アルケア・B&Bホテルズの2企業が契約打ち切り…チームは来季の存続なるか

アルケア・B&Bホテルズチームは、2つのタイトルパートナーから、2025年12月31日のシーズン終了時に期限が切れるそれぞれの契約を更新しない旨の通知を受けた。自転車競技を取り巻く厳しい財政状況の中、エマニュエル・ユベール率いるフランスチームは、新たなパートナー探しに全力で取り組まなければならなくなった。

ケヴィン・ヴォークランが2024ツール・ド・フランス第2ステージで優勝

チーム、スタッフ、そして代表者一同は、過去数年間にわたるクレディ・ミュチュエル・アルケアとB&Bホテルズからのサポートと信頼に感謝していると切り出した。

クレディ・ミュチュエル・アルケアは、当初はフォルチュネオという名称で、その後は自社名義で10年近くにわたりチームをサポートした。B&Bホテルズグループは過去2年間にわたって、同格のタイトルスポンサーとして協賛した。

新たなパートナーを探さなければならなくなったこの時期、チームは7月5日に開幕するツール・ド・フランスで、アルケア・B&Bホテルズのジャージで活躍することがこれまで以上に求められる。

ブルターニュの地域チームから国際舞台へ

フランス北西部のブルターニュ地方を拠点としていた地域チームがプロカテゴリー昇格。ブルターニュの旗は黒を貴重としたもので、現在もチームジャージの袖を黒にするなど地域へのこだわりを見せる。当初は地元企業だけの出資に頼り、フランス選手だけで編成し、地元出身のワレン・バルギル(フランス)をエースに起用していた。2020年にグランツール覇者のナイロ・キンタナ(コロンビア)を獲得してツール・ド・フランスでの活躍を目指す方針に展開。2023年に念願のワールドチームとなったが、やはり最高レベルのカテゴリーでは苦戦。チームはテコ入れを余儀なくされている。

ナセル・ブアニがアルケア・サムシックのジャージをアピール ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2020

大会出場11年目となる所属チームに、悲願のツール・ド・フランス初優勝をプレゼントしたヴォークランだが、2025ツール・ド・フランス第6ステージのスタート地バユーはなんと生まれ故郷。前日の個人タイムトライアルで首位に立って、マイヨジョーヌで錦を飾れるか?

ケヴィン・ヴォークラン(フランス)はタイムトライアルに強いオールラウンダー。2024ツール・ド・フランスでは第1ステージで29分14秒遅れの区間139位。初日で総合上位に食い込むことが不可能になったが、第2ステージでマークされなかったこともあって独走勝利。「夢はツール・ド・フランスに出場することだった。それが2日目で勝てた」と、自身も信じられない快挙だった。

グルパマFDJと衝突したアルノー・デマール(フランス)を2023シーズン途中に加入させ、即戦力とした。2016ミラノ〜サンレモ優勝、ジロ・デ・イタリア8勝とポイント賞2回獲得、ツール・ド・フランス2勝の実績があるスプリンターだが、近年は大きな勝ち星がない。

アルケア・サムシックの選手らがチームプレゼンテーションの舞台裏でニュージャージを着用

チームの2番手ポジションはデマールではなくクレマン・ヴァントゥリーニ(フランス)。シクロクロスではフランス選手権で7回優勝。2024年はロードで自身最高の実績を挙げることができた。プロ13年目の今季は上りに強いワンデーレーサーとしてメジャー勝利を狙う。イエンセ・ビールマンス(ベルギー)はこれまでエーススプリンターの発射台を務めてきたが、2024シーズンから自分自身がスプリント勝負できるようになった。

アルケア・サムシック時代のチーム ©Team Arkéa – Samsic

私たちが掲げる野心と価値観に共感してくれる企業を模索

「私たちを支えてくれた両社に感謝します。ブルターニュのサポーターに多くの喜びを伝えることができましたが、それだけではありません。私たちのチームはフランス全土、そして国際的に輝いており、最近のツール・ド・スイスでもそれが見られました。私は建設的で楽観的な姿勢を保ち、チームの未来を永続させるために全力を尽くしています。これが私の変わらぬ目標です。確実なことは何もありませんが、信じ続けたいと思っています。私は私たちのプロジェクトに自信を持っており、私たちが掲げる野心と価値観に共感してくれる潜在的な新しいパートナーにこのプロジェクトを勧め続けています」とエマニュエル・ユベール。

アルケア・B&Bホテルズがビアンキ140周年ジャージでミラノ〜サンレモ出場

フランスのアルケア・B&Bホテルズが3月22日にイタリアで開催されるミラノ〜サンレモでスペシャルジャージを着用する。タイトルスポンサーであるアルケアとB&Bホテルズを象徴する赤黒のカラーと、自転車サプライヤーのビアンキの140周年創業を祝うチェレステカラーを組み合わせたコレクターズジャージだ。

©Aubin Lipke / ARKEA-B&B HOTELS

「初めてミラノ〜サンレモに出場する。今シーズンの最初のクラシックで、このモニュメントのスタートラインに立つことをとても楽しみにしている」とケヴィン・ヴォークラン。

©Aubin Lipke / ARKEA-B&B HOTELS

「冬に下見をする機会があったが、やはり神話的なものだった。タデイ・ポガチャルとともにスタートし、通常とは異なるシナリオのレースを見ることができる。そのため、チャンスをつかむ可能性もある。コースは気に入っている。特にフィニッシュに近いカピが私に合っている。残り20km地点にチプレッサ、そしてフィニッシュから5kmの地点にポッジオがある。そこで約5分の上りがあって、その後はテクニカルな下りがある。もし有力選手たちが互いに警戒し合うようであれば、伏兵が勝つ可能性があるし、ポッジオの頂上をクリアできたスプリンターにもチャンスがある。ミラノ〜サンレモではすべてが可能で、チームは、私たちに与えられるすべてのいい機会を見逃さないようにしたい」

©Aubin Lipke / ARKEA-B&B HOTELS

アルケア・サムシックがUCIワールドツアー昇格…伝統カラー継続

フランスのアルケア・サムシックが2023シーズンへの意気込みを語った。彼岸のUCIワールドツアーに昇格を果たしたチームは男女のプロチームを組織。赤と黒のチームジャージは継承された。

「フランスのブルターニュ地方のアンバサダーとして、最高峰のカテゴリーでシーズンを戦えるのはうれしい」と、エマニュエル・ウベール監督。

オーストラリアのサントス・ダウンアンダー(1月17〜22日)でシーズンイン。7月の地元レース、ツール・ド・フランスではワレン・バルギルらフランス勢の活躍が期待されている。

●アルケア・サムシックのホームページ

再起をかけるキンタナ…手術したヒザの状態にあえて言及

フランス登録の第2カテゴリーチーム、アルケア・サムシックに所属するナイロ・キンタナ(コロンビア)が、2月19日から21日までフランスで開催されるアルプマリティーム・エデュバールでカムバックする。2020年秋にヒザの手術を行ったが、その状態を語った。

ナイロ・キンタナ

アルプマリティーム・エデュバールで連覇をかける

「アルプマリティーム・エデュバールが何度か走ったことがあるし、レースも好きだ。ベストは2020年で、総合優勝とコルデズにゴールするステージで、アルケア・サムシックとして非常に素晴らしい勝利を修めることができた。2021年モコのレースに出場する。しかし、確かなことは、2020年と同じ状態ではない。それでも私のモチベーションはポジティブだ」と語った。

2020年にモビスターから現チームへ。キンタナの野望は

「両ヒザの手術後に外科医から動いていいという承諾を得るとすぐに、トレーニングを再開した。だからシーズンの途中でいい状態になると思う。順調に行けば、1週間のステージレースで勝つことを目指したい。また、チームの目標でもあるヨーロッパツアーの1位をゲットしたい。2020年はもうちょっとだったからね」

気になるヒザの状態は

「回復が順調なので、多少の激しいトレーニングをしてから2週間近く経った。両ヒザの手術後のリハビリ期間は終わり、調子がよくなってきたことを感じている」

●アルケア・サムシックのホームページ

キンタナがツール・ド・フランスでエース、アシストのバルギルもチャンスをねらう

フランスのアルケア・サムシックが8月29日に開幕する第107回ツール・ド・フランスに、今季加入のナイロ・キンタナ(コロンビア)を新エースと、ワレン・バルギル(フランス)をアシスト陣の一員とする布陣を発表した。

「ツール・ド・フランスのために強力でバランスの取れたチームを構築した」と統括ディレクターのエマニュアル・ウベール。

「コナー・スウィフトとクレモン・ルッソが平たんステージでナイロ・キンタナとワレン・バルギルをサポートする。ナイロ・キンタナはリーダーに指定した。フランスのスキー場、イゾラ2000で高地トレーニングを終えていて、昨年7月に負傷した膝に問題もなく長距離を乗り込むことができた」

© Team Arkéa – Samsic

ナイロ・キンタナのコンディションはいい状態とのことで、これまでプレッシャーの多かったバルギルの立ち位置を楽にさせる存在になると期待している。

「バルギルはナイロのサポートの一員だが、このツール・ド・フランスの総合順位で可能な限り最高のパフォーマンスを達成することができるはずだ。 とはいってもバルギルにも重要な役割がかかっていて、チャンスがあれば勝利に向けて走ることになる」

前フランスチャンピオンのワレン・バルギル © Team Arkéa – Samsic

●アルケア・サムシックの2020ツール・ド・フランス出場選手
ウィネル・アナコナ(コロンビア)
ワレン・バルギル(フランス)
マキシム・ブエ(フランス)
ダイエル・キンタナ(コロンビア)
ナイロ・キンタナ(コロンビア)
ディエゴ・ローザ(イタリア)
クレモン・ルッソ(フランス)
コナー・スウィフト(英国)

🇫🇷ツール・ド・フランス2020特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

キンタナが交通事故もツール・ド・フランスに向け練習再開

フランスのアルケア・サムシックのエースとしてツール・ド・フランスでの活躍を期待されるナイロ・キンタナが、7月3日に母国コロンビアでのトレーニング中に交通事故に巻き込まれた。14日には一般道でのトレーニングを再開するまでに回復した。

コロンビアに滞在するナイロ・キンタナ © Team Arkéa – Samsic 2020

新型コロナウイルス感染拡大によりコロンビアに戻ってトレーニングを続けているキンタナだが、トゥンハとモタビタの間を走っているときに事故に巻き込まれた。当初は2週間の療養が必要だと診断されたが、手厚い医療支援を受けて順調に回復。

「自転車に戻りたいという衝動は痛みを超えるものがあった」とキンタナ。

「アルケア・サムシックのチームでいいシーズンを続け、ツール・ド・フランスでの夢のために働きたいと考えているんだ」

キンタナの欲望と仕事への意欲は、事故を経験しても衰退しなかった。ツール・ド・フランスの開幕に向けて可能な限り最高の状態に持って行きたいと話、医療スタッフに万全の支援を続けていく。

ナイロ・キンタナ © Team Arkéa – Samsic 2020

フランスのパリ〜ニースからの帰国後に政府の指示によりホテルの一室に滞在し、健康状態を監視されていたキンタナ。その後ようやく自宅に戻り、さらに屋外でトレーニングすることができるようになった。ただしコロンビアからフランスへの入国は現在のところ不可能だ。

「ボクに力を与えてくれるサポーターが喜びと誇りにあふれることができるように、頑張りたい。すべての人に感謝したいという気持ちだ」

●アルケア・サムシックのホームページ