ユンボ・ビスマのワウト・ファンアールト(ベルギー)が写真判定のゴール勝負を制して初優勝。同チームはチームタイムトライアルを含めて今大会4勝目。首位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)はタイム差なしでゴールしてマイヨジョーヌを守ったが、総合3位につけていたフランス期待のティボー・ピノ(グルパマFDJ)は1分40秒遅れとなり、総合優勝争いから後退した。
横風で集団が分断しピノが1分40秒遅れ…優勝争うから後退
いつものツール・ド・フランスは7月第1週の土曜日に開幕し、翌週の日曜日まで9ステージを走って休息日となる。ところが今回は異例の10連続ステージ。アルビが休息日を含む3日間のホスト都市を務めるためだが、選手にとっては身体を休めるタイミングが先送りになった。たった1日の違いだが、罠にはまったのがピノだ。
コースは起伏がちな中央山塊。加えて強い横風が吹くという状況だった。自転車競技において集団が分断する条件がこの日はそろっていた。
レース終盤になって、数を減らしてゴール勝負に持ち込みたいユンボ・ビスマ勢がペースアップ。そして総合優勝をねらうイネオス、アラフィリップを擁するドゥークニンク・クイックステップが先頭に立ってそのハイペースを維持する。
案の定、残り30kmで集団は3つに分かれ、ピノ、総合2位のジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)らが第2集団に取り残された。それを察知してイネオスがさらにペースを上げた。ピノはチームメート1人と必死で第1集団を追うが、これまでの疲れでキレがなく大きな遅れを取ることになった。ピノは結果的に2分33秒遅れの総合11位に陥落した。
「分断させる意図はなかったよ。ピノはチームメートと一緒にいたはずだし、横風のリスクも知っていた。できればタイムロスしてほしくなかったが、彼が遅れていることを知ったのは残り数kmになってからだ」とアラフィリップは弁明。
結果的に前半戦最後のステージで総合成績の上位が大きく動くことになった。イネオス勢は、連覇をねらうゲラント・トーマス(英国)が総合2位に、ダブルエースのエガン・ベルナル(コロンビア)が同3位に。マイヨジョーヌを射程距離に置いて大会を折り返すことに成功した。
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(イネオス、コロンビア)
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