クウィアトコウスキーがブエルタ・ア・エスパーニャ参戦…1シーズン2大会は自身初

英国のスカイが8月25日から9月16日まで開催されるブエルタ・ア・エスパーニャの出場8選手を発表。元世界チャンピオンであるミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)が起用されることになった。ツール・ド・フランスではクリストファー・フルームやゲラント・トーマス(ともに英国)のアシスト役として知られるが、1シーズンにグランツールと呼ばれる三大ステージレースに2つ出場するのは自身初。

スカイのアシスト役として重要な役割を担ってきたミカル・クウィアトコウスキー(先頭) © ASO

ブエルタ・ア・エスパーニャには前年の総合優勝者であるフルーム、2018ツール・ド・フランス総合優勝のトーマスの英国・スカイ勢が欠場。ともに9月2日から9日まで開催される英国一周レースを選択した。スカイはクウィアトコウスキーと、地元スペインのダビド・デラクルスをダブルエースとして起用した。

クウィアトコウスキーがブエルタ・ア・エスパーニャに参戦するのは2年ぶり。
「ツール・ド・フランスを走ったあとでどんな走りができるかは、この身体が証明してくれる。プレッシャーは感じない。どちらかというと興奮している」とクウィアトコウスキー。

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AG2Rのブエルタ・ア・エスパーニャ布陣はバルデを起用せずガロパンら

フランスのAG2Rラモンディアルが8月21日にブエルタ・ア・エスパーニャに出場する8選手を発表。トニー・ガロパン(フランス)が加わり、グランツール22回目の出場となるウベール・デュポン(フランス)が中心となる。

ブエルタ・ア・エスパーニャに出場するAG2Rの8選手

2014年にツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを着用したこともあるガロパンは当初ブエルタ・ア・エスパーニャを走る予定はなかったが、7月のツール・ド・フランスで思うような走りができず、予定を修正してメンバーに加わった。

38歳のデュポンはキャリア晩年にあって、このブエルタ・ア・エスパーニャにラストチャンスをかける。ジロ・デ・イタリア出場11回、ツール・ド・フランス5回の出場経験があり、今回のブエルタ・ア・エスパーニャは6回目。総合成績のトップ20に7回も食い込んだ実績があるが、今回は難易度の高いステージでアタックを決め、ステージ制覇とともにこれまで以上の総合成績を修めたいと意気込む。

エースのロマン・バルデ(フランス)は8月23日から26日まで行われるドイツランドツアーに出場。その後はイタリアで3レースをこなし、9月30日にオーストリアで開催される世界選手権にフランス代表として臨む。

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ビンチェンツォ・ニーバリが2018ブエルタ・ア・エスパーニャのナンバーカード1番

ブエルタ・ア・エスパーニャは開幕まであと5日と迫った8月20日、2018年の第73回大会におけるナンバーカード1番をバーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)に与えると発表した。慣例では前年の覇者に割り振られるが、スカイのクリストファー・フルーム(英国)が欠場するため。ニーバリは前年の総合2位。

2017ブエルタ・ア・エスパーニャ。ニックネームの「サメ」をイメージしたポーズでゴールするビンチェンツォ・ニーバリ

第73回大会は前年の覇者が欠場したものの、2009年のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、2010年のニーバリ、2015年のファビオ・アルー(イタリア、UAEエミレーツ)、2016年のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)と歴代優勝者4人が参戦する。

ニーバリは7月のツール・ド・フランスにおいてラルプデュエズにゴールする山岳ステージで観客と接触。落車により頚椎損傷のケガを負い、グランツール19回目の出場にして初めてのリタイアを余儀なくされた。今回のブエルタ・ア・エスパーニャ出場に際しては医師の判断を得て出場に至ったという。

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フルームとトーマスはブエルタ・ア・エスパーニャ欠場…英国一周で凱旋レース

グランツールと呼ばれる三大ステージレースのブエルタ・ア・エスパーニャが8月25日から9月16日まで開催されるが、前年の総合優勝者であるクリストファー・フルーム、2018ツール・ド・フランス総合優勝者のゲラント・トーマスの英国・スカイ勢がともに欠場することになった。9月2日から9日まで開催される英国一周レースを選択した。

ゲラント・トーマス(左)とクリストファー・フルーム

ツール・ド・フランスを初制覇したトーマスは、8月に英国ウェールズに帰郷するなど実戦を離れる日々を過ごした。復帰レースは8月23日から26日までドイツで開催されるツール・ド・ラルマーニュ(ドイツ一周レース)になる予定。

また2017年までフルームのアシスト役として走り、今季から地元スペインのモビスターに移籍したミケル・ランダはケガにより2018ブエルタ・ア・エスパーニャを欠場することを決断した。

●2018ブエルタ・ア・エスパーニャの主な出場選手
ビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
ファビオ・アルー(イタリア、UAEエミレーツ)
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
リッチー・ポート(オーストラリア、BMC)
ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
アダム・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
ステフェン・クライスバイク(オランダ、ロットNLユンボ)
ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

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ブエルタ・ア・エスパーニャ…ツールでもジロでもない、特異のグランツール

ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスとともにグランツール、あるいは三大ステージレースと呼ばれるブエルタ・ア・エスパーニャ。知名度としては日本でも国際的にもナンバー3だが、そこにはスペインならではの魅力があって、他の2大会とはかなり雰囲気が異なる。

40年前の1978年、ベルナール・イノーがグランツール初制覇となるブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝 © Unipublic

ツール・ド・フランスは2018年に105回大会を行い、そしてジロ・デ・イタリアは101回大会を行った。いずれも100年以上の歴史を有するのに対し、ブエルタ・ア・エスパーニャはその歴史が浅く、1935年に始まった。しかも1937年には内戦が勃発し、ドイツ軍の援護を受けたフランコ独裁政権がスタートして大会は中断。1941年にようやく第3回が開催されるが、たった2年で第二次世界大戦となり、再開したのは1945年だった。しかも40年近く続いたフランコ政権時代は、ブエルタ・ア・エスパーニャが国外向けに露出されることはなく、1980年代になってようやく国際性を持つようになった。

開催時期も戦略的に変更した。ずっと4月に開催されていたが、グランツールとしての位置づけをねらって9月開催にスライド。以来、ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランス前に体力を消耗したくなかった有力選手が参加するようになり、大会規模もグンと両大会に近づいた。近年はツール・ド・フランスを主催するASOが運営に参画し、そのノウハウを投入。以前よりも国際的になり、その認知度は飛躍的に高まった。

それでもブエルタ・ア・エスパーニャはスペイン独特の雰囲気を今も随所に残す。スペインならではの風景の中を走るからでもある。もともとスペインは夏に自転車で走るのはあまりにも暑すぎることから、ピレネー山脈に近い北スペインだけが自転車の盛んな地域だった。しかしスペインを代表するステージレースなのだから、できるだけスペイン国内を一周し、最終日はできるだけ首都マドリードにゴールしたい。近年は40度の猛暑に悩まされながらもスペイン全土をめぐる。

勝負どころはピレネー山脈だけではない。ビスケー湾岸にはカンタブリカ山脈があり、その一角にあるアストゥリアス地方の過疎地には、地元民の生活路として使われていない信じられないほどの厳しい上りがある。他の欧州諸国では道路構造令などの法律上、ありえないほどの激坂がいくつも登場するのもスペインだからである。さらに南部のシエラネバダ山系は標高3000mを超える山もある。全体として山岳ステージがとても多く、選手としてもタフな精神力が要求される。それだけにファンとしては見応えのあるレースなのだ。

南部のアンダルシア地方など殺伐とした陸地を走ることもあるが、独特の白壁に太陽が照りつける村々を走り抜け、非常に美しいシーンを見せてくれる。そんな風景の中に、巨大な黒牛の看板が出現することもある。これはもともと酒造メーカーの看板で、当初はロゴ入りだったが、ドライバーの視線が釘付けとなって交通事故が多発したため、黒く塗りつぶされてしまったらしい。

宿泊ホテルはどれも重厚で歴史あるものだが、内装はきれいに整備され、とても居心地がいい。フランスなどに比べると料金も激安で、宿泊料の中に朝食が含まれるのがスペイン風だ。ホテルの朝食では、ニンニクと完熟トマトをパンに塗りたくって食べる。パンをトーストする場合はオリーブオイルをたっぷりとかける。もちろんオレンジは半分に切って自動絞り器でジュースにして飲む。

夕食はあきれるほど遅く、夜の10時くらいに食べるのがスペイン流だ。バルと呼ばれる一杯飲み屋には大皿に一口サイズのタパスが並べられ、それをつまみながら飲む。店員もチェックしているとは思えないので、会計はおそらくおおざっぱだ。床には紙ナプキンや料理を刺していたつまようじがそのまま捨てられ散乱する。郷に入れば郷に従えである。

2018年のブエルタ・ア・エスパーニャは8月25日から9月16日まで開催される。どんな戦いになるのか、とても楽しみである。

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