キャバレーでもビーチでも! さすがラグビー強豪国フランス

フランス南西部のオクシタニー地方ではラグビー競技場で観戦する大きな試合の他に、友人たちや家族の中など、“ラグビー” の文化は、数多くの活動やイベントに姿を変えていたるところに存在している。オクシタニーでは、このスポーツを魅力的で親しみやすいものにし、大衆化するために、あらゆることが利用される。

キャバレー・ムーラン・デ・ロシュで演じられるハカ ©Moulin_des-Roches

新奇な世界キャバレーがラグビーの世界と出会う時

トゥールーズの入口にある有名キャバレー、ムーラン・デ・ロシュ(Moulin des Roches)で、レヴューショーのリーダーとフェザードレスを纏ったダンサーたちが、スタジアムの神のような選手たちと出会った! 村のラグビーマンたちを誇りに思うバー・レストラン “ノエ”(Noé)の元オーナー、アレックス・ボレ(Alex Borret)が、そこで忘れられないトワジエム・ミタンに居合わせた。

ラグビーを愛してやまず、1000枚近くのラガーシャツを集めたボレは2009年に亡くなるが、父の想い出が永続することを願い、その子どもたちが寄贈したヨーロッパ随一のコレクションとしてムーラン・デ・ロシュに展示されている。
●ムーラン・デ・ロシュ

キャバレー・ムーラン・デ・ロシュ ©Moulin_des-Roches

これもラグビー:ビーチラグビー、ウォーターラグビーにラグビー祭り

ラグビーを魅力的で親しみやすいものにし、大衆化するために、ビーチラグビーやウォーターラグビーが娯楽ラグビーの形で発達。そんなラグビーフェスティバルが毎年トゥールーズで開催されている。

グリュイサンのビーチラグビー ©Gruissan Tourisme

ビーチラグビー
ビーチラグビーは、15人制と13人制ラグビーから生まれた団体競技で、ビーチ、少なくとも砂の上で行われる。1チーム5人の2チームが対戦する。この競技は、より遊びの要素が強く、より参加しやすく、ルールがとても柔軟なので、ラグビー経験のあるなしに関わらず、全ての参加者のレベルに合わせることができる。

地中海の全ての海岸で行われているが、とりわけヴァルラス・プラージュ(Valras-Plage)とオード県(Aude)のグリュイサン(Gruissan)で盛んで、毎年7月には有名な大会が開催されている。

グリュイサン・ビーチラグビーは、“プチ・プランス”(星の王子様)のニックネームを持つ、元フランス代表でグリュイサン市長のディディエ・コドルニウが力を入れて開催している。この大会は、若年層、男女混成、女性、全てのチームに開かれ、あらゆる形、あらゆるレベルで、砂の上で競われ、ラグビーの価値を際立たせている。
●グリュイサン・ビーチラグビー

ル・フェストバル(Le Fest’ oval:楕円球フェスティバル:ラグビーの祭典)

トゥールーズのキャピトル広場にラグビー場。ラグビーの祭典、ラ・フェストバル ©Dominique Viet

年に一度、6月、フランス選手権トップ・キャトルズ(Top14)決勝の際、トゥールーズのキャピトル広場(la Place du Capitole)は、2023年ラグビーワールドカップを開催する、誇り高き“ラグビーの首都”を象徴するこのスポーツの、パッションと文化を分かち合うため、ラグビー場に変化する。

グリュイサンのビーチラグビー ©Gruissan Tourisme

ウォーターラグビー:世界唯一の大会
縦40m 横35m の、水上に浮いたプラットフォーム上で行われる、遊びのラグビーの一種であるウォーターラグビーは、1チーム5人の2チームが20分間対戦するが、トライを取る時は水に飛び込まなければならない。

その雰囲気は折り紙付き! 2019年大会は9月13日から15日にトゥールーズのガロンヌ川(Garonne)で行われたたが、セドリック・エマンス(Cédric Heymans)、エミール・ンタマック(Emile N’ tamack)、イマノル・アリノルドキ(Imanol Harinordoquy)、クリストフ・ドミニシ(Christophe Dominici)、ディミトリ・ヤシュヴィリ(Dimitri Yachivili)、ヴァンサン・クレール(Vincent Clerc)、ヤニック・ジョジオン(Yannick Jauzion)といったフランスラグビー界のかつての大物選手が集まった。
●ウォーターラグビー

●ツール・ド・フランス取材者日記「トゥールーズ…これほどまで魅力的な町だとは」

フランスのラグビーは前後半だけでなく第3ハーフがある

フランス南西部のオクシタニー地方はラグビーが盛んな地方で、2019年ラグビーワールドカップ日本大会に出場するフランスナショナルチーム37人(バックアップメンバー6人を含む)のうち、11人もの選手を送り出している。4年後の2023年はフランス大会で、同地のトゥールーズで試合が開催される。

くまモンとスタッド・トゥールーザンの仲良しツーショット © Stade_Toulousain、 © 2010 Kumamoto pref. Kumamon

オクシタニーのラグビーは、単なるスポーツにとどまらずこの地方の文化そのもの。ラグビーの情熱はこの地方において、ライフスタイルのあらゆるところに浸透している。現地での試合後に勝者と敗者が盃を酌み交わし、お祭り騒ぎをする「トワジエム・ミタン」(第3ハーフ、試合後のお祭りという意味)という習慣もそのひとつ。

アジャンのラグビー競技場 ©Dominique Viet
フランス政府の元閣僚で、現在はオクシタニー地域圏議会の議長を務めるキャロル・デルガさんがラグビーW杯に合わせて来日

ラグビー関連の店は多く、クラブグッズを販売する店はもちろん、元ラガーマンが経営するレストランやバー、ラグビーボール型のチョコレート、ラグビーを題材にしたキャバレーのレヴューなど多岐にわたる。

ラグビーは19 世紀末にフランスに伝わり、まずパリでその愛好者ができ、それから驚くほどの熱狂とともに、フランス南西部のあらゆるところへと普及していく。そしてこのスポーツは、オクシタニーの人々のライフスタイルや性格に見られる、地方特有の哲学にぴたりとはまり、重要なものとなった。

スタッド・トゥールーザンに所属する日野剛志 ©Stade toulousain

誇りとホスピタリティーの微妙なバランス、懇親性と陽気な精神、勇ましさと他者へのリスペクトがこの土地とマッチ。この地方でこのうえないスポーツとなったラグビーのために、オクシタニーのどこでも、それがどんな小さな村でも毎週日曜日、全ての世代、家族、友人、そして全ての社会階級どうしが集まるという。

数字で見るラグビー:完全にラグビーな地方!

トゥールーズのキャピトル広場でパブリックビューイング ©Dominique Viet

7万人以上の登録選手(フランス全体で32万8000人=2018年統計)が約400のクラブに分かれて所属するオクシタニーは、15人制ラグビーのフランスで1番の地方リーグ。また、毎年2万人の若い選手が、全域に数100あるラグビースクールのどこかでラグビーを始めている。

フランスで最もスポーツが盛んな地方(77.6%以上の住民がスポーツ活動を実践:2018年統計)であるオクシタニーにおいて、ラグビーは、サッカー、テニスとともに、最も競技人口の多いスポーツのトップ3を形成している。

ドラゴンズ・カタランズの優勝 ©Dragons Catalans

トップ14(フランス選手権1部)所属の3つのチームと、プロ D2(同選手権2部)の5つのチームがあるオクシタニーは、フランスで最も多くトップクラスのプロクラブが存在する地方となっている。

女子ラグビー
地方の3つのチームが、エリート・アン(1部リーグ)で、他の3つがエリート・ドゥ(2部リーグ)でプレーしている。現在スタッド・トゥールーザン所属のガエル・エルメ(Gaëlle Hermet)は、6ネーションズ2018年大会の時、女子フランス代表の元キャプテンを務めた。これらのチームがいい結果を出していること、そしてメディア露出が増えたことで、登録選手数が激増し、すでに80以上の女子チームが地方に存在している。

モンペリエ・エロリーリュグビー女子クラブ ©Stade toulousain

競技場外での観戦場所や試合後に盛り上がれる場所

トゥールーズのパブ ©OT Toulouse

「ラグビーは、前後半の2つではなく、3つのハーフにわたってプレーされるのだ。前半は熱意、後半は勇敢、その後は友愛」ルネ・クラボス(René CRABOS)元フランス代表
大きな試合の時には、オクシタニー地方の主要なラグビー都市では、トゥールーズのキャピトル広場(Place du Capitole)、モンペリエの市庁舎広場(Parvis de l’Hôtel de Ville)などに、大型スクリーンが設置され、安全なパブリックビューイング体験を存分に楽しめる。ラグビー愛好家の中には、店内で試合の放送を流す、やはり特有の雰囲気を持つバーを好む人もいる。

スタッド・トゥールーザン勝利の瞬間 ©Nathalie Casado – Agence d’attractivité Toulouse

●ツール・ド・フランス取材者日記「トゥールーズ…これほどまで魅力的な町だとは」
●フランス観光開発機構のホームページ

熱波のニーム。選手も大変だけど観客や警備員も心配なほど

ツール・ド・フランス取材者日記。この日はニームを発着とするステージでしたが、選手たちは首筋やヘルメットの中に冷却用の氷を入れるなどしてなんとか過酷なレースをしのぎきりました。この暑さの中を走るなんて人間業(わざ)ではありません。

ニームでのランチタイム

記者もカメラマンも関係者も本当に暑さとの戦い。サルドプレスは屋根の高い見本市会場ですが、こっちのそれというのは空調もなにもない倉庫のようなところです。ボクが一番入りしたときはまだ記者が少なかったので、なんとかここで仕事できるなと思ったんですが、ゴールが近くなってその数が多くなると、熱気と湿気がこもって気持ち悪くなりそうに。

近くのホテルに連泊しているという記者にお願いして、エアコンの効いた部屋に転がり込んだが、そこまでの日なたの道路を歩いて行くだけで倒れそうになりました。部屋に着いて、冷えたフロアに直接横になり、精神的に安定するまでちょっと時間がかかりました。

年齢を重ねるほど経験値が高まるためか楽しく取材できてきたと思っていたんですが、2019年はツラいです。体力は年々向上しているはずなのに、精神的に疲労困ぱい。ホテルの荷物忘れによる320kmの移動。3日間におよぶ視察団のアテンド。多少の要因はあるかも知れませんが、熱波による高温が激しい疲労感を誘発したかも。

ニームのサルドプレス。人が増えると蒸し暑くて仕事に集中できなくなった

30年前の初取材時は900人の記者の中でボクが一番の駆け出し。時を経てボクよりも年齢が高く、経験がある記者は両手ほどの数に。フランス社会は60歳の定年を迎えるとキッパリと仕事を辞める人が多いんです。さすがに60代でこの仕事は厳しすぎることもあります。

言い換えるとボクもあと4年で終わり方を考えなくちゃ。ただしアルプスに逃げ込めば快適すぎて、やめたくないなと考え直す気もするんですが…。

ニームのペルマナンス(大会本部)。移動オフィスだが観葉植物は欠かせない

暑さにやられてちょっとおつかれなので、来々軒へ。嗅覚で探しました。平日は2000円ほどで食べ放題なのがフランスの来々軒のデフォルト。

すべてのツール・ド・フランス関係者にとって過酷な日が続きます。日なたに長時間立っている警備員とか倒れないんだろうか? 翌日の高速を使った迂回路は280kmですが、ボクはモンバントゥーの南麓を通ってのんびり下道で行きますね。

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熱波襲来の予報。そして休息日はやっぱり疲れる

ツール・ド・フランス取材者日記。23日間の大会は国際規定によって定められた2日目の休息日へ。ボクが確信していることは、休息日って選手のためではなく、UCIコミッセールを含めてすべての関係者のためにあると思います。だって選手って、レースしない日があると調子が崩れるって言うし。

©ASO Thomas MAHEUX

ニームって暑いよねと言ったら「いつも暑いわよ」と言われた

充実して楽しかったピレネーから地中海沿岸を東に向かい、猛暑で知られるニームへ。日本でニームの観光局の人に会った時、「ニームって暑いよね」と軽く言ったら、「いつも暑いわよ」と言われました。それほどニームって暑いんです。しかもボクのホテルはさらに南のアルルです。

そしてこの日の移動距離が280kmであることに数日前に気づきました。大会全体地図を見たときに、2019年の休日は2日間とも大移動がなくてよかったなあと思いましたが、詳細地図で見るとそこそこあるんですね。最高速130kmの苦手な高速道路を使ってひたすら走ります。

気持ちいい朝の空気を満喫しながらテラスでごはん

さらに日本のサイトを見ていたら、時事通信のニュースに怖ろしいことが。

「フランスに過去最悪の熱波襲来へ」

フランスに過去最強クラスの熱波が襲来するそうです。いま南仏のど真ん中です。こわいよお…。わざわざエアコン付きのホテルにしたんですが、チェックインして部屋に入ってみると、ボクの部屋のエアコンは風しか出ません。

ホテルにチェックインしたとき、「○×が壊れているんでね、滞在税はなしにしておくよ」と言われ、それを理解しきれていなかったので「ヤター!」と喜んでしまいましたが、エアコンだったのね壊れてるのは。

フランスの天気予報で最高気温をチェックしてみたら、内陸部は40度。ニームはかなり南なのに地中海に近いからか32度くらいでした。ちょっと不安解消。だけどフランスにしては意外と湿度があり、窓を開けると蚊が入ってきます。

日中よりも夜の寝苦しさが不安です。あと2日でアルプスに逃げこめるんですが、アルプスも気温高そうです。

休息日になって疲れがたまっていることに気づきましたが、荷物の整理と書き終えてない原稿はルーティーン。ささいなもらいものですがプレゼントします。

ハンドルを握る腕が極度の筋肉痛なのでマイクロカレントでヒーリング

ツール・ド・フランス プレゼント第2弾!

●EルクレールのTシャツとカスケット(キャップ)のセットを1名に
競合ブランドのカルフールに代わって2019年から山岳賞のスポンサーとなったEルクレール。スーパーマルシェ(スーパーマーケット)よりもさらに巨大なイペールマルシェ(ハイパーマーケット)としてフランスでは各地にあります。プレゼントアイテムはかなりデカいTシャツとカスケットです。

EルクレールのTシャツとカスケット

●開幕地ブリュッセルのカスケット2点とLCL銀行のキャップをセットで1名に
ブリュッセルのカスケットはしっかりとした作りですが、LCL銀行のキャップは沿道の観客に大量にばらまくので糸のほつれなどがある安価な作りです。でも現地でしか手に入らないと思います。

開幕地ブリュッセルのカスケットとLCL銀行のキャップ

●応募方法: tdf2019present(アットマーク)pressports.com あてに「Eルクレールのプレゼント希望」あるいは「ブリュッセルとLCL銀行のプレゼント希望」とタイトルをつけて、本文にお名前(当選者発表で掲載するためニックネーム可)を明記して送信して下さい。
(アットマーク)部分を「@」に変えて下さい。
●第1弾の応募者も重複して応募可能です
●今回のプレゼントに重複応募可能です。ただし当選は1名につき1点
●応募期間:2019年7月25日から28日まで(日本時間)
●当選者の発表:2019年7月末に当ホームページで発表し、応募メールアドレスにご連絡し、プレゼント品の発送先などをうかがいます。ツール・ド・フランスさいたまにご来場する場合はおまけをつけて手渡しします。当選メール不達の場合は当選無効とさせてもらいます。pressports.comを「受信可」に設定お願いします。応募いただいた個人情報は当選者の連絡のみに使用し、お渡し完了後はすべて破棄します。

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フランスの心地よい夜のテラス席で心からリラックス

ツール・ド・フランス取材者日記。ピレネーの山岳ステージ最終日です。この日は3連泊のルルドをあとにして、走り慣れたA64高速を使ってフォワへ。高速の上を通るレンガ造りの橋をこの取材旅行で4回目の通過をしました。来年、またくぐれるかなあ?

フォワのランチはカヌー競技の渓流沿い

日本で自転車の国際大会の業務委託や一般イベントの運営を担っている人たちが視察に訪れていますのでツール・ド・フランスの現場を3日間見てもらっています。スタートやゴールの設営物、関係車両の取り回し、会場や沿道の警備。そして交通規制にともなう迂回路の計画など。

もちろん日本とは街の作りや道路環境がまったく異なるので、これをそのまま適用しても無理があることは承知。そして自転車レースに対する社会的価値観はほぼ正反対。生活道路が半日封鎖されても看板に「ツール・ド・フランス!」と理由を書いてあればフランス人はだれも文句を言わないのです。

フォワのホテルは予約時と名称が変わっていたが、もともとはよく利用するカンパニールホテルで居抜きをしたみたいだ

レースの熱狂ぶりも肌で感じ、「人生の中で一番忘れられない日になりました」と充実した視察だったことを語ってくれました。「この経験を日本に持ち帰り、よりよい大会作りにきちんと反映したいです」

フォワはカヌー競技場のある渓流沿いにサルドプレスがあって、そこでピクニック的なお昼ごはんをいただくので大好きです! この日に予約したホテルはコースとなっている中心地とは渓流の反対側、つまり交通規制なしで向かえるので、それを計算尽くで予約しました。

夏らしい気候になったのでようやく短パンです

仕事を片付けて早めに入り、視察団の到着を待って一緒に夕ごはん。ルルドの最終日は街中にくり出しましたが、このホテルは結ったりしたテラス席があるので、みんなで打ち上げ的にお食事。チェックイン時に同僚カメラマンの名前を言われたので、彼が同宿であることは知っていて、店内で原稿を仕上げていた同僚に声をかけて途中から合計6人で楽しく飲みました。

ようやく短パンになれるような夏の気候になり、夜遅くまで外の空気の心地よさを感じながら過ごせるのはフランスならでは。あと何回、こんな時間を楽しめるかな?

2019ツール・ド・フランス第15ステージ ©ASO Alex BROADWAY

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巡礼地ルルドで健康でいることの幸せを再確認する

ツール・ド・フランス取材者日記。ポーはパリに続いてツール・ド・フランスがよく訪問する都市です。この避寒地がゴールやスタートになること、今回で71回目。40kmほど離れたタルブやルルドが発着点となったときもチームや関係者の多くが宿泊するのはポー。それだけ自治体としても裕福であり、自転車競技に好意的な町なのです。

イネオスのチームスタッフがタイムトライアルの準備中

で、ボクはポーには宿泊せず、30年前から40kmほど離れたルルドに宿を取ります。ルルドは世界中からカトリック信者が集まるのでホテルにはこと欠きません。毎年2〜3泊はしているので、最終日に1泊しかしないパリの滞在よりも多いですね。

これまでは駅近くのイビスホテルか、ちょっと離れたルーブル系の大手チェーンを利用していましたが、1年前に案なりこだわる必要もないなと考え直して、グロット(奇跡の泉がわき出る教会)の近くにある4つ星ホテルに変更。イタリア系のホテルで、レストランの食事もフランス国内のイタリアンにしてはそれほど悪くない味です。

洗濯しながら原稿を書いてます。なんと小銭不要でカードが使えた。コインランドリーはフランス語でラブリー

今回のポーのステージは大会唯一の個人タイムトライアル。ポーがゴールになるときはプラスボーモンにある劇場が必ずサルドプレスになります。歩いていけるホテルにはイネオス(旧スカイ)が必ず宿泊。個人タイムトライアルのスタート地点に近いので、直前まで部屋にいられたりして有利ですよね。

こうして個人タイムトライアルは滞りなく終わり、帰路はもう何十回も通っている県道を走ってルルドのイタリア系ホテルへ。この日は日本から自転車イベントの関係者が4人視察にやって来ていたので、ホテルのイタリアンで夕ごはん。久しぶりにお一人様ディナーではなく、心の底から楽しめました。

深夜零時の閉門ギリギリに聖なる泉へ。不治の病に冒された人が神にすがる場所です

食事が終わったあとは巡礼の行われている大聖堂へ。24時閉門なのでギリギリでしたが、聖なる泉がわき出ているところには病魔の救いを求める人たちが集まり、祈りを捧げていました。24時ギリギリに門を出てホテルへ。 今年も自分の身ならず家族や友人を含めてみんなが健康で仕事やサイクリングを続けられることの幸せをかみしめたのです。

少女ベルナデットが聖母マリアを見たという岩の割れ目に奇跡の泉が出ています。健康であることのありがたさを確認

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