植竹海貴が2021全日本選手権エリート女子のチャンピオン

第89回全日本自転車競技選手権ロードレースは大会2日目となる10月23日、広島県中央森林公園サイクリングロードで女子エリート+女子アンダー23(8周98.4km)が行われ、植竹海貴(Y’s Road)がエリート女子で初優勝。川口うらら(日本体育大)がU23チャンピオンになった。24人出走、11人完走。

植竹海貴(左)が金子広美を制して優勝 ©JCF

男子U23の表彰式後、11時30分に女子エリート+女子アンダー23のロードレースがスタート。残り6周で先頭集団が金子広美(イナーメ信濃山形)、植竹、川口、樫木祥子(Team illuminate)、牧瀬翼(WINGS PLUS)、石上夢乃(鹿屋体育大)、古山稀絵(日本体育大大学院)、米田和美(MOPS)、伊藤優以(Team ZERO UNO FRONTIER)、石田唯(早稲田大)の10人に絞られる。

全日本選手権エリート+U23女子 ©JCF

その後、残り5周で伊藤と石田が遅れ、残り4周で金子、植竹、川口の3人となるが金子、植竹から川口が遅れ、2人で最終周回に入った。最後はゴールスプリントを植竹が制し初優勝を飾った。

先頭を走る金子広美 ©JCF
植竹海貴(右)が金子広美を制して優勝 ©JCF

女子エリート+女子アンダー23ロードレース
1 植竹海貴 東京 Y’s Road 2:48:23
2 金子広美 三重 イナーメ信濃山形 2:48:23
3 川口うらら 兵庫 日本体育大 2:49:41(U23優勝)

川口うららが全体3位になり、U23の全日本チャンピオンとなった ©JCF

草場啓吾が初めての全日本チャンピオンに…最後はゴール勝負

2020東京パラ金2の杉浦佳子が全日本タイムトライアル4連覇

2021全日本パラサイクリング選手権ロード大会が10月22日に広島県中央森林公園サイクリングロードで開催され、2020東京パラリンピックで金メダル2箇を獲得した杉浦佳子(VC福岡エリート)が女子C2-3クラスで優勝した。

パラ女子⾃転⾞競技クラスC2-3は2020東京パラ金メダリストの杉浦佳子が2017年大会から4連勝 ©JCF

エリート男子タイムトライアルは増田成幸が優勝

89回目を迎える全日本自転車競技選手権ロードレースが広島県三原市の中央森林公園内サイクリングコースで10月22日から24日まで開催される。また、第24回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース大会、2021全日本パラサイクリング選手権ロード大会が併催される。

エリート男子は増田成幸が49分25秒40で優勝 ©JCF

同大会は2019年6月に東京2020オリ・パラ競技会場である富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催されて以来、新型コロナウイルス感染症拡大により中止、延期を繰り返し約2年4カ月振りに開催されることになった。

男子U23は松田祥位が33分39秒57で優勝 ©JCF

国内自転車競技における同大会の位置付けは、当該年度の種目別優勝者(次大会までの1年間)を選出し、UCI(国際自転車競技連合)が定める国際ポイントを国内で獲得できる貴重な存在となっている。国際ポイントを獲得することは、世界選手権やオリンピックなどへの出場権を獲得する重要な要素でもある。

樫木祥子が38分55秒30で女子エリート優勝 ©JCF

今回の大会開催にはスポーツ庁、日本スポーツ協会、UCI、日本自転車競技連盟が定める新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを厳格に順守し行われる。大会参加する選手チーム関係者はもとより、競技役員、報道関係者など会場に入場する場合は72時間以内のPCR検査陰性結果が条件となり、入場時毎日の体調自己報告はオンラインにて行い、受け取ったQRコードを入場ゲートで大会スタッフがスキャンし入場する運用をしている。また感染対策の一環として残念ながら無観客としている。

石上夢乃が40分34秒51で女子U23優勝、エリート+U23でも2位に入った ©JCF

主な日程=1日目は個人タイムトライアルとパラサイクリング(個人タイムトライアル)。2日目は個人ロードレース カテゴリー:男子U23、女子エリート+U23。3日目は個人ロードレース カテゴリー:男女年代別マスターズ、男子エリート。

大会参加者数は個人タイムトライアルで男子U23:20、女子エリート+U23:11、パラ:13、男子エリート:20の合計64人。はロードレース男子U23:135、女子エリート、U23:26、男子マスターズ(30-39):17、男子マスターズ(40-49):26、男子マスターズ(50-59):28、男子マスターズ(60-69):11、女子マスターズ:10、男子エリート:113の合計366人。

パラ⾃転⾞競技クラスC1-3で藤田征樹が3年ぶり7回目の全日本チャンピオンに ©JCF

第24回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース大会
2021年10月22日(金)
広島県中央森林公園サイクリングロード

男子U23(24.0km)20名出走
第2ウエーブ1番目スタートの松田祥位(岐阜・EQADS)が33分39秒57で優勝。
[競技結果]
1 松田祥位 岐阜   EQADS 33:39.57
2 留目夕陽 東京   中央大 33:59.57
3 宮崎泰史 大分   Sparkle Oita Racing Team 34:09.55

男子U23優勝の松田祥位(中央)、左が2位留目夕陽、右が3位宮崎泰史 ©JCF

女子エリート+女子アンダー23(24.0km)10名出走
1番目スタートの樫木祥子(東京・Team illuminate)が38分55秒30で優勝。
5番目スタートの石上夢乃(神奈川・鹿屋体育大学)が40分34秒51で女子アンダー23優勝、エリート+U23では2位に入った。
[競技結果]
1 樫木祥子 東京   Team illuminate 38:55.30
2 石上夢乃 神奈川   鹿屋体育大 40:34.51
3 石田唯 京都   早稲田大 41:11.80
女子アンダー23のみ別途表彰
1 石上夢乃 神奈川 鹿屋体育大 40:34.51

女子エリート優勝の樫木祥子(中央)、左が女子U23優勝で総合では2位の石上夢乃、右が3位石田唯 ©JCF
石上夢乃が女子U23の全日本チャンピオンに ©JCF

男子エリート(36.0km)18名出走、1名失格(規則に適合しない器材使用のため)
第2ウエーブ1番目スタートの増田成幸(栃木・宇都宮ブリッツェン)が唯一50分を切り、23回大会に続き49分25秒40で優勝。
[競技結果]
1 増田成幸 栃木   宇都宮ブリッツェン 49:25.40
2 山本大喜 奈良   KINAN Cycling Team 50:12.77
3 中根英登 愛知   EF Education-NIPPO 50:25.71

エリート男子優勝の増田成幸(中央)、左が2位山本大喜、右が3位中根英登 ©JCF

2021全日本パラサイクリング選手権ロード大会
2021年10月22日(金)
広島県中央森林公園サイクリングロード

男⼦ ⾃転⾞競技クラス C1-3(12.0km)4名出走
MC1,2,3を結合しての開催、係数計算での結果、2013〜2018年6連勝の藤田征樹が優勝。
[競技結果]
1 藤田征樹 藤建設 MC3 18:50.82 計算タイム:18:50.82
2 川本翔大 大和産業 MC2 19:57.91 計算タイム:19:11.79
3 多田尚史 acu-power Racing Team MC3 25:51.87 計算タイム25:51.87

パラ男⼦⾃転⾞競技クラスC1-3優勝の藤田征樹を中央に左が2位川本翔大、右が3位多田尚史 ©JCF

男⼦ ⾃転⾞競技クラス C5(12.0km)3名出走
MC5クラス3名での争いの中、梶鉄輝が初優勝
[競技結果]
1 梶鉄輝 JPF MC5 18:58.02
2 吉井常浩 – MC5 22:01.53
3 沼野康仁 usplab.VC SPLENDOR MC5 29:13.80

パラMC5クラスで梶鉄輝が初優勝 ©JCF
パラMC5クラス優勝の梶鉄輝 ©JCF

女子 ⾃転⾞競技クラス C2-3(12.0km)2名出走
WC2,3を結合しての開催、係数計算での結果、2020金メダリスト杉浦佳子が2017年大会から4連勝。
[競技結果]
1 杉浦佳子 VC福岡エリート WC3 21:37.61 計算タイム:21:37.61
2 藤井美穂 楽天ソシオビジネス WC2 27:50.77 計算タイム:26:46.44

杉浦佳子がパラWC2-3全日本チャンピオンに ©JCF

男⼦ トライシクルクラスT2(12.0km)1名出走
MT2クラス1人での出走、福井万葉が29分12秒21で2018年、2019年に続いて優勝。
[競技結果]
1 福井万葉 バタフライ・エフェクト MT2      29:12.21

パラ男⼦トライシクルクラスT2は福井万葉が29分12秒21で2018年、2019年に続いて優勝 ©JCF
パラ男⼦トライシクルT2優勝の福井万葉 ©JCF

男⼦ ハンドサイクルクラス MH2-3(12.0km)2名出走
MH2の官野一彦が欠場のため、MH3の2人がスタート、田中祥隆が優勝。
[競技結果]
1 田中祥隆 アイ工務店 MH3 31:07.27
2 村田成謙 ベリサーブ MH3 43:32.68

パラ男⼦ハンドサイクルMH2-3は田中祥隆が優勝 ©JCF
パラMH3を制した田中祥隆 ©JCF

佐々⽊元3連覇、中川きらら初…全⽇本BMXフラットランド

第5回全⽇本BMXフリースタイル選⼿権が9⽉26⽇に岡山市で開催され、フラットランド種⽬エリートクラスで男子は佐々⽊元(鎌ケ⾕巧業)が3連覇、女子は中川きらら(佐賀東⾼)が初タイトルを獲得した。

全日本チャンピオンの中川きらら(左)と佐々⽊元 ©日本自転車競技連盟

感染対策を徹底した商業施設で観衆も盛り上がった

全⽇本BMXフリースタイル選⼿権にフラットランドが種⽬追加されて2021年で3年⽬。2020年に引き続き、岡⼭県岡⼭市のイオンモール岡⼭の未来スクエア特設会場で⼤会が開催された。 関係者・運営スタッフを含む全参加者が72 時間以内のPCR検査を受け、2020年以上に感染拡⼤予防対策を施しながら実施。⼀⽅で、商業施設の中⼼に設けられた会場にはしっかりゾーニングされた⼀ 般客席も設けられ、ソーシャルディスタンスをとった観客から⾒守られながら、2021年のチャンピオンが決定した。

全日本チャンピオンの佐々⽊元 ©日本自転車競技連盟

世界選手権2位の佐々木が実力を発揮

全19⼈がエントリー(うち2名はDNS)した男⼦エリート。9⽉25⽇の予選を通過した8名で 決勝が⾏われた。注⽬は予選を同率1位で通過した佐々⽊と森崎弘也(トゥインクルコーポレーション)。さらに、7⽉の公式戦で優勝した早川起⽣(fourthirty)が予選5位と出遅れ、決勝での挽回が期待されていた。

決勝は世界⼤会さながらのハイレベルな戦いとなる中、6⽉の世界選⼿権で2位に輝いた⽇本代表・佐々⽊が、⾼難度の技で安定の⼒を⾒せつけ⼤会3連覇を果たした。早川はグループAから表彰台に⾷い込んだものの2位。森崎は⼒強い⼤技を連発したが、ミスが響き3位となった。

3位になった森崎弘也 ©日本自転車競技連盟

「世界⼤会よりレベルが⾼いこの⼤会で優勝できて安⼼している。そのくらい⽇本で勝つことはプレッシャーであり⼤事なこと。結果には満⾜している」と佐々木。
「前回⼤会は、早川選⼿の圧倒的なライディングをみて直前でプラン変更し僅差で負けてしまったこともあり、今回はあらかじめ⾃分のライディングを貫こうと決めていた。今年は⾃分のスキルアップのために時間を割いてきた。来年はさらに成⻑できると思うので、世界⼀を狙う」

2位の早川起⽣ ©日本自転車競技連盟

優勝:佐々⽊元(鎌ケ⾕巧業)91.5pt
2位:早川起⽣(fourthirty)88.25pt
3位:森崎弘也(トゥインクルコーポレーション)86.50pt

優勝の佐々⽊元を中央に、左が2位早川起⽣、右が3位森崎弘也 ©日本自転車競技連盟

選手数が増えた女子クラスは中川が新時代に一歩

⼤会2連覇中の⽯﨑光紗季の出場はなく、新たな顔ぶれで⾏われた⼥⼦エリート。決勝を制したのは中川だ。前回⼤会で⾒せたファンキーチキンからフロントヤードにノーハンドを加えた新技で、⼤会初優勝を飾った。

7⽉に⾏われた公式戦では中川が表彰台に1⼈で上がったが、今⼤会は3名がエントリー。久々に⼥⼦エリートの表彰台を埋め尽くした。ガールズクラスの急成⻑も含め、新たな⼥⼦シーンを感じさせる⼤会となった。

全日本チャンピオンの中川きらら ©日本自転車競技連盟

「1位になれてうれしい。でも最後に⼀番やりたかった技が決められなくて悔しい。次の⼤会でメイクできるように練習を頑張りたい」と中川。
「前回は戦う相⼿がいなかったが、今回はみんなと戦えたこともとてもうれしかった」

優勝の中川きららを中央に、左が2位伊藤聖真、右が3位井上真利亜 ©日本自転車競技連盟

優勝:中川きらら(佐賀東⾼)72.00pt
2位:伊藤聖真(関⻄⼤倉⾼)66.25pt
3位:井上真利亜 54.25pt

●大会配信(YouTube)

松下巽が3年ぶり2度目、酒井亜樹が初…全日本BMXレーシング

第38回全日本自転車競技選手権BMXレースが9月26日に新潟県上越市で開催され、エリート男子は松下巽(全日空商事)が3年ぶり2度目の、エリート女子は酒井亜樹(DEUX ROUES ELITE TEAM)が初の優勝を飾った。

酒井亜樹が丹野夏波を抑えて優勝 ©日本自転車競技連盟

38回目となるBMXレース種目の全日本自転車競技選手権が、上越市BMX場で2005年以来、16年ぶりに開催された。新型コロナウイルスにより全日本選手権の開催延期や開催地変更が続く中、国内自転車競技では9月19日に開催されたフリースタイル・パーク種目に続いて、2大会目となる全日本選手権開催となった。

関係者・運営スタッフを含む全参加者に対するPCR検査実施など、2020年以上に感染拡大予防対策を施した会場で2021年のチャンピオンが決定した。

BMXレーシングの全日本チャンピオン。左から松下巽、酒井亜樹、西村寧々花、坂望加 ©日本自転車競技連盟

男子エリートはベテランの松下が2回目の優勝

あいにくの降雨により、近年まれに見る荒れたコースコンディションでの開催となった。決勝は全15名から予選を勝ち上がった7名で行われ、7名中5名が転倒する波乱の中、松下が2018年以来となる2度目の全日本タイトルを獲得した。

2位には自身初の全日本表彰台となる菊池雄(SMITH OPTICS)が入り、松下同様にベテラン勢の活躍が目立った大会となった。

松下巽を中央に左が2位菊池雄、右が3位深川匠 ©日本自転車競技連盟

「厳しいコンディションの中でのレースでしたが、調子もよかったので結果的に優勝としてタイトルを獲得できたことはうれしい」と松下。
「悪天候の中でも終始レースを盛り上げる演出に後押しされ、今大会の開催実現に感謝している」

女子エリートは酒井亜樹が丹野夏波を制す

女子はエリートとジュニアが混走で開催された。2020年大会では2位となった酒井が、前年覇者である丹野夏波(早稲田大)を抑え、自身初のエリート全日本タイトルを獲得した。酒井は2018年にジュニアタイトルを獲得している。

酒井亜樹が初の全日本チャンピオンに ©日本自転車競技連盟

「全日本は特別な大会なので、優勝はとてもうれしい」と酒井。

{昨年2位だった悔しさから練習を頑張ってきたので、エリートでのタイトルを獲得できて自信にもつながった。もっともっと上を目指して、国際大会でも活躍できるようトレーニングに励みたい」

坂望加が男子ジュニアで優勝

男子ジュニアは5名のエントリーのため、3レースの合計ポイントで争われた。全レースで転倒者が多発する展開が続いた中、2020年に2位を獲得している坂望加(Factory Answer)が1位・2位・2位とコンスタントにまとめ、ジュニアチャンピオンに輝いた。

「昨年は2位でタイトルを逃したので、レースはしっかり走りをまとめてチャンピオンジャージを獲得できてうれしいです。来年からはエリートクラスなので、そこでも勝負ができるように、準備を積んでいきたい」

坂望加が男子ジュニアでトップを走る ©日本自転車競技連盟

西村寧々花、昇格した女子ジュニアでも実力を発揮

女子ジュニアは3名のエントリーで、エリートと混走で実施された。チャレンジカテゴリーで2015年から負けがない西村寧々花(GAN TRIGGER)が、2021年はジュニアカテゴリーへ上がり、決勝ではエリートと混走の中でも全体で3位に入り、ジュニアチャンピオンとなった。

「憧れであったチャンピオンジャージの獲得はとてもうれしい。慣れない雨レースでプレッシャーもあったが、決勝では自分の走りをまとめることができた。これからも連覇を伸ばしていきたい」

女子ジュニア優勝の西村寧々花(右)。左が2位野村凪沙 ©日本自転車競技連盟

男子エリート
優勝:松下巽(全日空商事)
2位:菊池雄(SMITH OPTICS)
3位:深川匠(NoLogo Racing Japan)

女子エリート
優勝:酒井亜樹(DEUX ROUES ELITE TEAM)
2位:丹野夏波(早稲田大)
3位:瀬古遥加(iRC TIRE)

男子ジュニア
優勝:坂望加(Factory Answer)
2位:長島凌(Pure japan)
3位:早川敦哉(NoLogo Racing Japan)

女子ジュニア
優勝:西村寧々花(GAN TRIGGER)
2位:野村凪沙(Ace Race Australia)
3位:岡本彩桜(バンピーパス)

中村輪夢連覇、内藤寧々初V…全日本BMXフリースタイル選手権

第5回全日本BMXフリースタイル選手権のパーク種目エリートクラスが9月19日、岡山県岡山市の旧内山下小学校内特設会場で開催され、男子は東京五輪代表の中村輪夢(ウイングアーク 1st)が3年連続4回目、女子は内藤寧々(第一学院高)が初優勝した。

初タイトルを獲得した内藤寧々 ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

新型コロナウイルスにより全日本選手権の開催延期や開催地変更が続く中、国内自転車競技で は2021年初となる全日本選手権の開催となった。

エリート男子は12選手が出場 ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

第1ラン最下位の中村が第2ランで最高得点をマーク

台風14号の影響によりスケジュールが順延したため、男子の予選は実施せず、エントリーした12選手による決勝のみでの開催となった。決勝は各選手から高難度のトリックが繰り出される中、大会2連覇中の中村は、1ラン目のバイクトラブルにより12位スタート。それでも2ラン目にはミスのないライディングで91.00点を出し、大会3連覇、自身4度目となる日本一のタイトルを獲得した。

中村輪夢のトリック ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

「1ラン目でのバイクトラブルは、東京オリンピックでミスをしたトリックと同じだったこともあり、正直焦る気持ちがあった」と中村。

「プランが崩れた状態から2ラン目で各トリックを決められたことは、今シーズンの課題でもあったので満足している。次の国際大会のめどはたっていないが、いつ出番が来ても結果を出せるようにトリックの開発を含めて準備していきたい。最後に無観客開催ではあったが、次の挑戦へ向けたスタートとなる今大会の開催実現に感謝している」

中村輪夢が3年連続4回目の全日本チャンピオンに ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

15歳の内藤が五輪代表大池を僅差で上回った!

女子は、2020年の13−15 歳クラス覇者で、2021年よりエリートカテゴリーへと上がった内藤が、大会4連覇中であり国内シーンを牽引している大池水杜を1.33点上回る得点を出し、女子では最年少となる15歳での国内チャンピオンとなった。

大池は東京オリンピックでメイクできなかった新技「バックフリップ・クロスアップ」に挑戦したが転倒し、スコアを伸ばせず大会連覇がストップした。

BMXフリースタイルパークに参加した女子選手 ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

「今大会直前の1週間に実施した合宿で習得に取り組んだトリック、Turn Whip(エアーターン・テイルウィップ)を、前回参戦した大会では失敗してしまったが、今日は2ランともに成功したことがうれしかった」と内藤。

「そしてこれまでエリートカテゴリーを目指してきて、初の全日本でタイトルを取れたことにビックリしている。 次は課題である本番でのパフォーマンス発揮をより磨いて大会で活躍したい」

日本チャンピオンジャージを着る内藤寧々と中村輪夢 ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

2位の大池は、「自分のミスによる結果のため、悔しい気持ちはあるが、後輩の選手がステップアップしてきたことはうれしい」という。

「2ラン目で勝つための安全なルーティーンを選ぶこともできたが、他のライダーの走りからチカラをもらい、東京オリンピックでできなかったトリックに挑戦することを選んだ。次のパリオリンピックに向けて再出発となるが、負けるつもりはないので練習に励みたい」

山本幸平と今井美穂の五輪代表が全日本選手権クロスカントリー制覇

第33回全日本自転車競技選手権マウンテンバイク(クロスカントリー競技) が、11月8日に富士見パノラマリゾート(長野県富士見町)で行われ、ともに東京五輪代表の山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)と今井美穂(CO2bicycle)が優勝した。

全日本チャンピオンの山本幸平 ©日本自転車競技連盟
今井美穂 ©日本自転車競技連盟

コロナ対策をとりつつ大勢のギャラリーが見守 る中、レースではオリンピック代表内定の2人がビッグレースで安定した強さを見せつけ優勝した。

全日本自転車競技選手権マウンテンバイク(クロスカントリー競技)のエリート男子 ©日本自転車競技連盟
山本幸平 ©日本自転車競技連盟
山本幸平 ©日本自転車競技連盟
全日本選手権エリート女子レース ©日本自転車競技連盟
今井美穂 ©日本自転車競技連盟
全日本選手権を制した今井美穂 ©日本自転車競技連盟

男子エリート 4.40km x 5Laps = 22.00km
優勝:山本幸平 DREAM SEEKER MTB RACING TEAM 北海道 1:18:25.05
2位:平野星矢 TEAM BRIDGESTONE Cycling 長野 1:19:40.40
3位:沢田時 TEAM BRIDGESTONE Cycling 滋賀 1:20:10.36

山本幸平を中央に左が2位平野星矢、右が3 位沢田時 ©日本自転車競技連盟
全日本自転車競技選手権を制した山本幸平 ©日本自転車競技連盟

女子エリート 4.40km x 3Laps = 13.20km
優勝:今井美穂 CO2bicycle 群馬 58:13.31
2位:末政実緒 ヨツバサイクル 兵庫 1:02:48.78
3位:橋口陽子 AX MTB team 東京 1:07:06.99

今井美穂を中央に左が2位、末政実緒、右が3位橋口陽子 ©日本自転車競技連盟
全日本チャンピオンの今井美穂 ©日本自転車競技連盟

●日本自転車競技連盟のホームページ