【ツール・ド・フランスリバイバル】2006年は終了3日後に覇者失格

新型コロナウイルス感染拡大を防止するために外出制限などで不自由な生活を余儀なくされているサイクリングファンに、過去記事をお送りします。1988年からツール・ド・フランス現地入りしている私ですが、1996年まではサイクルスポーツ編集部員としての派遣。その後独立しましたが、当時はポジフィルム撮影。そして暗黒の7年間となったので、2006年からツール・ド・フランスをリバイバル

ガリビエ峠を上るマイヨジョーヌのランディス
ツール・ド・フランス2006

波乱の2006年。最大の衝撃はパリにゴールしたあとだった

米国のランス・アームストロングが2005年に7連覇(現在は薬物違反で全記録はく奪)を達成して引退。翌2006年は新たな王者を決めるレースとなるはずだったが、最終日のパリでマイヨジョーヌを獲得した米国のフロイド・ランディスが、その3日後に禁止薬物のテストステロンを使用したことでドーピング違反となり、総合優勝をはく奪された。

ランディスはアルプスで行われた3区間の初日、第15ステージで首位に躍り出たが、翌16ステージで10分以上も遅れて首位を陥落した。ところが第17ステージで130kmを独走し、再び首位が狙える位置まで浮上している。その後、得意とする個人タイムトライアルで逆転したランディスは、最終日のシャンゼリゼにマイヨジョーヌを着て凱旋した。

第17ステージの信じがたい逃げを疑問視する他チームの選手や関係者も多かった。そしてその日のゴール後に行われた検査でランディスは陽性となったのだ。開催93回目を数える当時の大会で、総合優勝者が失格なったのは初めてだった。

ランディスは2002年に当時のUSポスタル(のちのディスカバリーチャンネル)に移籍し、それからの3年間はアームストロングのアシスト役をつとめた。アームストロングの7連覇のうち3勝は、ランディスの存在があってのものだった。

ランディスの失格にともなって、57秒遅れの総合2位でゴールしたスペインのオスカル・ペレイロが繰り上がり優勝となる。ペレイロは総合優勝できるようなオールラウンダーではなかったが、誰もがつなぎの区間と思われた第13ステージで5人の逃げを成功させ、後続集団に29分57秒差をつけて一時的に首位に。そのとき稼いだ貯金があって総合2位でパリにゴールしていた。

ただし事実関係の調査や審議などがあり、ペレイロがマイヨジョーヌを手中にするのは大会終了から449日後、2007年10月だった。

この年の存在感と言ったらアレクサンドル・ビノクロフ。ツール・ド・フランス2006

超人的アタックを成功させた第17ステージで薬物使用

ツール・ド・フランスで初の総合優勝を達成したランディスが、禁止薬物のテストステロンを使用していたことが大会終了後に明らかになった。

ランディスが「ポジティブ」となったのは第17ステージ終了後のアンチドーピングコントロール。検査は2つの検体が採取されるが、パリの表彰式から3日後の7月26日に、UCI・国際自転車競技連合が「ツール・ド・フランスの禁止薬物検査で、検体の1つが陽性となった選手がいる」と発表した。

ラルプデュエズで独走勝利したフランク・シュレック

2つ目の検体が陽性にならないと氏名は公表されないが、この第1段階でUCIはルールに則って所属チームと当該国の自転車競技連盟に選手名を通知している。

第1報を知った各メディアは情報収集に追われ、裏付けを取られたものが外電として世界中に流された。翌日には日本の一般紙にも掲載されるほどのショッキングなニュースだった。

ダミアノ・クネゴ。ツール・ド・フランス2006

すぐに「陽性となった選手が出たのは7月20日に行われた第17ステージ」と一部で報じられた。この日のステージ優勝者とマイヨジョーヌ、ランダムに抽出された選手など、その対象はすぐに絞り込まれ、その段階ですでにランディスではないかという憶測が生まれた。誰もが彼の人間業とは思えない逃げを目の当たりにしていたからだ。

翌27日にフォナックチームが、「陽性となった選手はランディスである」と緊急発表した。ランディスはツール・ド・フランス後の顔見世興行レースをキャンセルし、すぐに自らの弁護団を結成。当初は、「長年のハードなトレーニングやいくつかの要因が相乗効果となって体内で生成されたもの」と主張した。

フィリップ・ジルベール。ツール・ド・フランス2006

チームの発表後にUCIは、パット・マクワイド会長の名のもとに「ランディスが陽性反応の当事者である」と認めたが、ランディス側は事態の争点をすり替えるためか、「この段階で名前が公表されたことは明らかなルール違反」として争っていく姿勢だ。

8月5日には2つ目の検体も陽性であることが判明。分析結果により外部から摂取されたことが明らかであることも実証された。フォナックチームは「チームの規律に違反した」として、即日のうちにランディスを解雇した

フィリッポ・ポッツァート。腕には元カノのキアラのタトゥーが

総合優勝者が失格となったのは93回の歴史の中で「当時として」初めて

ランディスはアルプスで行われた3区間のうち、第15ステージで首位に躍り出たが、翌16ステージで10分以上も遅れて首位を陥落した。ところが第17ステージで130kmを独走し、再び首位が狙える位置まで浮上している。その後、得意とする個人タイムトライアルで逆転したランディスは、最終日のシャンゼリゼにマイヨジョーヌを着て凱旋した。

ツール・ド・フランスの総合優勝者に薬物使用の疑いがかけられたことは過去にもある。1988年の優勝者、ペドロ・デルガドも期間中の検体から陽性反応が出たが、禁止薬物にリスト化される寸前のものだったことから失格を免れた。

今回は、第17ステージの信じがたい逃げを疑問視する他チームの選手や関係者も多かった。それだけあからさまな挙動は、ランディス自身が自暴自棄になったのではとさえ考えられた。UCIがランディスを要注意人物としてマークしたのは当然だ。

マイヨジョーヌのランディスがシャンゼリゼにフィニッシュしたのだが…

ツール・ド・フランスの主催者は、「もはやランディスを総合優勝者とは見なしていない」とコメントし、その後の決定をUCIに一任している。とはいえ、この年のツール・ド・フランスは開幕前にジロ・デ・イタリアとツール・ド・スイスの総合優勝者を排除し、両大会の顔に泥を塗っていた。それだけに今回はそのしっぺ返しという感もあったようだ。

ランディスの2つ目の検体が陽性となった後、ペレイロは「チーム全体の努力によって、ツール・ド・フランスの総合優勝に導かれたという気持ちがわいてきた」とだけコメントした。


講談社現代新書ツール・ド・フランスは電子書籍で発売中!

ツール・ド・フランスの歴史をさらに知りたい人は講談社現代新書から電書が出ていますので、お手にとってお確かめください。

ツール・ド・フランス【電子書籍】[ 山口和幸 ]

価格:880円
(2025/2/12 14:25時点)
感想(1件)

【ツール・ド・フランスリバイバル】
≫≫≫2007年に進む

🇫🇷ツール・ド・フランス2020特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

ベルナルがマイヨジョーヌや自転車を競売に…母国の子どもたちに全額寄付

2019ツール・ド・フランスで総合優勝したコロンビアのエガン・ベルナル(イネオス)は、新型コロナウイルス感染拡大により困難な状況に置かれたコロンビアの子供たちを支援するため、マイヨジョーヌやロードバイクをオークションにかけ、慈善団体に集めた資金を寄付することを明らかにした。

エガン・ベルナルが2019ツール・ド・フランスで総合優勝 ©ASO Alex BROADWAY

ツール・ド・フランス最後の勝者ベルナルは、新型コロナウイルスとの戦いを支援するために、母国コロンビアでの青少年チャリティーセールの一環として、自転車とリーダージャージを競売にかける。

ベルナルのソーシャルメディアに投稿されたビデオメッセージで、ベルナルが2019ツール・ド・フランスで愛用したピナレロバイク、総合優勝のマイヨジョーヌ、新人王のマイヨブランをオークションするとコメント。すべての収益は、コロンビアの子供たちに食べ物やその他の必需品を提供するエグジット財団に寄付される。

2019ツール・ド・フランス総合優勝のエガン・ベルナル ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2019

●エガン・ベルナルのInstagram
●寄付先となる団体のオークション告知サイト

東京五輪の1年延期でツール・ド・フランスと日程重複する問題が

2020東京五輪が1年延期され、2021年7月23日(金)から8月8日(日)までの日程で開催されることが発表された。これにより世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスの開催と重複する事態となり、ツール・ド・フランス側がすでに発表している日程を変更する必要に迫られている。

コペンハーゲンで開幕する2021ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーションをするクリスティアン・プリュドム ©ASO_G.Demouveaux

2021年のツール・ド・フランスはデンマークのコペンハーゲンで開幕することから移動日を加味した1日増の24日間で行われる。7月2日(金)にコペンハーゲンでのタイムトライアルで開幕し、同国で3日間を過ごし、大会4日目の5日(月)に選手らは空路で移動。6日(火)からフランスでのステージとなる予定だ。

現在発表されているのは最初の3日間と、最終日が7月25日(日)となること。コース全容は2020年10月中旬に発表されるはずだ。

2020年は東京五輪にツール・ド・フランス側が配慮

2020年のツール・ド・フランスは東京五輪に配慮して開催日程を通常より1週間早めていて、6月27日(土)から7月19日(日)まで開催される予定で現在も新型コロナウイルス感染の状況を見守っている。当初の2020東京五輪での男子ロードは開会式翌日の25日(土)に計画されていたので、ツール・ド・フランスで完走を果たした選手も中5日の余裕があった。

©A.S.O. / Thomas-MAHEUX

自転車男子ロードは五輪での最初の決勝種目が慣例

近年の五輪では開会式翌日の競技初日に最初の決勝種目として自転車競技男子ロードが開催される。その理由は、町々をつないで走るロードレースは開催都市の全容を世界中に知らせるのにうってつけの種目であるからだ。とりわけ男子ロードは選手数が多く、空撮や併走による映像でその都市の魅力をあますことなく配信するというねらいがあった。

これは2020年に開催予定だった東京五輪でも適用され、1年延びて開催される2021年実施の東京五輪でも同様だ。つまり五輪がスライドしたことによって五輪男子ロードが開催される7月24日(土)は、このままだとツール・ド・フランス出場選手は最終日前日を走っているということになる。

五輪で行われる自転車競技はロード以外にもトラック、MTB、BMXがあり、半月以上の日程で開催される五輪の全期間で競技が行われる。仮にロードが五輪開幕直後に組み込まれる日程でなければ、この問題は解決できることになるのだが。

国際自転車競技連合(UCI)は五輪延期に肯定的で、日程調整にも協力を惜しまない。ASOとしてもそうでありたいはずだが、すでに発表されているデンマークでの3日間の計画を修正することは容易なものではない。ツール・ド・フランスという観光アイテムを重視するフランス国内のコースならまだしも、他国におじゃまするだけに関係者はその調整に頭を抱えているかも知れない。

●ツール・ド・フランスのホームページ

J SPORTSオンデマンドがスポーツファンのため一部無料配信

国内最大4チャンネルのスポーツテレビ局、J SPORTSはパソコン、スマホ、タブレットで見られる動画配信サービス「J SPORTSオンデマンド」で、ラグビーや野球、自転車ロードレース、モータースポーツといった2019シーズンの人気番組を厳選して3月28日(土)から4月30日(木)まで無料配信する。

©Yuzuru SUNADA

新型コロナウイルスの感染拡大防止にともない、各スポーツの延期・中止が相次ぎ、さびしい思いをしている全てのスポーツファンのため、より多くの人にスポーツを楽しんでもらおうと企画したもの。 

J SPORTSオンデマンド有料加入者向けに激戦を一挙再配信

無料配信では、J SPORTSオリジナル番組である人気ドキュメンタリー番組「The REAL」や、2019シーズンの注目番組を厳選して配信。有料加入者向けには、ラグビーワールドカップ2019日本大会の全試合をはじめ、自転車ロードレースやモータースポーツといった、2019シーズン好評だった選りすぐり番組を一挙再配信する。 

【無料配信番組】

■ラグビー
・ドキュメンタリー ~The REAL~ 【ラグビー ニュージーランド代表】 オールブラックスのルーツを求めて(※配信期間:3/31まで)
・ラグビー レジェンズマッチ2019  パシフィック・アイランド・レジェンズ vs. ニュージーランド・バーバリアンズ・レジェンズ
太平洋諸国のレジェンドが集う「パシフィック・アイランド・レジェンズ」とオールブラックスのレジェンドが集う「ニュージーランド・バーバリアンズ・レジェンズ」の一戦。 
・ザ・ラグビーチャンピオンシップ2019 ~南半球4カ国対抗戦~ (全6試合)
南半球の強豪4か国(南アフリカ、 ニュージーランド、 オーストラリア、 アルゼンチン)でNo.1を争う。 W杯前に行われた2019年の6試合。 
・伝統の一戦 バーシティマッチ オックスフォード大学 vs. ケンブリッジ大学
ラグビーの聖地「トゥイッケナムスタジアム」で行われる世界最古の大学ラグビー定期戦。 男子と女子の両試合。 

■サイクルロードレース
・Cycle*2019 ツール・ド・フランス (全21ステージ)
言わずと知れた世界最高峰の自転車レース。 
・Cycle*2019 パリ~ルーベ
残念ながら延期となった今シーズンのレースの前に、 昨年のレースを振り返り。 クラシックの女王と称されるレース。 
・ドキュメンタリー ~The REAL~ マイヨ・ジョーヌ100周年特別番組 日本が黄色に染まる日
日本人がマイヨ・ジョーヌを着用する日は訪れるのか、 その可能性を取材。 J SPORTSオリジナルのドキュメンタリー番組。 
・我らワールドのサイクルロードレース観戦塾2019
J SPORTSではおなじみの栗村修、 サッシャによるサイクルロードレース情報番組。 昨シーズンの全6本。 

■モータースポーツ
・SUPER GT 2019 総集編
ツーリングカーレースの国内最高峰SUPER GT。 選手や監督をゲストに迎え、 昨シーズンを振り返る。 
・DTMドイツツーリングカー選手権 2019 総集編
アウディ、 BMW、 アストンマーチンの3メーカー体制でタイトルを争った市販車をベースにしたツーリングカーで争われるドイツ独自レースの総集編。 
・ダカールラリー2020【サウジアラビア】 総集編
全12ステージ、 総走行距離9000km以上で争われる世界一過酷なモータースポーツ競技の総集編。

■野球
・ガンバレ日本プロ野球!? リターンズ19/20 (則本昂大 編 / 高津臣吾 編)
カネさんこと野球評論家の金村義明氏が、 爆笑トークと共に選手たちの意外な一面を探るJ SPORTSオリジナルのトーク番組。 
・秋季高等学校野球大会2019
北海道地区、 東京都、 近畿地区、 九州地区の試合を準決勝・決勝。

■その他
・ドキュメンタリー ~The REAL~ 【サッカー特集】 FCバルセロナ欧州初制覇 ~UEFAチャンピオンズカップ1991-92FINAL~(※配信期間:3/31まで)
当時決勝点をあげたロナルド・クーマンや、 ペップ・グアルディオラなどがサンプドリアとの戦いを振り返る。 J SPORTSオリジナルのドキュメンタリー番組。 
・ドキュメンタリー ~The REAL~ 【スキージャンプ】 小林陵侑 天才の覚醒
日本人史上初のワールドカップ年間総合王者に輝いた小林陵侑の覚醒の秘密に迫る。 J SPORTSオリジナルのドキュメンタリー番組。 
・第98回 全日本スキー選手権大会 アルペン競技会(※配信期間:3/31まで)
2019/12/26~28の間に国設阿寒湖畔スキー場にて行われた男女ジャイアントスラローム、 男女スラローム。 
・第32回 能代カップ 高校選抜バスケットボール大会
大会3日目の強豪校の高校6校(洛南/福大大濠/中部大第一/能代工業/明成/開志国際)による5試合。 
・特別企画!WWE好き芸能人達によるWWE忘年会<WWE見どころトーク>
WWEをこよなく愛する「ハリウッドザコシショウ」や「レイザーラモンRG」、 「レイザーラモンHG」らによる爆笑必至の忘年会。 
・ダンス! 華麗なる闘い (※一部無料)
バルカーカップや2019 WDSF世界選手権、 2019 WDSFグランドスラムの模様を厳選して配信。

【有料加入者向け再配信番組】

■ラグビー
・ラグビーワールドカップ2019 日本大会 (全45試合)
ウイークリーハイライト7本とトーナメントハイライト、 日本代表選手が出演し激闘の裏側を語った「ラグビーワールドカップ2019物語 完結編 JAPAN戦士たちが語るベスト8の軌跡」も再配信。 
・ラグビー全国大学選手権 19/20 (全13試合)
1回戦から決勝までの全13試合、 早稲田大学悲願の「荒ぶる」までの軌跡。 
・第99回全国高等学校ラグビーフットボール大会
全50試合と注目の地方予選決勝17試合。 
・ドキュメンタリー ~The REAL~ 【ラグビーワールドカップ日本代表特集】 トンプソン ルーク ~JAPANのために戦い続けた男~(※配信期間:3/31まで)

■サイクルロードレース
・Cycle*2019 ツール・ド・フランス マイヨ・ジョーヌ アーカイブ
1980年代のツール・ド・フランスの名勝負4つ(1986年 第12ステージ/1987年第21ステージ/1988年 第12ステージ/1989年 第21ステージ)を振り返る番組。 
・Cycle*2019 ブエルタ・ア・エスパーニャ (全21ステージ)
新城幸也も出場したシーズン最後のグランツール。 

■モータースポーツ
・SUPER GT 2019 【オンボードカメラ+】 (全8戦)
・FIA 世界耐久選手権(WEC) 19/20 (配信期間が終了した第1~4戦)
・FIA フォーミュラE選手権 19/20 (配信期間が終了した開幕戦と第2戦)

■野球
・侍ジャパンシリーズ2019日本 vs. カナダ(※配信期間:3/31まで)
侍ジャパンの優勝で幕を閉じた2019 WBSC世界野球プレミア12開幕前のカナダとの2試合。 
・WBSC U-18ベースボールワールドカップ 2019 (日本戦全8試合)
佐々木朗希や奥川恭伸らが出場した侍ジャパン高校日本代表の激闘を振り返る日本戦全8試合。 

■その他
・第20回全国ユース招待サッカー大会 横山杯 決勝
全国50校120チーム以上、 総勢約2000人のプレーヤが参加するユース世代でも有数の大会の決勝。 
・蹴球日本代表監督史 (20本以上)
当時の関係者を解説に迎え、 試合を振り返りながらサッカー日本代表監督の裏側に迫るJ SPORTSオリジナル番組。 厳選して5本を会員無料配信。 
・FIS ワールドカップ 19/20
スキージャンプやアルペンスキー、 フルースタイルスキー、 ノルディック複合、 スノーボードといった配信期間が終了した番組も一挙再配信。 
・バドミントン S/Jリーグ 2019 Top4トーナメント (男女全試合)
・ロシアフィギュアスケート選手2020
アイスダンス リズムダンス/フリーダンス、 男子/女子/ペア ショートプログラム、 男子/女子/ペア フリースケーティング、 エキシビション。 
・フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋 (山隈太一朗 編 / 鍵山優真 編 / 樋渡知樹 編 / 安藤美姫 編)
振付師・宮本賢二がゲストスケーターの本音と素顔に迫るトーク番組。 
・ITTF卓球ワールドツアー 2019
グランドファイナルを含むワールドツアーの模様を厳選して再配信。 
・IFSC クライミング世界選手権 2019
男女ボルダリング、 男女リード、 男女コンバインドの決勝の模様を再配信。  

●JSPORTSオンデマンドの詳細ページ

ツール・ド・フランスは無観客を想定して日程通りの開催か

2020ツール・ド・フランスは世界各地での新型コロナウイルス感染拡大を受けて、スタートやゴールに観客を入れない運営方法を視野に入れながら、予定通りの6月27日から7月19日までの日程を死守して開催する策が検討されている。

2019ツール・ド・フランス第10ステージ ©ASO

新型コロナウイルスの猛威が欧州各国を襲い、国民が自宅待機を命じられている現状。ツール・ド・フランスとともに二大大会と言われるジロ・デ・イタリアは5月9日から31日までの開催を断念し、主催者は大会延期という苦渋の決断を余儀なくされた。

国際自転車競技連合(UCI)の幹部が「ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスが中止になるようなことになれば、自転車競技の沽券にかかわる非常事態だ」と発言しているが、6月末に開幕するツール・ド・フランスはどうなるかが焦点。

ツール・ド・フランスは自転車競技最高峰の大会であり、その象徴と位置づけられる伝統レース。フランス政府としても自国文化の象徴であるツール・ド・フランスだけはそのステータスを守っていきたいという考えがある。

沿道に観客がいないコースを走るパリ〜ニース第5ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla

真夏の祭典からテレビ中継による純粋レースへ

フランス政府スポーツ省のロクサナ・マラシネアヌ大臣は3月26日、SNSによるツイートで、「ツール・ド・フランスはスポーツの記念碑です。開催までにはまだ時間があるので、決めるのは時期尚早です。まずこの難局を乗り越えるために全力を注ぎましょう」と書き込むとともに、主催者ASOとの調整に乗り出した。

マラシネアヌ大臣自身が競泳背泳ぎの元世界チャンピオンであり、五輪メダリストだが、サッカーの欧州選手権と東京五輪が延期を選択した一方で、ツール・ド・フランスは現時点で延期を検討せず、これまで同様の夏に開催するという政府の考えをサポートしていく。

フランスの有力紙などで報じられている報道を総合すると、ツール・ド・フランス出場選手や関係者すべての安全確保を最優先としつつ、感染拡大を誘発しないために無観客、広告キャラバン隊中止などの措置を講じて、予定された日程で開催する方向で努力していくという。沿道で目撃できないことになる観衆にはテレビ観戦をすすめている。

ASOは同様の主催レース、パリ〜ニースでもスタート・ゴール地点に観客を集めないレースを実施(最終日のみ打ち切り)。新型コロナウイルスの感染状況をにらみながらも、それに向けた準備を続けているようだ。

●ツール・ド・フランスのホームページ

ツール・ド・フランス6日後の東京五輪は問題なし…ティボー・ピノ

グルパマFDJのティボー・ピノ(フランス)は 6月27日から7月19日まで開催されるツール・ド・フランスを2020シーズン最大の目標としながら、6日後の25日に日本で開催される東京五輪の個人ロードレースに出場する考えを示した。

ツール・ド・フランス第8ステージで総合優勝を期待されるピノがライバルに差をつけてゴール ©ASO Alex BROADWAY

富士山麓を走る東京五輪のコースが山岳に強い選手に適しているため、フランス勢はピノのほか、AG2Rラモンディアールのロマン・バルデ、ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップらをエースに起用する構想がある。このうちバルデはツール・ド・フランスを欠場し、5月のジロ・デ・イタリアと東京五輪に照準を合わせると発言している。

「ツール・ド・フランスばかりが人生ではない」という考えはピノの頭の片隅にあるというが、ツール・ド・フランス最終日にシャンゼリゼ通りを走ることは重要な意味があり、その後に空路を移動して東京入りする準備を考えているようだ。

「ボクは東京五輪に行くことを確信している」とピノは1月17日に発言。7月19日にツール・ド・フランスの激闘を終えてわずか6日後に富士山でレースするという日程の過酷さは問題ないとした。

ロマン・バルデは2020ツール・ド・フランスをパスする可能性がある ©A.S.O. Pauline BALLET

サンセバスティアンでも実績がある

ピノはツール・ド・フランスの1週間後に開催されたスペインのクラシカ・サンセバスティアンでいい走りをした経験がある。

「サンセバスティアンでの経験もある。ボクたち選手は15日後よりも6日後のほうが脚が回ることが多いんだ」とピノ。
「だから肉体的な疲れはあまり神経質になることはなく、いかに精神的なものをコントロールできるかがキーとなる。頭の中できちんと整理できていたら、ツール・ド・フランスの疲労は6日にはなくなっているはずだ」

2016年にピノは当初、リオ五輪のフランス代表に選ばれていたが、ウイルス感染により代表入りを見送られたという経緯がある。2020年はどうしても五輪を走りたい。バルデとアラフィリップとの役割分担は不明だが、ピノも日本で目撃できる可能性が高くなった。

ピノ(左から2人目)、アラフィリップ(同4人目)は五輪でどう走るのか? 2019ツール・ド・フランス第14ステージ ©ASO Pauline BALLET

●2020東京五輪のホームページ