ティレーノ~アドリアティコが3月4日開幕…ビンゲゴー、ヒンドレー出場

第59回ティレーノ~アドリアティコが3月4日にイタリアで開幕。10日までの7日間にわたって熱戦が繰り広げられる。ビスマ・リースアバイクはヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)、ボーラ・ハンスグローエはジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)が総合優勝をねらう。

フィリッポ・ガンナ、ティム・メルリエ、テイオ・ゲイガンハート、ヨナス・ビンゲゴー、ジャイ・ヒンドレー、リチャル・カラパス ©Fabio Ferrari/LaPresse

「2年前のティレーノ〜アドリアティコで2位になったので、今年は優勝争いができることを願っている。長い1週間レースにはライバルがたくさんいる。僕らはできる限りのことをするが、それが十分かどうか最後に見ることになるだろう」とビンゲゴー。

©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

「いつものようにここに来ることができてとてもうれしい。毎年このレースに戻ってくるのが大好きだ。常に超ハイレベルで、今年後半の大きな目標への足がかりにしたい。この1週間、とてもタフなレースになるだろう」とヒンドレー。

ヨナス・ビンゲゴー(左)とフィリッポ・ガンナ ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse
ジャイ・ヒンドレー ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

【ツール・ド・フランス現場雑感】英国人夫婦がフランスで営む民宿

ヒンドレーがピレネー初日に独走…総合でも首位に

第110回ツール・ド・フランスは7月5日、ポー〜ラランス間の163kmで第5ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)が残り20kmから独走して初優勝。総合成績でも首位に立った。

ヒンドレーが初優勝して総合でもトップに。2023ツール・ド・フランス第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

優勝候補ポガチャルがまさかの1分遅れ

ヒンドレーは2022年のジロ・デ・イタリアを制した実力者で、総合成績でも首位に立ち、一躍優勝争いの一角に。「初参戦でここまでできるとは考えていなかった。アタックは計画していなくて即興だった」とヒンドレー。

連覇を目指すユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴーは孤軍奮闘で追ったが、総合成績で47秒差をつけられた。UAEエミレーツのタデイ・ポガチャルはこの日1分38秒も遅れ、総合6位に後退。「イタリアの女子レースで自転車選手の彼女が転倒して、1分ロスしたことよりもショックだ」とポガチャル。

大会5日目にしてピレネーの本格的な山岳ステージが始まった ©A.S.O. Pauline Ballet
2023ツール・ド・フランス第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
ヒンドレーがマイヨジョーヌ ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)フェリックス・ガル(オーストリア、AG2Rシトロエン)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

フランス渡航30年にしてこれぞオススメしたい民宿

前日にノガロサーキットでの仕事を切り上げて、30分ほどでたどり着いたのがこの日のお宿。日本で言ったら民宿で、アットホームな雰囲気が楽しめる人には最適です。ただし経営者との距離が近いのがよくある民宿の難点で、もっと放任してほしいという人には向いていないと思います。ところが…。

ヨーグルト、ジャム、パンは自家製

この日はそんな民宿とはちょっと違ったところでした。部屋代は一般的なホテルと比べたら安価ですが、「ディナーが食べたいときは24時間前までに連絡ください。プレートが3品で15ユーロ」という案内があったので、メールでディナーをオーダー。すぐに「もちろん」というレスが返ってきました。

この手の民宿はオーナーが見つけたとっておきの場所にあることが多く、たいてい路頭に迷います。ところが時代の進化で、宿泊予約サイトの地図をたたくと、Google マップが起動して、そこまで案内してくれます。なんていい時代になったんでしょう。

向こうに見えるのがピレネーだ

たどり着いたのはポツンと一軒宿。2部屋しか客室がなく、この日の宿泊はボクだけ。シャワーを浴びてからダイニングに行くと、それはもうおいしい匂いが充満。テーブルにはワインも用意されていて、これで前日のホテルの朝食と同じ値段とは。

この宿でよかったものは、経営者があまりしゃしゃり出てこず、ディナーをゆったり食べることができたこと。もちろん、就寝前に「世間話や伝達事と翌朝の朝食時間など」のお話はありましたが、お客さんのスタンスを尊重した接し方にとても好感を持ちました。

2023ツール・ド・フランス第5ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

そしてディナーが終わったあとは、ポツンと一軒宿は管理人の英国人夫婦がクルマで下山してしまったので、ボクだけのものになりました。

それでも会話したことをまとめると、夫婦で英国からフランスに移住してペンションを持ったとのことです。庭には食材になる植物を育てていて、朝食のヨーグルト、パン、ジャムは自家製です。英国のカベンディッシュがあと1勝してほしいとご主人。

この日はぐっすりと眠ることができ、朝のランニング練習はアップダウンの連続に手こずりましたが、シャワーを浴びておいしい朝食。10時までに手洗いの洗濯をして、ちょっとくつろいでから一路勝負どころのピレネーへ。まだ大会は始まったばかりなのに、山岳ステージ早くないですか?

トレックチームのメインスポンサーとなったリドル

この民宿はタルブの北にあるので、タルブ、ルルドともう30年も走り通したピレネー北麓の町々を通過していきます。ルルドのよく知った郊外型商業施設群でディスカウントスーパーのリドルへ。

リドルってフランスのドンキというイメージでしたが、30年の現地取材にして初めて入ったら大船グランシップのライフみたいな感じです。商品スキャンは机の上を転がすだけの超高速。こっちの人は大量買いしますが、列が長くならないのがうれしい。

ルルドとタルブを結ぶ街道にあるアデという町はいつも気になる

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🇫🇷ツール・ド・フランス2023特集サイト

ヒンドレーが2022ジロ・デ・イタリア総合優勝…2年前の雪辱を果たす

第105回ジロ・デ・イタリアは最終日となる5月29日、ベローナで第21ステージとして17.4km個人タイムトライアルが行われ、ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が前日までの貯金を利して初めての総合優勝を達成した。

2022ジロ・デ・イタリアを制したジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) ©Marco Alpozzi/LaPresse

1分18秒遅れの総合2位はリチャル・カラパス(エクアドル、イネオスグレナディアーズ)。

ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) ©LaPresse
ベローナ円形闘技場にヒンドレーがゴール ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2022
ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) ©Fabio Ferrari/LaPresse
総合2位のカラパスがヒンドレーを祝福 ©Marco Alpozzi/LaPresse
ポイント賞を獲得したアルノー・デマール ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
クーン・ボウマンが山岳賞 ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
フアン・ロペスが新人王に ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)クーン・ボウマン(オランダ、ユンボビスマ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

最後のジロ・デ・イタリアとなったニーバリ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
アレハンドロ・バルベルデ ©Marco Alpozzi/LaPresse

第20ステージにもどる≪≪

最後の山岳でヒンドレーが2年ぶりにマリアローザ【ジロ・デ・イタリア第20S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月28日、ベッルーノ〜パッソフェダイア間の168kmで第20ステージが行われ、3秒遅れの総合2位につけていたジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が首位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオスグレナディアーズ)に1分28秒差でゴール。総合1位に躍り出て、2年ぶりにマリアローザを獲得した。

ジャイ・ヒンドレーがパッソフェダイアで逆転をかけて走る ©Fabio Ferrari/LaPresse

ステージ優勝は独走でゴールしたUAEエミレーツのアレッサンドロ・コービ(イタリア)。大会初優勝。

3秒遅れの総合2位ジャイ・ヒンドレー。2022ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©LaPresse

2年前は最終日に逆転負け、運命のタイムトライアルへ

ヒンドレーはサンウェブ時代の2020ジロ・デ・イタリアで、最終日前日に総合1位へ。しかし同タイムでタオ・ゲイガンハート(英国、イネオス・グレナディアーズ)が並ぶという激戦となり、最終日にミラノで行われた個人タイムトライアルで逆転負けした。

山岳賞のクーン・ボウマン。2022ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©LaPresse

「とても残忍なフィニッシュなので重要なステージになることは分かっていた。もしボクの足に余力があれば、また違った戦いができたと思う。チームはこの日にかけていて、完璧に走れた。先頭グループにレニー・カムナがいた。ボクたちが彼らに追いついてから、彼は大きな助けになった」とヒンドレー。

「壮大なステージだった。3週間のレースが終わって挑むタイムトライアルがどうなるかは分からないが、ボクはマリアローザのために死ぬつもりだ」

2019年は最終日前日にマリアローザを着用したが、翌日に逆転されたジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) ©LaPresse
2022ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
2022ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
最後の山岳パッソフェダイアでマリアローザのカラパスがヒンドレーから遅れた ©Fabio Ferrari/LaPresse
アレッサンドロ・コービが2022ジロ・デ・イタリア最難関のステージを制した ©Massimo Paolone/LaPresse
マリアローザを獲得したヒンドレー ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)クーン・ボウマン(オランダ、ユンボビスマ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

2022ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©LaPresse

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ヒルトV、ヒンドレーが総合で3秒差に肉薄【ジロ・デ・イタリア第16S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月24日、サロ〜アプリカ間の202kmで第16ステージが行われ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオのヤン・ヒルト(チェコ)が優勝。

区間3位のジャイ・ヒンドレー(左)がボーナスタイム4秒を獲得し、総合成績でリチャル・カラパス(右)との差を3秒にした ©Massimo Paolone/LaPresse

総合成績では、7秒遅れの総合2位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が首位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオスグレナディアーズ)をわずかに制して区間3位。ボーナスタイム4秒を獲得して、総合成績でカラパスとの差を3秒とした。

2022ジロ・デ・イタリア第16ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
2022ジロ・デ・イタリア第16ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
逃げるヤン・ヒルト ©Fabio Ferrari/LaPresse
ジャイ・ヒンドレーとそれをマークするカラパス ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオスグレナディアーズ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)クーン・ボウマン(オランダ、ユンボビスマ)
□マリアビアンカ(新人賞) ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEエミレーツ)

ヤン・ヒルトが第16ステージで優勝 ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

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ヒンドレーが前半最大の山岳で優勝【ジロ・デ・イタリア第9S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月15日、イゼルニア〜ブロックハウス間の山岳コース191kmで第9ステージが行われ、ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が有力選手ばかりのつばぜり合いを制して優勝。

ジャイ・ヒンドレー(右)がロマン・バルデ(左)とリチャル・カラパスを制して優勝 ©Massimo Paolone/LaPresse

総合成績ではトレック・セガフレードのフアン・ロペス(スペイン)が1分46秒遅れたが、前日までの貯金を利してマリアローザを守った。

2022ジロ・デ・イタリア第9ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

ヒンドレーは2020年の第18ステージに続き、2年ぶり2度目のステージ優勝。ジロ・デ・イタリア以外には勝利がないが、2020年は最終日前日で首位になった。最終日の個人タイムトライアルでテイオ・ゲイガンハートに逆転され、39秒遅れの総合2位となっている。

2022ジロ・デ・イタリア第9ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse
ディエゴ・ローザが山岳賞を獲得 ©Fabio Ferrari / LaPresse
リチャル・カラパスを牽引するリッチー・ポート ©Fabio Ferrari / LaPresse
フアン・ロペス(スペイン)がマリアローザを守った ©Massimo Paolone/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ディエゴ・ローザ(イタリア、エオーロ・コメタ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

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2022ジロ・デ・イタリア第9ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse