キナンチームが和歌山県新宮市キャンプを打ち上げ2019年シーズンへ

チーム発足から4年目のシーズンをまもなく終えるキナンサイクリング。2019シーズンへ向けた動き出しはすでに始まっていて、12月18日から21日までは和歌山県新宮市でチームビルディングキャンプを実施。2019年シーズンの所属選手・スタッフが集結し、レース活動を視野に入れて準備を行った。

キナンのチームビルディングキャンプ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

キャンプの主な目的は、メンバー間での積極的なコミュニケーションによる結束力の強化や、レースプログラムの確認、来季使用するバイクやウエアのフィッティング、2019年シーズンのチーム撮影など、多岐にわたる。選手ごとに活動拠点が異なる点や、脚質によって招集レースに幅が出るといったことから、シーズンに入ると選手同士での顔合わせが限定されがちになるため、しっかりと各選手の人となりを把握しておき、チームとしてひとシーズンを戦っていく意思を高めることがキャンプ期間中に求められた。

今回の参加メンバーは、2018年シーズンからの継続選手である山本元喜、椿大志、マルコス・ガルシア、山本大喜、サルバドール・グアルディオラ、雨乞竜己、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大に、2019年シーズン加入の大久保陣(ブリヂストンサイクリング)、荒井佑太(福井県自転車競技連盟・19日のみ参加)を加えた計11選手(福田真平は欠席)。

16日にゲストとして参加したイベント「ヴェロフェスタ in モリコロパーク」を終えたチームは、翌日にメインスポンサー「キナン」本社のある和歌山県新宮市へと移動。18日から本格的にプログラムがスタートし、2日間かけて2019年シーズンに使用するチームイメージ写真の撮影に臨んだ。また、19日には「La NICOカスタムインソール」さまによる選手の足型測定が行われ、シーズンを通して使用するインソールをフィッティングした。

キャンプ期間中は来シーズンへの準備に時間を費やしたため、高強度のトレーニングは行われなかったが、20日に選手たちがそろって約4時間のライドへ。三重県熊野市までの往復で、熊野灘や新鹿湾といった風光明媚なルートを走行。途中で立ち寄ったショップのスタッフからキナンファンであることを告げられるといった“出会い”もあるなど、リラックスしたなかでの走り込みとなった。

20日夜にはミーティングを行い、プロサイクリストとしての心構えやシーズンインへ向けた意識の確認をしたほか、キャンプ期間後半にはキナン・角口賀敏会長が訪れて選手たちを激励。チームより一層、モチベーションを高めて次なるシーズンを迎えられる態勢が整った。

選手たちは和やかなムードで過ごしながらも、写真撮影やミーティング、バイクフィッティングといった場面では真剣なまなざしを見せ、2019年への意気込みを感じさせていた。新メンバーも顔なじみの継続選手が多いこともあってか、すぐにチーム活動に順応。あとは、よい雰囲気を“本職”であるレースでの好連携に反映させるのみとなっている。

ヴェロフェスタinモリコロパークはクリスマスの装いでサイクリング納め

冬のサイクリングイベント「ヴェロフェスタ in モリコロパーク」が12月16日、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で開催された。好天のもと、参加者は2つのクラスに分かれてコースへと繰り出した。キナンサイクリングなど2018年のレースシーンを盛り上げたゲストライダーも参加。2018年シーズンの最後を飾るイベントで華やかに「サイクリング納め」となった。

ヴェロフェスタ in モリコロパーク ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

同イベントは例年、クリスマス直前の時期に開催されていて、いまや年末の風物詩としてすっかり定着。「走り納めはモリコロパークに集まろう!」を合言葉に、120分と60分の2クラスによるエンデューロが行われた。

なかでも魅力的なのが、各クラスともにソロとペアカテゴリーが設けられ、スキルや好みによって参加種目を選ぶことができる点。ペアであれば、2人が同時にスタートして、それぞれが走った周回数の合計がリザルトに反映されるあたりもヴェロフェスタならでは。サイクリストに人気のモリコロパーク内全長約5kmのコースは、高速コーナーやヘアピンカーブなど多彩なレイアウトで、上級ライダーはもちろん、ビギナーでも思い思いのペースで走ることができる。

そんなイベントに、2018年も多くのゲストライダーが参戦。ホストを務めたキナンからは、山本元喜、椿大志、マルコス・ガルシア、中西健児、サルバドール・グラルディオラ、山本大喜、雨乞竜己、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大の10選手。さらには“山の神”こと森本誠(GOKISO)、テレビ出演でおなじみの筧五郎(56サイクル)、ヒルクライムを中心に活躍する金子広美(イナーメ信濃山形)もスタートラインへ。走行時のペースコントロールを担うとともに、事故を未然に防ぐための安全性の確保に努めた。

各クラスとも、トップを目指す参加者はゲストライダーに負けじと食らいつき、かたやゆっくりと景色を楽しみながら走るサイクリストの姿や、クリスマスにちなんだコスプレで走る参加者の姿も。走る楽しみが参加するそれぞれにゆだねられるあたりも、ヴェロフェスタの醍醐味といえそうだ。

イベントでは、エンデューロにとどまらず会場内のいたるところでさまざまな催しが展開された。多数の企業が出展したブースには、キナンのサプライヤーであるYONEX、チャンピオンシステムジャパン、IRC TIRE(井上ゴム工業)、WAKO’S(和光ケミカル)、Aggressive Design(アグレッシブデザイン)などが軒を連ねたほか、チームグッズが手に入るキナンブースも登場。

さらには、マウンテンバイク・トライアル競技出身のパフォーマー“おかっぴ”によるアクロバットショー、HAROのランニングバイクを使ってのキッズスクール、愛知県に伝わる郷土芸能「棒の手」演舞でも盛り上がった。キナンンバーも各所に“出没”し、アクロバットショーとキッズスクールには椿と中西が、棒の手には山本元喜と山本大喜が兄弟で出演。思いがけない“珍プレー”が飛び出すなど、選手たちの一挙手一投足に笑いが生まれる和やかな空間となった。

エンデューロ後のコースではYONEX製ロードバイクの試乗会が行われたほか、メインステージでは「ちゃりん娘」がプレゼンターを務めた各部門の表彰式、キナンの2018年シーズン活動報告会、メンバーとの対決となったじゃんけん大会などが開かれ、最後の最後まで大盛り上がり。来年もモリコロパークで再会することを約束してイベントは幕を閉じた。

キナンの5シーズン目は平均年齢28歳、12選手が所属

発足して5年目となるキナンサイクリングが2019年シーズンの体制を12月16日に発表。新規加入3選手を加えた12選手で戦っていく。

新加入選手3人をチームに迎える。ブリヂストンサイクリングから移籍の大久保陣は、国内外での経験が豊富なスピードマン。スプリンターとして、フィニッシュ前での絶対的な強さをもちつつ、コースレイアウトや展開に合わせて逃げや要所でのアタックなど、レース巧者としての一面も持ち合わせる。キナンのホームレースであるツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)では、2016年の第3ステージで優勝。30歳を迎え、豊富なキャリアを若い選手の多いチームに落とし込むことが期待される。

23歳の荒井佑太はUCIコンチネンタルチーム初所属。法政大卒業後、福井県を拠点に競技活動を行い、地元開催となった2018年の福井国体ではトラック競技・ポイントレースで2位入賞。県民の期待に応え、大会のヒーローとなった。大学時代には同競技で日本代表に選出された経験があり、ピストバイクで培ったスピードをキナン加入を機に本格的に取り組むロードレースに生かしていくこととなる。

2018年7月に競輪選手としてデビューした福田真平は、かつてロードレースで実績を残してきた31歳。競輪選手としての活動と並行して、2019年から本格始動するトラックレースシリーズ「バンクリーグ」にキナンの一員として出場する予定となっている。

2018年からの継続は9選手(いずれも正選手)。新加入選手を加えた全12選手の内訳は、日本人ライダー9人、スペイン人ライダー2人、フランス人ライダー1人で、平均年齢は28歳。サイクルロードレースでは30歳前後の選手がキャリアのピークを迎えている例が多いが、同チームも多くの選手が脂の乗った時期に差しかかっていて、ビッグレースでの好結果につなげていきたいという。

多彩なメンバーでのチーム編成が実現したことにより、2019年シーズンからは選手の専門種目に応じてロード、トラック、シクロクロスの3部門にパート分けを行なう。ロードを基本としながら、荒井と福田がトラックに、土や芝といった不整地を走るシクロクロスには雨乞竜己を配し、幅広くレース活動を行う。

2018年シーズンは、チームの悲願であったツアー・オブ・ジャパン制覇、日本チャンピオンの輩出と、大きな成果を挙げることができた。続く2019年シーズンもこれまで通り、UCIアジアツアーを主戦場に戦っていく。2017年の同ツアーでチームランキング1位を獲得したことから、来季は多くの大会での招待・参戦が期待できる状況にある。アジアでのレース出場を積極的に行い、シーズン11勝を挙げた2017年、同じく9勝を挙げた2018年を上回る成績を目指す。

メインスポンサー「キナン」のお膝元である熊野地域を舞台に開催されるツール・ド・熊野での個人総合優勝者の輩出を最大目標に。並行して、国際レース出場を通じた選手の強化、イベント開催・参加を通じた熊野地域や自転車界への貢献、自転車安全教室の実施、ホストレースである「KINAN AACA CUP」の開催など、多岐にわたって活動に取り組んでいく。

KINAN Cycling Team 2019年シーズン所属選手

山本 元喜(やまもと げんき)/Genki YAMAMOTO

山本 元喜(やまもと げんき)/Genki YAMAMOTO 国籍:日本
1991年11月19日生まれ、身長163cm・体重62kg、脚質:パンチャー、ルーラー
・2018年主要リザルト
全日本自転車競技大会ロードレース 優勝
インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン(UCI2.2) 個人総合5位

椿 大志(つばき ひろし)/Hiroshi TSUBAKI

椿 大志(つばき ひろし)/Hiroshi TSUBAKI 国籍:日本
1991年5月18日生まれ、身長173cm・体重60kg、脚質:パンチャー
・2018年主要リザルト
シャールジャ・ツアー(UCI2.1) 個人総合87位
シマノ鈴鹿ロードレースクラシック 91位

マルコス・ガルシア/Marcos GARCIA

マルコス・ガルシア/Marcos GARCIA 国籍:スペイン
1986年12月4日生まれ、身長169cm・体重55kg、脚質:クライマー
・2018 年主要リザルト
ツアー・オブ・ジャパン(UCI2.1) 個人総合優勝(ステージ1勝)
ツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2) 個人総合8位

山本 大喜(やまもと まさき)/Masaki YAMAMOTO

山本 大喜(やまもと まさき)/Masaki YAMAMOTO 国籍:日本
1996年1月8日、身長171cm・体重68kg、脚質:パンチャー
・2018年主要リザルト
アジア自転車競技選手権大会ロードレース アンダー23ロードレース優勝
全日本自転車競技大会ロード・タイムトライアル アンダー23 優勝

サルバドール・グアルディオラ/Salvador GUARDIOLA

サルバドール・グアルディオラ/Salvador GUARDIOLA 国籍:スペイン
1989年7月22日生まれ、身長185cm、脚質:オールラウンダー、クライマー
・2018年主要リザルト
ツール・ド・熊野(UCI2.2) 個人総合5位
インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン(UCI2.2) 個人総合9位

雨乞 竜己(あまごい たつき)/Tatsuki AMAGOI

雨乞 竜己(あまごい たつき)/Tatsuki AMAGOI 国籍:日本 ※シクロクロス並行
1992年1月4日生まれ、身長177cm・体重61kg 脚質:スプリンター、シクロクロス
・2018年主要リザルト
ツール・ド・コリア(UCIアジアツアー2.1) 第5ステージ5位
シマノ鈴鹿ロードレースクラシック 5位

トマ・ルバ/Thomas LEBAS

トマ・ルバ/Thomas LEBAS 国籍:フランス
1985年12月14日生まれ、身長182cm・体重65kg、脚質:クライマー
・2018年主要リザルト
シャールジャ・ツアー(UCI2.1) 個人総合2位
ツアー・オブ・ジャパン(UCI2.1) 個人総合3位(ステージ1勝)

中島 康晴(なかじま やすはる)/Yasuharu NAKAJIMA

中島 康晴(なかじま やすはる)/Yasuharu NAKAJIMA 国籍:日本
1984年12月27日生まれ、身長172cm・体重64kg、脚質:ダウンヒラー
・2018年主要リザルト
スリランカ Tカップ(UCI2.2) 個人総合優勝(ステージ1勝)
JBCF 広島クリテリウム(Jプロツアー) 2位

新城 雄大(あらしろ ゆうだい)/Yudai ARASHIRO

新城 雄大(あらしろ ゆうだい)/Yudai ARASHIRO 国籍:日本
1995年7月3日生まれ、身長176.5cm・体重65.5kg、脚質:パンチャー、ルーラー
・2018年主要リザルト
全日本自転車競技大会ロードレース 3位
JBCF 宇都宮ロードレース(Jプロツアー) 10位

大久保 陣(おおくぼ じん)/Jin OKUBO

大久保 陣(おおくぼ じん)/Jin OKUBO 国籍:日本
2018年所属チーム:チーム ブリヂストンサイクリング
1988年10月8日生まれ、身長184cm・体重66kg、脚質:スプリンター
・2018年主要リザルト
JBCF まえばしクリテリウム(Jプロツアー) 3位
ツアー・オブ・ジャパン(UCI2.1) 第4ステージ4位

福田 真平(ふくだ しんぺい)/Shinpei FUKUDA

福田 真平(ふくだ しんぺい)/Shinpei FUKUDA 国籍:日本 ※トラック並行
1987年11月22日生まれ、身長167cm・体重70kg、脚質:トラック・競輪
・2018年主要リザルト
競輪1着 14回
KINAN AACA CUP 2018 第5戦 優勝

荒井 佑太(あらい ゆうた)/Yuta ARAI

荒井 佑太(あらい ゆうた)/Yuta ARAI 国籍:日本 ※トラック並行
2018年所属チーム:福井県自転車競技連盟(科学技術高職)
1995年7月19日生まれ、脚質:トラック・中距離
・2018年主要リザルト
福井国体トラック競技・ポイントレース 2位
全日本自転車競技選手権大会トラック・レース ポイントレース9位

キナンのツール・ド・熊野自転車安全教室に528人の小学生が参加

和歌山県唯一のプロスポーツチームであるキナンサイクリングが地域貢献活動「ツール・ド・熊野 自転車安全教室」を11月16日に開催。選手・スタッフが新宮市立神倉小学校を訪問し、6年生を対象に安全な自転車の乗り方や楽しみを共有する機会を設けた。

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

15日から始まった自転車安全教室では、エコで健康的な乗り物である自転車に親しむとともに、児童にとって地元で開催されるビッグイベントであるツール・ド・熊野の意義、そしてプロスポーツチームとして活動するキナンを身近に感じてもらうことを目的として行っている。同日は新宮市の熊野川小学校と三輪崎小学校に赴いた。

続く16日は、前日同様に加藤康則ゼネラルマネージャー(GM)を筆頭に、石田哲也監督、椿大志、中西健児、山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の6選手が神倉小学校へ。6年生96人を前に、安全指導を実施した。

加藤GMが進行役を務めた座学では、基本的な交通ルールを確認。車道を通行することが法律で定められている自転車だが、小学生年代(13歳未満)であれば歩道通行が可能であることなど、スライドを用いて説明。また、交差点の写真を例に加藤GMが自転車走行時の注意点を児童に問うと、多くの手が挙がり、次々と意見が発表された。なかには、具体的な理由を添えて自らの考えを発言する児童の姿も見られ、「さすが6年生」とばかりに選手や教員から感嘆の声が上がっていた。

実技では、参加児童全員が自転車にまたがり、長さ10mのレール上を走る「一本橋」や数メートルおきに置かれたコーンをジグザグにすり抜けていく「スラローム」に挑戦。しっかり前方を目視しながら走ることや、ブレーキをして止まること、左右に体重移動で進路をコントロールすることなどを念頭に、自転車走行のスキルアップを図った。

そして、この日も代表児童と教員による「おそ乗り競争」がプログラムのハイライトに。クラスを代表して挑んだ仲間を勝たせるべく、みんなで全力応援。声援と歓声が体育館に響いた。

選手・スタッフによる自転車安全教室は、3校合計500人を超える児童の参加に恵まれた。自転車を通じた地域貢献活動には、チームメンバー一様に好感触を得ており、早くも今後の取り組みに向けた課題のほか、新たな試みを実践したいとの声も挙がっている。より有益なものとなるようチーム内外での意見交換を行いながら、この先の活動につなげていくことになる。

KINAN Cycling Team presents ツール・ド・熊野 自転車安全教室 参加児童データ
新宮市立熊野川小学校 全校児童43人
新宮市立三輪崎小学校 全校児童389人
新宮市立神倉小学校 6年生96人
計 528人

新宮市の小学校でキナン選手が巡回指導 ツール・ド・熊野自転車安全教室

キナンサイクリングの選手・スタッフが講師を務める自転車安全教室が和歌山県新宮市で始まった。11月15日に同市の小学校2校を訪問し、地域の交通事情や環境に合わせた安全な自転車の乗り方や楽しみをレクチャーした。例年5月下旬から6月上旬にかけて開催される国際自転車ロードレース「ツール・ド・熊野」の関連事業。

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

エコで健康的な乗り物である自転車に親しむことと、新宮市を含む熊野地域が舞台となるツール・ド・熊野の普及、そして和歌山県唯一のプロスポーツチームであるキナンへの応援のきっかけづくりを目的として行う地域貢献活動。これまでも同市周辺での自転車安全教室を実施してきたが、新たに「ツール・ド・熊野自転車安全教室」と銘打ち、所属選手・スタッフが同市内の小学校を巡回し指導することになった。

15日は加藤康則ゼネラルマネージャー(GM)、石田哲也監督、椿大志、中西健児、山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の6選手が市立熊野川小学校と同三輪崎小学校を訪問。加藤GMが進行役を務め、座学と実技によって講義が構成された。

全校児童が参加した座学では、プロチームとしての活動やツール・ド・熊野の意義についてふれたのち、実際に起きた小学生による事故例を挙げて、安全意識を高く持つ必要性を説明。交差点の写真を例にとりながら、加藤GMが自転車走行時の注意点を児童に問うと、両校ともに多くの児童が手を挙げ、おのおのが思う注意すべきポイントを発表。日頃からの心がけとともに、自転車の走行スキルを高める必要性を説いていった。

その後に行った実技は、全校児童43人の熊野川小学校は2年生以上、同じく389人の三輪崎小学校は4年生から6年生が臨んだ。長さ10mのレール上を走る「一本橋」では、前方を見ながらはみ出さずに走り、しっかりとブレーキをして止まることを重視。数メートルおきに置かれたコーンをジグザグにすり抜けていく「スラローム」では、左右に体重移動をして、自転車の進路をコントロールすることを目指し、急な路面の変化への対応力を身につけた。

なかには何度もトライを繰り返す児童や、友達同士でアドバイスを送り合う姿も見られ、楽しみの中にも安全に走るための認識の高まりが感じられた。

両校とも、代表児童と教員、さらにはキナン選手たちによる「おそ乗り競争」のチャンピオンを決めて締めくくり。足を地面につかずに、フィニッシュまでどれだけゆっくり走ることができるかの勝負は、競うメンバーのみならず、その様子を見守った児童たちも大盛り上がり。とびきりの笑顔とにぎわいは、プログラムのクライマックスにふさわしいものとなった。

ツール・ド・熊野自転車安全教室は16日まで実施。同日は市立神倉小学校を訪問する。

キナンのシーズン最終戦ツール・ド・おきなわは山本大喜の14位が最高

2018年の最終戦となったツール・ド・おきなわ2018は11月11日、沖縄県名護市を発着とする210kmで争われた。キナンサイクリングは新城雄大がレース前半に形成された先頭グループに加わったものの、その後展開された優勝争いに加わることはかなわず。チーム最高位は、メイン集団からの追い上げを試みた山本大喜の14位だった。

14位でゴールする山本大喜 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

プロライダーからホビーレーサー、さらにはキッズまで参加できる幅広いカテゴリーが魅力のツール・ド・おきなわ。そのなかでもメインレースに位置づけられる男子チャンピオンレースは、UCIアジアツアー1.2クラスに設定される。同ツアーはすでに2019年度のレースカレンダーに加えられていて、このチャンピオンレースもそれに該当する。

レースの特徴は、210kmと国内のレースでは屈指の長丁場であること。11月の開催はシーズン最終盤とあり、百戦錬磨の選手といえど過酷な戦いとなる。コースは、名護市を出発したのち、名護湾と東シナ海に面した本部半島を時計回りに進み、海岸線を北上。沖縄半島最北端の国頭村に入って反時計回りに向きを変え、レース後半は太平洋沿いを南下して名護市へと戻ってくる設定。沖縄半島北部をおおむね8の字に進むルートは、中盤に2カ所の山岳ポイントが待つほか、後半にかけても細かなアップダウンが控えている。

キナンはこのレースに山本大と新城のほか、山本元喜、トマ・ルバ、中島康晴の5選手が出場。シーズンを通して主力として走ってきたメンバーをそろえて、2018年最後のタイトル獲得をかけた戦いに挑んだ。

18チームから85選手が、午前6時45分の号砲とともに出発。すぐにリアルスタートが切られると次々とアタックが発生するが、集団から抜け出すまでには至らない。激しい出入りを繰り返しながら、レース序盤は進んだ。

その状態が落ち着いたのは、40km地点に差しかかろうかというタイミング。10人が飛び出すと、ここに新城が加わる。この動きをきっかけにメイン集団が落ち着き、快調に飛ばした新城らは約9分のリードを得た。一方のメイン集団は、新城らを見送るとサイクリングペースに。集団に残ったキナン勢4選手は、次なる展開に備えながら淡々と距離を減らしていった。

レースが少しずつ動きを見せたのは、中盤に入ってからのこと。内陸部を通過する山岳区間のうち、2回目の登坂で先頭グループから新城が遅れ始める。前方への復帰を目指しての粘りも届かず。タイミングをほぼ同じくして、メイン集団ではルバが牽引して山岳区間へ。一気の引きに集団の人数が減っていき、力のある選手だけに絞られる。こうした動きによって、先頭グループとのタイム差は4分台に縮まった。

追撃ムードが高まったかに見えたメイン集団だったが、チーム間での思惑が交錯してか、ペースがいまひとつ上がらず、先頭を走る選手たちとのタイム差に大きな変化が見られなくなっていく。他チームの動きに合わせた山本元が5人の追走グループに加わったものの、やがて後退。かたや、先頭グループは協調体制が続き、後続の追い上げをかわすほどの勢い。結局、レース前半に集団から抜け出した選手たちの逃げ切りが濃厚な情勢となった。

上位フィニッシュが難しくなったキナン勢だが、1つでも上の順位を目指す姿勢は崩さない。先にポジションを上げつつあったルバに続き、山本大も終盤の登坂区間で合流。以降はルバの引き上げを受けた山本大がチーム最上位となる14位でフィニッシュラインを通過。ルバが16位でレースを終えたほか、中島、山本元、新城も走り切り、出場5選手全員が完走した。

順調に調整し、好調でレースに臨んでいただけに、上位フィニッシュが果たせなかったことに選手たちは一様に悔しさをにじませた。一方で、選手間で要所での動きについて意見が交わされるなど、フィニッシュした瞬間からその視線は来季へと向けられている様子。今回のレースで明白となった課題を、来シーズンのチーム力アップに反映させる強い意志が選手たちの姿からうかがえた。

これをもって、2018年のロードレースシーズンは終了。キナンは2018年、9つの勝利を含む多数の上位進出を果たした。成果を挙げ、来季へ向けた指標となる1年とした。今後チームは、各種イベントや小学校での交通安全教室などへの出席を予定。引き続き精力的に活動していく。

ツール・ド・おきなわ 男子チャンピオンレース(UCIアジアツアー1.2、210km)結果
1 アラン・マランゴーニ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) 5時間5分4秒
2 フレディ・オヴェット(オーストラリア、オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト) +19秒
3 フェン・チュンカイ(台湾、チャイニーズタイペイナショナルチーム)
4 デルク・アベル・ベッカーリン(オランダ、WTC de アムステル) +50秒
5 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +1分29秒
6 畑中勇介(チームUKYO) +1分31秒
14 山本大喜(KINAN Cycling Team) +4分37秒
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +4分40秒
35 中島康晴(KINAN Cycling Team) +14分56秒
36 山本元喜(KINAN Cycling Team)
47 新城雄大(KINAN Cycling Team) +16分3秒

山本大喜のコメント
力のある選手が逃げに入った状況で、チームとして後手を踏んでしまった。集団内での協調がうまくいかず、追う体勢がいまいち整わなかったことも展開を厳しくしてしまった。追走グループが形成された時は高強度の動きに対応できず、(個人として)勝負するには力が足りていなかった。
(シーズンを振り返って)アジア選手権で勝てて、全日本選手権でも個人タイムトライアルを勝つことができた一方で、後半戦で個人・チームともに成績が残せなかったことが悔しい。今年はナショナルチームで走ることが多く、チームにあまり貢献できなかったと思っているので、もっと強くなって今度はチームに結果をもたらすことができるようになりたい。

トマ・ルバのコメント
チームとしては(新城)雄大が先頭グループから下がってしまった時点で、難しい状況になってしまった。個人的にはベストコンディションではなかったので、チームメートのサポートができればと考えていた。順位がともなわなかったことは悔しい。長かったシーズンを無事に終えることができた。今年が格別よかったとは思っていないけれど、また勝利を収められるようトライし続けていきたい。

中島康晴のコメント
逃げに(新城)雄大ともう1人加えることができれば、違った展開になったのかなとは思う。先頭グループに選手を送り込まないという判断をしていたチームもあったので、彼らの様子を見て動こうと思っていたが、結果的に(先頭グループに)タイム差を広げられてしまった。それが順位に反映されてしまっただけに、悔しい形で終わることになった。
1月のシーズンインから多くのレースでメンバー入りができ、チームメートとうれしいことも悔しいことも共有してきたことがなにより。このレースでしっかりシーズンを締めくくることができればよかったけれど、全体としてはよいシーズンになったと感じている。ただ、レースによっては大きな失敗もあったし、まだまだ改善の余地はあるので、より選手間の連携を深めてチーム力を高めていきたい。

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