小山智也がKINAN AACA CUP第3戦で大集団スプリントを制す

KINAN Cycling Teamがホストを務める東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」2020年シーズンの第3戦が、3月1日に岐阜県海津市・木曽三川公園長良川サービスセンターで行われた。メインの1-1カテゴリーは、たびたびアタックが発生するも、最後は集団でのスプリントに。好位置から加速した小山智也(Hincapie LEOMO P/b BMC)がシーズン初勝利。シリーズリーダーの椿大志(KINAN Cycling Team)は2位となり、その座をキープしている。

KINAN AACA CUP 2020第3戦で大集団のスプリント勝負を小山智也が制す ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

毎月1回のペースで東海地区の各地を転戦するシリーズ戦は、第1戦以来となる長良川沿いの平坦コース。今回は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、参加選手・関係者全員が対策したうえで会場入りすることを義務付けての開催となった。そんな中でも、国内シーンの本格的シーズンインを目前に各カテゴリーに多数のライダーが参戦。メインの1-1カテゴリーには、今季のJプロツアーを走るレバンテフジ静岡やシマノレーシングからもエントリー。総勢80人を超える選手がスタートラインへ。これら選手たちを迎え撃つKINAN Cycling Teamは、シリーズリーダージャージで出走の椿のほか、山本元喜、山本大喜、トマ・ルバ、新城雄大、荒井佑太の6選手が出場した。

5.1kmの周回コースを20周するレースは、リアルスタート直後から椿ら3選手が先行したこともあり、序盤から活性化。このリードは4周目で封じられるが、それ以降も数人単位のパックができては集団へと引き戻される流れの繰り返し。出入りの激しい展開は中盤まで続くこととなった。

そんなムードが一変したのは9周目後半。トマを含む3人が抜け出すと、次々と追走が発生。10周目を終える頃には10人がレースをリードすることに。ときおりメンバーを入れ替えながらも、先頭グループが主導権を握って後半戦へと進んだ。

レースを先行した10人は小山、寺田吉騎(UCIH)、水野貴行(稲城FIETSクラスアクト)、小島渓円(Team Nason)、石原悠希(Hincapie LEOMO P/b BMC)、阿曽圭佑(あそクリニック)に加え、山本元、山本大、トマ、新城のKINAN勢。メイン集団に対して最大で50秒ほどのリードを確保したまま、15周を終える。

しかし、残り周回が少なくなったところでメイン集団の追撃ムードが高まる。先頭グループの協調体制が崩れてきたこともあり、周回を経るたびにその差は10~20秒単位で一気に縮まっていく。そして、残り2周となったところでメイン集団が先頭を走った選手たちをキャッチ。土壇場でレースはふりだしへと戻った。

一団のまま迎えた最終周回。散発するアタックはいずれも決まらず。決定打が出ないまま、勝負はスプリントへとゆだねられることになった。混戦のまま突入した最後の直線、先頭で加速したのは小山。これを椿が追う形となるが、一歩及ばず。レースを通じ終始攻め続けた小山がシリーズ初勝利を挙げた。

この日は各カテゴリーのレースのほか、会場内では中西健児アカデミーコーチによるキッズスクールが行われ、KINAN Cycling Teamの選手たちも講師役として参加。バイクコントロールの向上を目的に、スラロームに挑戦。締めには2チームに分かれてのリレー勝負を行ってスキルアップを図った。また、FUSION(光設備)さまがブース出展。1-2カテゴリーの優勝者には、スマートフォンのタッチパネル強化の「ハドラスコーティング」のサービスが副賞として贈られた。

シリーズ第4戦は、3月28日に今回と同じ会場で行われる予定。エントリーは9日から開始される。

●キナンAACAカップのホームページ

パールイズミが2020春夏ウエアのホームページ公開

自転車ウエアメーカーのパールイズミは2020年3月2日、2020 Spring / Summer ページを公開した。

今シーズンはレースフィットのイグナイトシリーズが新しくなった。ボディには涼しいメッシュ素材を採用し、定番の半袖に加えて、日焼けをガードする「イグナイト ロングスリーブ ジャージ」も登場する。

ビジョンシリーズには、「ビジョン ウィンドブレーカー ジャケット」が追加され、ヒルクライム時や肌寒い季節も柔らかな着心地でサイスリストをサポートする。

ベーシックフィットでは好評のプリントジャージに、明るめのポップなカラーや大き目のロゴを配置したモデルなど幅広くラインナップしている。

また、今シーズンはロードバイクの有効速度域に特化した空気抵抗軽減素材「スピードセンサーⅡ」を開発した。同素材が採用された「スピード ビブ パンツ」も発売する。

今シーズンの全アイテムが掲載されている「20SS ユーザーカタログ」を全国のサイクルショップで配布を開始した。同社ホームページカタログ請求ページからも無料で申し込みできる。

●パールイズミ公式サイト
●カタログご請求ページ

ツール・ド・熊野は5月29日から3ステージで開催へ

22回目を迎えるツール・ド・熊野は例年通り5月下旬の開催とし、5月28日に和歌山県新宮市でオープニングセレモニーを、29日から31日までの3日間・3ステージでレースを実施する。  

ステージ編成は2019年までと同様に、第1ステージは新宮市熊野川町の赤木川清流コースを、第2ステージは三重県熊野市・御浜町を主とする熊野山岳コース、最終の第3ステージを和歌山県太地町の太地半島周回コースで実施する。  

レースカテゴリーはUCIアジアツアー2.2クラス。201年まで大会初日に実施してきたプロローグは、開催地の交通事情に配慮し行わない。これにより大会は3ステージ・総距離309.2kmとなる。  

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録される熊野古道を舞台に、荘厳かつ麗しき自然の中で熱いレースが展開される。  

大会名:ツール・ド・熊野(Tour de 熊野)  
レースカテゴリー:UCIアジアツアー2.2  
会期:2020年5月28〜31日  

大会スケジュール(予定)
5月28日(木) オープニングセレモニー(和歌山県新宮市)  
5月29日(金) 第1ステージ 赤木川清流コース 100.4km(和歌山県新宮市熊野川町)  
5月30日(土) 第2ステージ 熊野山岳コース 104.5km(三重県熊野市・御浜町)  
5月31日(日) 第3ステージ 太地半島周回コース 104.3km(和歌山県太地町)  
全3ステージ・総距離309.2km

●ツール・ド・熊野のホームページ

UAEツアーで検査の関係者167人はコロナウイルス陰性

UAEツアーに参戦中だったUAEチームエミレーツのイタリア人メカニックとマッサーが新型コロナウイルスに罹患した問題で、大会を打ち切った主催者はアブダビ保健省から「検査した167人はすべて陰性」という通知を受け取った。

UAEツアー第3ステージ ©LaPresse – Fabio Ferrari

7日間のステージレースは新型コロナウイルスに罹患したスタッフがいたことで、大会5日を終わった段階で中止。レース終了後、合計500人以上の選手、監督、チームスタッフ、主催者などがテストされていて、まずは濃厚接触者として早急にチェックすべき167人が陰性だったことが報告された。最終結果はまもなく発表される予定だという。

大会関係者から罹患者が発生したことは28日早朝に発表された。当初はイタリア人のチームスタッフとだけ発表されたが、その後UAEチームエミレーツのメカニックとマッサーであることが分かった。

130人の参加選手らは発表前の27日からアブダビのホテルに隔離されている。UAEチームエミレーツの2人のスタッフと接触した可能性のある関係者167人をテスト。アブダビ保健省によると、この167人は陰性だったという。

●UAEツアーのホームページ

東京五輪では金メダルを…日本初の世界女王梶原悠未

梶原悠未(かじはらゆうみ=筑波大)が2月28日にドイツのベルリンで開催された2020UCI世界選手権において、女子オムニアムで金メダルを獲得した。自転車トラック競技では日本女子初。同種目では男女を合わせて日本初のメダル獲得。1987年の本田晴美、俵信之以来33年ぶりの世界タイトルとなる。

日本ナショナルチームのコーチやスタッフが快挙を祝福 ©JCF

梶原悠未のコメント
「すごくうれしいです! 東京オリンピックでも金メダルを獲れるようにもっともっとトレーニングしていきます!」

日本から同種目女子への出場は梶原のみ。梶原は翌29日に行われる東京五輪新種目、マディソンにも出場する予定。

先頭から3番目が梶原悠未 ©JCF
梶原悠未 ©JCF

オムニアムとは

4つの種目の合計ポイントにより順位が決定され、1日のうちに4種目を実施する
実施順は下記の番号通り
1) スクラッチレース
2) テンポレース
3) エリミネーション
4) ポイントレース

リオオリンピックまでは2日間開催だったが、ルール改正により4種目1日開催となった
2012年ロンドン五輪大会からオリンピック正式種目
陸上の十種競技とも形容され、ゲーム性が高く大逆転チャンスもありトラックの人気種目である

梶原悠未が世界選手権オムニアムで初優勝 ©JCF
2月29日に誕生日を迎える母に世界一のプレゼント ©JCF
エリート女子オムニアム世界チャンピオンの梶原悠未を中央に、左が2位レティジア・パテルノステル(イタリア)、右が3位ダリア・ピクリク(ポーランド) ©JCF

梶原悠未(かじはらゆうみ)      
JCF登録:茨城県 
所属:筑波大
生年月日:1997年4月10日  155cm/53kg
出身校:筑波大附属坂戸高(埼玉県)→筑波大

過去の主な成績
2019トラック世界選手権エリート女子オムニアム4位
2019トラックワールドカップ第2戦エリート女子オムニアム4位
2019トラックワールドカップ第3戦エリート女子オムニアム優勝
2019トラックワールドカップ第4戦エリート女子オムニアム優勝
2020アジア選手権エリート女子オムニアム優勝
2019トラック全日本選手権エリート女子オムニアム優勝

金メダルをかじる梶原悠未 ©JCF
梶原悠未がアルカンシエルにサイン ©JCF

●日本自転車競技連盟のTwitter(速報配信中)

梶原悠未がオムニアム世界チャンピオン…日本女子初

梶原悠未(筑波大)が2月28日にドイツのベルリンで開催されたトラック世界選手権のオムニアムで1位になった。日本の女子選手が世界チャンピオンとなったのは初めて。5色の虹色ジャージ、アルカンシエルを1年間着用する。

オムニアムはスクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレースの4種目を1日で行い、獲得ポイントで競う。梶原はスクラッチ1位で暫定1位に立つと、テンポレース2位、エリミネーション3位で首位を死守。最後のポイントレースで8位となり逃げ切った。

●国際自転車競技連合のホームページ