【ツール・ド・フランス現場雑感】アルプスで至福の時を過ごす

ビンゲゴーが驚異的トップタイムでポガチャルとの差を1分48秒に

第110回ツール・ド・フランスは7月18日、パシ〜コンブルー間の22.4kmで第16ステージとして個人タイムトライアルが行われ、首位のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)がトップタイム。10秒遅れの総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は1分38秒遅れの区間2位だった。この結果、ビンゲゴーはライバルとの差を一気に1分48秒に広げ、連覇に一歩前進した。

マイヨジョーヌのビンゲゴーがトップタイム ©A.S.O. Charly Lopez
タデイ・ポガチャルがゴール後に落胆の表情を見せる ©A.S.O. Pauline Ballet
区間3位のワウト・ファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet
ローラン・ピション ©A.S.O. Charly Lopez
クインテン・ヘルマンス ©A.S.O. Charly Lopez
バランタン・フェロン ©A.S.O. Charly Lopez
タデイ・ポガチャル ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

マイヨジョーヌのヨナス・ビンゲゴー ©A.S.O. Pauline Ballet

大自然の中にたたずんでいるとすべてが報われる気がした

23日間の大会に国際規定として義務づけられた2回の休息日。最初のクレルモンフェランもそうでしたが、2回目のここサンジェルベ・モンブランも4日間のお祭りとなりました。どちらも日曜日に当地にゴール。翌日が休息日。火曜が近隣でレース。そして水曜にその町をスタートしていきます。主催者が今回初めて取り入れた興行施策ですね。

ホテルの部屋着は作務衣。現在午後10時

今回はモンブラン直下の山小屋に2連泊したのですが、よく考えてみるともう1泊してもよかったですね。序盤に宿泊した「ポツンと一軒宿」と同様にオーナーは英国人。チェックイン時に、「それでは明日の朝ごはんで」と突き放され、そうはいってもわが家のようにキッチンの冷蔵庫を使ったり、芝生の真ん中にある板張りのテラスでチェアに座って山々をながめていたり。

朝のラン練習で見つけた景観

朝食は午前8時くらいにボクが先陣を切ってダイニングに座り、フレークを含めた朝ごはんが始まるといったスタイルでした。卵料理は必ず目玉焼きで、それでもおいしかったです。

3日連続のプレスセンターとなったサンジェルベ・レバンからの景観

前日の夕方はチェアに座って、乾いた風を感じながらアルプスをながめるだけ。これまでの苦労をつくづく思い返していました。大変なこともありましたが、こうして気持ちいい空気に包まれながら大自然の中にたたずんでいるとすべてが報われる気がしました。

標高は高いが直射日光は厳しく、大型テント内は暑い

さて第16ステージのホテルは一転して、36年前の苦労が蘇るようなところ。まず、案内された部屋がクリーニングされていなくて、あわてて別の部屋をあてがわれました。小さなシングルからダブルベッドに昇格したのはいいんですが、テレビが壊れている。ブラインドが壊れている。そしてエアコンが無いので扇風機。コンセントが1カ所だけなので扇風機をつけているときは充電できず。

アルベールビルからアヌシーまで走りに行けるのだ

まあ、シャワーのお湯も出るし、36年前にモンテリマールの街道筋にあるさびれた宿に泊まったときよりもマシでした。とにかく今は大抵のホテルはWiFiがしっかり接続できるので、SNSで日本のみなさんの励ましも読むことができるのです。

アルベールビルに走りやすそうなサイクリングルートがあった
マチュー・ビュルゴドー ©A.S.O. Charly Lopez

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