ミラノ〜サンレモ優勝のアラフィリップが世界ランキング1位に

UCI(国際自転車競技連合)が3月24日に世界ランキングの最新版を発表し、同23日のミラノ〜サンレモで初優勝したドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)が1位にランキングされた。

アラフィリップがティレーノ〜アドリアティコ第2ステージを制した ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

これまでの1位は世界チャンピオンであるモビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)。前回のランキングで3位だったアラフィリップがバルベルデを一気に逆転した。

3月24日付けの世界ランキング
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
3798点 △2
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3514点 ▼1
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
3191点 △5
4 トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)
3145点 △1
5 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCC)
2771点 ▼3
6 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
2656点 △3
7 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
2549点 ー
8 サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
2497点 ▼2
9 ロマン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアル)
2413点 △1
10 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥークニンク・クイックステップ)
2329点 ▼6

アラフィリップが第110回ミラノ〜サンレモをゴール勝負で制す

距離291kmで争うシーズン最初のクラシックレース、ミラノ〜サンレモが3月23日にイタリアで開催され、ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)が優勝した。

第110回ミラノ〜サンレモはアラフィリップが優勝 ©LaPresse/Marco Alpozzi

110回目の大会にしてフランス勢の優勝は14回目。地元イタリアは51回、ベルギーは20回で、それに次ぐもの。アラフィリップはシーズン7勝目で、2位のアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)の5勝に差をつけた。ミラノ〜サンレモは直近の12年で12人の優勝者を生んだことになり、アラフィリップは80人目の優勝者リストにその名を刻んだ。

ミラノ〜サンレモの終盤は紺碧の地中海リビエラ海岸を走る ©LaPresse/Fabio Ferrari

イタリアに春を告げるレースは「プリマベーラ(春)」と呼ばれる伝統の1戦。ミラノをスタートし、最長距離の291kmを走って地中海ビリエラ海岸にあるサンレモを目指す。最後のポッジオの丘で世界チャンピオンのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグリーエ)、2年前の覇者ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、スカイ)、AG2Rラモンディアルのオリバー・ナーセン(ベルギー)、そしてアラフィリップら10選手に絞り込まれた。

勝利の行方はサンレモ市街のゴール勝負となり、アラフィリップがサガンらを制して初優勝。同じ主催者が開催するストラーデビアンケとミラノ〜サンレモを連覇したのは2008年のファビアン・カンチェラーラ(スイス)、2017年のクウィアトコウスキーに続く3人目。

アラフィリップが後続のペテル・サガンをうかがう ©POOL/BETTINI/LaPresse
チームメートの勝利を喜ぶ(左から)ゼネク・スティバル(チェコ)、フィリップ・ジルベール(ベルギー)、ベルギーチャンピオンのイヴ・ランパールト、同イタリアのエリア・ヴィヴィアーニ ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

「ボクは勝つためにここに来た。今日のチームメートの働きのおかげで勝利できたことを誇らしく思う」とアラフィリップ。

「最後の勝負のために、チームメートの献身を念頭に置いて乗っていた。ポッジオでスピードアップした後、ゴールまでの下り坂で足の疲れを回復させた。でもライバル達の脚質を考えて、最後はかなり複雑な展開になるだろうと思った。マッテオ・トレンティンのスピードがかなり速かったので、そのギャップを埋めるために努力した。その後、冷静に走り、ペテル・サガンの後ろに位置した。マテイ・モホリッチがスプリントを開始したとき、すぐに彼の車輪に追従する必要があることを知っていた。彼が20m離れたらゲームオーバーだっただろう。最も素敵な方法で勝利をつかんだ。単純にうれしい」

優勝のアラフィリップを中央に左が2位オリバー・ナーセン、右が3位ミカル・クウィアトコウスキー ©LaPresse/Marco Alpozzi

アラフィリップがティレーノ〜アドリアティコで区間2勝目

イタリア半島を横断する7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月18日に第6ステージが行われ、ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)がゴール勝負を制し、第2ステージに続く2勝目を挙げた。1大会でのステージ2勝はフランス選手としては初めて。

ジュリアン・アラフィリップがティレーノ〜アドリアティコ第6ステージで優勝 ©LaPresse/Fabio Ferrari
ティレーノ〜アドリアティコ第6ステージ ©LaPresse/Fabio Ferrari
ティレーノ〜アドリアティコ第6ステージ ©LaPresse/Fabio Ferrari

総合成績ではアダム・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)が首位を堅持。英国選手として首位を5日間守ったのはマーク・カベンディッシュ以来。イェーツは総合2位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)に25秒差で、最終日の個人タイムトライアルに臨むことになった。

ティレーノ〜アドリアティコ第6ステージを走るアダム・イェーツ ©LaPresse/Fabio Ferrari
ティレーノ〜アドリアティコ第6ステージ ©LaPresse/Fabio Ferrari

アラフィリップがティレーノ〜アドリアティコ第2ステージ優勝…首位はA・イェーツ

イタリア半島を横断する7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月14日に第2ステージが行われ、ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)がゴール勝負を制して同大会初優勝を決めた。

アラフィリップがティレーノ〜アドリアティコ第2ステージを制した ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

フランス勢の優勝は10年ぶり9回目。同じ主催者のストラーデビアンケと、今大会の最初の集団スタートのステージを連覇したのはアラフィリップが初めて。

「前日のチームタイムトライアルがよくなくて、あまりいいスタートではなかった。この日はボクだけでなく他のチームも優勝する意欲にあふれていた。そんななかで勝てたのだからうれしい」とアラフィリップ。
「チームがこれだけ動けたら、最後には総合成績でいいところまで行けると思う。そうでなくても、この日の勝利のフィーリングがいいので落胆はしないと思う」

ティレーノ〜アドリアティコ第2ステージ ©LaPresse/Fabio Ferrari

総合成績では、前日のチームタイムトライアルを制して上位を独占していたミッチェルトン・スコットの中から、エースのアダム・イェーツ(英国)が首位に。チームメートのマイケル・ヘップバーン(オーストラリア)からリーダージャージのマリアアッズーラを譲り受けた。

「総合成績で首位に立つことができてよかったけど、この日のゴールはボクには不向きだった。ボクよりも強い選手がたくさんいた。明日のステージが終わると、キーとなる山岳ステージが2つあるので、そこでボーナスポイントを稼ぎたい」とイェーツ。
「今年は頂上フィニッシュのステージがなく、そして最後は個人タイムトライアル。今回のティレーノ〜アドリアティコにボクが勝つのはとても厳しいと思うが、でもステージ優勝と総合成績を勝ち取るためにこの場所に来ている。チームはどんどんよくなっているので、もっと勝てるように頑張りたい」

ティレーノ〜アドリアティコ第2ステージ ©LaPresse/Fabio Ferrar
アダム・イェーツが第2ステージで首位に立った ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

アラフィリップがストラーデビアンケで初優勝

真っ白な土ぼこりを立てながら未舗装路を走るストラーデビアンケが3月9日にイタリアのトスカーナ地方で行われ、ドゥクーニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)がアスタナのヤコブ・フルサング(デンマーク)を2秒差で制して優勝した。

これぞストラーデビアンケ ©LaPresse – Fabio Ferrari

13回目の大会で、フランス勢の優勝は初めて。距離184kmのレースで2選手が残り24km地点で抜け出し、ゴールまで一騎打ちを展開した。

トレック・セガフレードの別府史之はタイムオーバー。NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネの初山翔はリタイア。

未舗装路でメカトラブルも発生 ©LaPresse – Fabio Ferrari
残り22kmから抜け出したアラフィリップ(左)とフルサング ©LaPresse – Fabio Ferrari

「ストラーデビアンケはシーズン序盤の最大の目標だった。南アメリカの大会でいい走りができていたが、この大会に勝つことを目標に参戦した」とアラフィリップ。

「強豪選手がいる中で、初出場となるこのレースでいい走りをするのは大変だった。最後はかなり足が疲れていた。フルサングのほうがフレッシュだったと思ったので、シエナの最後の上り坂に入るまで彼の動きを待たなければならなかった。勝ててとてもハッピーだ。自転車レースはフレッシュワロンヌやツール・ド・フランスだけではなく、ボクはなにか新しいモチベーションをつかみたかった。ストラーデビアンケはおあつらえ向きだった」

シエナの広場にやってきたジュリアン・アラフィリップ ©Gian Mattia D’Alberto / lapresse
アラフィリップがフルサングに2秒差をつけて優勝 ©Gian Mattia D’Alberto / lapresse
イタリア語で「白い道」という意味のストラーデビアンケ ©LaPresse – Fabio Ferrari