ログリッチェのアシスト役クスがブエルタ・ア・エスパーニャ初V

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月8日(日)、ティネオ〜サンチュアリオデルアセボ間の154.4kmで第15ステージが行われ、首位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)のチームメート、セップ・クス(米国)が第1集団に抑え役として加わり、残り7kmから独走して初優勝した。

セップ・クスが第15ステージで優勝 ©Photogómez Sport

カテゴリー1級の峠が4つも待ち構える山岳区間は、モビスターのアシスト役であるマルク・ソレル(スペイン)がアタック。「総合優勝を争うライバルチームが第1集団にだれかを送り込むことは分かっていたので、ボクがそれをマークするために着いていった」というクスがこの動きに反応し、17人の第1集団に加わった。

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージ ©Photogómez Sport

クスは後続に残ったログリッチェの存在があるため第1集団の先頭に立つ必要はなく、体力を温存しながら距離を重ね、最後の山岳で抜け出すことに成功した。

モビスターのバルベルデとキンタナがペースアップ ©Photogómez Sport
モビスターとユンボ・ビスマが主導権争いを見せる ©Photogómez Sport

ログリッチェは総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)のアタックに反応。両選手は他の有力選手を置き去りにして同タイムでゴール。総合3位以下との差をさらに広げた。

バルベルデをマークするマイヨロホのログリッチェ ©Photogómez Sport
総合優勝争いを演じるバルベルデとログリッチェ ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

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ベネット2勝目、首位は依然ログリッチェ…ブエルタ・ア・エスパーニャ第14S

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月7日(土)、サンビセンテ・デラバルケラ〜オビエド間の188kmで第14ステージが行われ、アイルランドチャンピオンのサム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)が第3ステージに続く2勝目を挙げた。

ベネットが第14ステージで優勝 ©Photogómez Sport

数少ない平たんステージだけにスプリンターにとっては勝利をもぎ取りたいレース。序盤に形成された第1集団は、ドゥークニンク・クイックステップやボーラ・ハンスグローエらの追走によって残り5kmで吸収された。大集団のゴール勝負となる展開だったが、残り1kmで落車が発生。前方に位置していたベネットは難を逃れたが、スプリンターの多くはここで停滞を余儀なくされた。ベネットは2位以下を大きく離してゴールした。

「フィニッシュラインを通過したとき、逃げていた選手が先着しているのではと思って、ガッツポーズできなかった。ぬか喜びはカッコ悪いからね。すぐにチームのメカニックが勝ったことを教えてくれ、初勝利の時と同じようにホッとした」とベネット。

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージ ©Photogómez Sport
タデイ・ポガチャルが新人賞ジャージを着る ©Photogómez Sport

残り1kmの落車にモビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)や UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)らも巻き込まれたが、ケガはなくゴールした。首位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)ら総合成績の上位陣はタイム差なしでゴールし、順位の変動はなかった。

「かなりのスピードで走っていたときの落車だったので、状況が分からなかった。ボク自身は大丈夫だけど、すべての選手がケガしていないことを祈りたい」と新人賞1位を守ったポガチャル。

マイヨロホのログリッチェ ©Photogómez Sport
ログリッチェが第14ステージも首位を守った ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

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ポガチャル区間V、ログリッチェ首位堅持…スロベニア勢活躍

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月6日(金)、ビルバオ〜ロスマンチュコス間の166.4kmで第13 ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャルと首位のプリモシュ・ログリッチェ(ユンボ・ビスマ)のスロベニア勢が抜け出し、最後はポガチャルが先着して、第9ステージに続く2勝目を挙げた。タイム差なしの2位になったログリッチェはライバル選手との差をさらに広げ、総合優勝に前進した。

ポガチャルとログリッチェのスロベニア勢がゴールを目指す ©Photogómez Sport

コース序盤からアップダウンが多く、最後は峠の頂上にゴールが設定されている難関区間。ここで抜け出したのはツール・ド・ラブニール総合優勝の実力を持つ20歳のポガチャルだ。ゴールまであと2.5kmの地点でポガチャルが仕掛けると、これに着いていけたのはログリッチェだけ。最後はポガチャルがログリッチェを制して優勝した。

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージ ©Photogómez Sport

「この日はリタイアすることなく生き残ろうと思っていた。まさか最後にこんな調子がよくなるなんて思わなかった」とメジャー初出場にして2勝目を挙げたポガチャル。

先行するポガチャル、それに追従するマイヨロホのログリッチェ ©Photogómez Sport
アルカンシエルを着るバルベルデ ©Photogómez Sport

総合3位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)らが脱落したことで、前日まで総合5位だったボガチャルは3位に浮上。さらに新人賞でロペスを逆転してトップに躍り出て純白のリーダージャージを獲得した。

「ログリッチェはとても強い。だから最終日のマドリードで彼の横に並んで、総合3位とか5位、そして新人賞ジャージを着て登壇できたらうれしい」とポガチャル。

ログリッチェとポガチャルが協力してゴールを目指す ©Photogómez Sport
ログリッチェが首位を守った ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

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ジルベールが6年ぶりV6…ブエルタ・ア・エスパーニャ12S

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月5日(木)、シルクイトデナバラ〜ビルバオ間の171.4kmで第12ステージが行われ、ドゥークニンク・クイックステップのフィリップ・ジルベール(ベルギー)が残り9kmから単独アタックを決め、6年ぶり6度目の区間勝利を果たした。

グランツール10勝目を祝して10本の指を示してゴール ©Photogómez Sport

この日はスタート直後から激しいアタック合戦が繰り広げられたが、60km過ぎにようやく19選手の第1集団が形成された。ジルベールはチームメートのティム・デクレルク(ベルギー)とともにこれに加わっていた。

元世界チャンピオンのジルベールは急しゅんな上りで一気にスパートして逃げ切るのが得意で、この日も最後の坂で抜け出し、2位に3秒差をつけてゴールした。

ジルベールはジロ・デ・イタリア区間3勝、ツール・ド・フランス区間1勝と合わせて、これでグランツール10勝目。

メイン集団をけん引するユンボ・ビスマ ©Photogómez Sport
ジルベール(右)とアシストとして第1集団に加わったティム・デクレルク(左) ©Photogómez Sport

「上りに強いスペイン勢を相手に20回はアタックした。最後はベルギーにある激坂に似ていたので、ボクには向いていた。最後の山岳の雰囲気はクレージーで、たくさんの観客がいろいろな国旗を振っていて、大きなモチベーションになった。アルデンヌ地方のクラシックに似ていた。バスク地方もアルデンヌも自転車好きが多いからね。これで三大ステージレースで10勝を挙げることができた。10という区切りの数字はとてもいいね」

ジルベールが単独でゴールを目指す ©Photogómez Sport

総合成績の上位選手は先行した集団の中に総合成績を脅かす存在がいなかったため、ユンボ・ビスマは積極的に追走せず。終盤に総合3位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が逃げを試みたが、首位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)らがそれを許さず、同一集団でゴール。ログリッチェがその座を守った。

マイヨロホを守ったログリッチェ ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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イトゥリアが地元バスクで初優勝…ブエルタ・ア・エスパーニャ11S

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月4日(水)、フランスのサンパレからスペインのウルダクスダンチャリネア間の180kmで第11ステージが行われ、エウスカディバスクカントリー・ムリアスのミケル・イトゥリア(スペイン)が14人の第1集団から終盤に単独で抜け出し、プロ初勝利を挙げた。

ミケル・イトゥリアが取材陣に囲まれる ©Photogómez Sport

この日はスペイン北部のバスク地方にゴールしたが、バスクを拠点とするチームに所属するバスク出身選手が勝利を飾った。スタート後9km地点から先行集団が形成され、14選手の逃げが決まった。この中にイトゥリア、そして山岳賞ジャージを着るブルゴスBHのアンヘル・マドラゾ(スペイン)が加わった。マドラゾはさらに山岳ポイントを獲得し、白地に青い水玉の山岳賞ジャージを守った。

この第1集団から残り23kmでアタックしたのがイトゥリア。早めの仕掛けに、ゴール手前では追走選手に詰め寄られたが、なんとか独走でゴールまで逃げ切った。

「自分の家の近くで、そして家族が見ている場所で勝てるなんて夢が現実になった」とイトゥリア。
「出場メンバーに選ばれたとき、どのステージで勝ちに行きたいかと聞かれ、即座にこの日を選んだくらいだからね。もちろんボクは勝利になれた選手ではないけど、初優勝が地元もブエルタ・ア・エスパーニャなんて誇らしい気分だ」

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©Photogómez Sport
メイン集団をコントロールするユンボ・ビスマ ©Photogómez Sport
ミケル・イトゥリアがステージ優勝 ©Photogómez Sport

第1集団に加わった選手はすべて総合成績で大きく遅れていたため、首位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)を擁するユンボ・ビスマは積極的に追走せず。有力選手は18分35秒遅れの第2集団でゴールし、総合成績の上位は変わらなかった。

マイヨロホを守ったプリモシュ・ログリッチェ ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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ログリッチェが得意のTTで圧勝し初めての首位に

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月3日(火)、フランスのジュランソン〜ポー間の36.2kmで個人タイムトライアルとして第10ステージが行われ、この種目を得意とするユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)が圧勝。総合2位から首位に浮上した。

初めてマイヨロホを着用したログリッチェ ©Photogómez Sport
ログリッチェは総合成績の上位選手に1分半以上の差をつけた ©Photogómez Sport

休息日明けのステージは闘いの舞台をフランスに移し、大会唯一の個人タイムトライアルが行われた。総合1位とポイント賞1位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がマイヨロホを着用したため、この日の優勝候補ログリッチェはポイント賞のマイヨベルデに身を包んでスタート。ゴールまでは2分前にスタートしていた総合3位、新人賞1位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)を抜き去るほどのスピードでゴールした。

新城幸也は5分44秒遅れの87位、連戦の疲れも見せずに健闘 ©Photogómez Sport

「個人タイムトライアルでは持てる力のすべてを出して走り抜く。きょうもそれができた。最終日のマドリードがどんなことになるのかを想像することができるようになった」とログリッチェ。

「上りが得意なコロンビアやスペイン勢のことを考えると、たとえ10分リードしていても十分ではない。それでもリーダージャージーを着るのは気持ちいい。初日に落車した痛みは残るが、調子は悪くないので、最終日のマドリードまでこの深紅のジャージーを死守したい」

ミゲルアンヘル・ロペスは2分遅れの14位 ©Photogómez Sport

ログリッチェは大会初優勝。2018ツール・ド・フランス総合4位、2019ジロ・デ・イタリア総合3位の実力者。今大会は初出場ながら優勝候補の一角。ログリッチェは総合2位に1分52秒差をつけ、後半戦の厳しい山岳ステージで逃げ切りを図る。

バルベルデは1分38秒遅れの13位 ©Photogómez Sport
マイヨロホのキンタナは3分06秒遅れの27位 ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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