【ツール・ド・フランス第17S】ミランが残り少ないスプリント勝負で勝利

第112回ツール・ド・フランスは7月23日、ボレーヌ〜ヴァランス間の160.4kmで第17ステージが行なわれ、リドル・トレックのジョナタン・ミラン(イタリア)がゴール前の落車を回避してスプリント優勝。今大会2勝目で、緑色のリーダージャージ「マイヨ・ヴェール」を争うポイント賞でも得点をさらに積み重ねてトップを守った。UAEチームエミレーツ・XRGのタデイ・ポガチャル(スロベニア)はライバル選手と同タイムでゴールし、総合成績の首位を守り、翌日からの2連続アルプス山岳ステージで2年連続4度目の総合優勝をかけて走る。

ミランが2025ツール・ド・フランス第17ステージ優勝 ©A.S.O.

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ミランが2025ツール・ド・フランス第17ステージ優勝 ©A.S.O.
EFエデュケーション・イージーポストのヴィンチェンツォ・アルバネーゼら4選手が第17ステージで逃げた ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第17ステージ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第17ステージ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第17ステージ ©A.S.O.

●ステージ成績
1位 ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)3時間25分30秒
2位 ヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)同タイム
3位 トビアス・ルンドアンドレースン(デンマーク、チーム ピクニック・ポストNL)同タイム

●総合成績
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)61時間50分16秒
2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)4分15秒遅れ
3位 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)9分03秒遅れ

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
マイヨベール(ポイント賞)ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブラン(新人賞)フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

2025ツール・ド・フランス第17ステージの終盤は雨に ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス旅日記 episode18】悪魔の棲む山、いまは自転車パラダイス

休息日を使ってカルカッソンヌから第16ステージのゴール、モンヴァントゥーまで50kmのところに移動しました。小さな町の真ん中でバーとレストランをやっているお店の併設ホテルです。空気は完全にプロヴァンス。風が強いとアルプスの気配を感じます。

レストランもサイクリストでいっぱい

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【ツール・ド・フランス第16S】パレパントル弟がモンヴァントゥー優勝
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朝日が出たばかりのローヌ川沿いを走る

フランスのパン屋さんは早朝から焼きたてを販売

朝のランコースはローヌ川。スイスを源流としてレマン湖を経由して地中海に注ぐ河川で、その長さは800km以上あります。今日走ったのはその一部。8kmくらいですかね。

早朝からオープンするブランジュリーに、町の人たちが焼きたてバゲットなどを買いに来る
こぶりなバゲットは1.45ユーロだった

ホテルの部屋にコーヒーマシンがありカプセルもいっぱいあるので、朝食を頼まず、近くのブランジュリーでバゲット。スーパーだと0.5ユーロから売っていますが、朝6時にオープンする専門店の焼きたてにはかないません。小さいサイズで1.45ユーロ。

ロードバイクからeバイクまでウェブで自分に適したモデルが簡単に予約できる

フランスで程度のいい高級ロードが気軽にレンタルできる

この日は余裕の出勤で、悪魔の棲む山モンヴァントゥーへ。頂上にプレスセンターが設置されていたのは20年前までで、それ以降は山を降りてきたところにあるマロセーヌのどこかに設置されます。

スポーツバイクのレンタル店にはおみやげにちょうどいいウエアなども販売されている
モンヴァントゥーのネームを入れたサイクリングウエアがズラリ

ホテルを出発してからすぐに、決して間違うわけがないモンヴァントゥーが見えました。モンサンミッシェルは10km先から見えますが、モンヴァントゥーは40km先から眺望できます。頂上の測候所も確認できます。ひんやりした風が吹いていて、日陰にいると寒いです。

モンヴァントゥーの麓にあるマロセーヌは本当に小さな町ですが、ピナレロ・ドグマのデュラエース仕様をはじめとして高級スポーツバイクがレンタルできます。サイズもメーカーが作っているものはほぼ揃っています。ペダルタイプの指定やヘルメットは無料。日本のジャイアントやスペシャライズド・エスコンフィールドのような感じで、ネットで自分に適した自転車が簡単に予約できるのです。

スポーツバイクレンタル店は複数あって、アクセサリーもいっぱいある

モンヴァントゥーはいまや悪魔がいるどころじゃなくて、世界のサイクリングパラダイスです! 複数のチェーン店があってベドワンやカルパントラにも出店しています。その手軽さと言ったら、日本の空港までの自転車移送の労力やコストを考えたら愛車を持っていかなくてもいいのでは。

モンヴァントゥーは最後のこのコーナーがきつい ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス第16S】パレパントル弟がモンヴァントゥー優勝

第112回ツール・ド・フランスは7月22日、モンペリエ〜モンバントゥー間の171.5kmで第16ステージが行なわれ、スーダル・クイックステップのヴァランタン・パレパントル(フランス)が4人の争いを制して初優勝。デカトロン・AG2Rラモンディアール チームのオレリアン・パレパントルの弟。

モンヴァントゥーは最後のこのコーナーがきつい ©A.S.O.

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)は総合2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)のアタックを封じ込め、最後は2秒差をつけてゴール。総合1位のマイヨジョーヌを守った。

ステージ優勝を目指して飛び出したアタッカー。2025ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O.

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エンリク・マスがアタックしたが、勝利できず。2025ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O.
ヴィンゲゴー(右)のアタックを封じ込めるポガチャル。2025ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O.
ヴァランタン・パレパントルが2025ツール・ド・フランス第16ステージで優勝 ©A.S.O.
ポガチャルがマイヨジョーヌとともに山岳賞ジャージを獲得。2025ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O.

●ステージ成績
1位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)4時間03分19秒
2位 ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)同タイム
3位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)4秒遅れ

●総合成績
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)58時間24分46秒
2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)4分15秒遅れ
3位 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)9分03秒遅れ

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
マイヨベール(ポイント賞)ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブラン(新人賞)フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

2025ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス旅日記 episode17】カルカッソンヌを見ずして死ぬな!

カルカッソンヌを見ずして死ぬな!と言いますが、もう10回くらい見てるけど、まだ死んでいませんw 前回の訪問時は熱波で、ランニングの帰路でヘトヘトになり、冷房の効いたホテルの部屋に生還して飲んだお水がとてもおいしかったです。今回は気温15度、5kmほど離れた郊外のホテルからGoogle Mapを頼りに。朝早いので数人のランナーと、城壁内のお店に納品するトラック業者しかいなくて、西洋の歴史をほぼ独り占め!

カルカッソンヌは城塞都市

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カルカッソンヌ城塞のいくつかあるポルト(城門)から入城

早朝の城壁内で西洋の歴史にひたる

若い頃よりもツール・ド・フランス取材が楽になったのは経験値と、通信や交通のインフラ整備と、そして無理をしない仕事量だと思います。日本と同じような生活スタイルをフランスで再現することにつとめています。お気に入りのランウエアとシューズ、リラックスできる部屋着とアイテムなどなど。あ、それとfacebookなどでいいね!してくれるのも格段にパワーになります。30年前にはなかった心強さに救われます。

ランニングの道案内として使ったGoogle Mapがここを通れと指示
カルカッソンヌの沈下橋

ランはこの7月も1日平均にすると6.5km走る必要があって、レストの日も軽く流すようにして距離を稼いでいます。いずれにしても猛暑の日本より楽です。タイツとウインドブレーカーとグローブを着用してホテルを出て、気持ちよく汗をかいてシャワーを浴びるという感じです。

これが城塞の正門。かつては跳ね上げ式の橋で敵が来ると閉門するはずだ

この日はカルカッソンヌを出発して、翌ステージのスタートとなるモンペリエはパス。すでにゴールのモン・ヴァントゥーまですぐのところに。移動途中のニーム、アルルは熱波が到来すると死ぬんじゃないかというくらいに大変ですが、天気予報によると最高気温は30度にも満たないようです。でも高速道路脇の森林が火災で真っ黒になっているところが数カ所。ラッキーなだけですね。

城内はホテルやレストランがたくさんある
城壁から下界を見下ろす

前日は地平線まで続くひまわり畑。明日はラベンダー。そういうのはもういちいちクルマを停めて撮ることはないです。最後の一週間、心に記憶しておきます。

写真をよく見てください。ボクのスマホレンズが壊れていたり、画像を細工しているわけじゃないですよ
2回目の休息日はプロヴァンス地方へ

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【ツール・ド・フランス旅日記 episode16】この場所には来たくなかった

この道、通ったことあるかも。かつてフランスの地図帳を片手にハンドルを握りながら行く先の町の名前を探して必死になっていた時代が記憶によみがえります。スペインの村で2日間、楽をさせてもらったボクは、この日カルカッソンヌまで大移動。このあたりは高速道路を使わずに抜け道をたどってゴールに向かうことが多く、いたるところでかつての記憶がよみがえります。

ポルテ・ダスペット峠にあるファビオ・カサルテッリの墓標

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【ツール・ド・フランス第15S】ポガチャルのアシスト、ウェレンスが40km独走勝利
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ビエラの石畳の路地をランニング

余裕があるせいかいつもより気づくことが多い

昨年までその余裕がなかったのかもしれませんが、今年は過去に出会った光景に気づくことがとても多いです。あのお店が居抜きで別の系列に変わっているとか、相変わらずあのレストランお客さんが少ないなとか。30年のフランス旅が走馬灯のように、、、

スペイン・ビエラ

高速道路を使ってトゥールーズ経由の300kmは退屈なので、一般道でGPSの指示するとおりにクルマを進めていると、「ポルテ・ダスペット峠」! それと知っていたら回避したはずですが、呼び寄せられるようにあの場所へ。

忘れもしないポルテ・ダスペット峠の下り坂。1995ツール・ド・フランスでバルセロナ五輪の金メダリスト、ファビオ・カサルテッリが激突死したところ。あの日ボクはツール・ド・フランスの現場にいて、ラジオを聞いていなかったのでゴール地点で若きイタリアの選手の死亡を知ることに。

アディオス、エスパーニャ!

苦労して出会った場所を覚えておくようにメモを残していけば、それはそれですばらしい蓄積になるかもと、ツール・ド・フランスを始めて10年くらいしてようやく思い立ち、最初はエクセルのホテルリストにメモを書き込んでいき、そのうち写真をリンクさせたらもっといいかもと。さらに朝ランでアプリ起動してアクティビティとして足跡をつけたり。2018年からはウェブに記事として残すようにして。

いつかは役に立つだろうと継続していましたが、あれ? なんのメリットもなく終わろうとしています(泣

フランスに再入国。ツール・ド・フランスのステージとは関係なく走るサイクリストが多い
2025ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス第15S】ポガチャルのアシスト、ウェレンスが40km独走勝利

第112回ツール・ド・フランスは7月20日、ミュレ〜カルカッソンヌ間の169.3kmで第15ステージが行なわれ、UAEチームエミレーツ・XRGのティム・ウェレンス(ベルギー)が8人の先頭集団の中から残り40kmで単独アタック。ゴールまで逃げ切って初優勝した。タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)は他の有力選手と6分07秒遅れのメイン集団の中でゴール。総合1位のマイヨジョーヌを守った。

UAEチームエミレーツ・XRGのティム・ウェレンス(ベルギー) ©A.S.O.

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米国チャンピオンのクイン・シモンズ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O.
マイヨジョーヌのポガチャル ©A.S.O.

●ステージ成績
1位 ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ・XRG)3時間34分09秒
2位 ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、チーム ヴィスマ・リースアバイク)1分28秒遅れ
3位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリングチーム)1分36秒遅れ

●総合成績
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)54時間22分44秒
2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)4分13秒遅れ
3位 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)7分53秒遅れ

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
マイヨベール(ポイント賞)ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)
□マイヨブラン(新人賞)フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

2025ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O.

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