鎌倉ハイキングコース天園〜瑞泉寺不通区間に侵入者も

2019年の台風被災で全面通行止めとなった鎌倉ハイキングコースは、葛原岡・大仏コースや浄智寺〜葛原岡神社などが復旧工事により通行できるようになったが、被害の大きい祇園山や天園〜瑞泉寺区間は依然通行止め。ただし自転車乗り入れを含めた侵入者もいるようで、鎌倉市観光協会が規制を順守するように呼びかけている。

天園の十字路から瑞泉寺方面のハイキングコースは通行止め(2021年1月14日撮影)

2019年9月8日から9日にかけて首都圏を襲った台風15号の影響で、神奈川県鎌倉市にあるハイキングコースは壊滅的な被害を受けた。さらに同年の台風19号で被害は拡大。鎌倉市のすべてのハイキングコースは通行止めとなった。

鎌倉市は令和元年度一般会計補正予算で、土砂崩落対応に約2億1000万円、倒木処理対応に約900万円、災害備蓄品の補充とハイキングコース復旧などに約7000万円を充てて工事を進めている。おかげでメインルートとして人気のある葛原岡・大仏コースが真っ先に通行止め解除。葛原岡神社から北鎌倉駅に向かう浄智寺コースも復旧。さらに天園ハイキングコースの一部、今泉台〜天園区間も通行できるようになった。

鎌倉市最高標高地点の天園はハイキングコースの十字路となっているが、現在は北に向かう横浜市境、南の獅子舞の谷、西の今泉台へはアクセス可能。唯一東に向かう瑞泉寺区間が通行止めとなっている(2021年1月15日現在)。

天園から瑞泉寺に向かう通行止め区間に設置された看板(2021年1月14日撮影)

ただし通行止めにもかかわらず侵入者も存在する。市内のハイキングコースを案内する鎌倉市観光協会のホームページには、「市としましては、正式に復旧工事を行った後、安全確認を行ってから各コースの開通を行っており、上記コースは引き続き通行止めとさせていただいておりますので、ご理解くださいますようお願いいたします」と注意喚起している。

「また、昨年(2020年)の秋にも周知しておりますが、通行止めにも関わらず、オフロードバイクや自転車等の乗り入れについての通報も引き続き何件かいただいております」とのこと。通行止め区間の侵入は自らに危険が生じるだけでなく、復旧作業に支障をきたすことになる。

天園〜瑞泉寺区間は2021年4月以降に通行止め解除を目指す。ハイカーはそれまでの辛抱、オフロードバイクや自転車利用者はそれ以降も通行不可。オフロード系サイクリストは富士山麓トレイルコース「Fujiyama Power-line Trail」などのフィールドで走ろう。

要所に通行止め区間を知らせる看板がある(2021年1月14日撮影)

復旧を完了した区間と通行止め区間

【祇園山】 
×大規模ながけ崩れや倒木により復旧の目途が立たず

【葛原岡・大仏】 
葛原岡~大仏…2020年4月に復旧
葛原岡~浄智寺…2020年6月に復旧

【天園】
今泉台4丁目~天園、今泉台6丁目公園~覚園寺…2020年6月に復旧
×天園~瑞泉寺…2020年度以降に復旧予定
天園から横浜市へは通行可能(詳しくは横浜市栄土木事務所ホームページで

2021年1月7日には強風が吹き荒れ、コース頭上に引っかかり枝が多数あるので注意が必要

●鎌倉市観光協会のホームページ

●これまでの関連ニュース
鎌倉の人気ハイキングコースが通行不可…復旧のめど立たず(2019年9月23日)
鎌倉のハイキングコースが台風19号でさらなる被災(2019年10月14日)
台風被災の鎌倉ハイキングコースは通行止め状態で越年(2019年12月28日)
鎌倉のハイキングコース復旧工事に市の補正予算3億円(2020年1月31日)
鎌倉ハイキングコース一部通行目処も侵入者で復旧に支障(2020年3月28日)
鎌倉ハイキングコースの葛原岡・大仏間が7カ月ぶりに通行再開(2020年4月10日)
通行止めの鎌倉ハイキングコースを回避して海に行くルート(2021年3月27日)

鎌倉のハイキングコース復旧工事に市の補正予算3億円

神奈川県鎌倉市内にあるすべてのハイキングコースは台風という自然災害によって壊滅的な被害を受け、2020年1月末になっても全面通行止め。鎌倉市は令和元年度一般会計補正予算で、土砂崩落対応に約2億1000万円、倒木処理対応に約900万円、災害備蓄品の補充とハイキングコース復旧などに約7000万円を充てる。

北鎌倉駅前に掲出された全面通行止めの看板(2020年1月31日撮影)

また神奈川県も台風19号被害への対応などとして補正予算を可決。県全体の災害応急復旧は124億5376万円。生活と生計の再建支援を含めると174億2281万円となる。

2019年9月8日から9日にかけて首都圏を襲った台風15号、10月14日に襲来した台風19号によって倒木や土砂崩れが相次いだ。鎌倉市内のハイキングコースは2020年1月末になっても全ルートが通行止めの状態が続く。

鎌倉市観光協会が2020年1月23日に掲載した「ハイキングコース被害状況」によると、祇園山葛原岡・大仏天園 いずれのコースも倒木などにより通行できない箇所が多く、大変危険な状態のため、通行禁止としている。

浄智寺と源氏山を結ぶ人気のハイキングコースは通行不可

復旧の目途について

【祇園山】
大規模ながけ崩れや倒木により復旧の目途は立っていません

【葛原岡・大仏】 
葛原岡~大仏…2020年3月中に復旧予定
葛原岡~浄智寺…2020年6月に復旧予定

【天園】
今泉台4丁目~天園、今泉台6丁目公園~覚園寺…2020年6月に復旧予定
天園~瑞泉寺…2020年度以降に復旧予定

各ハイキングコースのルートを地図上で確認する

【参考】北鎌倉から源氏山公園、高徳院方面へハイキングコースう回ルート

やせた尾根道にある天園ハイキングコースは特に被害が大きい

ハイキングコースの被害状況を報告した過去記事

●2019年12月28日の記事
台風被災の鎌倉ハイキングコースは通行止め状態で越年
●2019年10月14日の記事
鎌倉のハイキングコースが台風19号でさらなる被災
●2019年9月23日の記事
鎌倉の人気ハイキングコースが通行不可…復旧のめど立たず

市道では業者が入って倒れそうな木を伐採していくが、ハイキングコースは手つかずの状態

鎌倉市災害支援寄附を受け付け中

台風15号による影響はハイキングコースや佐助稲荷神社などにその爪痕を強く残すほか、一部の施設に影響が残っている状況となっている。当初は市内全域において土砂崩れや倒木、大規模な停電など甚大な被害が発生。これにより、市民生活への多大な影響のみならず、鎌倉を形成するみどりやハイキングコースなど観光客になじみの深い場所にも、大きな被害が出ている。
現在、鎌倉市一丸となって復旧作業に取り組んでいて、一日も早い復興のために鎌倉を愛する人からの温かい支援もお願いしている。
ふるさとチョイス災害支援鎌倉市ページ

災害時に役立つエマージェンシーバイクが発売開始

快適な自転車ライフを提供する自転車専門店のあさひは2019年8月下旬より、災害時の備えからアウトドアなど多目的なシーンで活躍する「エマージェンシーバイクシリーズ」の販売を全国のサイクルベースあさひ各店舗、あさひ公式オンラインショップ、あさひ楽天市場、あさひYahoo!店で開始した。

災害時はさまざまな物資を備える必要があり、そして物資を避難所などに運ぶ場面も多くある。災害時は交通集中により車での移動が困難となることが多くあり、自転車での移動は有効的。エマージェンシーバイクシリーズは「備える」「積載する」「移動する」の3つの要素を解決するために開発された。

パンクの原因となる釘やガラス片などが落ちているような悪路でも自転車もトレーラーも「パンクしないタイヤ」で安全に走行が可能。「パンクしないタイヤ」にはチューブを使用していないため乗車せずに長期保管しても空気が抜けてしまうこともない。

パンクしないタイヤ

また、災害時以外であってもキャンプやバーベキューなどアウトドア、資材や機材の運搬など、多目的な用途で活躍する自転車。

サイクルトレーラー使用例
収納ケース使用例
サイクルトレーラーと収納ケースを組み合わせることで最大250リットル(30kg)まで積載・運搬が可能

[走行性能]
パンクの原因となる釘やガラス片などが落ちているような悪路でも、自転車もトレーラーも「パンクしないタイヤ」を採用し安全に走行が可能。また、チューブを使用していないので乗車せずに長期保管をしていてもタイヤから空気が抜けてしまうこともない。

音鳴りしにくく安定した制動力を発揮するサーボブレーキを採用

[積載力]
普通の自転車では積載できない重たい荷物を安心して運ぶことができるサイクルトレーラー。災害時に運搬が必要な物資や大きな荷物なども「エマージェンシーバイク」「サイクルトレーラー」「収納ケース」を組み合わせることで簡単、安心、安全に最大で250リットル(30kg)まで積載・運搬が可能。

フロントキャリアは最大2kg、リヤキャリアは最大5kgまで荷物の積載が可能

[収納性]
エマージェンシーの自転車とトレーラーは、どちらもコンパクトに折りたたむことができ、まとめて収納ケース内に収めて保管が可能。収納ケースは軽量で耐久性の高いプラスチック製で長期間の保管でも問題ない。

エマージェンシーの自転車とトレーラーはどちらもコンパクトに折りたたむことができ、まとめて収納ケース内に収めて保管が可能
エマージェンシーバイクを折りたたんだ状態
カラーはカーキ(写真)とレッド
電池、電球切れの心配がない砲弾型ダイナモ式LEDライトを採用

エマージェンシーバイク
販売価格 :2万9980円(税込み)
カラー  :レッド、カーキ
タイヤ  :16型
適応身長 :140cm~180cm
重量   :13.7kg
変速   :なし
折りたたみ時サイズ:730×430×630mm(全長×横幅×高さ)
フレーム・フロントフォーク:スチール
発売日:2019年8月下旬より販売開始予定
購入方法:サイクルベースあさひ各店舗、あさひ公式オンラインショップ、あさひ楽天市場、あさひYahoo!店※一部の店舗では、取り寄せ対応となる店舗も

エマージェンシーバイク用トレーラーは1万9980円(税込み)
エマージェンシーバイク用収納ケースは9980円(税込み)

台風10号の波浪で湘南海岸の歩道陥没…片側通行で渋滞も

台風10号の波浪による擁壁被災のため、鎌倉市稲村ガ崎三丁目・国道134号の稲村ヶ崎駅入口交差点付近で海側の歩道の一部が陥没。歩道の一部を通行止めとし、道路管理者である神奈川県藤沢土木事務所により道路の復旧作業を行い、片側交互通行をしている。

黒塗りの柵が下がっている部分が陥没カ所

被災したのは8月13日未明のもよう。15日現在も緊急作業中で、国道134号は150mにわたって片側相互通行。東行き・西行きともに渋滞している。

緊急工事により海側の歩道は通行止め、車道は片側通行

湘南海岸と言われる国道134号は、2016年にも鎌倉市稲村ガ崎一丁目あたり、今回の陥没場所より100mほど東側で同様の道路損傷が発生している。年々大型化する台風の波浪によって、稲村ヶ崎周辺の砂浜が大きく侵食されていることも道路損傷の影響か。

海側の歩道が長さ20mにわたって陥没している
台風10号の激しい波が擁壁を破壊し、歩道下の土砂を侵食したようだ
緊急工事のため国道134号は片側通行で、東行き・西行きともに大渋滞している