ルバが一時バーチャルリーダーとなる攻めの走り…ツール・ド・ランカウイ第7ステージ

マレーシアで開催されているアジア最高峰のステージレース、ツール・ド・ランカウイは3月24日、第7ステージが行われた。今大会最長の222.4kmのレースでキナンサイクリングが攻めのレースを展開。トマ・ルバが一時バーチャルリーダーとなったほか、サルバドール・グアルディオラもレース中盤から先頭集団に入ってルバをサポート。他選手の逃げ切りが決まってしまい、ルバの個人総合は9位に下がったが、アグレッシブな走りがレース全体を活性化させるきっかけとなった。

©︎ KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

名峰キャメロンハイランドを上った第5ステージ、今大会最短の108.5kmで争われた第6ステージに続くは、この大会で最も長い200km超えのロングステージ。それにふさわしく、序盤から細かなアップダウンが連続し、サバイバルが予想されるコースレイアウトが用意された。カテゴリー山岳は4級のみながら、中盤までに7カ所を上る。その後は、フィニッシュまで約110kmの平坦基調を走るが、マレーシア特有の暑さやここまで6ステージをこなしてきた消耗度合いによっては、展開に大きな変化があったも不思議ではない。

キナンチームは、ここまでルバが個人総合6位につけ、マルコス・ガルシアが同12位と続く。前日の第6ステージは出走5人全員が次々と逃げ狙いのアタックを繰り出したが、厳しいチェックもあり先行するまでには至らず。それでも、残る2日間も引き続き攻撃的な姿勢を緩めず、チャンスをたぐり寄せるべくスタートラインに並ぶ。

レースはまず山本元喜と中西健児の2人が積極的に前方をうかがう。繰り返し訪れる山岳での攻撃ではグアルディオラも加わり、大人数での逃げグループ形成を狙う。プロトン全体での思惑が交錯し、しばらくは出入りの激しい状況が続いた。

均衡が破られたのはスタートから80km過ぎ。グアルディオラを含む大人数の逃げが形作られると、ここに次、また次と力のある選手たちが加わり、最大で36人もの先頭グループとなる。やがて人数が絞られていくなか、100km地点を過ぎたところで今度はルバがメイン集団からアタック。先頭グループへの合流に成功したことで、前方で待つ格好となったグアルディオラとの数的有利な形勢とした。

先を急ぐルバとグアルディオラたちのグループに対し、個人総合上位陣は後方の集団に位置。2分以上のリードを得たことで、総合トップから1分8秒でスタートしたルバがバーチャル総合リーダーに立った。

だが、残り100kmを切ったところから総合上位陣が含まれる追走グループが生まれると、徐々に先頭とのタイム差を縮めていく。追う側と逃げる側双方の気迫がぶつかる争いは、残り約30kmを迎えたところで、追い上げた総合上位陣の合流によってふりだしに戻った。

この直後に10人がアタックし抜け出すと、ルバとグアルディオラは他の総合上位陣とともに追いかける形に。しかし、タイム差は広がる一方。結局、この10人の逃げ切りが決まり、ルバとグアルディオラはトップから1分28秒差のメイン集団内でフィニッシュを迎えた。

逃げ切ったメンバーの中に、総合上位に肉薄していた選手が数人含まれていたことから、このステージを終えてルバの個人総合は9位に下がった。また、同12位でスタートしたガルシアが胃腸のトラブルで途中リタイア。3位につけていたチーム総合も9位となり、総合各賞の観点からは厳しい1日となった。

かたや、繰り返しやってくるアップダウンや気温40度近い暑さの中でのレースにあって、キナン勢の動きがサバイバルな展開につながった部分も見逃すことはできない。世界の名だたるチームが出場するハイレベルな大会で、攻撃的姿勢を見せることができた点では大きな収穫ともいえそうだ。

アジアが世界に誇るステージレースは翌25日、いよいよ2018年大会の最終日を迎える。最後を飾るべく、マレーシアの首都クアラルンプールを目指して走る。距離は141.1kmで、スプリントポイントと4級山岳がそれぞれ3カ所ずつ控える。クアラルンプール市内に入ってからは、一度フィニッシュラインエリアを通過したのち、市街地を一周回したのちフィナーレ。この周回コースは山岳ポイントこそつかないものの、最大勾配14.2%を筆頭に10%前後の登坂が繰り返し登場。さらには、距離こそ短いものの驚異の勾配39.3%の下りも選手を待ち受ける。ステージ、総合ともに最後の最後まで勝負の行方は分からない、ドラマを生み出すルートが整えられた。

キナンはルバ、グアルディオラのほか、山本と中西も最終の第8ステージに駒を進めている。この大会を通じて続く強気のスタンスを最後まで貫く構えだ。

ツール・ド・ランカウイ第7ステージ結果(222.4km)
1 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク) 5時間8分23秒
2 ユーゲルト・ジューパ(アルバニア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) +0秒
3 ルスラン・トルウバイエフ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
4 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング)
5 ジェイコ・フェンター(南アフリカ、ディメンションデータ)
6 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
22 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分28秒
38 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
51 山本元喜(KINAN Cycling Team) +14分50秒
104 中西健児(KINAN Cycling Team) +20分12秒
DNF マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 28時間56分20秒
2 ルカシュ・オウシャン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ) +28秒
3 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +32秒
4 ジュゼッペ・フォンツィ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) +57秒
5 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ) +59秒
6 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) +1分0秒
9 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分8秒
26 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
103 山本元喜(KINAN Cycling Team) +58分7秒
104 中西健児(KINAN Cycling Team) +1時間4分34秒

ベストアジアンライダー
1 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) 28時間57分22秒
44 山本元喜(KINAN Cycling Team) +57分5秒
45 中西健児(KINAN Cycling Team) +1時間3分32秒

スプリント賞
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 55pts
18 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 11pts

山岳賞
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 40pts
11 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts

チーム総合
1 ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア 86時間52分23秒
9 KINAN Cycling Team +15分9秒

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
最後の2日間でどれだけトライできるかを考えている。今日はそれが成功するまであと少しだった。長距離と暑さの中でのステージで、サルバドールとできる限りのことをやった。まあ、これがサイクリングというものだね。もちろんここまでの走りはポジティブにとらえている。挑戦を続けることが大事だし、それをせずに終えるわけにはいかない。しっかり体を休めて最後の1日に臨む。

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トマ・ルバがキャメロンハイランドで区間5位…ツール・ド・ランカウイの最難関

マレーシアで行われているアジア最大級のステージレース、ツール・ド・ランカウイは3月22日に第5ステージを実施。今大会のクイーンステージと目された超級山岳キャメロンハイランドの頂上を目指したレースで、キナンサイクリングはトマ・ルバがステージ5位フィニッシュ。個人総合で6位としたほか、チーム総合でも3位に浮上。好ポジションで残る3ステージに進むこととなった。

キャメロンハイランドに区間5位でゴールしたトマ・ルバ(左) ©︎ KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

マレー半島をめぐる戦いは折り返しを過ぎ、後半戦へと突入。平坦ステージが多くを占める今大会にあって、唯一の山岳ステージがこの日に設けられた。内陸のベントンをスタートして北上。フィニッシュはアジアの名峰ともいわれるキャメロンハイランド。この大会では数々の名勝負が生まれた地で、新たな歴史が刻まれることとなった。

スタートからしばらくは平坦区間。3カ所のスプリントポイントを通過したのち、山岳地帯へと入っていく。以降は約50kmにわたって上りが続く。158km地点に1級山岳が設定され、さらに約11km上ってキャメロンハイランドへと到達する。フィニッシュ地点は標高1430m。上りにはときおり10%近い勾配も待ち受けており、完全クライマー向けのコースレイアウト。

キナンは前日の第4ステージまでを終えてルバが個人総合8位につける。トップとは1分27秒差。さらに3秒差に多くの選手がひしめいていて、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラもこの中に含まれている。

迎えたレースは、この日最初のスプリントポイントのある27.1kmまでは逃げが容認されなかったが、これを通過後に6人が逃げを開始。キナン勢はこの動きを見送り、メイン集団内でレースを進める。逃げグループとのタイム差は約3分を境に縮小傾向となっていく。

平坦区間では淡々と進行したが、山岳に入り動きが激しくなる。逃げグループは人数を減らしながらも粘る一方で、メイン集団でも1級山岳の上りでアタックが次々と発生し、ルバがこれに乗じる。集団から飛び出した1人を、ルバを含む8選手が追いかける展開となる。やがて逃げていた選手たちは脱落。総合争いにつながる勝負がいよいよ本格化した。

ルバらの追走グループは懸命にペースを上げるが、先頭との差は1分30秒前後で推移。結局、その差は大きくは変動せず、独走を許すこととなった。

そしてルバたちも上位進出をかけて激しいつばぜり合い。最終局面はアタックの応酬から数十秒ごとの間隔で次々とフィニッシュへとなだれ込む形となり、ルバはトップから1分1秒差の5位でこのステージを終えた。

ルバに続き、ガルシアが1分19秒差の11位。この2人を前方へと送り出したグアルディオラが2分20秒差の32位。落車に見舞われながら、集団復帰しアシストをこなした中西健児、上りの入口までルバらのケアに努めた山本元喜もそれぞれグルペットで走り切っている。

このステージの結果が総合成績に大きく反映され、チーム最上位のルバが総合で2つ順位を上げて6位に浮上。トップとは1分8秒差。ガルシアが12位、グアルディオラは27位で続く。各ステージのチーム内上位3選手のフィニッシュタイム合算によって順位づけられるチーム総合では、この3人の走りが奏功し3位にジャンプアップしている。

23日に行われる第6ステージは、タパー(Tapah)をスタートし、タンジュン・マリム(Tanjung Malim)にフィニッシュする、今大会の最短ステージの108.5km。中盤までは平坦が続くが、67.3km地点にこのステージ唯一の上りとなる1級山岳が登場。その後は再び平坦区間となる。キナン勢としては残る3ステージでルバを中心とした個人総合、そしてチーム総合と、順位を上げるべくトライを続けることになる。第6ステージは、その足がかりとなるポイントの1日となりそうだ。

ツール・ド・ランカウイ第5ステージ結果(169.4km)
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 4時間24分29秒
2 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +28秒
3 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) +55秒
4 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) +1分1秒
5 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
6 アルバロラウル・ドゥアルテ(コロンビア、フォルカアムスキンズレーシング) +1分2秒
11 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分19秒
32 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分20秒
87 中西健児(KINAN Cycling Team) +15分49秒
105 山本元喜(KINAN Cycling Team) +24分18秒

個人総合時間
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 21時間21分34秒
2 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +32秒
3 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ) +59秒
4 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) +1分1秒
5 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) +1分7秒
6 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分8秒
12 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分29秒
27 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
114 山本元喜(KINAN Cycling Team) +44分45秒
115 中西健児(KINAN Cycling Team) +45分50秒

ベストアジアンライダー
1 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) 21時間22分41秒
50 山本元喜(KINAN Cycling Team) +43分38秒
51 中西健児(KINAN Cycling Team) +44分43秒

スプリント賞
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 43pts
14 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 11pts

山岳賞
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 40pts
10 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts
20 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 2pts

チーム総合
1 トレンガヌサイクリングチーム 64時間7分41秒
3 KINAN Cycling Team +2分11秒

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
ステージ優勝した選手がただただ強かった。1つ目の山岳からアタックを繰り返して、とにかく前を追ったが、彼はとても速かった。個人としては全力を尽くしたし、結果にも後悔はしていない。マルコスやサルバドールとは今シーズン初めて一緒のレースに臨んでいるが、互いに意見を出し合って走ることができている。今日も連携はよかった。残る3ステージについては、できることを繰り返していくだけだ。体調も日々よくなっていて、走りの感触も問題ない。この先に控えるレースにも確実につながっていくと思っている。

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トマ・ルバが総合8位に浮上して最難関へ…ツール・ド・ランカウイ

マレーシアで開催中のツール・ド・ランカウイは3月21日に第4ステージが行われ、日本から参戦しているキナンサイクリングは終始メイン集団でレースを展開。トマ・ルバを筆頭にマルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラと集団でフィニッシュしている。個人総合ではルバが前日までの10位から2つ上げて8位に浮上。好位置につけて翌日のクイーンステージ(最難関)を迎える。

ツール・ド・ランカウイ第4ステージ ©︎ KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

全8ステージで争われる大会は中盤戦へ。前日に引き続き、マレーシア東岸の南シナ海を見ながら南下する177.6km。前半に唯一のカテゴリー山岳となる1級の上りが控えるが、その後は平坦。海沿いのルートはときおり強い風が吹き、これがレース展開を左右することも考えられた。

キナンは前日の第3ステージでルバが序盤に形成された逃げグループに入り、2カ所の中間スプリントポイントを上位通過。合計3秒のボーナスタイムを獲得し、個人総合で10位に浮上。ガルシア、グアルディオラも安定して走っているほか、山本元喜と中西健児の日本人ライダーもアシストとして貢献している。

レースは序盤、逃げ狙いのアタック合戦にキナン勢も参加。チャンスをうかがうが、大人数の逃げは容認されず、やがて先行した6人が集団に容認される。キナン勢はこれに加わらず、メイン集団でレースを展開することとなった。

その後のメイン集団は、スプリンターを擁するチームを中心にペースをコントロール。逃げグループとのタイム差を見ながら、淡々と進行。キナン勢は海から吹く風に対応すべく、中西が風よけに立ち、隊列を組んで走っていく。

タイム差が約5分となったのを機に、メイン集団は徐々にペースアップ。ポジション争いが激しさを増していく。フィニッシュまで残り20kmとなったあたりからは横風を利用しての集団分断を狙うチームが現れ、プロトンと呼ばれるメイン集団は人数が絞られていく。キナン勢はルバ、ガルシア、グアルディオラが集団でのポジションを確保し、役目を終えた中西と山本は後方へと下がった。

集団は終盤に入り逃げていた選手を全員吸収。そのままスプリント勝負によるステージ優勝争いとなった。集団では残り5km付近で落車が発生したが、キナン勢3人は巻き込まれることなく、そのままフィニッシュへ。グアルディオラがチーム内最高位の19位となった。また、山本と中西もグルペット内でレースを終え、出走5人全員が次のステージへと進んでいる。

個人総合争いで上位につけていた一部選手がリタイアした関係から、ルバが2つ順位をジャンプアップ。個人総合8位とした。ガルシア、グアルディオラもここまで好位置につけている。

翌22日はいよいよこの大会のクイーンステージ。アジアの名峰キャメロンハイランドの頂上にフィニッシュする169.4kmの第5ステージは、今大会のハイライトとなること必至。レース後半に入って上りが始まり、158km地点に1級山岳、そしてフィニッシュは超級山岳と難所が立て続けに待ち受ける。10%近い勾配の区間も次々と登場する完全クライマー向きのコースだ。このステージの結果が、個人総合争いに直結する可能性が高い。

ツール・ド・ランカウイ第4ステージ結果(177.6km)
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 4時間10分14秒
2 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +0秒
3 モハドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4 ルカ・パシオーニ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)
5 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク)
6 アラン・バナチェク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ)
19 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
40 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
41 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
113 山本元喜(KINAN Cycling Team) +4分42秒
114 中西健児(KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング) 16時間55分45秒
2 ニクモハドアズワン・ズルキフリー(マレーシア、フォルカアムスキンズレーシング) +14秒
3 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ) +22秒
4 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) +1分19秒
5 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF) +1分26秒
6 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
8 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分27秒
27 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分30秒
32 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
117 山本元喜(KINAN Cycling Team) +21分47秒
121 中西健児(KINAN Cycling Team) +31分21秒

ベストアジアンライダー
1 ニクモハドアズワン・ズルキフリー(マレーシア、フォルカアムスキンズレーシング) 16時間55分59秒
51 山本元喜(KINAN Cycling Team) +21分33秒
54 中西健児(KINAN Cycling Team) +31分7秒

スプリント賞
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 38pts
25 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 5pts

山岳賞
1 ベルナルドアルベイロ・スアザ(コロンビア、マンザナポストボンチーム) 19pts

チーム総合
1 ラリーサイクリング 50時間50分36秒
14 KINAN Cycling Team +1分9秒

中西健児

中西健児のコメント
スタートから体が動いていたので、何度か逃げにトライをしたが、望んでいた大人数の逃げが容認されず、前方でレースを進めることができなかった。それからはチームメートの風よけになりながら、集団の前方にポジショニングしていた。集団内でのポジション争いが激しくなっていく中で、ポジションを下げてしまい、分断したときにそのまま後ろになってしまった。本来は我慢をして集団に残ってアシストをしないといけなかった。UCIワールドチームやプロコンチネンタルチームがそろうレースにあって、レベルの高さは感じているが、暑さも含めて対応していかないといけない。明日(第5ステージ)は得意の上りなので、そこでしっかりと仕事をしたい。

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ツール・ド・ランカウイ第3Sでボーナスタイム獲得のルバが総合10位に

マレーシアを舞台に行われているアジア最大級のステージレース、ツール・ド・ランカウイは3月20日、距離166kmで第3ステージが行われた。キナンサイクリングは序盤に形成された逃げグループに加わったトマ・ルバが中間スプリントでボーナスタイムを合計3秒獲得。個人総合成績で10位とし、トップが見える位置へと浮上している。

ツール・ド・ランカウイで総合10に浮上したキナンのルバ ©︎ KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

前日の第2ステージでは、ペースの変化が激しかった中でルバ、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラの3選手が先頭集団でフィニッシュ。今後本格化すると予想される個人総合争いを視野に入れながら、ここまで走ることができている。連日気温40度近い暑さの中でのレースとなっているが、徐々に環境にも適応している。

第3ステージは南シナ海沿いを南下するルートで、山岳ポイントが設けられておらず、終始フラットなコースレイアウト。最後は同国東岸の主要都市であるクアラトレンガヌの街へとフィニッシュする。ラスト3kmはテクニカルなコーナーが数カ所待ち受けていて、フィニッシュに向けてスピードが上がる中でトラブルに注意が必要となる。

レーススタート直後のアタックにキナン勢も果敢に加わる。15km地点までに9人が先行を開始。この中にルバが入り、メイン集団との差を着実に広げていく。

20.6km地点に設定されたこの日1つ目のスプリントポイントでルバが2位通過。まずボーナスタイム2秒を獲得する。そのまま9人が先を急ぎながら進み、やがて51.3km地点にある2つ目のスプリントポイントへ。ここでルバが3位通過で、さらに1秒のボーナスタイムをゲット。計3秒のボーナスを得たルバは、この先の戦いを見すえて逃げグループを離脱。消耗する前にメイン集団へと戻った。

その後の集団は積極的にコントロールするチームが現れず、逃げグループとの差は最大で6分40秒にまで広がる。これを境に少しずつタイム差は縮まっていくが、射程圏内にとらえるまでには至らない。そんな中、集団でアシストに従事していた中西健児にバイクトラブルが発生。残り30kmを切った直後のタイミングとあり、集団もフィニッシュに向かってペースアップしている状況。バイクを交換して再出発した中西だったが、あと一歩集団に戻ることができなかった。

ステージ優勝争いは逃げ続けたメンバーの勝負となり、キナン勢が含まれたメイン集団はトップから1分19秒差でのフィニッシュ。これにともない、総合成績もシャッフル。ボーナスタイムが生きたルバは大きくジャンプアップし、個人総合10位に浮上。首位から1分27秒差としている。

その他キナン勢は、ガルシアとグアルディオラがメイン集団で終えたほか、終始ボトル運びなどアシストをこなした山本元喜、終盤は単独走となった中西もフィニッシュし、次のステージへと駒を進めている。

翌21日の第4ステージは、ドゥングン(Dungun)からペカン(Pekan)までの177.6km。引き続き南シナ海を見ながら南下していく。前半に唯一のカテゴリー山岳となる1級の上りが控えるが、その後は平坦。海からの風がレース展開を左右する可能性もあるだけに、決して気を抜くことができない1日だ。

ツール・ド・ランカウイ第3ステージ結果(166km)
1 アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング) 3時間58分18秒
2 キム・デヨン(韓国、KSPO・ビアンキアジアプロサイクリング) +13秒
3 ニクモハドアズワン・ズルキフリー(マレーシア、フォルカアムスキンズレーシング)
4 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ)
5 アヌアル・マナン(マレーシア、フォルカアムスキンズレーシング) +1分19秒
6 エリック・ヤング(アメリカ、ラリーサイクリング)
41 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
43 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
50 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
109 山本元喜(KINAN Cycling Team) +3分39秒
125 中西健児(KINAN Cycling Team) +13分13秒

個人総合時間
1 アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング) 12時間45分31秒
2 ニクモハドアズワン・ズルキフリー(マレーシア、フォルカアムスキンズレーシング) +14秒
3 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ) +22秒
4 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) +1分19秒
5 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク) +1分24秒
6 ソー・ジュンヨン(韓国、KSPO・ビアンキアジアプロサイクリング)
10 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分27秒
35 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分30秒
40 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
116 山本元喜(KINAN Cycling Team) +17分5秒
125 中西健児(KINAN Cycling Team) +26分39秒

ベストアジアンライダー
1 ニクモハドアズワン・ズルキフリー(マレーシア、フォルカアムスキンズレーシング) 12時間45分45秒
50 山本元喜(KINAN Cycling Team) +16分51秒
56 中西健児(KINAN Cycling Team) +26分25秒

スプリント賞
1 キム・デヨン(韓国、KSPO・ビアンキアジアプロサイクリング) 27pts
22 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 5pts

山岳賞
1 ベルナルドアルベイロ・スアザ(コロンビア、マンザナポストボンチーム) 19pts

チーム総合
1 ラリーサイクリング 38時間19分44秒
14 KINAN Cycling Team +1分19秒

山本元喜

山本元喜のコメント
30度台後半の気温でも多少涼しく感じられるようになっていて、暑さに慣れてきていることを実感している。ただ暑いことには変わりないので、レース後半の集中力が課題となりそうだ。大会前はベストアジアンライダーや、総合上位に入ってのUCIポイント獲得を狙っていたが、第2ステージで暑さとレース展開に対応できず、あきらめざるを得ない形になった。ねらいをステージ優勝に切り替えて、ターゲットとするステージを定めて走りたい。あとはアシストとしてもチームに貢献したい。
一度トマが入っていた逃げグループがそのままステージ優勝争いとなったが、いまからリーダージャージを手にして、残るステージでそれを守り切れるかどうかは分からない。暑さやレースバリューを考えると、決して簡単ではないと思う。(他チームと比較して)1人少ない状況も含めて、自分たちはもう少し追う立場であってもよいかなと感じている。

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