ベルナルのツール・ド・フランス参戦にフルームは焦る?

2020年のツール・ド・フランスで大会最多タイの5勝目に挑むイネオスのクリストファー・フルーム(英国)が、順調ではないリハビリ効果を押し隠して、「1月7日にはスペイン・マジョルカ島でのトレーニングキャンプに参加する」とコメントした。

クリテリウム・デュ・ドーフィネを走るクリストファー・フルーム ©ASO/Alex Broadway

2013、2015〜2017年のツール・ド・フランスで総合優勝しているフルームも34歳。2019年はツール・ド・フランスの調整レース試走中に落車し、複数カ所の骨折を負った。手術とリハビリを経てトレーニングを再開したが、本人が予定していたよりもパフォーマンス回復には長い時間を要しているようだ。

2018年にはチームメートのゲラント・トーマス(英国)が総合優勝。2019年にも同じチームのエガン・ベルナル(コロンビア)が総合優勝した。3選手は今季もイネオスに所属し、役割分担をすることになる。

クリストファー・フルーム(左)とエガン・ベルナル ©A.S.O. Thomas Colpaert

オフシーズンにベルナルはジロ・デ・イタリアに出場する予定であることをコメントしていたが、年を明けて一転。ジロ・デ・イタリアを回避して、ツール・ド・フランスで連覇に挑むことを明かした。フルームにとってこの発言はおだやかではないはずだ。

「コンディションの向上具合はまずまずで、トレーニングキャンプでさらに磨きをかけたい」とフルームは楽観的にツイートしているが、周辺を取り巻く現状は厳しい。6月27日に開幕するツール・ド・フランスまでにフルームのパフォーマンスが100%戻るのかも焦点だが、ベルナルやトーマスとどんな立ち位置になるのかも不透明。

●イネオスのホームページ

エガン・ベルナル一転…ジロ・デ・イタリアをパスしツール・ド・フランスへ

2019ツール・ド・フランスの総合優勝者、イネオスのエガン・ベルナル(コロンビア)が2020ツール・ド・フランスで2連覇に挑むことを明らかにした。当初は出場を示唆していたジロ・デ・イタリアを欠場する考え。イネオスは大会最多タイの5勝を目指すクリストファー・フルーム(英国)、2年ぶり2度目の総合優勝を見すえるゲラント・トーマス(英国)の3エースが出場する可能性がある。

エガン・ベルナルが2019ツール・ド・フランスで総合優勝 ©ASO Alex BROADWAY

ベルナルの2020年シーズンは2月11日から16日まで自国で開催されるコロンビアツアーで始める予定。ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)とともに開幕する。

3月8日から15日までフランスのパリ〜ニースで連覇を目指し、3月23日から29日まではスペインのボルタカタルーニャを走る。その後はコロンビアの自宅に戻り、ツール・ド・フランスのための山岳トレーニングを行う計画。

最終的な準備レースとしてツール・ド・スイスまたはクリテリウム・デュ・ドーフィネに出場する見込み。

●イネオスのホームページ

マイヨジョーヌをオークション…アフリカの子どもに自転車51台を提供

ツール・ド・フランスとルコックスポルティフは12月14日、パリ市内のホテルでツール・ド・フランスのマイヨジョーヌをオークションする催しを開催し、7650ユーロ(約100万円)を調達し、ケベカ協会を経由してアフリカの子どもたちに自転車51台を提供。若い学生が簡単に学校に到達する機会を増やした。

2019ツール・ド・フランスで作られた20タイプのマイヨジョーヌ ©A.S.O./P.Ballet

2019年の第106回ツール・ド・フランスは個人総合1位の選手が着用する黄色いリーダージャージ、マイヨジョーヌが考案されて100年目。それを記念して各ステージの象徴的なイメージをあしらった20枚の特別ジャージがデザインされた。

20枚のマイヨジョーヌはアフリカの子どもたちに自転車を提供する活動を続けるケベカチャリティを通して役立てられることになる。

マイヨジョーヌ仕様のケベカバイク

このうち4台の自転車はツール・ド・フランスの4賞ジャージをイメージしたもの。2019年大会の各賞受賞者によるサインが入っているという。

●ツール・ド・フランスのホームページ

エタップ・デュ・ツール日本人エントリー枠を発売

ツール・ド・フランスの1区間を走る一般参加レース、エタップ・デュ・ツール・ド・フランスが2020年7月5日に南仏のニースを発着とする177kmで開催され、公式ツアー会社となる国際興業が日本人向けのエントリー枠を発売した。日本人枠は20。エントリー料は3万3000円。

2019エタップ・デュ・ツール ©A.S.O. Aurélien Valatte

1万6000人が参加する人気レースは公式サイトでの応募がわずか数時間で完売。ただし日本を含めた数カ国には国別の出場枠が用意され、各ツアーエージェントからの参加が残されている。

30回目の節目となる2020年大会は、国際空港が市内から至近の位置にあるとともに、スタートとゴールが同じということもあって例年になく参加しやすい設定。コースは2020ツール・ド・フランスの第2ステージと同じもので、標高1500m以上の峠が2つある。アルプスやピレネーで開催された大会に匹敵する過酷さが売り物。

国際興業の参戦ツアーはすでに発売終了し、今回はエントリー枠のみの販売。参加者は独自で往復航空券や宿泊先を手配する必要がある。

2019エタップ・デュ・ツール ©A.S.O. Aurélien Valatte

エタップ・デュ・ツールは初ニース…7月5日に開催へ

ツール・ド・フランスの過酷さをイヤでも体験してしまうのがエタップ・デュ・ツール

●国際興業のエタップ・デュ・ツール参戦ツアーサイト
●エタップ・デュ・ツール・ド・フランスの公式サイト

パリ〜ルーベやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュなどでASOが一般レース開催

ツール・ド・フランスを主催するASOがシクロスポルティーブと呼ばれる一般参加イベントの日程を発表。2020年3月14日にパリ〜ニースチャレンジ、4月11日にパリ〜ルーベチャレンジ、同25日にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュチャレンジが開催される。現在参加者募集中。

2019エタップ・デュ・ツール ©A.S.O. Aurélien Valatte

ステージレースのパリ〜ニースはニースにゴールする最終ステージだけの走行だが、3レースともに世界のトッププロが走るコースがスタートからゴールまでまったく同じ。プロと同じ過酷さが体験できるのでとても人気があるイベントとして定着している。

パリ〜ルーベは「北の地獄」と呼ばれるアランベールの石畳がコースとなり、有名な「アルブルの交差点」も走行する。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュも激坂で知られるラ・ルドゥトの丘を上る。

さらに魅力的なのはアマチュア選手が走った翌日にホンモノのプロレースが開催されること。パリ〜ニースは2020年3月8日から15日の開催で、最終ステージの前日に一般レースが行われる。パリ〜ルーベは4月12日で、一般レースはその前日。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのみ4月18日開催なので一般レースは1週間後の開催となる。

●パリ〜ニースチャレンジの参加者募集サイト

●パリ〜ルーベチャレンジの参加者募集サイト

●リエージュ〜バストーニュ〜リエージュチャレンジの参加者募集サイト

エタップ・デュ・ツールは30年記念で初ニース

こういったASOの一般参加イベントの象徴であるエタップ・デュ・ツールは2020年で30回目の開催。1万6000人の参加者が7月5日にツール・ド・フランス第2ステージとまったく同じコースに挑む。エントリーは数時間で満員になったが、各国の公式エージェントに割り振られた出場枠が残っている。
●日本の公式エージェントは国際興業

またフランス以外でも「エタップ・バイ・ル・ツール・ド・フランス」と題した一般参加レースが開催される。2020年はフランスを含めて12カ国、タイ、中国、メキシコ、フィンランド、モロッコ、オーストラリア、米国、コロンビア、ブラジル、英国、インドネシアで行われる。

エガン・ベルナルが中国の伝統的服装で自転車に乗る

3回目の開催となるツール・ド・フランス・シュコダ上海クリテリウムが11月16日に中国の同地で開催される。前日にはツール・ド・フランス総合優勝のエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス)らの出場選手がメディアデーとしてさまざまな催しに参加した。

エガン・ベルナルが中国の上海に登場 ©A.S.O. Pauline Ballet

大会にはベルナルをはじめ、ロット・スーダルのカレブ・ユワン(オーストラリア)、バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)、ユンボ・ビスマのステーフェン・クライスバイク(オランダ)、ミッチェルトン・スコットのマッテオ・トレンティン(イタリア)らが参加。海外勢は17選手、中国は28選手がクリテリウムレースに挑む。

中華料理作りに挑むビンチェンツォ・ニーバリ ©A.S.O. Pauline Ballet
中国のファンと自撮りするエガン・ベルナル ©A.S.O. Pauline Ballet
カレブ・ユワンがタレントのRachel YUXIと対決 ©A.S.O. Pauline Ballet

5年前より自転車に乗っている人が多い

「中国に戻ってきてとてもうれしい」とユワン。
「ツール・ド・北京に参加したのは5年前で、この日も時差ボケを感じさせることなく、高層ビルの58階に位置するリッツカールトン・レストランからのパノラマ風景を写真で納めた。

カレブ・ユワンがあまりにも決まりすぎている ©A.S.O. Pauline Ballet

「大都市の特別な雰囲気が好き。今回のサーキットでは、観客は一瞬で通過してしまう古典的なレースコースとは異なり、集団の走りを数回見ることができる」

「中国の人たちのサイクリング知識がヨーロッパと同じくらい高いかどうかは分からないけど、スポーツへの関心は高まり続けている。2014年に訪れたときは街でそれほど多くのサイクリストを見なかったから」

カレブ・ユワンがあまりにも決まりすぎている ©A.S.O. Pauline Ballet

クライスバイクとヘーシングは町にくり出して朝食

「こんな巨大な街でペダルを踏むことができるなんてスゴい」と、2019ツール・ド・フランス総合3位のクライスバイク。

「上海を評価するには、早起きが必要。交通量の多さを見るために夜明けに目覚めてロベルト・ヘーシンクとともに自転車の乗って公園で散策したんだ。地元料理がたくさんあふれる旧市街のカフェで100%地元の朝食を口にしたよ。すべて興味深かった」

●ツール・ド・フランス・シュコダ上海クリテリウムのホームページ