サム・ベネット通算50勝をUAEツアー第4ステージで飾る

中東を走る7日間のステージレース、UAEツアーは2月24日に第4ステージが行われ、ドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)がゴール勝負を制して優勝。プロ通算50勝目を挙げた。

2021UAEツアー第4ステージ ©LaPresse – Fabio Ferrari

UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)はタイム差なしの大集団の中でゴールし、総合成績で首位を守った。前年の覇者アダム・イェーツ(英国、イネオス・グレナディアス)とのタイム差は43秒のまま。

サム・ベネットがUAEツアー第4ステージを制した ©LaPresse – Fabio Ferrari

「昨年のUAEツアーではステージ優勝できなかったので、これを達成できてうれしい」とベネット。

「第1ステージも調整がよかったが、グループが分断されてリードアウト役がいなくなってしまった。あのときは今日よりも調子がよかった。総合成績の上位をねらう選手らがああした展開に持っていってしまい、フラストレーションがたまった。今日はチームメートが素晴らしい働きをしてくれた。勝利することが使命だったのでかなり安堵した」

2021UAEツアー第4ステージ ©LaPresse – Fabio Ferrari
リーダージャージを着るタデイ・ポガチャル ©LaPresse – Fabio Ferrari
2021UAEツアー第4ステージ ©LaPresse – Fabio Ferrari

🇦🇪UAEツアー関連ニュース
UAEツアーでワールドシリーズ33戦開幕…コロナ禍でどうなる?(2021年2月21日)
ファンデルプールがUAEツアー第1ステージで優勝(2021年2月22日)
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世界チャンピオンのガンナがUAEツアーのTTステージ優勝(2021年2月23日)
ポガチャルがUAEツアー第3S優勝…惜敗のイェーツは総合2位へ(2021年2月23日)
●UAEツアーのホームページ

2021UAEツアー第4ステージ ©LaPresse – Fabio Ferrari

UAEツアーでワールドシリーズ33戦開幕…コロナ禍でどうなる?

自転車ロードレースの2021シーズン到来。UCI(国際自転車競技連合)ワールドツアー全33レースの緒戦として、2月21日から27日まで中東のUAEでUAEツアーが開催される。ジロ・デ・イタリアを主催するRCSスポルトが大会運営し、放送権はIMGが統括。日本では有料インターネットチャンネルのGCN+で生中継される。スタート記念キャンペーンの50%引きを適用すると年間2750円。

2021UAEツアーに参戦する有力選手 ©LaPresse – Fabio Ferrari

コロナ禍と若手台頭、昨季はこの大会がすべての始まりだった

2020年2月23日に開幕した7日間のステージレースの主催者は大会6日目の早朝、参戦していたUAEエミレーツのチームスタッフ2人が感染したとして、残る2ステージをただちに打ち切った。

出場中だった新城幸也(当時バーレーン・マクラーレン、現バーレーンビクトリアス)を含む全選手がホテルに長期隔離された。しばらくしてUAEエミレーツのスプリンター、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)の罹患が発覚。このあと、自転車競技界もコロナ禍に巻き込まれていく。

アダム・イェーツ ©LaPresse

5ステージで打ち切られた大会は、その時点で首位にいたアダム・イェーツ(英国)が総合優勝者となった。同選手は今季、母国のイネオス・グレナディアスに移籍し、今回のUAEツアーには連覇をかけて乗り込んでくる。

「トレーニングはいい感じでこなせたが、レースで同じような走りができるとは限らない。チームはボクをサポートしてくれるが、ツール・ド・ラプロバンスで勝ったイバン・ソーサもいるので、2つのオプションがある」とイェーツ。
「チームには強いクライマーもいるが、この大会は個人タイムトライアルもあるので、ボクにはそれが不利となりそうだ」

ホームチームのUAEエミレーツはポガチャルが雪辱を期す

2020年の大会で区間1勝と総合2位の成績を修め、一躍トップ選手の仲間入りを果たしたのが、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)だ。21歳の若手選手だったが、そのシーズンは2カ月延期されて開催されたツール・ド・フランスで総合いきなり優勝した。そのポガチャルが今季の緒戦として選んだのが、チームが拠点を置くUAEツアーである。ポガチャルと同じチームに電撃移籍したスイスのマルク・ヒルシも今大会に初出場する予定。

「ツール・ド・フランスで総合優勝したけれど、選手としては変わっていない。今年も同じモチベーション、同じ集中力、同じ目標を持っている」とポガチャル。
「UAEツアーはホームレースなので、チームにとって本当に重要なイベントだ。昨年はここで2位に終わったのは少し残念だったが、今回は再チャレンジとなる」

タデイ・ポガチャル ©LaPresse

イネオス・グレナディアスからイスラエルスタートアップネーションに移籍したクリストファー・フルーム(英国)にとっても感慨深い大会だ。2019年、ツール・ド・フランス最多の5勝目を目指したが、直前の大ケガで参加できず。懸命のリハビリを行い、カムバックしたのが昨季のUAEツアーだった。今季は南米合宿をこなして現地レースに出場予定だったが、現地の感染拡大により大会が中止になり、移籍チームでの初レースはこのUAEツアーになった。

「レースを楽しみにしている。自分の弱点を修正するために米国カリフォルニアでいい冬を過ごした。リハビリは間違いなく昨年の今ごろよりもいい」とフルーム。
「もちろん総合優勝をねらって出場するわけではないが、本来の調子を戻せるようなきっかけとなる走りがしたい」

クリストファー・フルーム ©LaPresse

個人タイムトライアルの世界チャンピオン、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)は初出場。スプリンター勢はロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)、2020ツール・ド・フランスでポイント賞を獲得したドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)、ボーラ・ハンスグローエのパスカル・アッカーマン(ドイツ)も出場。

フィリッポ・ガンナ ©LaPresse
アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール(オランダ) ©LaPresse
トレック・セガフレードのビンチェンツォ・ニバリ(イタリア) ©LaPresse
サム・ベネット ©LaPresse
パスカル・アッカーマン ©LaPresse

そして2020年の大会で自転車選手として最初に罹患したガビリア。シーズン中に2度目の感染を経験したがカムバック。この大会に懸ける意気込みはだれよりも強い。

昨季はコロナ禍が若手台頭を後押し

コロナ禍で開催される2シーズン目。1月にオーストラリアで開催予定だったワールドツアー2大会が中止となり、そのためUAEツアーが開幕戦となった。欧州では依然として感染が落ち着く兆しはない。国際団体は大会日程を平時のものに戻したが、中止あるいは延期も想定される。昨季は後半に主要大会が凝縮され、そんな強行日程が若手台頭を後押しした。

有料インターネットチャンネルのGCN+はスタート記念キャンペーンの50%引きを適用すると年間2750円。

●UAEツアーのホームページ

ベネット降格でアッカーマンが初勝利…ブエルタ・ア・エスパーニャ

第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは10月29日、カンペアドール〜アグイラルデカンポ間の157.7kmで第9ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのパスカル・アッカーマン(ドイツ)がドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)に続いて2着となったが、ベネットがゴール前のスプリント勝負で危険走行をしたため降格に。アッカーマンが大会初勝利を挙げた。

サム・ベネット(左から2人目)が先着したが、降格によりパスカル・アッカーマン(中央右より)が優勝 ©PHOTOGOMEZSPORT2020

大会2回目の平たんステージは、スプリンターのベネットを擁するドゥークニンク・クイックステップ勢が想定通りにゴール勝負に持ち込んだが、わずかに歯車が狂った。

危険走行のベネットはスプリント時に周囲をふさがれ、それをこじ開けようと併走選手に2度にわたって肩で応圧。これが降格の理由となった。

モビスターのアレハンドロ・バルベルデ(左)と新人賞のエンリク・マス©PHOTOGOMEZSPORT2020

「ベネットには完全に負けていた」と繰り上げ優勝にも複雑なアッカーマン。
「前をふさがれたらストップするべきで彼らしくない走りだった」ともコメント。

NTTのエース、カルロス・バルベロ(スペイン)の応援団 ©PHOTOGOMEZSPORT2020

総合成績ではイネオス・グレナディアスのリチャル・カラパス(エクアドル)が難なく首位を守った。

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020
2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアス)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)
□マイヨブランコ(新人賞)エンリク・マス(スペイン、モビスター)

サム・ベネットを擁するドゥークニンク・クイックステップがゴール勝負に持ち込もうとメイン集団をコントロール ©PHOTOGOMEZSPORT2020

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2020ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

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ベネット区間優勝、ログリッチ首位をキープ…ブエルタ・ア・エスパーニャ第4S

第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは10月23日、ガライ〜エヘアデロスカバレロス間の191.7kmで第4ステージが行われ、ドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)が大集団によるゴール勝負を制した。2019年の区間2勝に続く大会通算3勝目。

サム・ベネットがゴール勝負を制して優勝 ©PHOTOGOMEZSPORT2020

初日から異例の山岳3区間をこなした大会は、ようやく4日目に平たんステージを行い、

「追い風を受けてとても速いレースになった。最後のスプリントに備えて、チームメート2、3人にけん引してくれるように頼んだが、全員が加わってくれて頼もしかった」とベネット。ツール・ド・フランスでポイント賞を獲得しているスプリンターが実力を発揮。平たん区間ではさらなる勝利をねらっていく。

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)を含む総合成績の上位選手はタイム差なしの大集団の中でゴールし、ログリッチがその座を守った。

トム・デュムランがメイン集団をペースメイク ©PHOTOGOMEZSPORT2020
クリストファー・フルーム ©PHOTOGOMEZSPORT2020

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアス)
□マイヨブランコ(新人賞)エンリク・マス(スペイン、モビスター)

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

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2020ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

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ポガチャルがツール・ド・フランスで初の総合優勝

第107回ツール・ド・フランスは最終日となる9月20日、マントラジョリ〜パリ・シャンゼリゼ間の122kmで第21ステージが行われ、タデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ)がスロベニア選手としてツール・ド・フランスで初優勝した。

2020ツール・ド・フランス第21ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

大会中盤から同郷のプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ビスマ)を追いかける展開となったが、最終日前日の個人タイムトライアルで逆転した。ポガチャルは山岳賞と新人賞も獲得。

最終21ステージの区間勝利はポイント賞を初受賞したドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)で今大会2勝目。

マイヨジョーヌのポガチャル(右)は「ログリッチには申し訳ないことをした」と気遣う発言も ©A.S.O. Alex Broadway
ルーブル美術館。2020ツール・ド・フランス第21ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
マイヨジョーヌのポガチャル。コルナゴがツール・ド・フランスを制したのは初めてとなる ©A.S.O. Pauline Ballet
2020ツール・ド・フランス第21ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
サム・ベネットは最終日のパリ・シャンゼリゼを制しただけでなくポイント賞も初受賞 ©A.S.O. Alex Broadway
ポガチャルがスロベニア選手として初めてツール・ド・フランス総合優勝 ©A.S.O. Pauline Ballet
スロベニアのログリッチが2020ツール・ド・フランスを盛り上げた ©A.S.O. Pauline Ballet
総合優勝のポガチャルを中央に左が2位ログリッチ、右が3位リッチー・ポート ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)サム・ベネット(アイルランド、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

マイヨジョーヌのポガチャルとポイント賞のサム・ベネット。ポガチャルは山岳賞と新人賞も獲得した ©A.S.O. Pauline Ballet

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🇫🇷ツール・ド・フランス2020特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

ベネットが悲願の区間初勝利…ツール・ド・フランス第10S

1回目の休日を過ごした第107回ツール・ド・フランスは9月7日、本土と橋で結ばれた2つの島、オレロン島からレ島までの168.5kmで第10ステージが行われ、アイルランドチャンピオンのサム・ベネット(ドゥークニンク・クイックステップ)が大集団のゴール勝負を制して初優勝。

サム・ベネットがツール・ド・フランス初優勝 ©A.S.O. Pauline Ballet

総合成績ではユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が首位を守った。

マイヨジョーヌのログリッチとマイヨベールのサガン ©A.S.O. Pauline Ballet

前日には選手とスタッフらがPCR検査を受け、選手は全員が陰性。大会のディレクターであるクリスティアン・プリュドムが陽性となり、7日間レースから離れることになった。

第10ステージはフランス西海岸を行く ©A.S.O. Pauline Ballet
グルパマFDJのシュテファン・キュングとCCCのミヒャエル・シャールというスイス勢がアタック ©A.S.O. Pauline Ballet
2020ツール・ド・フランス第10ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux
フランス西海岸、本土と橋で結ばれた2つの島をスタートとゴールとした ©A.S.O. Thomas Maheux
アイルランドチャンピオンジャージを着るベネットが第10ステージ優勝 ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)サム・ベネット(アイルランド、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ブノワ・コズネフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)

センチュリー21のキャラバン隊 ©A.S.O. Thomas Maheux

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🇫🇷ツール・ド・フランス2020特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト