7月17日 第11ステージ アルビ〜トゥールーズ

ロット・スーダルの韓国系オーストラリア選手、カレブ・ユアンがゴール勝負を制して悲願の初優勝を飾った。首位のマイヨジョーヌを着るジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)はタイム差なしの同一集団の中でゴールしてその座を堅持。総合2位ゲラント・トーマス(英国)、同3位エガン・ベルナル(コロンビア)のイネオス勢も同タイム。翌日からピレネーの山岳ステージに突入する。

2019ツール・ド・フランス第11ステージ ©ASO Pauline BALLET

ユアンが25歳でグランツール全制覇

2日目のチームタイムトライアルを除く、これまでの10ステージで優勝者はこれで10人になった。日替わりで優勝者が誕生する今大会はそれだけ絶対的な存在が不在と言うことの現れだ。

序盤から逃げていた選手らを大集団が吸収し、ゴールスプリント勝負に備えて好調のユンボ・ビスマ勢が集団の先頭に立って主導権を握った。第7ステージで勝ったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)に勝たせようという作戦だった。

第11ステージはアルビをスタートした ©ASO Alex BROADWAY

これに対してユアンは、けん引役を担うはずだったジャスパー・デブイスト(ベルギー)を残り10kmの落車で失っていた。爆発力のあるフルーネウェーヘンの背後に着くしか勝つすべがなかった。そしてこの作戦が的中。ゴール手前でフルーネウェーヘンに並ぶと、わずかの差で先着した。

ユアンが2019ツール・ド・フランス第11ステージで初優勝 ©ASO Thomas MAHEUX

ユアンはジロ・デ・イタリア区間3勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ1勝のスプリンター。身長165cmと小柄で、「ポケットロケット」というニックネームがある。11日に25歳となったばかりだが、この日初めてツール・ド・フランスで区間勝利したことでグランツール(三大ステージレース)全優勝。第4ステージで勝利したドゥークニンク・クイックステップのエリア・ビビアーニ(イタリア)が30歳でグランツール全優勝者となったのに対し、ユアンは25歳でそれに並んでしまった。

「これまで4回もあと一歩で優勝を逃してしまったけど、チームはボクを見捨てなかった。だからボクもチームを信じていた。デブイストが転んでしまい、集団の後方に埋もれていたボクを他のチームメートが前方に引き上げてくれた。ツール・ド・フランスは子どものころから最も勝ちたかったレースなんだ。オーストラリアは遠いのでテレビを見ていたのが懐かしい」と万感のユアン。

アラフィリップが第11ステージでマイヨジョーヌを守った ©ASO Alex BROADWAY
新人賞のエガン・ベルナル ©ASO Alex BROADWAY

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(イネオス、コロンビア)

2019ツール・ド・フランス第11ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
アルビの町並み ©Ville d’Albi
アルビ ©Ville d’Albi
アルビ、教会の内部 ©Ville d’Albi
トゥールーズ、アエロスコピア航空博物館 © PE LANGENFELD REPLIC AIR
トゥールーズのサンセルナン大聖堂 ©PE Langenfeld Replic Air
トゥールーズ、街の屋根 ©Florian Calas

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第10ステージにもどる≪≪   ≫≫第12ステージにすすむ

7月15日 第10ステージ サンフルール〜アルビ

ユンボ・ビスマのワウト・ファンアールト(ベルギー)が写真判定のゴール勝負を制して初優勝。同チームはチームタイムトライアルを含めて今大会4勝目。首位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)はタイム差なしでゴールしてマイヨジョーヌを守ったが、総合3位につけていたフランス期待のティボー・ピノ(グルパマFDJ)は1分40秒遅れとなり、総合優勝争いから後退した。

2019ツール・ド・フランス第10ステージ ©ASO

横風で集団が分断しピノが1分40秒遅れ…優勝争うから後退

いつものツール・ド・フランスは7月第1週の土曜日に開幕し、翌週の日曜日まで9ステージを走って休息日となる。ところが今回は異例の10連続ステージ。アルビが休息日を含む3日間のホスト都市を務めるためだが、選手にとっては身体を休めるタイミングが先送りになった。たった1日の違いだが、罠にはまったのがピノだ。

2019ツール・ド・フランス第10ステージでエッフェルが設計した鉄橋の近くを走る ©ASO

コースは起伏がちな中央山塊。加えて強い横風が吹くという状況だった。自転車競技において集団が分断する条件がこの日はそろっていた。

レース終盤になって、数を減らしてゴール勝負に持ち込みたいユンボ・ビスマ勢がペースアップ。そして総合優勝をねらうイネオス、アラフィリップを擁するドゥークニンク・クイックステップが先頭に立ってそのハイペースを維持する。

2019ツール・ド・フランス第10ステージ ©ASO
マイヨジョーヌを着用して第10ステージを走るアラフィリップ ©ASO

案の定、残り30kmで集団は3つに分かれ、ピノ、総合2位のジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)らが第2集団に取り残された。それを察知してイネオスがさらにペースを上げた。ピノはチームメート1人と必死で第1集団を追うが、これまでの疲れでキレがなく大きな遅れを取ることになった。ピノは結果的に2分33秒遅れの総合11位に陥落した。

「分断させる意図はなかったよ。ピノはチームメートと一緒にいたはずだし、横風のリスクも知っていた。できればタイムロスしてほしくなかったが、彼が遅れていることを知ったのは残り数kmになってからだ」とアラフィリップは弁明。

2019ツール・ド・フランス第10ステージ ©ASO
ワウト・ファンアールトが2019ツール・ド・フランス第10ステージ優勝 ©ASO

結果的に前半戦最後のステージで総合成績の上位が大きく動くことになった。イネオス勢は、連覇をねらうゲラント・トーマス(英国)が総合2位に、ダブルエースのエガン・ベルナル(コロンビア)が同3位に。マイヨジョーヌを射程距離に置いて大会を折り返すことに成功した。

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(イネオス、コロンビア)

2019ツール・ド・フランス第10ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
サンフルールは小高い丘の上に旧市街がある ©H. Vidal
サンフルール、ギュスターヴ・エッフェルが設計したガバリ鉄橋 ©H. Vidal
丘の上に立つサンフルールの町並みを上空から眺める ©Pierre Soissons
アルビ、空から観たサンサルヴィ教会 ©Ville d’Albi
アルビ、川に映る旧橋と大聖堂 ©Ville d’Albi
アルビのパイプオルガン ©Ville d’Albi

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第9ステージにもどる≪≪   ≫≫第11ステージにすすむ

7月14日 第9ステージ サンテティエンヌ〜ブリウド

ミッチェルトン・スコットのダリル・インピー(南アフリカ)がロット・スーダルのティシュ・べノート(ベルギー)との一騎打ちを制し、初優勝を果たした。首位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)ら有力選手は16分25秒遅れたが、先着した選手に総合成績の上位選手はなく、アラフィリップがマイヨジョーヌを守った。

2019ツール・ド・フランス第9ステージ ©ASO

南アのインピーがアフリカ大陸に区間2勝目をもたらす

南アフリカのチャンピオンジャージーを着用したインピーは2013年にアフリカ出身選手として初めてマイヨジョーヌを着用した。2日間で首位を明け渡すのだが、それは大会の歴史を塗り替える快挙だった。アフリカ勢のステージ初優勝は2007年のロバート・ハンター(南アフリカ)だったが、これでアフリカ大陸勢2勝目となった。

この日はインピーやベノートを含む14選手が第1集団を形成。アラフィリップを擁するドゥークニンク・クイックステップなどの有力チームはそれを静観。第1集団は15分以上の差をつけて逃げ切りを決定的にすると、その中でステージ優勝を争う戦いが始まった。残り7kmで2選手が抜け出した。そのままゴールまで逃げ切り、先行したベノートをインピーが逆転してゴールインした。

スタートの町ではサッカーのASサンテティエンヌ代表とサガンがウエア交換 ©ASO
7月14日はフランス革命記念日 ©ASO
第9ステージでマイヨジョーヌを着用するアラフィリップ ©ASO

「これまで何度も区間優勝を逃してきた。このステージはボクにちょうどよかったので、最初からねらっていた。ベノートとはうまく協力してゴールまで逃げ切れた。最後は南アフリカの誇りがあって負けるわけにはいかなかった。今日がフランス革命記念日だとしてもそれで遠慮するようなことはできないからね」とインピー。

2007年に優勝したハンターはバルロワールドに所属していたが、このとき一緒にツール・ド・フランスのメンバーに選ばれたのがゲラント・トーマス(英国)だ。その翌年に同チームに移籍してきたのがクリストファー・フルーム。ケニア生まれのフルームはそれまで南アフリカ国籍の選手として活動していたが、移籍と同時に両親と同じ英国籍に。そのためフルームの勝利記録はアフリカ大陸選手によるものとはされていない。

2019ツール・ド・フランス第9ステージ ©ASO
2019ツール・ド・フランス第9ステージ ©ASO
ダリル・インピーらが第9ステージで先行する ©ASO

ここ20年でグローバル化したツール・ド・フランス。地元フランスは33年間も総合優勝なし。フランス革命記念日にアラフィリップは「マイヨジョーヌ姿で大歓声を浴びてうれしかった」と言うが、フランス国民は自国選手の勝利を見たかったはずだ。

2019ツール・ド・フランス第9ステージ ©ASO

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)

2019ツール・ド・フランス第9ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
サンテティエンヌ、チョコレート工場 ©Phillippe_Dureuil
サンテティエンヌ、シテ・デュ・デザイン ©Agence LIN Finn Geipel + Giulia Andi Photographe Christian Richters
サンテティエンヌ ©Saint etienne tourisme & congres – Gastrogays
オーレックシュルロワールの壁
サンジュストの丘【ボーナスポイント】

新ルール解説【ボーナスポイントとは?】

ブリウドの街の眺め ©Ville de Brioude
ブリウドの歴史地区 ©Ville de Brioude
ブリウドのラ・ヴィジタシオン公園 ©Ville de Brioude

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第8ステージにもどる≪≪   ≫≫第10ステージにすすむ

7月13日 第8ステージ マコン〜サンテティエンヌ

ロット・スーダルのトマス・デヘント(ベルギー)が3年ぶり2度目の区間優勝。総合成績では6秒遅れの総合2位、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)がゴール手前で抜け出し、首位ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)に20秒差をつけてゴール。アラフィリップが3日ぶりにマイヨジョーヌを奪回した。

トマス・デヘントが逃げ切りで第8ステージ優勝 ©ASO Alex BROADWAY

逃げ屋デヘントがその本領を発揮して2勝目

デヘントは同じチームで同じベルギー選手、現在山岳賞ジャージーを着用するティム・ウェレンスととても仲がいい。2018年のシーズン最終戦としてイタリアで行われたイル・ロンバルディアが終わると、2人でベルギーの自宅までの約1000kmを1週間かけてロードバイクで帰ったくらいだ。2人のサイクリング旅行は連日ツイッターで報告され、プロ選手でも一般愛好家のように自転車を楽しむことがあるのかと大きな反響を呼んだ。

デヘントはグランツール(三大ステージレース)ですべて勝利している実力者。解説者からは「逃げ屋」と呼ばれ、連日のように果敢なアタックを見せてファンを喜ばせてくれる。

2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Alex BROADWAY
2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Alex BROADWAY

この日デヘントは数選手とアタックすると、徐々に他選手をふるい落としていき、残り14kmからは単独になってゴールを目指した。そして3年前、スタート直後から逃げて優勝したときと同じような勝ちパターンで、2度目の勝利をものにしたのだ。

しかもデヘントはこの日、7つの山岳ポイントをすべてトップ通過した。山岳賞の総合成績でも1位ウェレンスの43点に肉薄する2位37点に浮上した。友だち同士で1位と2位。これから本格化する山岳ステージで調子のいいほうが山岳ポイントを取りに行き、ライバル選手の得点を伸ばさないためにもう1人も積極的に得点を刈り取っていく。チームから区間勝者や山岳王が誕生すればそれでいいというおおらかな考え方だ。

2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Pauline BALLET
2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Pauline BALLET
2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Pauline BALLET
2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Pauline BALLET

「ステージ優勝はチームの目標だった。前日はスプリンターのカレブ・ユアンがあと一歩だったので今日はボクが頑張った。残り70kmからは全開の走りで、いくつかのコーナーはクラッシュ寸前だった」とデヘント。長距離の逃げを最も得意とするだけに、今後も親友のウェレンスと協調しながら積極的な走りを見せつけるに違いない。

第8ステージで総合優勝を期待されるピノがライバルに差をつけてゴール ©ASO Alex BROADWAY
2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Alex BROADWAY
アラフィリップが第8ステージでマイヨジョーヌを奪還 ©ASO Alex BROADWAY

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)

2019ツール・ド・フランス第8ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
マコンの街 ©Alain Doire – Bourgogne Franche Comte Tourisme
マコンのソーヌ河岸 ©Alain Doire – Bourgogne Franche Comte Tourisme
マコン、木組みの家 ©Alain Doire – Bourgogne Franche Comte Tourisme
ジェリエールの丘【ボーナスポイント】

新ルール解説【ボーナスポイントとは?】

サンテティエンヌの中心街 ©Centre-ville Saint-Etienne Tourisme + M. Stora
サンテティエンヌのアーティストがデザインしたベンチ ©Saint-Etienne Tourisme&Congrès – Buchowski et Vagabonde
サンテティエンヌ、ロワール峡谷クルージング ©Christophe Roy Saint Etienne tourisme

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第7ステージにもどる≪≪   ≫≫第9ステージにすすむ

日本初のツール・ド・フランス公認カフェ「Tour de France CAFÉ@TOKYO powered by J SPORTS」期間限定オープン

国内最大4チャンネルのスポーツテレビ局、ジェイ・スポーツ(J SPORTS)は「第106回ツール・ド・フランス マイヨジョーヌ100周年記念大会」の放送を記念して、国内初となるツール・ド・フランス公認カフェ「Tour de France CAFÉ@TOKYO powered by J SPORTS」を東京・渋谷に期間限定でオープンする。

ツール・ド・フランス公認カフェ
名称: Tour de France CAFÉ@TOKYO powered by J SPORTS
場所:サイクルカフェ&ダイニングTORQUE SPICE & HERB, TABLE & COURT
東京都渋谷区渋谷3丁目21-3 渋谷ストリーム4階
期間:6月28日(金)~7月29日(月)
営業時間:午前9:00~午後11:00
(FOOD L.O.午後10:00 / DRINK L.O.午後10:30)
ホームページ

20年超にわたって世界最高峰のサイクルロードレース、ツール・ド・フランスの魅力を発信し続けてきたJ SPORTSがついに公認カフェをオープン! 2019年は、総合成績1位の選手のみが着用を許された栄光の黄色のジャージ「マイヨジョーヌ」が誕生100周年を迎える記念大会ということで、店内をマイヨジョーヌカラーに装飾。

ツール・ド・フランスの中継を観ながら、レースにちなんだオリジナルフードとドリンクも楽しめる。さらに店内ではツール・ド・フランス公式グッズをはじめ、ツールカフェ限定のオリジナルグッズの販売やさまざまなプレゼントキャンペーンも行なう。

<キャンペーン概要>

イベント情報やオリジナルメニューの情報は追って特設サイトで公開していきます。
ツール・ド・フランスの魅力が詰まったツールカフェ。ファン同士でのご来店はもちろん、まだツール・ド・フランスを観たことがないご家族やご友人とのご来店もお待ちしております。一緒にマイヨジョーヌ100周年をお祝いしましょう!

7月12日 第7ステージ ベルフォール〜シャロンシュルソーヌ

ユンボ・ビスマのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)がゴール勝負を制し、3年連続、大会通算4勝目を挙げた。ゴール前の混戦で落車した第1ステージの雪辱を果たした。前日に首位に立ったトレック・セガフレードのジュリオ・チッコーネ(イタリア)はタイム差なしの同一集団でゴールし、マイヨジョーヌを守った。

フルーネウェーヘン(右)がツール・ド・フランス第7ステージを制した ©ASO Pauline BALLET

フルーネウェーヘンが初日落車の雪辱を果たす

自転車競技は走行速度が高いので空気抵抗が極めて大きい。マラソンのような独走は至難の業で、抵抗が最も大きい先頭を他選手と交替で務めながらひたすらゴールを目指す。それが他チームの選手であっても、「ゴールまで逃げ切りたい」という目的が一致したら協力して走り続ける。

©ASO Thomas MAHEUX

この日はワンティ・ゴベールのヨアン・オフレド(フランス)とコフィディスのステファヌ・ロセット(フランス)がスタート直後に抜け出して、協力態勢をとった。

2選手には共通点がある。格下チームとしての出場だ。ツール・ド・フランスは第1カテゴリーの18チームに自動的出場権が与えられ、残る4チームは第2カテゴリーから主催者推薦として選ばれる。こうして出場を果たしたのだがら、チームスポンサーのためにもテレビ中継を独占し、その名を世界中にアピールしたい。そんな思いから距離230kmという長距離ステージで逃げを敢行した。

共通点はもうひとつ。今シーズンに大怪我を負ったということ。オフレドは春先のレースで激しいクラッシュをして、1カ月以上の活動停止を余儀なくされた。5月に競技を再開したばかりだ。ロセットは3月のトレーニングで猫を避けようとして股関節を骨折。運よく復帰にこぎ着けた。

2019ツール・ド・フランス第7ステージ ©ASO Alex BROADWAY
2019ツール・ド・フランス第7ステージ ©ASO Thomas MAHEUX

2人はチームの枠を超えて一致団結。もう1人のペースが落ちると、サドルを押すなどして必死で逃げ続けた。しかし後続集団は数にものをいわせて、残り距離を計算しながら徐々にその差を詰めていく。残り13kmで2人は吸収され、217kmの旅は終えん。それでも格下チームの名を世界中にアピールしたのは確かだ。

大会は最初の7日間が終わり、これからは総合成績の上位を目指す実力者が動き始める。マイヨジョーヌを目指すような総合力のある選手はひとにぎり。それ以外はたった1日の勝利を目指してアタックのチャンスをうかがっていくはずだ。

ディラン・フルーネウェーヘンがツール・ド・フランス第7ステージを制した ©ASO Pauline BALLET
チッコーネがマイヨジョーヌを守った ©ASO Alex BROADWAY

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)

2019ツール・ド・フランス第7ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
ベルフォールの街 ©M. Coquard and E. Detrez Bestjobers – Bourgogne Franche Comte Tourisme
ベルフォールのライオン像 ©L. Cheviet – Bourgogne Franche Comte Tourisme
ベルフォールの街 ©M. Coquard and E. Detrez Bestjobers – Bourgogne Franche Comte Tourisme
シャロンシュルソーヌのサンヴァンサン広場 ©Le Boat
シャロンシュルソーヌのサンヴァンサン広場 ©J. Marché – OT Grand Chalon
シャロンシュルソーヌの街 ©Alain Doire – Bourgogne Franche Comte Tourisme

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