トーマスのマイヨジョーヌF10バージョンとフルームのグランツール6勝DOGMA F10が発売

最近のツール・ド・フランスで14度の総合優勝を遂げたイタリアの自転車ブランド、ピナレロ。ゲラント・トーマスのツール・ド・フランス初制覇を記念したマイヨジョーヌバージョン、クリストファー・フルームのグランツール6勝を記念したFROOME 4-1-1など特別仕様のDOGMA F10シリーズが発売される。

DOGMA F10のマイヨジョーヌ仕様 photo: www.teamsky.com

2018年もツール・ド・フランスでスカイの活躍を支えたDOGMA F10、フルームとトーマスのダブルエース体制で挑んだツール・ド・フランスは、ゲラント・トーマスが初制覇を成し遂げた。トーマスが圧巻の走りでマイヨジョーヌを確実にしたラルプデュエズの第12ステージ、シャンゼリゼに凱旋したときに乗っていた記念すべきイエローバイクなど、スペシャルエディションを発売。日本でも購入できる。

DOGMA F10はTORAYCA T1100G 1K ナノアロイカーボンファイバーを使用し、エアロダイナミクスを追求しながらも、フレームの重量を6.5%軽減し、剛性は7.1%アップしている。

マイヨジョーヌのゲラント・トーマス(左)とクリストファー・フルーム photo: www.teamsky.com

スカイはこのDOGMA F10だけでなくステージに応じてフレームを使い分けた。厳しい山岳ステージではDOGMA F10 Xlight、パリ〜ルーベを彷彿させる石畳ステージではDOGMA K10-S eDSSやDOGMA K10を使用し、圧倒的なパフォーマンスを見せつけた。その結果、2018年はトーマスが初の個人総合優勝に輝き、ピナレロはツール・ド・フランス14勝目を獲得することになる。

今回の各スペシャルエディションは、DOGMA F10、DOGMA F10 DISK、DOGMA F10 Xlightの3モデルを選択することが可能。

YELLOW TDF 2018

DOGMA F1 YELLOW TDF 2018

415 – YELLOW TDF 2018 – DOGMA F10 フレームセット:76万円(税別)
417 – YELLOW TDF 2018 – DOGMA F10 Disk フレームセット:78万円(税別)
416 – YELLOW TDF 2018 – DOGMA F10 XLight フレームセット:98万円(税別)
写真は選手の実車で、発売されるフレームセットのデザインとは細部が異なり、手書きのサインは入らず。
トーマスのイエローバイクに装着されていたMOST TALON AERO Di2のイエローバージョンも同時発売

ハンドルバーは限定なのでイエローフレームを注文の際に忘れず同時注文すべき

BLACK TDF 2018

DOGMA F10 BLACK TDF 2018

418 – BLACK TDF 2018 – DOGMA F10 フレームセット:68万円(税別)
420 – BLACK TDF 2018- DOGMA F10 Disk フレームセット:70万円(税別)
419 – BLACK TDF 2018- DOGMA F10 XLight フレームセット:90万円(税別)
※写真は選手の実車で、発売されるフレームセットのデザインとは細部が異なる場合がある。

FROOME 4-1-1 Edition
そして、2回目の休息日にお披露目され、ツール・ド・フランス終盤でフルームが乗っていた、グランツールで6勝したことを記念したFROOME 4-1-1 エディションも同時発売。

DOGMA F10 FROOME 4-1-1 Edition

411 – FROOME 4-1-1 – DOGMA F10 フレームセット:68万円(税別)
413 – FROOME 4-1-1 – DOGMA F10 Disk フレームセット:70万円(税別)
412 – FROOME 4-1-1 – DOGMA F10 XLight フレームセット:90万円(税別)
※写真は選手の実車で、発売されるフレームセットのデザインとは細部が異なる場合がある。

フロントフォークにはツール、ブエルタ、ジロのグランツールで計6勝を修めたことを表すイエロー、レッド、ピンクのラインが入る。トップチューブにはフルームのキャラクターであるライノ(サイ)のイラストと、勝利を修めたツール4勝、ブエルタ1勝、ジロ1勝の記録が誇らしく記されている。

⚫関連ニュース

ゲラント・トーマスがツール・ド・フランス初制覇…アシスト役がエースに

⚫最新ニュースへ

8人の計測スタッフが毎日16時間…ティソがツール・ド・フランス全日程に帯同

ツール・ド・フランスは全日程を走って最も所要時間が少なかった選手が総合優勝となる競技。記録の集計は栄冠の行方を左右するだけに重要だ。さらには世界180カ国に放送されるだけに、実況者に瞬時に着順を提供するシステムも欠かせない。大会を支える公式タイムキーパー「ティソ社」の最新システムをチェックした。

ツール・ド・フランスのゴール地点には最新機材が多数設置されている

大集団のゴールでも一瞬で順位を判別
各ステージのゴールタイムと着順は最先端の写真判定機・選手のフレームに搭載されたセンサーをゴールゲートの読み取り装置で収集し、各選手が何位で何秒でゴールしたのか、高精度にそして瞬時に判定する。このデータは世界各国のテレビ実況者の手元にすぐに表示されるようになっていて、暫定記録として生中継の実況コメントに活用できるようになっている。

選手の着順決定は連続画像を確認しながら審判と計測スタッフが協力して行う

記録の正確性を維持するために多くの最先端の技術システムを必ず2つ配置して、どちらかの不具合があった場合のバックアップ体制は欠かせない。電子計測と写真判定を併用するのも精度を高めるための技術だ。ゴールラインを通過した選手のフレームにつけられたトランスポンダーという機器から発信された信号をゴールラインの受信機読み取る。コンピュータシステム上に識別した選手の順位がリストアップされ、あっという間に選手の着順と所要時間が分かるという仕組みだ。

クロノポールはゴールの特等席だ

ただしこれは暫定順位。トランスポンダーが取りつけられているフレームの位置が選手によってまちまちだからだ。ルール上は前輪の先端がゴールラインを通過した順に順位が与えられる。そこで登場するのが写真判定機。ゴールラインを斜め上から撮影するカメラがあって、毎秒1万枚を連続撮影する。選手の着順はミリ単位で判別できるので、肉眼で判断できない接戦でも優劣が特定できるという。

毎秒1万枚の連続撮影が可能なカメラ

 
ゴール横のクロノポールで作業を進行
ステージ優勝や各賞の得点配分が関わる着順は、ゴール横に設営された「クロノポール」と呼ばれるブースで8人の計測スタッフが管理。自転車競技のコミッセール(審判)と共同で確認しながら最終的な着順を決定していく。大勢に影響のない大集団中盤以降の着順はセンサーによって自動判定。これによって極めて短時間で正式記録が全世界に配信されるというわけ。

ゴールタイムは1000分の1秒まで計測されるが、自転車競技ルールによってコンマ以下のタイムは切り捨て。そして同じ集団でゴールした選手は先頭選手のタイムがすべての選手に与えられるという自転車競技の特性もある。最終的には人間が成績を確定させるのだが、最新システムがあるからこそ、全日程にわたって滞ることもなく成績が発表されていく。

ゴール横のクロノポールで8人の計測スタッフが働く

タイムトライアルの際は有力選手のマシンにトランスポンダーを搭載。途中計測ポイントだけでなく、コース途中の通過ラップをすべて取得することで、例えば総合1位と2位のタイム差の変化を生中継の画面上に表示することが可能に。そんな最新システムがあるから、視聴者は刻々と変わるタイム差にハラハラできるのだ。

計測スタッフの実働時間は1日なんと16時間。中間スプリントポイントの計測もあり、ゴール班とは別の動きをする。3週間以上にわたって3500kmの旅をしながら時間を記録し続けるという、重要でありハードな業務だ。沿道のファンやテレビの前の視聴者、SNSでレース展開をチェックする人たちのために、選手とともにフランス一周の旅を続けていく。

公式タイムキーパーが集計したデータはテレビ各社に瞬時に情報提供する

🇫🇷2018ツール・ド・フランス特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス関連ニュース一覧
⚫最新ニュースへ

フランス観光開発機構が「#窓から見たフランス」キャンペーン

フランス観光開発機構が「#窓から見たフランス」キャンペーンと題し、窓の向こうに広がるとっておきのフランスの風景写真の投稿を募集している。窓だけでなく、建物の開口部からのぞいた風景ならなんでもOK。前面に窓枠や開口部を入れた構図の画像を募集している。

フランス観光開発機構の公式インスタ@francefr

撮影場所を記載し、#FranceFromaWindow #FenêtreSurMaFrance #FranceFR @francefr をタグ付し、Instagramに投稿する。ステキな画像は同機構の公式インスタ@francefrがシェアしてくれる。

中央山塊の小さな町にあったホテルにて © PRESSPORTS #FranceFromaWindow #FenêtreSurMaFrance #FranceFR @francefr

⚫関連ニュース

中央山塊の激坂をなんとかしのいだのでこの日は自分にごほうび

⚫最新ニュースへ

ツール・ド・フランスはパリまでたどり着けなければ最下位にだってなれない

ツール・ド・フランス取材者日記最終回。
その昔、列車は夜になると前後にランタンの明かりを点したという。最後尾につけるのは赤色のランタンで、いわゆるテールランプのことだ。フランス語では「ランタンルージュ」と呼ばれている。ツール・ド・フランスでランタンルージュといえば最後尾、つまり個人総合成績で最下位の選手のことだ。例年シャンゼリゼに凱旋する最終ステージのスタート前に、ちょっとした伝統行事が行われる。最下位選手が赤いランタンを持たされてカメラマンのポーズに応じたりするのだ。

シャンゼリゼに選手たちが到着した瞬間を見計らってフランス空軍が凱旋門からコンコルドにかけて飛行 © ASO

ツール・ド・フランスでは最下位だってある意味で勲章だ。遅れたのにはちゃんとした理由がある。エースのために全力で集団を引っ張って体力を使い果たしたとか、ホイールを提供して道ばたでたたずんでいたとか。つまりある意味できっちりと仕事をしなくちゃ遅れないのだ。

そして決定的なことには、シャンゼリゼにたどり着かなければ最下位には絶対になれないということ。つまり最下位はリタイアじゃなくて完走だ。選手にとってシャンゼリゼに到着することが、ひとつの大きな勲章であり、カメラマンにランタンルージュを持たされてポーズを取ったりしていても、その心の中はまばゆいばかりの自尊心がきらめいている。

1836年7月29日、ナポレオンの命によって建設されたエトワール凱旋門が完成した日、英国のゲラント・トーマスが凱旋 © ASO

1987年に東京中日スポーツ派遣記者として全ステージを追いかけるようになり、毎日欠かさず送稿したのが現地の取材者日記「マイヨノワール」だ。ツール・ド・フランスではないが、かつて最下位選手が着させられた黒いジャージをイメージして、先代の担当デスクがつけてくれた表題だ。

ツール・ド・フランス最終日はシャンゼリゼで選手たちのゴールを見届けたあと、ボクはたいていメトロで6駅離れたプレスセンターまで徒歩で戻って最後の原稿を打つ。あらかた書き上げたころには他の記者はほとんどいない。パリのゴールはいつも最下位。たまたま着ていた黒いジャケットがあたかもマイヨノワールみたいだ。(終わり)

マイヨジョーヌのトーマスを祝福するフルーム © ASO

第20ステージの記者日記

🇫🇷2018ツール・ド・フランス特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス関連ニュース一覧
⚫最新ニュースへ

ゲラント・トーマスがツール・ド・フランス初制覇…アシスト役がエースに

スカイのゲラント・トーマス(英国)が23日間の日程で開催された世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスで初めて総合優勝を達成した。7月7日に開幕した105回大会は、チームメートに4年連続5度目の優勝を目指すクリストファー・フルーム(英国)がいるため、トーマスはアシスト役だった。しかし序盤から常に上位でゴールする安定感を見せ、着実にトップ3に与えられるボーナスタイムを獲得。アルプスの第11ステージで優勝して首位に。終盤戦でフルームからエースの座を譲られた。

マイヨジョーヌを死守したゲラント・トーマス © ASO

総合2位はサンウェブのトム・デュムラン(オランダ)。総合3位はフルーム。パリ・シャンゼリゼにゴールした7月29日の最終ステージはUAEエミレーツのアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)が4年ぶり3度目のステージ優勝。

マイヨジョーヌを死守したトーマス(2番目)、その後ろがフルーム
ツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを獲得したゲラント・トーマスを祝福するフルーム

ポイント賞のマイヨベールはボーラ・ハンスグローエのペテル・サガン(スロバキア)で、大会最多タイとなる6回目の受賞。山岳賞のマイヨブラン・アポワルージュはクイックステップフロアーズのジュリアン・アラフィリップ(フランス)。新人賞のマイヨブランはAG2Rラモンディアルのピエール・ラトゥール(フランス)。チーム優勝はモビスター。

世界チャンピオンのアルカンシエルで表彰式を待つペテル・サガン © ASO
山岳賞ジャージのアラフィリップ © ASO
新人賞のピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアル) © ASO

🇫🇷2018ツール・ド・フランス特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス関連ニュース一覧
⚫最新ニュースへ

この最高に気持ちいい瞬間が体感できるのも最後かな

ツール・ド・フランス取材者日記第20ステージ。800km以上離れたパリへの移動だが、この日のために摂取する栄養と疲労回復のための睡眠を十分にとることを心がけたので、それほど大変ではありませんでした。それでも最高速度制限130kmを何時間も維持するのは相当のストレス。とにかく無事に最終到着地まで走ればいいので、速度は抑えめで、フランス人運転のクルマに抜かれまくります。

フランスの空は広い!

200km地点でボルドーへ。高速道路が渋滞しているようでGPSで市街地を通る指示に従って街中を走る。ようやく高速に乗った先で料金所の渋滞があるようで、ここで一般道へ。ところがボルドーからポワティエまでまっすぐに行くN国道があるんですね。2車線で最高速度は110km。日本の高速道路のようで、こっちのほうがボクには適していました。もちろん無料。

こうして土曜日の夜は、かつて開幕地になったり、最終日前日の個人タイムトライアルが行われた未来都市フチュロスコープへ。ネット予約サイトで直前に安価で1部屋が売りに出ていたので予約しました。身障者用にシャワールームがバリアフリーになったお部屋ですね。

パリまでの809kmはさすがに途中のポワティエ郊外で1泊

今回のツール・ド・フランス取材の旅も、この日がフランスの田舎で過ごす最後のひととき。夕食後、太陽が沈みかけるまで外で乾いた空気を感じるために散歩に出かけました。あー、この気持ちいい瞬間が体感できるのも今年は最後で、これからあと何回味わえるんだろう。

今年は結構グッスリと睡眠でき、朝も毎日ジョギングでその町の魅力を堪能。そして最後の日の朝もパリまでの残り330kmを走りきってゴールしました。

パリに到着。いつもの路上パーキングにクルマを駐めてジュシザリベ!

第19ステージの記者日記     第21ステージの記者日記

🇫🇷2018ツール・ド・フランス特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス関連ニュース一覧
⚫最新ニュースへ