エベネプール優勝でブエルタ3日目にして首位に…ゴール後に負傷も

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年8月28日、スリアから隣国アンドラのアリンサルまでの158.5kmで第3ステージが行われ、連覇を狙うレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がゴール前で抜け出して優勝。

連覇を狙うエベネプールが最初の山頂フィニッシュを制した ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

2022年の2勝に続く大会通算3勝目を挙げたエベネプールは総合成績でもトップに立ち、EFエデュケーション・イージーポストのアンドレア・ピッコロ(イタリア)からマイヨロホを奪った。

ガッツポーズの直後に関係者と接触して負傷したエベネプール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

いい準備ができていたことを示す勝利だ(エベネプール)

「忍耐強く待つというのがチームの戦術だった。最後の下りで先頭を固めたが、それがいい結果につながった。最後の上りは長くて非常に力強いスプリントができたのでとてもいい気分だった。だからこのステージ勝利にはとても満足している」とエベネプール。アンドラは標高の高い場所で、美しい勝利だったとも語った。

「チームにとって、逃げを捕まえることはとてもいいことだけど、逃げたレナード・ケムナを捕まえたとき、ボクはステージ勝利に集中しなければと決めた。脚にまだ大きなパワーが残っていると感じた。3日目にしてマイヨロホを獲得できたので、これを着て楽しむつもりだ。これはボクの準備がよかったことを示したもので、今後の3週間の準備もできていると感じている」

UAEエミレーツのジェイ・バインらが集団をペースアップ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ログリッチはエベネプールから1秒遅れてゴール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マイヨベルデ(ポイント賞)アンドレア・ベンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)
マイヨルナレス(山岳賞)マッテオ・ソブレロ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

ユンボ・ビスマのセップ・クスはグランツール全出場 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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2023ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手リスト

首位エヴェネプールがコロナ陽性でジロ・デ・イタリア除外

スーダル・クイックステップのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)が第106回ジロ・デ・イタリアを新型コロナウイルスに罹患したため大会から離れることになった。同選手は5月14日の第9ステージ・個人タイムトライアルで優勝し、6日ぶりに首位に返り咲いた。その日に受けたテストで陽性が発覚し、レースを去ることになった。

6日ぶりにマリアローザを奪還したエヴェネプール ©Massimo Paolone/LaPresse

ジロ・デ・イタリアは翌日の15日は休息日で、16日の第10ステージで総合1位にアップしたゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)がマリアローザを着用することになるが、「いい総合優勝争いを本当に楽しみにしていた。ジロ・デ・イタリアで首位に立つことは大きな名誉だが、同時にこれはリーダージャージを獲得したい手段ではない」と、トーマスはエヴェネプールに配慮した発言。

エヴェネプールがトーマスを僅差で制して首位に返り咲く

第106回ジロ・デ・イタリアは5月14日、サビニャーノ・シュルルビコーネ〜チェゼナ間の35.0kmで第9ステージとして個人タイムトライアルが行われ、スーダル・クイックステップのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)がイネオス・グレナディアーズのゲラント・トーマス(英国)を100分の9秒差で制して優勝。

100分の9秒差でトーマスを抑えて優勝したエヴェネプール ©Fabio Ferrari/LaPresse

第1ステージの個人タイムトライアル続く大会通算2勝目で、総合成績で6日ぶりに首位に返り咲いた。

ゲラント・トーマスが1秒差の2位になり、総合成績で45秒遅れの2位に浮上した ©Fabio Ferrari/LaPresse
ゲイガンハートが2秒遅れの3位で、総合成績で50秒遅れの4位に ©Fabio Ferrari/LaPresse
16秒遅れの6位となったログリッチ ©Fabio Ferrari/LaPresse
エヴェネプールが第1ステージに続いて個人タイムトライアルで優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)
□マリアビアンカ(新人賞)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

6日ぶりにマリアローザを奪還したエヴェネプール ©Massimo Paolone/LaPresse

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エヴェネプールがいきなりマリアローザ…ジロ・デ・イタリア開幕

第106回ジロ・デ・イタリアが5月6日にコスタデイトラボッキで開幕。初日の第1ステージは 距離19.6kmの個人タイムトライアルで、スーダル・クイックステップのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)がトップタイムを叩き出し、首位のマリアローザを獲得した。

レムコ・エヴェネプールがジロ・デ・イタリア第1ステージの個人タイムトライアルでトップタイム ©Fabio Ferrari / LaPresse

エヴェネプールは、ジロ・デ・イタリアのステージで優勝した50人目のベルギー選手。ベルギー選手の最多勝利はエディ・メルクスの25勝。

マリアローザを着用した最後のベルギー選手は2001年。アブルッツォ地方のモンテジルヴァーノからペスカーラまでの第1ステージでも優勝したリック・フェルブルッヘ。その前は、1978年に総合優勝したヨハン・デミュインク。

ロードレースでマリアローザを制した最後の世界チャンピオンは、2010年5月9日にユトレヒトで開催されたジロ・デ・イタリアでのカデル・エバンス(オーストラリア)。それ以前は1996年にパッソポルドイでのアブラアム・オラーノ(スペイン)。

イタリアTTチャンピオンのフィリッポ・ガンナは22秒遅れの2位 ©Fabio Ferrari / LaPresse

優勝を争うログリッチに初日だけで43秒差をつけたエヴェネプール

ジロ・デ・イタリア初挑戦のエヴェネプールは、タイムトライアルのベルギーチャンピオンジャージ姿でオープニングステージを勝ち取った。時速55.2kmという驚異的なペースで走り、イタリアチャンピオンのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)を含む他のスペシャリストを、ルートの平坦な部分やオルトナへの上り坂を含めたあらゆる地形で上回った。

アルメイダが29秒遅れで3位に ©Fabio Ferrari / LaPresse

総合優勝を争うライバルであるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は、19.6kmのコースで43秒遅れ。エヴェネプールはキャリアの中で初めてマリアローザを獲得した。

優勝候補のエヴェネプールがジロ・デ・イタリア初日でいきなり首位 ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

アルカンシエルを常に着たいがマリアローザも心地よい

「2022ブエルタ・ア・エスパーニャ以来、すべてのタイムトライアルでフロント60のギヤを使用している。取り扱うのは簡単ではないが、そのセッティングに満足していて、大きな自信を与えてくれる」とエヴェネプール。

「レース前は、ライバルの優勝候補に対して15秒を獲得できれば、素晴らしいスタートになると思っていた。多ければ多いほどよく、グランツールを有利に戦っていくことができる。ログリッチとの43秒はブエルタ・ア・エスパーニャと同じだが、距離はそのときよりも短い。今日勝てて少しびっくりしたが、このコースは長いストレートと短い上り坂があってフィニッシュするので自分によく合っていた。常にアルカンシエルを着ていたいが、マリアローザは素晴らしい変化。このジャージを着て毎日楽しみたい」

ジロ・デ・イタリア第1ステージでマリアローザを獲得したエヴェネプール ©Massimo Paolone / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マリアアッズーラ(山岳賞)テイオ・ゲイガンハート(英国、イネオス・グレナディアーズ)
□マリアビアンカ(新人賞) レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

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世界王者エベネプールが最古のレース、リエージュ~バストーニュ~リエージュで独走

世界チャンピオンのレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が4月23日にベルギーで開催されたリエージュ~バストーニュ~リエージュで独走優勝。2連覇を達成した。

リエージュ~バストーニュ~リエージュを制したエベネプールを中央に左が2位サンティアゴ・ブイトラゴ、右が3位トム・ピドコック ©A.S.O. Maxime Delobel

第109回大会は172選手がスタートし、258.1kmのコースで開催された。1892年に第1回大会が行われ、現在まで継続して行われるレースとしては世界で最も伝統がある。

サンロッシュの丘。2023リエージュ~バストーニュ~リエージュ ©A.S.O. Maxime Delobel

エベネプールは2022年に、ラ・ドワイエンヌとも呼ばれる同大会に初出場して勝利した。この日は勝負どころとして知られるコート・ドラ・ルドゥートで最初に攻撃をしかけ、優勝を争うライバルであるトム・ピドコック(英国、イネオスグレナディアーズ)を追い落として、残り30kmを単独で逃げた。

リエージュ~バストーニュ~リエージュを走る世界チャンピオンのエベネプール ©A.S.O. Maxime Delobel

世界チャンピオンのアルカンシエルを着用してこの大会に優勝したのはフェルディ・キュブラー(1952年)、エディ・メルクス(1972年)、モレノ・アルゼンチン(1987年)に続く快挙。エベネプール自身にとってもアルカンシエルを着ての最初の勝利となった。

アルカンシエルを着用するエベネプール ©A.S.O. Billy Ceusters
世界チャンピオンのエベネプールがベルギーに凱旋 ©A.S.O. Maxime Delobel

ピドコックは2位、バーレーンビクトリアスのサンティアゴ・ブイトラゴは3位で、コロンビア勢として初の表彰台を獲得した。

2023リエージュ~バストーニュ~リエージュ ©A.S.O. Maxime Delobel

UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)は84.5 kmでクラッシュし、手首を骨折してリタイア。

エベネプールがゴールまでの30kmを独走 ©A.S.O. Maxime Delobel

同日に行われた女子のリエージュ~バストーニュ~リエージュファムはSDワークスのデミ・フォレリンク(オランダ)が優勝した。

リエージュ~バストーニュ~リエージュファムで先頭を走るのは世界チャンピオンのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) ©A.S.O. Billy Ceusters

エベネプールがUAEツアーで総合優勝…7日間のステージレースでも強さを見せる

中東を舞台とした唯一のUCIワールドツアー大会、UAEツアーは最終日となる2月26日に第7ステージが行われ、世界チャンピオンのレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が首位を守って初の総合優勝を遂げた。

エベネプール(左)とアダム・イェーツがゴールまでのラストバトル。UAEツアー第7ステージ ©LaPresse

最終ステージはUAEエミレーツのアダム・イェーツが独走勝利したが、エベネプールが10秒遅れの2位でゴールし、逆転を許さなかった。

UAEツアー第7ステージ ©LaPresse

「ジロ・デ・イタリアまでに改善の余地がある」エベネプール

「ジェベル・ハフィートの下から上まですべて全力疾走のオールアウトだった」とエベネプール。

「今年はあまりクライミングトレーニングをしていなかったので、自分のパフォーマンスに満足している。このレースに勝つとは思わなかった。いい結果が出たが、1分差で勝てるとは思っていなかった。今週はずっと調子がよかったし、今日はレッドジャージを守るために戦いたかった。ジロ・デ・イタリアまでに改善の余地があるが、この勝利には満足している」

UAEツアー第7ステージ ©LaPresse
第5回UAEツアー第7ステージ ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023
アダム・イェーツがUAEツアー第7ステージの最後の坂でエベネプールを突き放した ©LaPresse
UAEツアー第7ステージで独走勝利したアダム・イェーツ ©LaPresse
総合優勝のエベネプールを中央に左が2位プラップ、右が3位アダム・イェーツ ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023

ポイント賞はベルギーチャンピオンのティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)で、区間2勝を挙げた。

区間2勝のティム・メルリールがUAEツアーでポイント賞を獲得 ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023