動した。

「Bike to」キャンペーンは、バイシクル エコロジー ジャパンが推進してきたBike to Work活動の延長線。Bike to Workは2007年11月に開始した、自転車通勤をしている人や始めたい人へのきっかけづくりの取り組みで、当時環境問題や地球温暖化などへの注目が高まり、生活スタイルの改善への一つとして、国内保有台数が7千万台以上あるといわれた自転車を活用したBike to Work(自転車通勤)を推進しようと、東京のみならず北は北海道から南は九州の福岡まで合計7都市で実施してきた。

その後、東日本大震災を経て都心部では自転車通勤が注目を集めたこともあったが、諸外国の大都市における自転車通勤やシェアサイクルの活用など自転車利用が過去10年ほどで著しく活性化する中、東京における自転車通勤は増加傾向にありつつも、新しい生活スタイルとして定着するまでにはまだ至っていないとバイシクル エコロジー ジャパンでは捉えている。 

諸外国の都市と東京の違いには、東京の中心部が非常に大きいことや、電車をはじめとする公共交通機関によるときには長時間の通勤が一般的なこと、通勤における自転車利用は最寄りの駅まででそこからは電車という人も多いということなどが考えられる。

これらの点に注目したバイシクル エコロジー ジャパンは、通勤に限らず、目的地まで自転車で行ってみようという「Bike to」というムーブメントの醸成を企画した。図書館に行く、病院に行く、お気に入りのカフェに行く、買い物に行く、学校に行く、仕事に行く。駅までではなくあと数キロ自転車で移動すれば、実は目的地まで到着できることもあることを知ってもらいたいという思いから、この企画は生まれた。

例えば都内で地下鉄を乗り継いで20分かかる移動は、実は自転車で移動しても所要時間にはあまり違いがなかった、自転車で移動してみたら思いがけず近かった、という発見もあるかもしれない。点から点への移動では知ることのできない世界が、自転車移動によって開けてくるかもしれない。Withコロナの生活を少しでも楽しく、そして快適に過ごすために、今こそ自転車を活用した新しい社会を作りましょうという提案。

ロックダウンを経て都市生活を再開し始めているヨーロッパや北米の都市において、移動手段としての自転車への注目が非常に高くなっている。東京をはじめとする日本の都市部における移動手段としての自転車の役割は今まで以上に重要なものになるとバイシクル エコロジー ジャパンは捉えているという。

「Bike to」 キャンペーンは主にSNSを活用して、自転車で目的地へ向かうこと「Bike to ◯◯」を応援、そして仲間やコミュニティで共有、シェアすることで、ムーブメントを醸成することを試みる。自転車で目的地に向かう姿や目的地での写真などを、 #biketo と #bicycleecologyjapan のハッシュタグをつけて投稿。投稿の一部はバイシクル エコロジー ジャパンのSNSやブログなどでもリポストやシェアしていく。 

また、「Bike to」キャンペーンは自転車で移動する人たちのみならず、そういった人たちをサポートしよう、あるいは共感してもらえる企業や自治体、各種団体、店舗も応援。 Bike toロゴデータを活用したキャンペーンやバイシクルフレンドリーな活動(バイクラックや空気入れの設置、自転車での利用者へのインセンティブや割引サービス等)を実施するなどさまざまな形でこのBike toムーブメントを共に醸成していくパートナーも募集。 

「Bike to」を一時的なキャンペーンではなく、継続的なムーブメントへと昇華するために、バイシクル エコロジー ジャパンは多くの協力とサポートを呼びかけている。 

Bike to キャンペーン SNS投稿
1.    バイシクル エコロジー ジャパンのSNSアカウントをフォロー
Instagram @bicycleecologyjapan
Twitter @BEJapan
Facebook @bejapan
2.    自転車でどこかに行く、 あるいは行った、 という写真を、 #biketo #bicycleecologyjapan のハッシュタグをつけてSNSに投稿(Instagramを推奨)
※ 今後Bike toのInstagramのスタンプを登録予定

特定非営利活動法人バイシクル エコロジー ジャパン

バイシクル エコロジー ジャパンは、世界規模で抱えている環境問題を小さなことから変えていくために、人力を動力とした移動手段として、またスポーツ文化として200年もの間貢献してきた「自転車」を軸とした環境保護活動を進めます。バイシクル エコロジー ジャパンは1970年代にアメリカで提唱された、バイシクル(自転車) と、エコロジー(環境保護)を組み合わせた造語である「バイコロジー」を概念と理想に掲げ、自転車活用による健康への効果や災害時の役割についての研究、自転車通勤促進、交通安全講習、持続可能な自転車ライフスタイルの提案、サイクリング道路の整備推進、自転車による持続可能な循環型経済社会を創ること等の活動を薦めることを使命とします。●バイシクル エコロジー ジャパンのホームページ

パールイズミのPICC再開。まずはZwiftでバーチャルライド

サイクルウエアブランドのパールイズミが運営するサイクリングコミュニティーPICC(Pearl Izumi Cycling Community)が、ZwiftのMEET UPというサービスを使い、バーチャル空間でのグループライドを1時間行う。

3月から休止していたライドイベントだが、これまでのように屋外でのグループライドが楽しめる日に向けて、6月より屋内サイクリングアプリ「Zwift」を活用したオンラインのライドイベントから再開する。

今回は走力の差があっても同じ位置で走れる設定で実施するので、だれでも参加できる。全国のサイクリストと土曜の夕方にひと汗流そう。

「PICCは多くのサイクリストの出会い、つながり、楽しみを創出するコミュニティーになるよう運営してまいりますので、 ぜひご参加ください」と同社。

●イベント概要
開催日=2020年6月13日(土)
時間=17:00〜18:00(60分間)
コース=Zwift内の “GREATEST LONDON FLAT”(24.6kmの周回)
内容=”まとめる”という機能を使い参加者でまとまって走る
対象=Zwiftを使用したインドアサイクリングができる人
担当=大西勇輝(コミュニティーマネージャー)
参加費=無料

●イベント利用規約
こちらのページを必ずご確認の上、お申し込みください。

●申し込み方法
STEP① エントリーフォームで申し込み
エントリーフォームに必要な情報と、コメント欄に必ずZwiftのアカウント名を記載してください。

STEP② Zwiftで主催者をフォロー
「Zwift Companion」アプリ内の ZWIFTER の検索で、PICC コミュニティーマネージャー大西のアカウント YUKI OHNISHI をフォロー ※イベント後はフォローを外して可

STEP③ 主催者よりMEET UPへ招待
主催者 YUKI OHNISHI(PICC コミュニティーマネージャー大西)より、アカウント名とフォローが確認できた方から随時 MEET UPへ招待。

●申し込み締切日
2020年6月12日(金)12:00 まで

●イベント中止の場合について
イベントを中止する場合は、イベント当日の 12:00 までにメール連絡。

●PICC ストラバグループ
ストラバ内のグループで「PICC」と検索して、ぜひフォローしてください。 イベントの告知やイベント前後のコミュニケーションなどに活用しています。 ▼PICC ストラバグループページ

順当にいけば金…梶原悠未ら最強6選手が東京五輪に挑む

第32回オリンピック競技大会(2020/東京)自転車トラック競技日本代表となる6選手が6月4日に発表された。自転車競技の中で唯一「開催国枠」が与えられなかったトラック種目は、出場枠を獲得するために総力で世界と戦い、合計7種目で出場権を獲得した。

2019世界選手権の女子オムニアムで優勝した梶原悠未 ©More CADENCE

2020東京五輪で日本が出場できる自転車トラック種目とその人数

男子スプリント 1+(1)=2選手(男子ケイリンとのかけ持ち)
男子ケイリン  1+(1)=2選手(男子スプリントとのかけ持ち)
男子オムニアム  1選手
女子スプリント (1)選手
女子ケイリン  1選手
女子マディソン 2選手編成の1チーム(うち1選手は女子オムニアムとのかけ持ち)
女子オムニアム (1)選手(女子マディソンとのかけ持ち)
※カッコ内数字は他種目における参加資格獲得によるエントリー
※マディソンは2人1 チームで実施する種目

世界選手権優勝の梶原悠未が金メダルの最有力

梶原悠未が世界チャンピオンの称号である5色の虹色ジャージ、アルカンシエルを着用する ©JCF

自転車競技の五輪メダルは過去に銀1、銅3個。すべてトラック短距離男子による獲得だ。2004年のアテネ、2008年の北京は外国人コーチの功績によりメダルをゲット。ところがその後は契約問題がこじれて日本人コーチを起用する時代もあった。しかし東京五輪を見すえて実績のある外国人指導者と契約。短距離ヘッドコーチはブノア・ベトゥ、中距離ヘッドコーチはクレイグ・グリフィン。

地元開催となる東京では、日本自転車界の悲願である金メダル獲得が至上命令なのである。

日本自転車競技の五輪メダル
1984ロサンゼルス 坂本勉(スプリント)銅
1996アトランタ 十文字貴信(1kmタイムトライアル)銅
2004アテネ 長塚智広・伏見俊昭・井上昌己(チームスプリント)銀
2008北京 永井清史(ケイリン)銅

2020世界選手権ケイリン2位の脇本雄太

脇本雄太 ©JCF

競輪選手の脇本雄太は、前回大会となる 2016リオ五輪にケイリン種目で出場している。2019年にブリヂストンサイクリングに加入し、トラック競技のアジア選手権を同種目で2連覇、2020年には、世界最高峰となるトラック競技の世界選手権で銀メダルを獲得するなど、日本発祥のケイリン種目でのメダル獲得が期待される。

新田祐大 ©JCF

小林優香が女子選手として初めて競輪に

太田りゆ(ブリヂストンサイクリング)とともに、日本女子ケイリン史上初の出場枠獲得に大きく貢献したのが女子ケイリンの小林優香(ドリームシーカーレーシング)。2019‐20 年シーズンでは、トラックのアジア選手権の女子ケイリン種目で銀メダル、女子スプリント種目で銅メダルを獲得。その後行われたトラックワールドカップシリーズ戦第3戦の香港大会でも女子ケイリン種目で銅メダルを獲得した。

小林優香 ©JCF

世界チャンピオンの梶原悠未を中心に東京は動く?

金メダル獲得が期待される筆頭となるのが梶原悠未(かじはらゆうみ=筑波大大学院)だ。2020年2月28日にドイツのベルリンで開催された2020UCI世界選手権において、女子オムニアムで金メダルを獲得した。自転車トラック競技では日本女子初。同種目では男女を合わせて日本初のメダル獲得。1987年の本田晴美、俵信之以来33年ぶりの世界タイトルとなる。

世界選手権と五輪は世界のトップクラスばかり同じ顔ぶれで参加してくる。もっと正確に言えば、出場枠獲得が厳しい五輪のほうがトップ選手が出場枠を獲得できず不参加となる傾向にあるので、頂点に立つのはわずかにたやすいとされる。

それだけに梶原にとっては願ってもないチャンスとなる。アクシデントがなければ必ず金メダルに絡む走りを見せてくれるはずだ。

オムニアムとは

4つの種目の合計ポイントにより順位が決定され、1日のうちに4種目を実施する
実施順は下記の番号通り
1) スクラッチレース
2) テンポレース
3) エリミネーション
4) ポイントレース

リオオリンピックまでは2日間開催だったが、ルール改正により4種目1日開催となった。2012年ロンドン五輪大会からオリンピック正式種目。陸上の十種競技とも形容され、ゲーム性が高く大逆転チャンスもありトラックの人気種目である。

アジア敵なしの橋本英也もオムニアムでメダルを狙う

橋本英也 ©JCF

競輪選手の橋本英也は2018年にブリヂストンサイクリングに加入し、同年のトラックのアジア選手権および4年に1度のアジア大会のオムニアム種目で優勝。2019‐20年シーズンでは、トラックのアジア選手権を同種目で3連覇。さらにトラックワールドカップ第5戦となるオーストラリア大会で銅メダルを獲得するなど、開催国枠のない自転車競技トラックにおいて日本チームのオリンピック出場枠獲得に大きく貢献した。

中村妃智 ©JCF

●日本自転車競技連盟のホームページ