【ツール・ド・フランス現場雑感】思いつきの変更は必ずうまくいかない

スタート直後から逃げたアスグリーンがゴールまで逃げ切った

第110回ツール・ド・フランスは7月20日、ムーティエ〜ブールカンブレス間の185mで第18ステージが行われ、スーダル・クイックステップのカスパー・アスグリーン(デンマーク)が背後に迫る大集団をわずかに振り切って初優勝した。

アスグリーンが初優勝 ©A.S.O. Charly Lopez

総合成績では首位ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)がその座を難なく守った。

表彰式を待つ間にクールダウンするポガチャル ©A.S.O. Pauline Ballet
2023ツール・ド・フランス第18ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
アスグリーンら4選手が逃げに逃げる ©A.S.O. Charly Lopez
マイヨジョーヌのビンゲゴー ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2023ツール・ド・フランス第18ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

広告キャラバン隊に引っかかったのがつまづきの始まり

アルプス最後の朝は軽いランニングから始めました。この町は温泉施設があり、そして温泉施設があるところには必ずカジノがあります。アルプスから流れてくる石灰で白濁した川は激流で、川沿いをランニングしているだけで肌寒さを感じます。

広告キャラバン隊の出陣に引っかかった

シャワーを浴びてから、朝食へ。朝8時には教会の鐘が鳴り響きました。ボクの部屋は隣りにある教会の鐘楼に手が届くくらいに近く、前日夜の鐘の音はものすごくうるさかったのですが、朝食会場にいてよかった。

ブリドレバンという温泉地を夕食後に散歩

ホテルにはブラジルからサイクリングツアーでやってきた団体がいて、そのうちの一人が日系人。たまたま国内旅行に来ていたフランス人の女性が日本語ができるようで、話しかけていました。日本語、久しぶりに聞きましたが、実は日本人ではないという…。

2023ツール・ド・フランス第18ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

スタート地点に顔を出しましたが、暑くなりそうで、しかもこの日は迂回距離も240km以上あるので、早めに出発を決めました。前夜まで周到に動きを考えていましたが、その場で臨機応変に変更できるのが単独取材のいいところ。反面、思いつきなので失敗することも。

エビはフランス語でガンバ

スタート地点の関係車両の複雑な導線はチェックしていたはずなのに、フェンス一つの違いで広告キャラバン隊の出動に切っかかりました。こうなると30分はチーム車両も大会運営車両も足止めを喰らいます。

フランスのアイスはかわいい。ミコはかつて自転車チームもスポンサーしていた

さらにアルベールビルでは高架道路でレースルートをパスできると思ったのに、これが不可能。その結果下道を走ってのどかにゴールに向かうという作戦が頓挫。しかたないので推奨迂回コースである時速130kmの高速道路をリヨンに大きく迂回していくハメに。高速道路はスピードが高いので緊張して疲れ果てます。

千羽鶴が各ステージのプレスセンターで大会を見守っている

フランスの旅もあとすこし。今日は郵便局さえ歴史を感じさせる田舎町へ。宿はバーの2階です。でも落ち着ける雰囲気で、部屋もきれいなので居心地はいいです。

フランスは郵便局さえ歴史的建造物
バーの2階がホテル。部屋にはサーキュレーターがあるだけだが、まずまずの居心地

この日はかなりハードな移動だったので、そしてこの旅で1回は食べておきたかったのでケバブ屋でテイクアウト。もちろん宗教面からアルコールは販売していないので、モンブランでもらったジンの小瓶を炭酸ジュースで割って飲んだらおいしいこと。

ピッツェリア。店頭に掲げられたメーニューを見るとそこそこの値段が

あ、ケバブ屋のポイントカードをもらいました。あと10回はこないような気がしますが。

ケバブ屋のポイントカード

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サポートと補給食付きで富士山1周サイクリングができるイベント

1人ではなかなか挑戦できない富士山1周だが、サポートライダーやサポートカーが帯同し、安心して走れるイベント、富士山1周サイクリング2023が2023年10月1日(日)に開催される。

各エイドステーションでは富士の幸を使った補給物の提供を予定。令和5年度スポーツ振興くじ(toto)助成事業。

1日で富士山周辺の見どころを一気に制覇!

富士イチは御殿場市をスタートして富士山のまわりを反時計回りにぐるっと1周する、走行距離120km、獲得標高1800mのちょっとハードなコース設定。しかしその途中には富士山の伏流水が生み出した富士五湖、青木ヶ原の樹海、幻想的な朝霧高原、15kmものロングタウンヒルなど、文化の違う街並みが次々と現れて見どころ満載。

1日で360度違った角度から富士山を見る!

富士イチを走れば360度すべての角度からさまざまな表情の富士山を見ることができる。赤富士や逆さ富士に代表されるように、富士山と周囲の自然が作る景色は古来から見る人の心を魅了してきた。季節や環境に応じて表情を変え続ける美しい姿に圧倒されるはず。自転車で走るからこそわかる富士山の大きさと自然を1日で満喫しよう。

富士山1周サイクリング2023
開催日:2023年10月1日(日)
申し込み締め切り:2023年9月18日(祝・月)
コース:120kmのみ
参加費:9800円
会場:富士山 樹空の森(静岡県御殿場市)
定員:合計1500名
主催:一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパン
共催:御殿場市
事務局:ツール・ド・ニッポン事務局

●富士山1周サイクリング2023のホームページ

【ツール・ド・フランス現場雑感】アルプス滞在最後の夜くらいは

ポガチャル、最悪のバッドデー…ビンゲゴーに総合で7分35秒差

第110回ツール・ド・フランスは7月19日、サンジェルベ・モンブラン〜クーシュベル間の166mで第17ステージが行われ、AG2Rシトロエンのフェリックス・ガル(オーストリア)が独走し、初出場で金星をつかんだ。

ポガチャル、プロ生活で最悪の1日 ©A.S.O. Pauline Ballet

総合成績では首位ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)が、総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)に5分45秒の大差をつけてゴール。総合成績では7分35秒差となり、大会2連覇に大きく前進した。

アルプスでのし烈な戦い ©A.S.O. Pauline Ballet
ユンボ・ビスマがマイヨジョーヌ集団をコントロール ©A.S.O. Pauline Ballet
ポガチャルがビンゲゴーについていけたのはここまでだった ©A.S.O. Pauline Ballet
山岳賞ジャージを着るチッコーネ ©A.S.O. Pauline Ballet
フェリックス・ガルが初出場で初優勝 ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

マイヨジョーヌを確実に守ったビンゲゴー ©A.S.O. Pauline Ballet

ホテルは値段相応…そして早めに予約するのが正解

街道筋のエアコンもない古びたホテルで一泊。明け方になってクルマの通行が増えてきたころには窓も閉めようと思えるほど外気も冷えてきました。さすがに連日の高地ラン練習で身体が消耗しているため、この日は散歩。街道ではない方向に歩いていくと、オートバイのダートコースがあり、その横の川沿いに気持ちよさそうなサイクリングコースが通っていました。

これまでで最もプレスセンターらしくないプレスセンター

こんなところを自転車で走れたらいいですよね。おそらくアルベールビルからシャンベリーまで、反対側に行けばアヌシー湖まで走っていけるはずです。周囲は林間部なので夏でも太陽光がさえぎられ、熱中症にもならないと思います。

街道筋の、かつては栄えていたかもしれないホテル

すでにこの日のコースの半分まで来ているので、いったんアルベールビルまで戻り、そこからもう何度もクルマで走ったことのあるN90号線を南下。つまりアルプスの奥、ムーティエへ。ここからコースとなりますが、このコース沿いにこの日のホテルがあるので、予約確認のためにいったんフロントに顔を出しておきました。

2023ツール・ド・フランス第17ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

フランス入りするまで日程終盤のホテルを取っていなかったので、すでに手ごろなホテルは満室。この日は宿泊費1万7000円ですが、遠いところまで行くのも大変だろうとお金で解決しました。外見は古びていますが、水回りはきれいに改装されいるのが金額の高いホテルの特徴。とりわけシャワースペースがカーテンではなく、ガラスで覆われているのがありがたいです。カーテンって肌にまとわりつくので気持ちいいものではないですからね。

コース途中にこの日のホテルがあったので、念のため顔を出して予約確認

プレスセンターはスキーのジャンプ競技場。ノルディックではないですが、クーシュべルは2023年2月にアルペンスキーの世界選手権を開催したところです。レースも中盤のまったりしているころ、ジャンプ会場の人工芝にスプリンクラーで水が撒かれ、女子選手が練習を始めたので、取材陣も興味津々。まさにスキーリゾートでの夏場の戦いです。

今年はアルプスでの滞在が長く、かれこれ6日目。酷暑の日本のみなさんには申し訳ないですが、昨日をのぞいてほぼ快適に過ごしています。

練習が始まったんですけど…

ホテルにはプールがあって、その横のテラス席がレストラン。これまでスペイン、ポツンと一軒宿の夕食、ムール貝のレオン・ド・ブリュッセル、来来軒、、ベトナム料理の外食でしたが、アルプス最後にようやくフランス料理。

フランス料理の定義は、食後に「チーズは?」と聞かれればフランス料理です。

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【ツール・ド・フランス現場雑感】アルプスで至福の時を過ごす

ビンゲゴーが驚異的トップタイムでポガチャルとの差を1分48秒に

第110回ツール・ド・フランスは7月18日、パシ〜コンブルー間の22.4kmで第16ステージとして個人タイムトライアルが行われ、首位のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)がトップタイム。10秒遅れの総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は1分38秒遅れの区間2位だった。この結果、ビンゲゴーはライバルとの差を一気に1分48秒に広げ、連覇に一歩前進した。

マイヨジョーヌのビンゲゴーがトップタイム ©A.S.O. Charly Lopez
タデイ・ポガチャルがゴール後に落胆の表情を見せる ©A.S.O. Pauline Ballet
区間3位のワウト・ファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet
ローラン・ピション ©A.S.O. Charly Lopez
クインテン・ヘルマンス ©A.S.O. Charly Lopez
バランタン・フェロン ©A.S.O. Charly Lopez
タデイ・ポガチャル ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

マイヨジョーヌのヨナス・ビンゲゴー ©A.S.O. Pauline Ballet

大自然の中にたたずんでいるとすべてが報われる気がした

23日間の大会に国際規定として義務づけられた2回の休息日。最初のクレルモンフェランもそうでしたが、2回目のここサンジェルベ・モンブランも4日間のお祭りとなりました。どちらも日曜日に当地にゴール。翌日が休息日。火曜が近隣でレース。そして水曜にその町をスタートしていきます。主催者が今回初めて取り入れた興行施策ですね。

ホテルの部屋着は作務衣。現在午後10時

今回はモンブラン直下の山小屋に2連泊したのですが、よく考えてみるともう1泊してもよかったですね。序盤に宿泊した「ポツンと一軒宿」と同様にオーナーは英国人。チェックイン時に、「それでは明日の朝ごはんで」と突き放され、そうはいってもわが家のようにキッチンの冷蔵庫を使ったり、芝生の真ん中にある板張りのテラスでチェアに座って山々をながめていたり。

朝のラン練習で見つけた景観

朝食は午前8時くらいにボクが先陣を切ってダイニングに座り、フレークを含めた朝ごはんが始まるといったスタイルでした。卵料理は必ず目玉焼きで、それでもおいしかったです。

3日連続のプレスセンターとなったサンジェルベ・レバンからの景観

前日の夕方はチェアに座って、乾いた風を感じながらアルプスをながめるだけ。これまでの苦労をつくづく思い返していました。大変なこともありましたが、こうして気持ちいい空気に包まれながら大自然の中にたたずんでいるとすべてが報われる気がしました。

標高は高いが直射日光は厳しく、大型テント内は暑い

さて第16ステージのホテルは一転して、36年前の苦労が蘇るようなところ。まず、案内された部屋がクリーニングされていなくて、あわてて別の部屋をあてがわれました。小さなシングルからダブルベッドに昇格したのはいいんですが、テレビが壊れている。ブラインドが壊れている。そしてエアコンが無いので扇風機。コンセントが1カ所だけなので扇風機をつけているときは充電できず。

アルベールビルからアヌシーまで走りに行けるのだ

まあ、シャワーのお湯も出るし、36年前にモンテリマールの街道筋にあるさびれた宿に泊まったときよりもマシでした。とにかく今は大抵のホテルはWiFiがしっかり接続できるので、SNSで日本のみなさんの励ましも読むことができるのです。

アルベールビルに走りやすそうなサイクリングルートがあった
マチュー・ビュルゴドー ©A.S.O. Charly Lopez

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メガ世界選手権グラスゴーに日本代表は佐藤水菜、梶原悠未など67選手

UCI自転車世界選手権・英国グラスゴー大会が2023年8月3日から13日まで開催され、日本自転車競技連盟は男子43選手、女子24選手の合計67選手を派遣する。

トラック・スプリント、ケイリン、チームスプリント代表の佐藤水菜 ©Japan Cycling Federation

今回の世界選手権は自転車競技のオリンピック・パラリンピック採用種目をはじめ複数種目が同じ場所、同じ期間で開催される史上初の大会。

競技種目はロード、トラック、マウンテンバイク、BMXフリースタイル、BMXレーシング、パラサイクリングトラック、パラサイクリングロード、インドア、トライアル、グランフォンドで、グランフォンド種目のみ個人エントリー。

2年連続の2位、1番になって世界チャンピオンに…佐藤水菜

世界選手権は2021年、2022年とケイリンで銀メダルを得たものの、未だ1番になれていない大会です。今年こそ目標でもあるアルカンシエル(世界チャンピオンジャージ)を獲得できるように、しっかり結果を出してきたいと思います。また、個人種目だけでなく、チーム種目でもいい結果を残すようにしたいです。これまで、たくさんの方々にサポートしてきてもらっているので、大会では活躍して、応援して下さるみなさんに元気を届けられればと思います。

女子チームパシュートは梶原悠未、内野艶和、垣⽥真穂、池⽥瑞紀、古⼭稀絵 ©Japan Cycling Federation

厳しく苦しい練習を乗り越えたので悔いのないレースを…梶原悠未

これまでの厳しく苦しい練習を乗り越え、2023年UCIトラック世界選手権大会への出場権を獲得することができました。私たちがここまで来られたのは、指導してくださったダニエル・ギジガーコーチをはじめ、家族、仲間、スポンサー各社の支えがあってのことだと思い、感謝の気持ちでいっぱいです。応援してくださったみなさんの期待に応えられるよう、成果を発揮し、悔いの残らないよう頑張ります。応援よろしくお願いします。

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パラサイクリング・トラック、ロード、ロードTT代表の杉浦佳⼦ ©Japan Cycling Federation

パリ五輪出場のためにポイントを獲得したい…杉浦佳子

今大会では2024年パリパラリンピック出場のための国際ポイントを獲得することが目標です。そして、今年はワールドカップの参加ができなかったので、この大きな国際大会で他国の選手たちをしっかり観察し、残り1年、有意義なトレーニング期間としたいと思います。

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前人未到の大会連覇を目指す…中村輪夢

BMXフリースタイル・パーク代表の中村輪夢 ©Japan Cycling Federation

ディフェンディングチャンピオンとして挑む世界選手権になりますが、7月のワールドカップでも表彰台に上がれたので、調子が上がってきています。今回の世界選手権に向けて練習を続けてきている新技があるので、それをメイクして、フリースタイル・パークでは誰も成し遂げていない大会2連覇を目指したいと思います。

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BMXフリースタイル・フラットランド代表の佐々木元 ©Japan Cycling Federation
BMXフリースタイル・フラットランド代表の中川きらら ©Japan Cycling Federation
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BMXレーシングU23代表の籔⽥寿⾐ ©Japan Cycling Federation
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【ツール・ド・フランス現場雑感】山小屋の部屋からモンブランが見える!?

アシスト役を務め続けたプールスが35歳で夢を叶えた

第110回ツール・ド・フランスは7月16日、レジェ・レ・ポルトデュソレイユ〜サンジェルベ・モンブラン間の179kmで第15ステージが行われ、バーレーンビクトリアスのワウト・プールス(オランダ)が初優勝。

スカイでアシスト役を務めたプールスが自分の勝利のために走る ©A.S.O. Pauline Ballet

総合成績では首位ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)が10秒遅れの総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)のアタックを封じ込め、リーダージャージのマイヨジョーヌを守った。

激闘を続けるポガチャル(左)とビンゲゴー ©A.S.O. Pauline Ballet
アレクセイ・ルツェンコが先行する ©A.S.O. Pauline Ballet
ワウト・プールス(中央)がソレルとファンアールトとともにトップに ©A.S.O. Pauline Ballet
プールスが第15ステージで独走 ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2023ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

冷蔵庫で冷やしたビールを飲むなんてめったにない

世界有数のリゾート地、アルプス。1年に2、3日ほどボクもこの心地いい場所に滞在することができます。おりしもフランスは7月14日の革命記念日から本格的なバカンス時期に。クルマがひしめきますが、なんとなく養われた嗅覚でツール・ド・フランスのコースから離脱する一般車両を回避するルートを選択。ゴールから大回りとはなりましたが、渋滞することなくアンヌマスの隣町にある連泊ホテルに生還しました。

部屋の窓から右上にモンブランが見える

アルプス初日を無事にクリアしたのですから、夕食はお金を出してもしっかりしたところへ。歩いていけるところに見つけた来々軒のイメージしかありませんでした。ところが行ってみたら、体育館ほどの広大な店舗は午後9時近かったこともあってほぼいっぱい。それを見た瞬間に5000円を出すことに戸惑いが生じ、隣りにあるマクドナルドに変更。

2023ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

部屋にはまだいただいたワインや食前酒などがいっぱいあるので、それを消化しないといけませんからね。

翌日は川沿いのダートを8kmランニングし、いつものようにシャワーを浴びてさっぱりしてから朝食に。この日はスタートに行かず、そしてゴールも高速道路を使えば1時間ほどなので、あまり早く出ても時間を持て余すなとお部屋でちょっとのんびりしてから出発。

サンジェルべのクラフトビール

まずはサンジェルべ・モンブランへ。さらにホテルのあるシャモニー方面へ。宿泊先の山小屋はオーナー夫婦もいる部屋貸しです。トイレとシャワーが共同で、それでも2泊で150ユーロなので結構な金額。ただし部屋の窓を開け放つと草原があって、そこに洗濯物のシーツが干してあるんですが、その向こうにはモンブランが。

2023ツール・ド・フランス第15ステージはアルプスへ ©A.S.O. Pauline Ballet

なかなか雲が切れないのでいい写真が撮れなかったのですが、このエリアに別荘や山小屋が多いのは、他の山に隠れることなくモンブランが見えることなんですね。 周囲に飲食店やスーパーはありません。キッチンは滞在者なら無料で使えるので、まずはいつもなら洗面所で水を流して冷やすだけのビールを冷蔵庫で冷やし、お湯を作って非常食のご飯にかければまずまずの夕食になることでしょう。

サイクリストが絶景を背景に記念写真を撮っていた

この日のサンジェルべは2016年に来たときもクラフトビールを飲ませてくれましたが、今回も瓶ビールを持たせてくれました。フランスに来て、冷蔵庫で冷やしたビールを飲むことは稀なんです。

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