7月8日 第3ステージ バンシュ(ベルギー)〜エペルネ

ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)が終盤で独走を決め、2018年の2勝に続く大会通算3勝目を挙げた。前日まで31秒遅れの総合11位につけていた同選手は、後続とのタイム差に加え、ボーナスタイムを量産して初めて首位に立った。初日から2日間マイヨジョーヌを守っていたユンボ・ビスマのマイク・テウニッセン(オランダ)は終盤に大きく遅れた。

第3ステージはベルギーのバンシュをスタート ©ASO Pauline-BALLET

フランス期待のアラフィリップがいきなりマイヨジョーヌ

ベルギーで開幕した大会は3日目、10km地点でベルギーに別れを告げ、フランスに入国。終盤はシャンパーニュ地方の4つの丘陵地が待ち構えるコースで、それがこの日のキーポイントとなった。残り49km地点の最初の山岳ポイントでアタックしたのはロット・スーダルのティム・ウェレンス(ベルギー)だった。同選手は4つの山岳ポイントをすべてトップ通過。しかしその目的は山岳賞ジャージの獲得で、最後の峠を通過するとお役御免とばかりにペースを緩めた。

この4つ目の峠で後続のメイン集団から抜け出したのが、2018年の山岳王アラフィリップだった。単独で抜け出すと、テクニカルなダウンヒルをこなし、最後はシャンパン醸造所が建ち並ぶシャンパーニュ通りを激走してゴールまで逃げ切った。アラフィリップはゴールで後続の2位集団に26秒差をつけたことに加え、ボーナスポイントが設定された最後の峠を2位通過して5秒、区間1位の10秒がボーナスタイムとして引かれ、一気に首位に立った。

第3ステージで優勝し、マイヨジョーヌも獲得したアラフィリップ ©ASO Olivier-CHABE

アラフィリップは過酷なコースで抜け出し、ゴールまで逃げ切るタイプの27歳。プロデビュー当時は2位が多く、優勝にいつもあと一歩の存在だったが、徐々に勝負勘を覚え、絶妙のタイミングでアタックして主導権を握る。強力なチームメートもそのポイントまでアラフィリップを援護していることも好成績を支えている。

ツール・ド・フランスではステージ優勝と山岳賞ねらいとなるが、中規模のレースでは総合優勝できる実力を備えている。

「このステージがボクに向いていることは把握していて、調子がよかったので思いきってアタックした。単独になるとは思っていなかったが、区間優勝ばかりかマイヨジョーヌを獲得できて言葉がないよ」とアラフィリップ。存在感のある選手が早くも主役の座につけた。

ベルギーのファンが選手たちに声援を送る ©ASO Pauline-BALLET
2019ツール・ド・フランス第3ステージ ©ASO Pauline-BALLET
2019ツール・ド・フランス第3ステージ ©ASO Pauline-BALLET

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)

2019ツール・ド・フランス第3ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
シャンパーニュ地方の中心地エペルネ ©PRESSPORTS
ミュティニーの丘【ボーナスポイント】

新ルール解説【ボーナスポイントとは?】

乾杯と言えば本場フランスでもシャンパーニュ ©PRESSPORTS
モエエシャンドンもエペルネにある ©PRESSPORTS

🇫🇷ツール・ド・フランス関連ニュース一覧
🇫🇷2019ツール・ド・フランス特集トップページにもどる

第2ステージにもどる≪≪   ≫≫第4ステージにすすむ

7月10日 第5ステージ サンディエデボージュ〜コルマール

ポイント賞1位のマイヨベールを着用するボーラ・ハンスグローエのペテル・サガン(スロバキア)がゴール勝負を制し、今大会初優勝。大会通算12勝目を挙げた。総合1位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)は同タイムの同一集団でゴールし、首位のリーダージャージー、マイヨジョーヌを守った。

サガンが2019ツール・ド・フランスでまず1勝目 ©ASO Alex BROADWAY

サガンが7年ぶりに見せた超人ハルクポーズ

ヤンチャで、いかにも悪ガキっぽい雰囲気が人気のサガン。しかし幼少期からMTBで修得した自転車操縦技術、そして隠れたところで鍛錬する体幹の強さはピカイチ。やはりゴール勝負ではサガンの実力が抜きんでている。「キング・オブ・スプリンター」の称号であるマイヨベールは2012年から1年を除いて6回受賞。これは最多タイ記録だ。唯一2017年のみ逃しているが、これはゴールスプリント時に微妙な危険走行判定を受けて失格になったためだ。

サガンがいきなり頭角を現したのが2012年の第1ステージ。その年は破竹の勢いで3勝し、歯に衣着せぬコメントでにぎやかした。この日のガッツポーズは「超人ハルク」をマネしたもので、2012年にも見せた得意の雄姿。テレビ番組の主人公がいざというときになると緑色に変化することにちなんだという。

キャラバン隊がやって来た ©ASO Thomas MAHEUX

この日はドイツ国境に近いアルザス地方の丘陵地がコースで、前日に勝利したドゥークニンク・クイックステップのスプリンター、エリア・ビビアーニ(イタリア)ら純粋なスプリンターは途中で遅れていた。サガンの強さは起伏がちなコースでも先頭に位置して、最後のゴール勝負に加われることもある。

「勝利を目指して常に積極的に行かなくちゃいけない。平たん部分を含めてチームメートが完ぺきにコントロールしてくれた。だから最後にボクたちチームが目指していた勝利をつかむことができたんだ。まずはチームメートの働きに感謝したい」とサガン。

みんなこの日を待っていた! ©ASO Alex BROADWAY

かつては若気のいたりで、表彰式女性のお尻にタッチして問題に。事後に謝罪するという失態もあった。しかし3年連続で世界チャンピオンになると、人間としても成長。サインをもらうために出待ちをしている子どもたちの前に必ず立ち止まり、握手や写真を一緒に撮ったりする。

ポイント賞争いでは頭ひとつ飛び抜けている。最多記録更新となる7回目の受賞も夢ではない。

2019ツール・ド・フランス第5ステージ ©ASO Alex BROADWAY
ボージュ山系を走る ©ASO Alex BROADWAY

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)

2019ツール・ド・フランス第5ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
サンディエデボージュ、教会の中庭 ©Ville de Saint-Dié-des-Vosges
サンディエデボージュ盆地のながめ ©Ville de Saint-Dié-des-Vosges
サンディエデボージュ、ツールドラリベルテ ©Ville de Saint-Dié-des-Vosges
コルマール ©Office du Tourisme Colmar
コルマール ©CRTA Zvardon
コルマール ©Office du Tourisme Colmar

🇫🇷ツール・ド・フランス関連ニュース一覧
🇫🇷2019ツール・ド・フランス特集トップページにもどる

第4ステージにもどる≪≪   ≫≫第6ステージにすすむ

7月9日 第4ステージ ランス〜ナンシー

ドゥークニンク・クイックステップのスプリンター、エリア・ビビアーニ(イタリア)が大集団によるゴール勝負を制して初優勝。チームはジュリアン・アラフィリップ(フランス)に続く2日連続のステージ優勝となり、さらに前日に首位に立ったアラフィリップがその座を守った。

2019ツール・ド・フランス第4ステージはランス大聖堂をスタート ©ASO Pauline-BALLET

ビビアーニ初優勝。マイヨジョーヌのアラフィリップも勝利をアシスト

フランス北東部のナンシーにはこれまで15回ゴールしているが、地元フランスの4勝を上回っているのが、5勝のイタリア勢だ。この町はイタリアから移民してきた人が多い。フランスの元サッカー選手ミシェル・プラティニもイタリア移民だが、国内リーグではこのナンシーでデビューしている。それだけにイタリア選手が頑張らないわけがない。

序盤からステージ優勝を目指した選手らが先行したが、有力スプリンターを擁するチームが逃がすわけはない。ゴールまでの残り距離を把握しながら徐々に差を詰めていき、終盤にすべての選手を吸収した。こうなれば瞬発力のあるスプリンターがいて、それをけん引するアシスト陣がいるチームが主導権を握る。

マイヨジョーヌのアラフィリップ ©ASO Pauline-BALLET
2019ツール・ド・フランス第4ステージで逃げ続ける3選手 ©ASO Pauline-BALLET

抜きんでた力を発揮したのはドゥークニンク・クイックステップだ。残り1kmからは首位のマイヨジョーヌを着るアラフィリップがけん引役を引き受けた。さらに2人のアシストがハイペースで引っ張り、ビビアーニが最も得意とする残り180mから一気にスパートし、アヌシーでイタリア勢の6勝目を記録した。

ビビアーニはジロ・デ・イタリア5勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ3勝を誇るトップスプリンターだが、ツール・ド・フランスには2014年しか出場していない。2015年から2017年はスカイ(現イネオス)に所属していて、メンバーはクリストファー・フルームを総合優勝させるためのアシスト選手が選ばれたので、ビビアーニに出場機会はなく、これが初勝利となった。2018年に現チームに移籍したのが成功の引き金となった。

ビビアーニ(右から2人目)がツール・ド・フランス初優勝 ©ASO Pauline-BALLET

「今年最大の目標が達成できた。第1ステージで勝利を逃したけど、昨日アラフィリップが勝ってくれてチームに勢いがついた。これでミッションがコンプリートできたと感じている」

これで三大大会全制覇。もともとリオ五輪トラック競技の金メダリストで、2020年東京五輪ではトラックに復帰することも計画されている。

ステージ優勝のビビアーニ(左)マイヨジョーヌのアラフィリップ ©ASO Alex-BROADWAY
2019ツール・ド・フランス第4ステージ ©ASO Alex-BROADWAY

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)

2019ツール・ド・フランス第4ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
ランスの大聖堂 © Cyrille Beudot
ランス近郊ヴェルゼネ © Cyrille Beudot
ランス、シャンパーニュ・メゾンのテタンジェ ©Carmen Moya
ナンシーの街、夜の風景 ©Regine Datin
ナンシーのカリエール広場 ©Regine Datin
ナンシーのスタニスラス広場 ©Regine Datin

🇫🇷ツール・ド・フランス関連ニュース一覧
🇫🇷2019ツール・ド・フランス特集トップページにもどる

第3ステージにもどる≪≪   ≫≫ 第5ステージにすすむ

裸のモナリザはダ・ヴィンチ作? 展覧会で謎が解き明かされる

2019年はレオナルド・ダ・ヴィンチ没後500周年。これを機に、謎に包まれよく分かっていないもののダ・ヴィンチの代表作のひとつとされる「裸のモナリザ」に捧げる初めての展覧会がフランス・パリの北にあるシャンティイ領地で開催される。天才ダ・ヴィンチを称える限定イベントだ。

レオナルド・ダ・ヴィンチ?とアトリエ、「裸のモナリザ」シャンティイ・コンデ美術館、 DE 32 © RMN-Grand Palais (domaine de Chantilly) / Gérard Blot

シャンティイのコンデ美術館には、ルーヴル美術館所蔵の世界的に有名な「モナリザ」のポーズを大部分取り入れた、裸の女性の半身像を描いた大きなサイズのカルトン(ボードに構図を転写するのに用いる目打ちされた下絵)が所蔵されている。「裸のモナリザ」の名で知られるこの傑作は、絶えず疑問を投げ続けている。

非常に大がかりで、そして世界中からの支援によって、2019年6月1日から10月6日まで開催されるこの展覧会は、この真のアイコンの謎の一部の解明を試みるものだ。

レオナルド・ダ・ヴィンチと「裸のモナリザ」

この展覧会の中心になるのは、1862年にオーマル公が極めて高値で購入した、「裸のモナリザ」と呼ばれる由緒あるシャンティイのカルトン。ほぼ同じサイズをしたルーヴル美術館の「モナリザ」の構図をもとに考案された、紙に木炭と鉛白のハイライトで描かれたこの傑作は、レオナルド・ダ・ヴィンチの豊かな才能にふさわしい多義性が表れているという。

このエロチックなモナリザは、特定のモデルを描いたものではなく、イタリアの巨匠ダ・ヴィンチにとっての古代を模範にした理想美の概念を表現したものではないかと思われる。

シャンティイの「裸のモナリザ」の作者は誰? 科学分析結果がついに明らかに! 

2017年秋、パリにあるフランス美術館修復研究センター(C2RMF)で研究調査が行われた。その結果、多数の科学画像資料(直接照明、赤外線、紫外線蛍光、赤外線反射による写真撮影)、一連の非侵襲的分析、さらには双眼ルーペによる表面の注意深い調査を利用して、この作品の制作技術と変造の歴史を全く新しい方法で調査することに成功した。

今回の展覧会の来場者は、警察の捜査のような没入モードで科学分析結果の内容を知り、そしてこの有名な素描の作者が誰であるかをついに知ることになるという。

このシャンティイの傑作に関して実施された分析の結果、このカルトンはレオナルド・ダ・ヴィンチのアトリエで制作されたものであり、ダ・ヴィンチ自身が手がけた可能性が高いと断言することができた。

シャンティイ城で王族の一日を体験してみよう

シャンティイ城 © Jérôme Huyvet

パリから1時間かからない場所にあるシャンティイ領地は、フランスの文化遺産の至宝のひとつ。19世紀の王族オーマル公アンリ・ドルレアンの宝物がそっくりそのまま保管されているこの領地は、訪れる人々にフランス流“アール・ド・ヴィーヴル”をたっぷりと楽しませてくれる。

シャンティイ城には、ラファエロやボッティチェリ、クルーエ、プッサン、ヴァトー、アングル、ドラクロワらの傑作を含む、素晴らしい古典絵画のコレクションで構成されたコンデ美術館がある。城の中央にある図書室には、写本1500冊とインキュナブラ500冊を含む書物1万3000冊が所蔵されている。そしてなにはさておきこの領地には、世界一貴重な写本『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』(15世紀)が保管されている。

広さ115ヘクタールの公園は、17世紀にアンドレ・ルノートルが設計したフランス式庭園、マリー・アントワネットにインスピレーションを与えた村里、18世紀の英国・中国式庭園、そして19世紀の英国式庭園で構成される多様性が特徴。

18世紀の立派な建造物である大厩舎は、世界で最も美しい厩舎のひとつに数えられている。建物内にある馬の博物館では、人と馬とのかかわりを説明するとともに、20頭の馬と7人の騎手チームが年間を通して馬術ショーを行っている。

要約すると、シャンティイ領地を訪れるべき10の理由は

ペイントギャラリー © Sophie Lloyd

• ルーヴルに次ぐ2番目に大きな古典絵画コレクション

• アンドレ・ルノートル設計のフランス式大花壇(17世紀)、英国・中国式庭園(18世紀)、英国式庭園(19世紀)という、17世紀から19世紀に造られた異なる3様式の庭園

• ヨーロッパで最も美しいもののひとつに数えられる、壮麗な厩舎

• 200点以上のオブジェや芸術作品を通して、文明の始まり以来の人間と馬との関係の重要性を紹介する、2013年にオープンした馬の博物館

• 年間150公演以上の馬術ショー

• 有名なクレーム・シャンティイ(ホイップクリーム)をはじめとする美食の伝統

• ジャッキー・チェンの「ライジング・ドラゴン」、「マリー・アントワネット」、「史上最大の作戦」、「007 美しき獲物たち」など、数多くの映画の撮影の舞台になったシャンティイ

• 仮装して写真撮影、パークシャトル、ゴルフカート、ボート、自転車、セグウェイ、電動キックスケーター、大人用と子供用の音声ガイド、ゲームコースなど、家族全員で楽しめるアクティビティ

• 高速道路A1でパリから北へ40分、シャルル・ド・ゴール空港から20分、パリ北駅からTERで25分という恵まれた立地

• ハイシーズンは毎日オープン(ローシーズンは火曜休園)

馬術ショー © Jessica Rodrigues – RB Presse

日本から仏地方都市トゥールーズへの特別チャーター便初運行

2019年5月14日午後に成田空港を飛び立ったエールフランス航空の特別チャーター便(AF4011)が同日夜、トゥールーズ・ブラニャック空港に到着。日本からフランスの地方空港へ運航したチャーター便第1号の到着を地元関係者が盛大に祝った。

5月14日、トゥールーズ・ブラニャック空港。放水アーチで迎えられる特別チャーター便

成田空港を2019年5月14日15時27分に飛び立った同機はトゥールーズ・ブラニャック空港に同日の午後8時28分に到着。日本からフランスの地方空港へのチャーター便第1号の到着を祝うため、同空港では放水アーチで機体を迎え、降り立った乗客を空港、エールフランス航空トゥールーズ支社、オクシタニー地方圏議会、オクシタニー地方観光局、トゥールーズ都市圏の関係者が出迎え、プレゼントを一人ひとりに手渡した。また、到着翌日の5月15日には、オクシタニー地方圏議会主催による歓迎レセプションがトゥールーズ市内で催された。 

この特別チャーター便は、エールフランス航空、フランス観光開発機構、ワールド航空サービスの共同ツアーとして企画され、その実施においてフランスのオクシタニー地方圏議会とオクシタニー地方観光局が全面的に支援した。 

5月14日、トゥールーズ・ブラニャック空港での関係者出迎え

ワールド航空サービスがチャーターオーナーとなった同便の機材はボーイング777-300で、全296席(4クラスでファーストクラスにあたるラ・プルミエール4席、ビジネスクラス58席、プレミアムエコノミークラス28席、エコノミークラス206席)。 

乗客は、オクシタニー地方の有名観光地であるトゥールーズ、モンペリエ、アルビ、コルドシュルシエル、カルカッソンヌ、サンシルラポピー、ポンデュガール、ルルド、ピレネー山脈などを巡るワールド航空サービス社の9つのツアーを通じ、南仏オクシタニーのバラエティ豊かな魅力を堪能した。なかにはプロヴァンス地方やバスク地方、スペインにも足を伸ばすツアーもあり、日本-トゥールーズの直行便は、南仏からスペインへの広範なエリアの旅程の開発の強みになることが示された。 

フィリップ・クレバッサ(トゥールーズ・ブラニャック空港社長)

日本人観光客の皆様がこの空港からフランス発見の旅に出発されるのを誇りに思います。皆様の来訪で、トゥールーズ空港、トゥールーズ都市圏、オクシタニー地方の長きにわたる努力はようやく報われ、ここからまた両国の交流が始まります。今回の直行便の運航はフランスの地方空港として初めてのものであり、最近の当空港が近代化を図ってきたように、長距離路線の開拓という我々の意思をさらに強めるものとなりました。今後さらに、外国のお客様にヨーロッパでも最も高いレベルの観光やサービスを提供できるよう努力してまいります。

5月15日、オクシタニー地方圏議会主催の歓迎レセプション。ワールド航空サービスの松本佳晴社長(左)とキャロル・デルガ オクシタニー地方圏議会議長

キャロル・デルガ(オクシタニー/ピレネー・メディテラネ地方圏議会議長)

この素晴らしい第一歩は、わが地方が日本との関係発展に向けて取り組んできた努力のたまものです。私は観光業の発展を戦略の最優先事項に置いてきました。新しい市場においてオクシタニー地方の観光デスティネーションを重要な位置に引き上げ、ヨーロッパのデスティネーションのトップ10に名を連ねることを目標としています。このチャーター便第1号の運航は、我がオクシタニー地方観光局とそのパートナー機関が共同で行ってきた野心的な努力の成果です。彼らはこれまで日本へ数多くのミッションを派遣するなかで、日本の旅行業者と関係を深め、彼らにオクシタニーという観光デスティネーションを紹介してきたのです。»

ジャンリュック・ムダン(トゥールーズ市長、トゥールーズ都市圏議会議長、トゥールーズ魅力創造機構Agence d’Attractivité)

私どもトゥールーズ都市圏が、東京とフランスの地方を結ぶ最初の直行便の到着地となったことをうれしく思います。かつての「遠い国日本」というのは今日、トゥールーズ観光の歴史で過去のものになりました。私どもは胸を張って日本人観光客をお迎えし、この土地のあらゆるものを発見して欲しいと言うことができます。このフライトにより、私たちのスタッフやトゥールーズ魅力創造機関の努力が美しく結実しました。このフライトはトゥールーズと日本の友好関係を深め、すでに古くから続く文化・経済の絆をより強固にすることでしょう。

オクシタニー地方、首府トゥールーズのキャピトール広場。© Franck CHAREL

ゾラン・ジェルキック(エールフランス航空/KLMオランダ航空副社長)

東京からトゥールーズへの直行便の運航により、エールフランス航空はフランス全土における観光業発展の戦略に貢献し、素晴らしい戦略の実現に柔軟に対応する所存です。この夏、1日7便運航するエールフランス航空のトゥールーズ~パリ・シャルル・ド・ゴール便に加え、エールフランス航空とKLM航空のそれぞれのハブ空港(シャルル・ド・ゴール空港とアムステルダム・スキポール空港)と日本を結ぶ週45便のお陰で、エールフランス/KLMグループにとって、トゥールーズ地域へ来訪する他大陸からの旅客数の多さで日本は2位となります。

日本旅行業協会(JATA)の「ヨーロッパの美しい村30選」に選ばれたオクシタニー地方のサンシルラポピー © CRTO / P-Thebault

「フランスに乾杯!グラスいっぱいの芸術を」フランス体験レポーターも募集

フランス観光開発機構は4月25日、エールフランス航空の協賛を得て、2019年度キャンペーン「フランスに乾杯!グラスいっぱいの芸術を」を始動する。恒例の「フランス体験レポーター」も募集し、2名2組・計4名にノルマンディー地方とサントル・ヴァル・ド・ロワール地方を旅してもらう。

キャンペーンテーマは「アート」と「お酒」

キャンペーンはフランスの地域の特色を表すものとして「アート」と「お酒」を選び、それをテーマにしたフランス旅行の魅力を訴求する。

アートとお酒、そのどちらも、地域の風土と作り手の創造性が掛け合わされ生まれる芸術。キャンペーンではこの二つをテーマにした旅行を提案し、その土地の特色をより深く体感してもらうことを目的としている。

キャンペーンはフランス観光開発機構の公式サイト(jp.france.fr)内に4月25日にオープンする特設ページとSNSを中心に展開する。

2019年のピックアップデスティネーションは

ノルマンディー地方のモンサンミッシェル ©DaLiu Shutterstock.com

2019年のキャンペーンで取り上げるピックアップデスティネーションは、北西フランスに位置し、世界遺産モンサンミッシェルを有するノルマンディー地方、フランス王家ゆかりの古城が並び、こちらも世界遺産登録地のロワール河流域を有するサントル・ヴァル・ド・ロワール地方の二つ。

アートの観点からみると、ノルマンディー地方は芸術史の大きな転換期となった印象派の発祥地であり、繊細な光の機微に魅せられて多くの画家が作品を残した場所。一方、ロワール河流域には広大な緑の土地に、レオナルド・ダ・ヴィンチやはじめとする多くの芸術家や建築家、造園家がイタリアから招かれ、壮麗な城館や庭園を中心にフランス流ルネサンスが花開いた土地。

お酒に関しては、ノルマンディーではブドウの栽培に適さぬものの、リンゴからできるシードルや、洋梨からできるポワレというフレッシュ感あふれる飲み物が作られる。サントル・ヴァル・ド・ロワール地方はサンセール、シノン、ヴーヴレ、クレマン・ド・ロワールをはじめ30以上ものアペラシオンがあるフランス第三のワイン生産地。色も味わいもさまざまなワインを生みだし、その多様性はテロワールのモザイクと言われるほど。

サントル・ヴァル・ド・ロワール地方のシャンボール城 © L. de Serres / Domaine National de Chambord

フランス体験レポーター募集

2016年度キャンペーンから実施する「フランス体験レポーター」を2019年も募集する。今回は2名2組、計4名を一般公募し、上記2地方を旅してもらう。応募方法はレポーターへの意気込みを1分以内の動画に撮影し、自身のSNSアカウントにハッシュタグ「#フランスに乾杯」をつけて投稿。駐日フランス大使をはじめとする審査員による選考をうけて選ばれたレポーターは7月に現地を旅行し、9月にその模様を撮影した動画をキャンペーン特設ページで公開する。応募締切は5月20日23時59分。