ツール・ド・フランス厳戒開催へ…選手・関係者をバブル内隔離

新型コロナウイルス感染拡大により当初予定から2カ月遅れとなる8月29日〜9月20日の開催となった第107回ツール・ド・フランス。異例ずくめの大会運営体制の一部が明らかになったが、過去に例がないほどの特殊なレースになりそうだ。

2019ツール・ド・フランス第17ステージ ©ASO Thomas MAHEUX

7月23日、大会主催者のASOから報道関係者に取材受け付けの案内がメール送信されてきた。

通常なら開幕の3カ月前に送信されるものだが、2020年は開幕まで1カ月余でようやく送られてきた。それだけ主催者が健康面での安全対策に苦心し、試行錯誤していたことが推測できる。

案内文は、現在の健康危機において必要とされる取材方法を説明している。これらの規定は7月に定められたとしていて、今後の数週間におけるフランスでの感染状況によっては、大きく修正される可能性があると警告している。

従来の「ファミリー」から「バブル」という枠組みに変更

ツール・ド・フランスはこれまで、主役である選手を中心に、チーム関係者、主催スタッフ、取材陣、スポンサーを「ファミリー」という言葉でひとくくりにし、円滑な運営を続けてきた。例えば交通規制に関してなら、一般の人たちが制限されるところにも「ファミリー」は入ることを許され、大会特別規定の道路通行ルールが適用された。

今回、「ファミリー」に替わって明記された言葉が「レースバブル」。英語ではRace bubble、フランス語ではBulle Course。

2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Pauline BALLET

レースに関わる主要な人々の周りに「バブル」を実装する。その範囲となるのは選手、チームスタッフ、オフィシャル、レース運営者。取材陣とスポンサーは外されている。大会期間中はバブル内にいる人に対して厳格な健康管理と衛生対策が行われれ、バルブ内にウイルスを持ち込まない態勢づくりを構築した。さらにバブル外の人たちとの接触を可能な限り制限する。

ツール・ド・フランスに帯同する取材者、メディア、各地域の大会協力者はバブルの外となるが、大会に数日間関わる場合は、レース前の健康テストから期間中の健康観察、レースバブルとの接触制限、会場でのソーシャルディスタンス順守が厳命される。

無観客レースにはならない…大事なことは遠回しに表記

ファンの動きにも言及されている。常にソーシャルディスタンスを確保すること、レースコース沿道ではスマホアプリをインストールして、感染者が出たときに接触があったかを確認できるようにすること。これらの感染予防策を取り入れれば主催者は「一般の人たちも招待する」という表現をしているので、無観客レースとはならないようだ。

まとめると…
ツール・ド・フランス関係者の健康を守るためにバブルが設定される
レースバブル=選手・チーム関係者・大会運営スタッフ
第2バブル=それ以外のツール・ド・フランスファミリー
第3バブル=一般の人たち

2019ツール・ド・フランス第11ステージ ©ASO Pauline BALLET

ツール・ド・フランスに帯同するすべての人は現地到着の5日前以降にPCR検査を受けて陰性となった各国保険機関の証明書が必要。Stop Covid”アプリケーションをダウンロードする必要がある。マスク着用。

主催者側はさらに連日にわたって消毒を徹底的に行い、12〜19人ほどの専任医療関係者と看護士を帯同させる。また開幕時とパリのゴールでは選手の家族が訪問するのが恒例だが、2020年はこれも禁止された。

🇫🇷ツール・ド・フランス2020特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

ツール・ド・フランス選手は東京五輪を走れない…日程変更できない事情

新型コロナウイルスの影響で2021年夏に延期された東京五輪の新たな競技日程が7月17日に同組織委員会から発表され、ツール・ド・フランスと自転車競技男子ロードの日程が重なることが改めて確認された。2020年の当初予定ではツール・ド・フランスが東京五輪を尊重して、大会日程を1週間前倒しして重複を避けたが、2021年は簡単にはそれができない理由がある。

コペンハーゲンで開幕する2021ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーションをするクリスティアン・プリュドム ©ASO_G.Demouveaux

新型コロナウイルス感染拡大を受けて2020年の国際スポーツイベントがこれまでにないほどの影響を受けている。この年の三大スポーツイベントのうち、五輪とサッカー欧州選手権(ユーロ)は1年延期。ツール・ド・フランスは毎年開催されることもあって、2カ月遅れの日程になった。

混乱は2021年にも続く。すでにツール・ド・フランスは7月2日に大会史上初めてデンマークのコペンハーゲンで開幕すると2019年2月に早々と発表している。伝統的にツール・ド・フランスは7月最初の土曜日に開幕するので、このこと自体は例年通り。ただし遠隔地開幕となるので、移動日を加えて1日増の24日間での開催とした。そのため7月2日は異例の金曜日。パリにゴールするのは7月25日だ。

話が戻るが、2020年のツール・ド・フランスは東京五輪に配慮して開催日程を通常より1週間早めていて、最終日を7月19日(日)とした。当初の2020東京五輪での男子ロードは開会式翌日の25日(土)に計画されていたので、ツール・ド・フランスで完走を果たした選手も中5日の余裕があった。

2021年に開催される東京五輪の日程が発表された

自転車男子ロードは五輪で常に最初の決勝種目

五輪では開会式翌日の競技初日に最初の決勝種目として自転車競技男子ロードが開催される。その理由は、町々をつないで走るロードレースは開催都市の全容を世界中に知らせるのにうってつけの種目であるからだ。とりわけ男子ロードは選手数が多く、空撮や併走による映像でその都市の魅力をあますことなく配信するというねらいがある。

これは1年延びて開催される2021年実施の東京五輪にも適用された。つまり五輪がスライドしたことによって五輪男子ロードが開催される日にツール・ド・フランス出場選手は最終日前日を走っているのだ。

●新型コロナウイルス感染拡大以前の大会日程
2020年6月12日〜7月12日 サッカー欧州選手権
2020年6月27日〜7月19日 第107回ツール・ド・フランス
2020年7月25日 東京五輪男子ロード

2021年7月2日〜25日 第108回ツール・ド・フランス

●新型コロナウイルス感染拡大後の大会日程
2020年8月29日〜9月20日 第107回ツール・ド・フランス

2021年6月11日〜7月11日 サッカー欧州選手権
2021年7月2日〜25日 第108回ツール・ド・フランス
2021年7月24日 東京五輪男子ロード

東京五輪の新たな競技日程は、基本的に延期前の日程の曜日を合わせてそのまま引き継いだものだ。自転車競技にはロードレース以外にも、トラック・MTB・BMXとあるが、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長は「今回発表した各種目日程の変更することは不可能だ」と断言している。

大会プログラムを変更できるかと尋ねられたバッハ会長は「ノー」と述べた。「それはあまりにも複雑な意味を持つことになる。我々はすでにすべての利害関係者、つまりツール・ド・フランス主催者とデンマークの開幕ホストシティに伝えている」

2021ツール・ド・フランスは1週間前倒しできない

2021ツール・ド・フランスのグランデパール(開幕地)は、世界のサイクリングシティと言われるコペンハーゲン。デンマークの首都だ。7月2日(金)の開幕を目指して数年前から計画を立てている。新型コロナウイルス感染拡大という特殊事情を理由に、2020年のように1週間前倒しにできないか。これもノーだ。

こともあろうに、1年延期されたサッカー欧州選手権の試合がコペンハーゲンであるのである。

2019ツール・ド・フランス第4ステージはランス大聖堂をスタート ©ASO Pauline-BALLET

サッカー欧州選手権はいわゆる欧州におけるワールドカップで、4年に一度の開催。2021年に延期された第21回大会は欧州13カ国での分散開催となる。これは当初予定通り。じつはコペンハーゲンでは6月18日にグループBのデンマーク対ベルギー、22日にグループBのデンマーク対ロシア、そして29日には決勝リーグ「ラウンドオブ16」のグルーブD・2位対グルーブE・2位の試合が開催される。

東京五輪を避けてツール・ド・フランスを1週間前倒ししたら、今度はサッカーとぶつかってしまう。コペンハーゲンの警察当局は、2つのスポーツビッグイベントに多くの観客が殺到することを懸念。ツール・ド・フランスを1週間前倒しする案を受け入れることができないという。

「ツール・ド・フランスの経営陣から、2021年にデンマーク開幕予定日について討議する要請を受けたことは認める」と、グランデパール組織委員会のトップでもあるコペンハーゲンのフランク・ジェンセン市長が6月末に国営放送のDRでコメントしている。

以上、これは2021年の話。ツール・ド・フランス主催者はまず2020年大会をどうやって運営しようかに懸命。新型コロナウイルス余波はあまりにも大きい。

🇫🇷ツール・ド・フランス2020特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

バーチャルツール・ド・フランス全6ステージをJ SPORTSがLIVE配信

国内最大4チャンネルのスポーツテレビ局、J SPORTSは、7月4日から3週連続で週末に開催される世界最大級のバーチャルサイクルロードレース『バーチャルツール・ド・フランス』の生中継を決定した。PC、スマホ、タブレットで見られる「J SPORTSオンデマンド」でも放送同様にLIVE配信する。1週目の7月4日、5日は放送、配信ともに無料。

世界最大のサイクルロードレース、ツール・ド・フランスは当初6月27日~7月19日に開催される予定だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響を受けて、8月29日~9月20日に延期された。

これを受け、毎年レースが開催されている7月にインドアトレーナーZwiftを用いたバーチャルレースが大会史上初めて開催されることになった。

バーチャルレースは選手たちの体重や出力を計算し仮想空間で大会を行うもの。今大会使用するZwiftはドラフティングによる空気抵抗の軽減が反映されるためリアリティのあるレース展開に期待できる。さらにツール・ド・フランスお馴染みの4賞ジャージも設定されているので今大会ならではの駆け引きにも注目。

ベルナル、アラフィリップ、フルームが参戦

大会にはUCIワールドチーム17チームを含む23の男子プロチームと17の女子プロチームがエントリー。2019年ツール・ド・フランスを総合優勝したエガン・ベルナルや、2019年に14日間マイヨジョーヌを着用し大活躍したジュリアン・アラフィリップ、過去4大会での総合優勝を誇るクリストファー・フルームといったツール・ド・フランスでもお馴染みの世界のトップ選手たちが出場を予定している。

スプリンターの活躍が期待される平坦ステージ、丘陵ステージ、クライマー同士の激しいバトルが見どころの山岳ステージを含む6つのステージが用意され、最初に女子レース、続いて男子レースが開催される。

ツール・ド・フランスを全ステージ生中継するJ SPORTSは、注目の今大会も全6ステージを男子レース、女子レースともに生中継/LIVE配信で届ける。毎年7月にはツール・ド・フランスが欠かせないというツールファンは、8月29日の開幕を待つ間、このツール・ド・フランス史上初の試みをぜひJ SPORTSとJ SPORTSオンデマンドで楽しもう。

バーチャルツール・ド・フランス配信


また7月2日から7月31日にかけては記念すべき第100回大会、2013年のツール・ド・フランス全21ステージの再放送、再配信も予定している。波乱の幕開けから新王者が誕生するまでの3週間のドラマも合わせて視聴したい。

第100回ツール・ド・フランスの再放送

●J SPORTSのホームページ

2020ツール・ド・フランスが通常開催できない3つの理由

新型コロナウイルス感染拡大により、2020年の第107回ツール・ド・フランスは大会日程を当初の「6月27日〜7月19日」から、「8月29日〜9月20日」に延期。この異例の措置によって、真夏のバカンス時期に開催されるお祭りという希有な価値が保てるのか? 6月29日時点での状況を分析してみた。

7月14日はフランス革命記念日 ©ASO

フランスは国内および欧州での衛生状況が改善していることから、欧州委員会の提言に従って6月15日より欧州域内の国境制限(陸路、空路、海路)をすべて解除した(スペインとの国境制限は6月22日より解除)。

欧州域内の国からの渡航者は、新型コロナウイルス対策に関連して設けられた国境での移動制限を一切課されず、フランス本土へ入境できる。ただし英国からの渡航者だけは相互主義(レシプロシティ)により、フランス到着後に14日間の隔離措置が続けられる。

●欧州外からフランスへ入境する場合に求められる2週間の自主隔離措置

現時点で日本人は、配偶者がフランス人であることや新型コロナウイルスにかかる医療関係者などの特例をのぞいて、フランスへの渡航ができない状況。日本外務省のホームページに2国間の渡航についての制限(出国・入国)について毎日情報のアップデートがある

7月1日から日本人はフランス入りができるという情報も

フランスは慎重ながらも前進する意志を見せている。7月1日以降、シェンゲン協定域外の第三国との国境を、各国との衛生状況を鑑みながら、段階的に個別に再開していく予定だ。シェンゲン協定の加盟国内にいったん入ると、域内は原則パスポートの検査なしで行き来できる。

2国間の相互主義(レシプロシティ)というのは「互恵性、返報性」の意味。言い方は悪いが、一方が入国禁止措置を執るなら他方も同じやりかたをぶつけるというもの。日本がフランス人の受け入れを拒んでいたら、フランスも同様のやりかたをする。14日間の隔離措置を求めるなら、これも同様だ。

ただし世界有数の観光大国であるフランスは、自国経済の立て直しのためにできることなら外国人旅行者を呼び戻したい。そのために新型コロナウイルス感染を抑え込んでいる国は例外的に入国緩和と隔離措置廃止を検討している。例外となる国のリストとその内容は7月1日に発表されるようで、日本もリスト入りしていると一部で報じられている。

2019ツール・ド・フランス第14ステージ ©ASO Alex BROADWAY

これに先立つ6月22日、フランス政府は新型コロナウイルス感染がいまだ予断を許さない海外領土のマイヨットとギアナを除いて、フランス全土に施行される「夏季に向けた新たな制限解除の内容」について発表した。

理由その1 観光大国が普段の姿を取り戻すには時間がかかる

フランス全土で映画館、カジノ、ゲームセンターの営業再開が可能になること。再開には衛生上の配慮をとることが求められること。また、コロニードバカンス(長期休暇期間に児童が過ごす林間・海浜学校)では児童の受け入れが可能になることなどが発表された。フランス本土では確実にいつもの夏休みに戻りつつあるのだ。

7月11日以降(フランス本土における衛生上の緊急事態宣言の終了後)には、河川クルーズの運行が再び認められる。欧州の複数国の港に寄港する海洋クルーズは、省令で定められた定員以内の船舶であれば、関係国との調整において今後の運行再開が決められるという。

スポーツに関してはどうか。スタジアムおよび競馬場は5000人以内の規模であれば観客を入れられるようになる。劇場など1500人を超える集まりは届け出の対象となり、必要な配慮がとられることを保証しなければならない。

大規模イベント、スタジアム、劇場における集客の人数制限を5000人とすることは原則として9月1日まで続けられる。8月29日に開幕するツール・ド・フランスは当然のようにこの「大規模イベント」となるので、5000人の人数制限が適用される。それがフランスの象徴的スポーツイベントであるとしても、だ。

理由その2 5000人超のイベントは現時点では開催不可

順調に推移しても、いまの状況ではツール・ド・フランスは5000人以下での開催。つまり想定されるのは無観客レースだ。これではどうしても盛り上がりに欠けてしまう。わずかな望みは、フランス国内での新たな疫学調査が7月中旬に実施され、8月下旬に制限緩和が可能となるかが決定されるということ。

9月1日以降、新たに出される疫学状況の評価次第で、たとえば秋の新年度スタート時に以下のような緩和が行われる。

フェア、展示会、見本市会場の再開
5000人を超える規模のイベントの認可
疫学状況の評価次第で、ディスコ、国際海洋クルーズの再開

日本選手やファンはツール・ド・フランスに行けるのかという問題

6月29日時点でのフランスの累計患者数は16万2936人、死者は2万9778人。入院患者数は8886人で、前日より255人減少。新規感染者は87人で前日比マイナス37人。4月7日に流行のピークを迎えてからは減少傾向が続き、第2波到来の予兆は今のところない。

2020ツール・ド・フランスに出場できる可能性がある日本選手は、バーレーン・マクラーレンの新城幸也とNTTプロの入部正太朗。入部は落車による鎖骨骨折で現在復帰に向けてのリハビリ中。新城は感染拡大直前に合宿地のタイに入国し、いよいよ欧州復帰を準備中。一般の渡航条件とは別にプロ選手としてのビザ取得という課題があるが、フランスに自宅があるためフランス入りそのものは問題ない。

©A.S.O. / Thomas-MAHEUX

理由その3 出場選手がフランス入りできるか、さだかではない

問題なのは感染拡大が続く南米・北米からのフランス入りが許可されるか。コロンビアには2019年の総合優勝者エガン・ベルナル(イネオス)がいる。欧州の中では感染者の多い英国もさだかではなく、ツール・ド・フランス最多タイの5勝目を目指すクリストファー・フルーム(イネオス)がいる。

日本のファンが2カ月延期されたツール・ド・フランスの現地に行けるかは、まずは7月1日にフランス政府が発表される決定事項による。ただ、日本でも東京都などの新規感染者は高止まりし、ウイルスそのものは常に存在しているので、あらゆるリスクを考慮して慎重に判断したい。

2020ツール・ド・フランス開幕まであと2カ月。取材申請は「2019年」のままで、各国メディアも戸惑うばかりだろう。主催者ASOは1年近くにわたる準備態勢を1から再構築することに相当の労力を支払っている渦中であることが想像でき、実行力のある彼らのことだから結果的には2020ツール・ド・フランス開催を実現することを切に期待したい。ただしそのレースは異例の雰囲気となりそうだ。


フランス観光開発機構カロリーヌ・ルブーシェ総裁のメッセージ

「6月15日以降、フランスは再び欧州からの旅行者を受け入れます。これはすべての旅行業従事者にとってこのうえない喜びです。さらに7月1日以降は欧州以遠のいくつかの国からも、フランス国内のホテル、キャンピング場、レストラン、美術館や博物館、観光地でお客様をお迎えできるようになります(国境再開はその国の衛生状況によって決まるのですが)。必要な対策が講じられたことでフランスの衛生状況は好ましい形で改善しており、旅行業関係者は政府が認可した衛生マニュアルを遵守しながらお客様の安全に必要なあらゆる措置をとっております。とはいえバカンスの雰囲気とフランス流ライフスタイルを忘れぬこともしっかり心がけておりますのでご安心ください」

🇫🇷ツール・ド・フランス2020特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

クラシックなアルミ製も加わったツール・ド・フランスボトル

エリート社が、世界最大級のロードレース「Le Tour de france」の開催を記念して毎年発表されている特別なデザインのウォーターボトルを2020年もリリース。今回は人気のFLYボトルに加えて、EROICA(エロイカ)シリーズで採用のクラシックなアルミボトルも特別なデザインで登場。

コロナ禍によってレースの開催延期が相次ぐなか、ツール・ド・フランスも8月29日〜9月20日の開催となることが発表された。


VINTAGE Tour de France 2020 600ml(ヴィンテージ ツール・ド・フランス 2020 600ml)

容量:600ml
サイズ:φ74mm
定価:3800円(税別)


FLY Tour de France 2020 550ml(フライ ツール・ド・フランス 2020 550ml)

カラー:ICONIC YELLOW(550ml)、MAP BLACK(550ml)
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サイズ:φ74mm
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容量:750ml
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ツール・ド・フランスは2カ月延期でも開催できるのか?

フランス政府は新型コロナウィルス感染症対策として、6月2日より制限解除第2段階に移行する。レストラン・カフェが営業再開し、美術館も再開する。ツール・ド・フランスは当初予定から2カ月遅れ、8月29日(土)から9月20日(日)までに大会日程を変更したが、果たして無事に開催されるのか?

厳しい外出制限令によってフランスの感染者数は確実に減少している

エドアール・フィリップ首相は5月28日の会見で、6月2日から始まる新型コロナウィルス感染症対策の制限解除第2段階について発表。さらに6月22日以降を第3段階とする。

フランスの衛生状態は大きく改善したものとし、会見内で公表された衛生状態を示す地図では、ほぼ全域が状況が良好の「緑」ゾーンに分類された。パリを含むイル・ド・フランス地方、海外領土のマイヨット、ギアナは注意を要する「オレンジ」ゾーンとし、他の地域より慎重に解除が進められる。

5月上旬はフランス北東部全域に蔓延していたが、5月末には海外領土のマイヨットとパリの北にあるバルドワーズ県をのぞき収束に向かっている

移動制限の解除

居住地より100kmを超える移動の制限は6月2日をもって廃止する。これまで必要だった例外的な移動理由を示す証明書なしでフランス全土(海外領土を含む)を移動できるようになる。フランス本土と海外領土の間の移動については2週間の隔離措置が続けられる。

国境封鎖の解除

首相は、EU域内、シェンゲン協定域内および英国とのフランス国境について、衛生状態が良好であれば隔離措置なしで6月15日以降に封鎖解除することに賛成の意を表した。隔離措置、または国境封鎖を継続する国があれば、フランスはその国に対し同様の措置をとる用意があるという。

医療現場のひっ迫した状況も現在は脱している

EU外への国境封鎖の解除はEU加盟国との協議を経てから決定する。少なくとも6月15日までは封鎖が続けられる。

レストラン、カフェ、バーの営業再開

「緑」ゾーンでは、バー、カフェ、レストランの営業再開が、衛生上の配慮を満たすという条件付きで6月2日からの営業再開が可能になる。テーブルの間隔を1m以上開ける、テーブルあたりの着席人数を10人までとする、従業員も客も移動の際にマスクを着用するなどの配慮が求められる。「オレンジ」ゾーンではテラス席でのみ営業が許可される。

文化施設、モニュメント、レジャー施設など

緩和の第1段階では小規模な美術館・博物館とモニュメントの営業再開が認められていたが、6月2日以降はすべての美術館・博物館とモニュメントの再開がフランス全土で可能になる。

レジャーパークや自然公園の再オープンは5000人を超えない範囲で「緑」ゾーンで6月2日から、「オレンジ」ゾーンで6月22日から可能。劇場やスペクタクル会場の再オープンも上に同じ条件で「緑」ゾーンは6月2日から、「オレンジ」ゾーンは6月22日から可能。映画館はフランス全土で6月22日から営業再開が可能。ディスコとカジノは少なくとも6月21日までは営業禁止。

キャンプ場、バカンス村、集団宿舎については、宿泊者の受け入れに必要な措置を講じた上で、「緑」ゾーンでは6月2日から、「オレンジ」ゾーンで6月22日から再オープンが可能。ホテルについては今後新しい衛生規定が設けられ、宿泊客が安心できる受け入れ条件を提供する。

公園と庭園はフランス全土で5月30日から開けられる。6月2日以降はビーチ、湖、水上スポーツエリアがフランス全土で再開する。

フランス本土ではパリのあるイルドフランスがオレンジゾーンだ

その他続けられる制限、行動様式

人の集まりは10人までとする規則は少なくとも6月21日まで続けられる。スポーツイベントは少なくとも6月21日までは禁止される。5000人を超えるフェスティバルや見本市は新たな令が出るまで禁止される。

リモートワークの推奨が続けられる。

アプリ導入

感染者とその恐れがある人を追跡するアプリ「STOP Covid」が導入される。アプリは無料で提供され、登録は自由意志に任せられる。

2020ツール・ド・フランスに関するこれまでの流れ

ツール・ド・フランスは無観客を想定して日程通りの開催か(2020年3月26日)
東京五輪の1年延期でツール・ド・フランスと日程重複する問題が(2020年4月2日)
ツール・ド・フランスは1カ月遅れのプランB開催が有力に(2020年4月8日)
ツール・ド・フランスは8月29日〜9月20日開催案が浮上か(2020年4月15日)
2020ツール・ド・フランスが大会延期。8月29日開幕(2020年4月15日)
「今年最大のスポーツイベントに」ツール・ド・フランス延期開催に期待(2020年4月16日)

ツール・ド・フランス開催可否は第3段階の内容により方向性が決まる?

第2段階で多くの制限が解除され、マスク着用やソーシャルディスタンスの励行を条件としながらも多くの市民が日常生活を取り戻しつつある。ただし5000人を超えるイベントは開催不可。少なくとも6月21日までスポーツイベントは禁止される。

現在は母国でトレーニングする選手たちが、果たしてフランス入りできるかという問題もある。フランス側は第2段階で、衛生状態が良好であれば隔離措置なしで6月15日以降に国境の封鎖も解除するという。ただし、フランスとの出入国禁止や14日間などの隔離措置を行う国に対しては、フランスも同様の措置を断行するという。

フランス政府は措置緩和の第3段階に移行する6月22日より前に、次のフェーズにおける措置を判断するというので、その直前の感染状況がツール・ド・フランス開催に大きく関わってくることは間違いない。


制限解除第2段階の発表を受け、フランス観光開発機構カロリーヌ・ルブシェ総裁は次のようにコメントした。
「フランスの観光業は6月15日のEU域内における国境封鎖の解除を心待ちにしています。観光従事者は政府とともに衛生対策を進め、最善の方法をもって旅行者と従業員双方の安全を守る努力を重ねております。ビーチ、内陸、山岳など散策やアウトドアスポーツに適したエリアや、レジャーパーク、文化施設や史跡、レストラン、宿泊施設は皆、日本からのお客様の来訪をお待ちしています。皆様がフランス流ライフスタイルに触れられる日が一日も早く戻りますように。カフェのテラスでコーヒーやクロワッサンの朝食をとったり、ご友人やご家族とフランス料理を囲みながら再会を喜び、美味なる食事とワインを心ゆくまで楽しまれることを願っております」

●フランス観光開発機構のホームページ